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Yamareco

記録ID: 1762155
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雪山ハイキング
十和田湖・八甲田

八甲田山

2008年05月05日(月) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
7.2km
登り
501m
下り
774m
過去天気図(気象庁) 2008年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)

感想

さてさて、本日は残雪の{{{八甲田}}}にチャレンジです!

まずはロープウェイの山頂まで、文明の利器を使ってひとっ飛びします。ロープウェイは始発から臨時便が出るほどの混雑でした。ほとんどがスキーヤーでたまーにボーダー。山麓駅の周りにはほとんど雪が無く、それどころかすでに初夏のように木々の緑が濃くなってきているので、大勢のスキーヤーがいるのは少々不思議な感じのする光景です。

逸る心を抑えつつ、すし詰めのロープウェイに揺られること10分。この10分の間に、季節は初夏から春、そして冬へと逆戻りしていきました。下界を見下ろすと…見て下さいな、この{{{季節のグラデーション}}}を!
麓から順番に春がやってくる様子が一目瞭然ではないですか。こんなにはっきりと季節の移り変わりがわかるなんて!
一面の雪景色も素晴らしいですが、これはこれでなんか感動します。

ロープウェイの山頂駅から下界を眺めただけでも充分に感動するのですが…もちろん今日はこれで終わりではありません!
赤倉岳・井戸岳を経由し、八甲田大岳の山頂を踏み、そこからさらに硫黄岳を経て笠松峠付近の国道へ抜ける…そういうルートになっています。

八甲田大岳までは、ほぼ夏道に沿ってのコースですが硫黄岳と、そこから笠松峠までのコースは夏道のない積雪期限定のルートとなります。うおお! なんかこう、{{{登山です}}}って感じじゃないですか!(笑
いつも我々ヘロヘロ隊が行っている{{{山歩き}}}とは根本的に違うぜっ!みたいな。

=== うひょう! はやくも変な脳内物質がっ!(笑 ===

午前9時と少々、いよいよスタートです。
まずは正面に見える{{{赤倉岳・井戸岳}}}をめざしますよぉ!

ロープウェイの山頂駅から赤倉岳方面に向かうには、まず一度田茂萢湿原へとゆるゆると下っていきます。とはいえ、もともとあまり起伏のないなだらかな地形な上に、残雪がたっぷり残っているので、ほとんど地形の制約を受けることなく、まっすぐに進んでいくことができます。

スタートからものの10分ほどで、赤倉岳への取り付きまで進みます。以前、真夏にこのコースを辿った時は、もっともっと時間がかかったような気がします。このスピードは、地形の制約を受けない今の季節でしかありえないでしょうね。

高台のちょっとした展望地にて、今来た道を振り返りながら休憩。ロープウェイの山頂駅が小さく見えます。こういう景色を見ると、人間の足って結構歩けるもんだね〜と妙に感心してしまうのは私だけ?

赤倉岳への登りは、中腹を過ぎたあたりから夏道が顔を出していました。なんというか、ホッとするようなガッカリするような…。それにしても、残雪帯と夏道の境目あたりは歩きにくいですねぇ。足下の雪に気をとられていると木の枝に引っかかったりしますし枝などの障害物に気をとられていると、樹木の根っこの周りにぽっかりと空いた穴に落ちそうになりますし…。

ここもツートンさんは小動物系の素早く細やかな動きで突破していきます。
木の枝にバサバサ引っかかりまくってペースが鈍っているのは私のほう(^^;
正直すまんかった。色々心配してはみたものの

=== むしろ足手まとってるのは、私でしたわ(笑 ===

はっはっは。



orz

樹林帯さえ抜けてしまえば、障害物に煩わされる事もありません。赤倉岳への直登をエッコラヘッコラ登っていきます。全体的に楽な今日の行程の中で、ここが一番きつかったですかね〜。

直線的な登り坂を登り終えると景色が一変します。火口壁の直上の稜線に出たのです。切り立った崖と、そこにごっそりと残る残雪。残雪のお陰なのか、以前真夏に来たときに比べて地形が丸みを帯びて見えるような気がします。

この高度くらいになると、周りの山々の様子もはっきりとわかるようになりました。今日は、ちょっと天気が心配だったので雨が降っていないだけでも御の字なわけですが思っていたよりも天気は良いのかもしれません。

