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Yamareco

記録ID: 166483
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積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

硫黄岳(夏沢鉱泉から)

2012年02月03日(金) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
6.6km
登り
713m
下り
713m

コースタイム

10:44 夏沢鉱泉
11:29 オーレン小屋
12:00 夏沢峠
14:14 硫黄岳
14:50 硫黄岳(下山開始)
15:26 夏沢峠
16:00 オーレン小屋
16:26 夏沢鉱泉(泊)
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2012年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
JR茅野駅〜(送迎)〜夏沢鉱泉
スーパーあずさ1号でJR茅野駅へ。夏沢鉱泉の車に迎えに来てもらい、途中の駐車場で雪上車「ハイパーデルタV3」に乗り換える。
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スーパーあずさ1号でJR茅野駅へ。夏沢鉱泉の車に迎えに来てもらい、途中の駐車場で雪上車「ハイパーデルタV3」に乗り換える。
雪上車でも慎重に徐行するような凸凹道を通って夏沢鉱泉に到着。不要な荷物を預け、硫黄岳に向けてすぐに出発。
雪上車でも慎重に徐行するような凸凹道を通って夏沢鉱泉に到着。不要な荷物を預け、硫黄岳に向けてすぐに出発。
夏沢鉱泉の前からは北アルプスが見えた。写真中央のやや雲をかぶっているのが槍ヶ岳、その右側のピークが常念岳。左側の木の陰になっているのが穂高連峰。手前右側に鉢伏山、さらに手前は霧ヶ峰から続くならだかな稜線。
夏沢鉱泉の前からは北アルプスが見えた。写真中央のやや雲をかぶっているのが槍ヶ岳、その右側のピークが常念岳。左側の木の陰になっているのが穂高連峰。手前右側に鉢伏山、さらに手前は霧ヶ峰から続くならだかな稜線。
まずは沢沿いのなだらかな樹林帯を行く。ここはトレッキングポールを使用。
まずは沢沿いのなだらかな樹林帯を行く。ここはトレッキングポールを使用。
トレースはしっかり付いていた。
トレースはしっかり付いていた。
樹氷に覆われた木々は、繊細な芸術品のようだ。
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樹氷に覆われた木々は、繊細な芸術品のようだ。
このルートを通る人にはお馴染み? 木のゲートをくぐる。
このルートを通る人にはお馴染み? 木のゲートをくぐる。
硫黄岳が見えてきた。
硫黄岳が見えてきた。
オーレン小屋に到着。シャッターの閉まった入口にはしめ飾りが飾られたままだった。
オーレン小屋に到着。シャッターの閉まった入口にはしめ飾りが飾られたままだった。
オーレン小屋から峰の松目を望む。
オーレン小屋から峰の松目を望む。
どうしようもなく青い空に、白銀の樹氷が映える。
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どうしようもなく青い空に、白銀の樹氷が映える。
夏沢峠に到着。硫黄岳と爆裂火口を望む(山頂付近から雪煙がたなびいているのが見える)。
夏沢峠に到着。硫黄岳と爆裂火口を望む(山頂付近から雪煙がたなびいているのが見える)。
夏沢峠から東側に広がる景色(群馬方面)。
夏沢峠から東側に広がる景色(群馬方面)。
夏沢峠から先はトレースがない! 山荘のすぐ近くは岩場で穴があるのか、いきなり腰までズッポシ。そこから先はふくらはぎ〜太ももくらいまでのラッセル。
こんなときのためにワカンを用意してきたのだが、樹林帯を抜けるまでの辛抱だと思うと着脱の手間が惜しくて結局使わなかった。
夏沢峠から先はトレースがない! 山荘のすぐ近くは岩場で穴があるのか、いきなり腰までズッポシ。そこから先はふくらはぎ〜太ももくらいまでのラッセル。
こんなときのためにワカンを用意してきたのだが、樹林帯を抜けるまでの辛抱だと思うと着脱の手間が惜しくて結局使わなかった。
苦戦の跡。ときどき腰くらいまで深くなり、ひざや足で踏み固めようとしてもサラサラした雪なのでちっとも固まらず、まったく前へ進めなくなるところも。ほとんど四つん這いになって乗り越える。
苦戦の跡。ときどき腰くらいまで深くなり、ひざや足で踏み固めようとしてもサラサラした雪なのでちっとも固まらず、まったく前へ進めなくなるところも。ほとんど四つん這いになって乗り越える。
なんとかラッセル区間を脱出。雪面が固くなってきたのでアイゼンを装着し、目出帽を着けて風に備える。振り返れば、いつの間にか夏沢峠の山荘があんなに低く見える。右奥には浅間山から四阿山、根子岳へと連なる山並み。
なんとかラッセル区間を脱出。雪面が固くなってきたのでアイゼンを装着し、目出帽を着けて風に備える。振り返れば、いつの間にか夏沢峠の山荘があんなに低く見える。右奥には浅間山から四阿山、根子岳へと連なる山並み。
稜線から西方を望む。左側から続く細い盆地の先(写真中央)に見えるのは諏訪湖。その一直線上に乗鞍岳・・・が見えるはずなのだが、雲に隠れてしまって見えているのは手前の鉢盛山のようだ。
