日光白根・直下2300mまで
- GPS
- 07:50
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 1,123m
- 下り
- 1,122m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
グレートサミッツ国内編NO18 日光白根山・頂上下2300mまで
今週もまた日光白根へ来た。この春の週末は徹底して悪天候が続いて、遠くの雪山へいく元気が出ないのが理由だ。しかも嫌っていた沼田側から入る。春は日も早く、気が短く、スキー場の営業時間など待てなくて、5時半に出発する。自力で登ってみよう。
間もなく冬季閉鎖が解除される金精道路は除雪も進んでいる。除雪の雪の壁は、ほんの1mくらいなのだが、それでも怖いくらいに垂直の除雪で、脇見スキーをしていると、そこに墜落すれば事故になる。春の人工除雪は大いに危険だ。立山室同では、垂直15mの除雪があるから、死を招く。
丸沼高原スキー場の左脇からその道路沿いに登っていく。北斜面だし、寂しいくらいに静かなものだ。早朝に犬の散歩させていた、従業員がいた。
今日は、座禅山に上がる針葉樹林の沢沿いを登る予定にした。スキー場裏の緩斜面を取り付き地点までしっかり行けるのか、まず課題である。この冬、重宝しているソニーのナビに目的地入れて、出発して2時間で辿りつく。上空はガス。
けっこう寒い、曇り空で明るくなっているのに、気温が下がったか。小雪も舞っている。さて目的の沢を上がれるか。地形図と比べるとちょっと急だけど、どうにか上がる。上に出ると緩やかになる。ここを登れれば、完登したようなものとは勘違いでもある。上に出ると七色平。登り過ぎて少し戻ったが、トレースもない平坦地。その先に避難小屋。その先で指導票があって、山頂方面の道に入る。昨日から20センチくらい降雪があったようだが、針葉樹林の中に、ちゃんと道っぽいトレースがある。毎日必ず登山者がいるのだ。人気の山だ。樹林の中のボブスレーコースのようなトレースは、豪雪ほどの積雪でもなく、火山性のシラビソが密生した中に人工的な夏道ができて、冬でもそれを利用するという、火山特有の冬道がそれだ。北八ヶ岳のようである。よくぞこんな1m間隔でシラビソが原生するのかと呆れるほどの密林。標高2千mを超えても、そんなものだ。
山頂方面への道は、夏と同様に山を大きく右斜めに登りながら続いているのだが、それが嫌になった。どうせ山頂はガスで、そこまで行く気にならない。密林トレースはスキーに相応しくなくて、途中から勝手に真上を目指してブナ樹林を上がっていく。悪くない。ロープウェー・アプローチの客はまだ来ていないから、好きに登ろう。
ところがやはり、100m登った程度で、岩稜末端で尾根は終わった。それ以上は不可能。しかもガス。ならば今日はここでよい。日光白根とは、ここから見ると岩稜の山である。それに5時間くらい登り続けて、なんだか疲れた。休んで下る。
下ると、登ってくる客に会う。「ここを登っても山頂には行けませんよ」。
私のトレースを辿ったパーティに、教える。途中から道を外れた私が悪いか、それに従っただけの後続が悪いか。冬の積雪なのだから、道は自由だと私は思っているのだが。
さらに後続には、ちょうど夏道分岐だったから、それを指示して、彼らノントレースの夏道に入って行った。私はそのボブスレーコースを滑って下るが、密林はどうにも難しい。もちろん疲労を理由に、スキー場方面へ下ることにしていたのだが。
左の沢沿いが滑りやすいと、あとで気が付くがそれは、大広河原で、先の上部岩稜ガレ場が水源になっている沢だった。春の緩やかな谷は、せめてふかふか雪が堆積していて、斜面より快適なのだ。ちゅうちょしながら、地図見ながら、けっきょく高度差で400mも谷を滑った。
日光白根は火山岩の溶岩台地に形成された高峰である。谷は溶岩流で深く切れていて、それはつまり、一つの谷に入り込むと、戻ることは案外難しいという理屈。
下まで滑って、堰堤と林道が見えてきたが、それをいくら滑っても下界には出られないことが地図で分かる。どうしたらいいかとは、またスキー場まで登り返すこと。ふん、右の斜面へ入りやすい谷を見つけて、またシールで登り返す。私は間抜けか。登山とは「道迷いに等しい」と言った恩師もいるのだが、ちょっとの危険を実践することになった。
うんよく、150m登ったところで、ガリガリをシューっと滑る音に気が付いて見上げると、スキー客が滑る斜面が見えた。「おお、助かった」と思わず喜ぶ。あとはそこに近づいて、合流したスキー場から戻る。
自力で戻れるくらいなら良しとするか、いやちょっと辛かった。
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