八甲田周辺の山々ははっきりと確認できます。昨日、kinさん達が登頂に成功した櫛が峰も見えていますね。面白そうな雪の斜面が見えますなぁ。

ここで休憩をとります。皆さんは思い思いに水分を補給したり、あめ玉を取り出したりしていますが、私は早くも行動食に手を出しました。朝にチーズを挟んだパンやら、kinさん特製の爆盛サラダやら、結構一杯食べたのに…いや、それ以前に、昨夜あれほど食べて飲んだというのに、すでにお腹が

=== うきゅるきゅるる〜 ===

などと非常にわかりやすいエンプティサインを送ってきております。どんだけ燃費の悪い体質なんだ(笑
たぶん、何らかの災害や食糧危機などが発生した場合、私は真っ先に死ぬと思われます(笑
怪我や病気などしなくても、ふつ〜に餓死しそう(^^;

燃料補給後は稜線沿いの細道を赤倉岳・井戸岳目指して歩きます。このあたりはあまりアップダウンもなく、ハイキング気分で歩くことができます。燃費の悪い私でも、このへんは鼻歌混じりに散策を楽しめてしまいますな〜。

赤倉岳の山頂から。南八甲田の山々が手に取るように見えます。八甲田大岳への道のりが一望できました。う〜ん、雪は無いようですな。

きれいな円錐形の高田大岳が見えてきました。このあたりは、ひとつピークを越えるごとに、稜線のカーブを回るごとに、つぎつぎと色々な風景が現れ退屈することがありません。

いよいよ目指す八甲田大岳が間近に迫ってきました!
スリップ注意! な下り坂。
浮き石が多いのでうっかり乗ってしまうとかなり危険です。

大岳避難小屋が見えてきました。まずは小屋を目指します。
小屋の手前に雪解け水の水たまりができているのが確認できると思うのですが近づいてわかったことですが、この水たまりが夏道を沈めてしまっていました。この水たまりを避けるために、小屋のすぐ近くで藪こぎをするハメになってしまいました(^^;

大岳避難小屋で休憩をとります。立派な作りの大岳避難小屋。この前で休憩をとりました。休んでいると続々とスキーヤー達が到着し、小屋の前は一気に賑やかになります。

スキーヤー達は徒歩の我々を見ると一様に
「うわ、歩きだってよ」
「下りも歩くのか〜」
という反応を見せます。
途中で見かけた別のスキーヤー達からも同じ事を言われました(笑

そして不思議なことに、このような会話の後、必ずと言っていいほど
「スキーいいよ? やらない? 特にテレマーク」
とお誘いがかかります。この時も例に漏れずお誘いがありました(笑

同じように山に入ってきているボーダーからは、あまりこういった勧誘を受けたことはないのですが、なぜかテレマークをやっている人達からはよく勧誘されますね〜。

さて、十分に休んだら、いよいよ八甲田大岳へと登っていきます。他のパーティの方々共々、一列渋滞になって雪の斜面を這い登ります。かなり急な斜面でしたが、前に何人も人がいてステップがしっかり切られているのでかなり楽ちん♪

下から見上げると巨大な八甲田大岳ですが、ものの十分も登れば頂上に立つことができます。11時30分、{{{八甲田大岳山頂に到達}}}しました♪

相変わらず、空はどんよりと曇っていますが、思いの外周りの景色はよく見えます。ほぼ360°全ての眺望を得ることができました。今回といい、早池峰の時といい、ギリギリで晴れ男の面目が保たれました!

さっきまで雲に遮られて見えなかった岩木山も姿を現してくれました。全貌…というわけにはいきませんでしたが、その秀麗な裾野が雲間から垣間見れます。うーん、なんていうか全部見えないのも、これはこれでそそられるというか…{{{チラリズム?}}}(←大バカ)

八甲田大岳を十分に堪能した後、今度は登ってきたのとは反対側、仙人岱ヒュッテ方面へと降りていきます。ここから先は私も初めてのコースです。しかも仙人岱ヒュッテから先、硫黄岳方面は夏道が無い残雪期のみのコースとなります。一般ルートに対してバリエーションルートっていいましたか?

