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Yamareco

記録ID: 1762874
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積雪期ピークハント/縦走
東北

高下岳

2008年04月13日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
10.7km
登り
881m
下り
880m
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2008年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車

感想

和賀山塊の「高下岳」に登ってきました。

雪だけでなく倒木などもあり登山口まで車で行くことは叶いませんでしたが、適当な場所に車をデポし、徒歩で登山口を目指します。
固く締まった雪を踏み越えて歩いていくと、嫌でも
「これから雪山に登るんだ…」
という感慨がわき起こってきます。

十分ほど林道を歩き、高下岳登山口へ到着します。雪にやられたのか、登山口の看板が落っこちていました。一応、戻しておきますが、帰りまでにはまた落っこちてるんだろうな〜。

そして7時ちょうど、いよいよ登山開始です。登山口からしばらくは、雪が溶けた登山道を登っていきます。近年、開設されたコースだそうですが、あまり登山者がいないのか落ち葉に埋もれたり、笹藪が優勢になっていたりとちょっと頼りない感じの踏み跡が続きます。

しかし、凍り付いた落ち葉の道は思ったより歩きやすく隊長の絶妙なペース配分にも助けて頂いて、案外楽に登っていくことが出来ました。…まぁ、他の人からしたら死にそうな顔で登っているように見えたことでしょうが(^^;

今回の山行では、私は一つ課題を科せられておりました。休憩しておりますと「はい」っと地図を渡され、
「さて、現在地はどこでしょう?」
と、読図の練習問題が出題されるのです。

何度か出題されたのですが、幸いにもだいたい正確な位置を言い当てることが出来ました。特徴的な地形がある場所を選んで出題して頂いたと思うのですが見当違いな解答しなくて済んでホッとしました(^^)

なだらかな尾根上に出ると、いよいよ雪深くなってきました。そして立派なブナの森に入っていきます。

穏やかな日の光が差し込むブナの森、そして残雪。とても静かな世界。雪山登りはしないまでも、積雪期のブナ林散歩はしてみたいな〜と前々から思っていましたので、超感動です!
それも初めての経験がこんな立派なブナの森を歩くことだなんて!

大木だったブナも、高度が上がるにつれ徐々にその幹を細くし木々の隙間からこぼれる日の光、そして青空が近く感じられるようになっていきます。少しずつ眺望も開け、下界の景色が見えるようになってきます。

景色はどんどん良くなってくるのですが、慣れない雪上歩行によって私の体力もがんがん奪われていきます。最初、隊長のすぐ後ろを歩いていた私ですが少しずつ後方に下がり…というか追い抜かれ、「うひ〜、待ってくれ〜」状態に…。な、なさけね〜(--;

しばらく雪原を歩いていると、どこからともなくパリパリ、シャリシャリと音がします。なんだろうと思ってみてみると、どうやら木に着いた氷が、我々が歩くかすかな振動で少しずつ砕けて落ちていく音のようです。これがまた日の光をキラキラと反射して綺麗なのですよ♪

思わず立ち止まってカメラを向けますが…これがなかなか。
{{{写真でこの情景を再現するのは難しい!}}}
これはもう、その場にいた人達だけが楽しめる特別な景色でした。

低木が途切れた場所に出ると、前を歩いていた酔いどれ隊長が
「岩手山が見えるよぉ!」
と教えてくれました。

おお、あんな綺麗に岩手山が見えとる!
それも、普段盛岡市内から見る岩手山とはだいぶ違う姿を見せています。
写真などでもあまり目にしたことがない角度からの岩手山の姿をしばし堪能します♪

先ほどのような氷を枝にびっしりとつけた木の下を通過します。上に行けば行くほど、この氷の固まりは大きな物になって見応えが増していきます。本当にキラキラと輝いて、天然のイルミネーションのよう。

もっとも、少し離れて見ている分には綺麗で良いのですが、その下を通ろうとすると、次々に落下する氷の固まりが頭上に降り注いできます。小さな氷とは言え、高いところから加速度を伴って落ちてきますので、これがなかなか、けっこう痛かったりします(^^;

=== マンガみたいにザクッと刺さったりしてね〜 ===

間違いなく、{{{刺さるのは私}}}なんでしょうが(笑

そして、いよいよ見えてきました、{{{高下岳の山頂が!}}}
あの雪の斜面を登っていきますよ。

眼前にどどーんとそびえる高下岳。
隊長が「右側に張り出した、あの先っぽまで行くんだよ〜」と指さす方角は
私にとっては「まだあんなに遠いのか〜」っていう感じに見えます。
「大丈夫、大丈夫。15分くらいで着くから」
隊長はそうおっしゃいますが、とてもそんな風には見えませんです。