稜線から西方を望む。左側から続く細い盆地の先(写真中央)に見えるのは諏訪湖。その一直線上に乗鞍岳・・・が見えるはずなのだが、雲に隠れてしまって見えているのは手前の鉢盛山のようだ。
樹林帯を抜けてしばらくはルートが分からず苦労したが、さらに登って雪が少なくなると夏道が判別できるようになった。
樹林帯を抜けてしばらくはルートが分からず苦労したが、さらに登って雪が少なくなると夏道が判別できるようになった。
急斜面をトラバース。ピッケルを持つ手に自然と力が入る。
急斜面をトラバース。ピッケルを持つ手に自然と力が入る。
岩場を巻いていく。
岩場を巻いていく。
雪と岩のミックス地帯。雪は適度に締まっていてアイゼンが良く効く。
雪と岩のミックス地帯。雪は適度に締まっていてアイゼンが良く効く。
後方には天狗岳の双峰が姿を現す。
後方には天狗岳の双峰が姿を現す。
杭にできた海老の尻尾。山頂から100mくらい下のあたりが一番風が強かったが、この日は強風というほどではなく少し体が押される程度。
杭にできた海老の尻尾。山頂から100mくらい下のあたりが一番風が強かったが、この日は強風というほどではなく少し体が押される程度。
山頂へと続く道。途中、傾斜がきつくてなかなか足が前へ進まない区間があったが、ようやくなだらかになってきた。
山頂へと続く道。途中、傾斜がきつくてなかなか足が前へ進まない区間があったが、ようやくなだらかになってきた。
ケルンに導かれて山頂へ。
ケルンに導かれて山頂へ。
あのケルンが一番最後だろうか。
あのケルンが一番最後だろうか。
迫力の爆裂火口。山頂からよりも、少し下のこのあたりから見たほうが迫力があった。
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迫力の爆裂火口。山頂からよりも、少し下のこのあたりから見たほうが迫力があった。
山頂まであと少し。
山頂まであと少し。
ようやく頂上に到着! 広い山頂には誰もおらず、360度のパノラマを独り占め。
ようやく頂上に到着! 広い山頂には誰もおらず、360度のパノラマを独り占め。
南には横岳、赤岳、阿弥陀岳が大迫力で聳え立つ。
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南には横岳、赤岳、阿弥陀岳が大迫力で聳え立つ。
中でも赤岳は凛々しい。来週はあそこに登るんだと思うと気が引き締まる。
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中でも赤岳は凛々しい。来週はあそこに登るんだと思うと気が引き締まる。
爆裂火口。三角点はこの先にある。今回は行かなかったが、今思えば行けばよかった(三角点からは富士山も見えるそうだ)。
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爆裂火口。三角点はこの先にある。今回は行かなかったが、今思えば行けばよかった(三角点からは富士山も見えるそうだ)。
寒さでカメラが瀕死状態になり、電源を入れてもすぐに切れてしまう。だましだまし、なんとかセルフ撮りに成功(やっぱり自分が写っていないとね・・・)。今回はピッケルにリーシュでミニ三脚をくくりつけたが、ベルクロテープかバンジーコードがあるといいかもしれない。
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寒さでカメラが瀕死状態になり、電源を入れてもすぐに切れてしまう。だましだまし、なんとかセルフ撮りに成功(やっぱり自分が写っていないとね・・・)。今回はピッケルにリーシュでミニ三脚をくくりつけたが、ベルクロテープかバンジーコードがあるといいかもしれない。
山頂には30分以上滞在した。もうすぐ3時、名残惜しいが下山を始める。北には天狗岳から北横岳、蓼科山まで見える。
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山頂には30分以上滞在した。もうすぐ3時、名残惜しいが下山を始める。北には天狗岳から北横岳、蓼科山まで見える。
佐久から小諸、上田へと続く盆地と浅間連峰。硫黄岳からは、細い盆地と山脈からなる長野県の地形がよくわかる。
佐久から小諸、上田へと続く盆地と浅間連峰。硫黄岳からは、細い盆地と山脈からなる長野県の地形がよくわかる。
峰の松目。そこまでは無理でも時間があれば途中の赤岩の頭まで行きたかったが、今回は諦めた。
峰の松目。そこまでは無理でも時間があれば途中の赤岩の頭まで行きたかったが、今回は諦めた。
足元にはシュカブラ。
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足元にはシュカブラ。
再びラッセル区間で苦労して(太ももまで潜った足が抜けない!)、夏沢峠に戻ってきた。最後にもう一度、硫黄岳を振り返る。
再びラッセル区間で苦労して(太ももまで潜った足が抜けない!)、夏沢峠に戻ってきた。最後にもう一度、硫黄岳を振り返る。
今夜の宿、夏沢鉱泉に帰着。
今夜の宿、夏沢鉱泉に帰着。
食堂には「岳愛」の文字が。岳を愛す、いい言葉だなあ。誰の書だろう?
食堂には「岳愛」の文字が。岳を愛す、いい言葉だなあ。誰の書だろう?
夕食は品数豊富で量も多く、いわゆる「山小屋」の食事とはまったく別物のごちそうだ。
夕食は品数豊富で量も多く、いわゆる「山小屋」の食事とはまったく別物のごちそうだ。
食堂の窓から見た夕焼け。今日はまたとない快晴に恵まれ、最高の1日だった。
食堂の窓から見た夕焼け。今日はまたとない快晴に恵まれ、最高の1日だった。