=== うひょう! 緊張してきたぁ(笑 ===

今年は、あまりにも雪解けが早く、もしかしたら藪化しているんじゃないかという懸念があったのですが八甲田大岳の山頂からコースを観察した結果、雪が繋がっているのが確認されました。隊長からGoサインがでました♪

まずは大岳の南斜面を仙人岱ヒュッテへと向けて下っていきます。この下りがまた何とも歩きにくい斜面です。山肌を保護するためにコースに沿ってバリゲードが設けられているのですが、コレが激しく邪魔!
環境保護のためにはしかたがないのかもしれませんが、もう少しスマートな施工はできなかったのでしょうか…。

途中、鏡沼という池があるのですが、あふれ出る雪解け水で付近の道が冠水していました。横に渡された木の上を歩いていくしかないようです。

こういうシチュエーションになったら、やはり{{{ドボン}}}を期待してしまうのが人情というモノ(笑
一人ずつわたっていくことになったのですが、前からも後ろからもカメラが{{{その瞬間}}}を狙っています。まぁ、結局は全員が無事に渡り終たわけですが。

なんだか、全員が無事に渡りきった時に
「なんだぁ、期待はずれ」
という声が聞こえてきた気もしますが、それは聞かなかったことに(笑

中腹を過ぎると、いよいよ一面の雪原が現れます。障害物の無い雪原はとても歩きやすく…というか走りやすく、ぐんとペースがあがります。勢いをつけて、斜面をスキーで滑るようにしてみたり、跳ねるように一息に斜面を駆け下ってみたりその様は、まさに雪面のトビウオの如し。

酸ヶ湯と仙人岱ヒュッテを結ぶルートを横断し、いよいよ最後のピークである硫黄岳が間近に迫ってきました。ここで、硫黄岳山頂経由にするか、硫黄岳をパスしてゴールへ向かうのか私とツートンさんにその判断が委ねられました。

私もツートンさんも{{{たぶん}}}まだまだ余力はあるはずですが…改めて「どうする?」って言われると、なんだか悩んでしまいます(笑
見た感じだと、どーんと迫ってくる感じがある硫黄岳は手強そうにも見えますし…。

でもまぁ…

=== せっかくだから、行きましょう! ===

残雪期限定だっていうし、行かないと後悔する気がします。

というわけで、硫黄岳にアタック開始〜。もう小細工は無しで、一直線に山頂を目指します!
ちなみに角度はコレくらい。最大斜度40°ってぇところでしょうか?

下から見上げたときは、この斜面を登るのは骨が折れそうだ…と思ったのですが、ちょうと私が気持ちよく感じる角度だったのか、深く刻まれたステップに助けられたのか思いの外…というより、ぜんぜん余裕〜な感じで登っていけます。

振り返ってみる…。写真だとなかなか伝わらないかもしれませんが、かなり高度感があります。この斜面を一気に登ってきたなんて、自分でも信じ難いモノがあります。

八甲田大岳をバックにスキーヤー達が…。
気持ちよさそうですね♪

さて、硫黄岳のピークに到着しましたよ♪
え、どこが?って?
コレ、コレですよ。
硫黄岳の山頂は!

さすが夏道がない山。山頂らしき場所はただ藪に覆われているばかり。近くにいたスキーヤーに聞いてみても頂上にはプレート一枚無いのだとか。

硫黄岳の山頂を南に回り込むと、いよいよゴール地点が見えてきました。写真中央より少し左よりあたりが、目指す{{{笠松峠}}}になります。まっすぐ笠松峠を目指すと、樹林帯を通過しなければならないので写真中央より少し右下のあたり、樹林帯が途切れているあたりを突いて国道に脱出するというコースを設定。

ここを下ると、あとはゴールしてしまうんですね…。どうやら無事に下山できそうという安堵感と、もう終わっちゃうのか〜という残念さが入り交じった複雑な気持ち…。では、最後のお楽しみ、硫黄岳南斜面を一気に下っていきましょう!

あっという間です。本当に。スキーほどではないにしても、下りは早いですな〜。見る見るうちに高度が下がって、あっという間に周りの山々が高く見えるようになります。

楽しい時間はあっという間に過ぎるものですが、この日もそうでした。13時、国道に出て残雪の八甲田ツアー、これにて終了〜となります。雪の壁をかき分けて国道に出た途端に、たくさんの乗用車や観光バスが行き交う世界に…。一気に俗世間へ降りてきた気分になりますな(^^;

いや〜、それにしても今回の山も楽しかったなぁ〜♪
我々ヘロヘロ隊だけでは行くことができない場所ですから、ご一緒していただいた皆様には感謝感謝です♪

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