おっしゃ〜、行くか〜と気合いを入れて、大雪面をざっくらざっくらと登っていきます。雪の斜面に向き合って登っていくと、視界一面が真っ白だったりして方向感覚はおろか、上下間隔まで喪失していく感じで、なにかこう、ふわふわした不思議な感覚を覚えます。

そ、それにしても、皆さん写真を撮りあったりして凄く楽しそうなんですが…
わたしゃ、もう足があがらねーだす(^_^;
{{{着いていくのが精一杯…。}}}

着いていくのが…
ああああ…、置いて行かれる〜(;´Д`)

=== そして、誰もいなくなった(笑 ===

えーっと…、うん、やっぱりねアレですよ。
{{{急いで登るだけが登山じゃない}}}ですよ。

時には振り返って、自分の歩いてきた道を見直してみるとか。

周囲を観察してみるとかね?
大人の登山には、そういう余裕ってものがごめんなさいごめんなさい
{{{写真撮るフリして休んでました}}} orz

ようやく、頂上へと連なる尾根筋に到達しました。

そこからは、正面にどーんと和賀山塊の主峰たる和賀岳が見えます。そこはがらっと風景が変る感動のビューポイントなのですが、なぜか、私、写真の一枚も撮っていません(笑

代わりに、パーティについていけずに{{{ガンガン遅れていく過程}}}が記録されていました(笑
余裕なくて前しか見てなかったんでしょうな〜(^^;
尾根筋は強風で雪が吹き飛ばされ、灌木がスノーシューに絡みつき歩きにくかったことも私から写真を撮影する余裕を奪うに十分な要素でしたし。

それでも、高下岳南峰に到達するに至り、さすがに余裕が出てきたのか振り返って和賀岳のお姿を見る事ができました\(^o^)/

わーっ! すげぇ! すっごいくっきり鳥海山が見えてる!
和賀岳の肩からのぞく鳥海山なんて、今まで写真なんかでも見たこと無いかも!

頂上の看板にはびっしりと氷が!
これ、なんて言うんですかね?
海老のしっぽのようだけど、あれって着雪の事なんですよね?
ん〜、海老より固そうだから、{{{ザリガニのしっぽ}}}とか{{{シャコのしっぽ}}}あたりでどうでしょう?

しかし…これはこれでいいんですが、「高下岳」っていう文字が見えないのが残念といえば残念。やはりこう、山の名前が書かれた看板の前での記念撮影は楽しみの一つですからね〜。この美しい氷の芸術を掻き落としてまで撮影する気もないのでそのままにしてきましたが。
頂上からの眺めは、それはそれは素晴らしいものでした。
眼前の和賀岳、そして虚空に浮かぶ鳥海山、大荒沢岳や{{{エリカ様岳(byひぐらしさん)}}}に続く雪の回廊、長々と体を横たえる岩手山、その山麓のスキー場もくっきり見えます。秋田駒がとぐろを巻いているのも見えます。その後には森吉のお山も。

大きな感動を味わったとき、人間は言葉を発することができなくなるようです。私の脳みそも、もうどんな言葉でもこの感動は表せないと判断したようで、あとはただ「すげー!すげー!」とアホのように繰り返すのみです。

=== 変な脳内物質出まくり!(笑 ===

どんなに素晴らしい時間も、やがて終りの時がやってきます。頂上に別れを告げ、下山の途に着きました。風が無ければ、頂上でランチを広げたんですが…残念ながらそれは叶いませんでした。

下界を見下ろすと…うーん、下界は春デスなぁ。登るときはいっぱいいっぱいだったし、頂上に着いてからは周りの山々に気を取られていましたが下界の眺めもなかなかではないですか。

下山は雪のお陰で、ほとんど道を無視して一直線に下ることが出来ます。雪のクッションに助けられて、歩くと言うよりジャンプしながら下っていく間隔。おかげで、みるみるうちに下っていきます。あんなに苦労して登ったのに、下るのは早いなぁ!
夏山の時よりも強くそう思いました。

休憩が終わると、後ろ髪を引かれる思いで樹林帯に突入します。まぁ、残念がってばかりいてもしょうがないので前向きに楽しむことにします。このようにソリで滑る要領で、斜面をざざ〜っと滑り降りたりとか。

そんな感じで降りてくると、途中で雪が無くなりました。ここでスノーシューをはずします。最初、重くて歩きにくくてどうしようかと思ったスノーシューですが慣れてきてすっかり面白くなっていたので、はずすのが残念だったくらいです。本当にいい経験ができたと思います。

そして12時50分。無事に下山しました。初の雪山、そしてあの素晴らしい景色…。大満足です。いやぁ…本当に楽しかった…。

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