感想

■ 今回は個人山行で八ヶ岳へ。立てた計画は次のとおり。

・マイカーがないので、JR茅野駅から送迎してもらえる夏沢鉱泉に宿泊。
・雪山単独行ということで、1日目は比較的初心者向けの硫黄岳へ(夏沢鉱泉〜夏沢峠は翌日の下見も兼ねる)。
・2日目は箕冠山、根石岳を経由して東天狗・西天狗へ登り、東天狗で引き返した先週のリベンジを果たす。余裕があれば中山方面へも。

会社勤めなので(当然)土日に行くつもりだったが、すでに夏沢鉱泉の土曜日の予約は満室(これも当然)。なので思い切って金曜日に年休を取ることにした。そうはいっても人気の山域、平日でも大勢の宿泊者がいるのかと思ったら、この日の宿泊者はたったの2人! 平日と休日でこれほど違うのか。おかげで広い個室を利用でき、静かな夜を過ごすことができた。

■ 硫黄岳への行き帰りでも山頂でも、誰とも会わなかった。他のルートから登った人はいたかもしれないが、夏沢峠から先にトレースがなかったことを考えると、この日に夏沢鉱泉から夏沢峠経由で硫黄岳に登ったのは自分1人だけかもしれない。まさに絶景を独り占め。平日の山行、おすすめです(笑)。

■ そしてこの日は素晴らしい快晴に恵まれた。麓から山頂まで、ずっと晴れているというのは珍しいんじゃないだろうか? 日頃の行いがいいわけでもないのに(そもそも会社をサボって遊んでいるくらいだし)、申し訳なくなるほどの好天だった。それにしても、山の印象の良し悪しは天候によるものが大きいと実感。それは翌日のレコ(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-166731.html)を見ていただくとわかると思う。

■ 好天かつ初級コースということもあり、苦労したのは夏沢峠から先のラッセル区間くらいで、あとは特に難しいところはなかった。ただ、稜線上は急斜面のトラバースで風の強いところがあり、これがガイド登山だったらアンザイレン(コンテニュアス)したのかなあ・・・とも思う(初心者同士だとかえって危険な気もするが)。また、急な登りでは酸素が薄いせいもあってかなかなか足が進まず、休み休みになるところもあった。

■ 夏沢鉱泉はおすすめ! JR茅野駅からの送迎があるので、これだけでもマイカー無し族にとっては数千円分の価値がある。そして、硫黄岳から戻ってきたときにまず「お風呂と夕食、どちらを先にしますか?」と聞かれてびっくり。ここは山小屋ではなく温泉旅館なんだ・・・と悟った。寒い山から下りてきてすぐに温泉で体を温め、血行促進できるというのは本当に有難い。

そして夕食は、山海の珍味といったら大げさだが海のものから山のものまで品数が豊富で量もたっぷりあり、糖質はもちろんたんぱく質や野菜も摂れて栄養のバランスもいい。

夜は湯たんぽのサービス付き。これが朝まで冷めず、夜中の寒さとは無縁。温泉、食事、睡眠で疲労回復はバッチリ、翌日の山行の活力も沸いてくるというものだ。「何を甘っちょろいこと言ってるんだ、雪山はテントだろ!」という方には馬鹿にされそうだが、もちろんこういう山行もあっていいと思う。

館内には山の雑誌のバックナンバーや書籍も揃っていて、悪天候による停滞時も心配なし(ただし、1日中部屋にいていいかは不明)。数泊して天気のいい日に山頂へ向かう、という方法もありだと思う。

基本的に、硫黄岳と天狗岳に登ってしまえばあまり利用する必要のない宿になるかもしれないが、その後もまた来てもいいなあと思わせるところだった。

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