東河内(三ノ沢〜水無峠山〜鹿ノ子池)


- GPS
- 51:33
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,638m
- 下り
- 1,663m
コースタイム
天候 | 2019/5/2(木) 晴 2019/5/3(金) 晴 2019/5/4(土) 晴のち豪雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に踏み跡薄くテープマーキングほとんどなく、静かな山歩きが楽しめる。 ●三ノ沢尾根 下部は作業道が濃く、何も考えないで辿るとなかなか標高を稼げない。 ●水無峠〜鹿ノ子池 段々な地形は地形図から読み取れず、GPS頼み ●鹿ノ子池〜東河内 比較的踏み跡とテープマークがある。1243Pは北側に明瞭な巻きがあるらしい。林道手前は大きく外れる方向へ踏み跡が続き不安膨らむ。 |
写真
感想
待望のGWが来た。今年こそ大根沢山周回を完遂の意気込みが、前半の不安定な天気予報であっさり計画変更。もう雨カッパを来て山を歩きまわる気力を取り戻すことはできそうもない。好天は5/2〜5/4の午前中、の予報で2日半をどう過ごすか。老後の愉しみに取っておくつもりだった東河内に、ついに足を踏み入れる決意を固めた(大げさ)。
【2019/5/1(水):前日】
前日大雨の中、田代へ前のり。同宿の京都在住オーストラリア出身男性(奥さんは日本人)と同行者に、「ついに井川の山奥にもインバウンドの波が…」と感慨深く感じる中で、彼らの会話の中に”daimugen”という単語が頻出していて気が気でない。「あなたに質問してもいいでしょうか。あなたはdaimugenに行くと言いました。daimugenは有名な山ではない。なぜあなたはdaimugenへ行く予定なのか?」と教科書英語で尋ねてみた。曰く、300名山をやっているので大無間だと。宿のご主人と一緒になって、「大無間、その後は?」と訊くと、千頭ダム経由で寸又峡へ抜ける、と。スマホに過去の他人の山行GPSログを入れていてGPSで行動するのて大丈夫大丈夫!とのことだが、積雪の具合もあるし、心配だと告げると、「もしも辛かったらピストンで戻るよ!(英語で)」と返されひとまず安心。自分の計画を尋ねられ、”higashi-gouchi”と言っても何処だかわかるはずもない。今までどんな山に登ったか訊かれ、このあたりの南ア南部ばかりだ、と答えると、「わかるよ、このあたりは北と違って、遠くて奥深い。それが魅力だよね?(英語で)」といわれ、「exactly yes!!!」初対面の外国人と、山への想いに共感を得ることができ、素敵な前夜となった。なお下山後に確認したところオーストラリア人は戻ってこなかったらしく、無事寸又峡へ抜けることができたと思われる。
【2019/5/2(木):1日目】
前日のうちに東河内まるか山荘まで車で入り、落石を退かせておいた。朝5:30に民宿出発し、東河内へ向かう。宿のご主人の予言通り、重機手前の広場には釣師と思われる車がすでに並んでいる。まるか山荘まで行くと車はなく、端へ駐車し準備。「まぁ、東河内のメジャールートだしな」と「そうは言っても初めての山域」の複雑な感情が入り混じる。ゲート越えは登山以前の林道バイクツー時代の約15年ぶりだ。山の中に身を置く心地よさが高じて登山をはじめることになった。
当面はコンクリート舗装林道歩きが続く。東河内左岸から流入する枝沢を数えながら、林道は東河内からどんどん高度を増していく。一般車の入らない林道ではるが路面はとても整備され落石の影響もほとんどない。利用者が多い証だろう。そうこうしているうちに三ノ沢をすぎ、記録で見た重機小屋手前の取付に至る。登山開始。すぐにロボット雨量計。雨水を貯める容器が地面に転がっていたが観測できているのだろうか?そこから1500くらいまでは作業道を辿ることになる。猛烈にジグザグな作業道はラクだが標高が全然上がらない。尾根通しに無理やり上がるのか、作業道をそのまま辿るか、悩みながら登る。1500は明瞭だが、ここから上もやはり作業道に悩まされる。この尾根は三ノ沢山までほぼテープマークがなく(自分が外していただけかもしれないが)、道型も作業道か鹿道か登山者の踏跡か判断がつかず、はたと「基本的には山はこうだ」という思いに至る。そうこうしているうちに1940へ到達。展望がひろがる。東河内の源頭尾根は鹿道が入り乱れ、古来の道の趣は薄く藪山愛好者の踏跡濃いわけでもなく、独特の雰囲気がある。やがて膝丈の笹原となり、三ノ沢山の山頂部へ到達。広々していて最高点は不明瞭だ。さんざん歩き回って御料局三角点を発見。結構あちこちに残雪があり、乾いた平らな場所をようやく見つけて本日の我が家を設営して夜を過ごした。
【2019/5/3(金):2日目】
期待どおり、真っ赤な朝陽を拝むことができた。毎朝ラジオのテーマソングが変わっていてガッカリしつつ。のんびりと撤収して出発。今日は鹿ノ子池まで。三ノ沢山からの歩きだしは方角が難しく、コース上でない支尾根への明瞭な踏跡があったので注意を要する。少し標高を下げたところに笹原。以前、小河内山から山伏へ向かうときに山頂東側に笹原があったが、まったく同じ状況。方角的に日が当たりやすいことで笹原になりやすい、という理由があるのだろうか?同じく大無間山塊方面がよく見える。笹原を過ぎると平坦で乾いた地面があり、ここへ張れば展望もよさそうなので次回はここへ設営しよう。多重山稜をこなしていくとすぐに水無峠山。何かの記録に標識が載っていたような記憶があり、だだっ広い山頂付近を歩き回って探すものの見つけられず。諦めて鹿ノ子池方面の尾根へ向かう。こちらはまた地形図的にも小尾根を乗り移りながら下降する複雑なコース取りが予想され、完全にGPS頼みとなる。ところがさらに現場では地形図に現れない、段々な地形(大きな段差の棚田のような)が続き、これはどこを行けば?が続く。少しでもアルバイトが少なそうなところをきょろきょろ探しつづける。今思えば、時間的な余裕もある中でもう少し楽しめばよかった。なんとか一直線に鹿ノ子池に至ることができた。これが、まぼろしの池、ですか…はて源頭部は?と思い、そのまま沢の流れ沿いに東方向へ辿っていくと小さな沢の源頭へ至る。地形的には大きく2つの沢が流入する位置となっているようだ。水無峠山から続く不思議な地形は鹿ノ子池の位置とここを源頭としたいくつかの沢の形成、鹿ノ子池より下の複雑な多重山稜も合わせて、ここ一帯の摩訶不思議を感じずにはいられない。源頭で水を調達し、悩んだ末に少し高台となった位置にテント設営。鳥の声を楽しみながら日なたぼっこをして、眠くなったのでテントでウトウトしていると、遠く熊鈴の音と人の声が。浜松方面から来られた2名PTで、お酒をご馳走になり、色々お話しをさせていただいた。
【2019/5/4(土):3日目】
今日は午後から豪雨の予報のため、早めに出発。鹿ノ子池まで戻り、またもやGPS片手に下降。尾根筋が不明瞭でザレ斜面を下る局面を交えつつ、熊檻のある鞍部へ至る。ここから1243Pを北に巻く踏跡がある筈が見つけられず、ほとんど巻かずに通過。ここから下も複雑なコース取りで、踏跡があっても鹿道か判断できず、基本的には地形図上の最短尾根を辿る方針で進むも最後が難しかった。林道へ至る尾根からどんどん離れる踏跡は、このままゲートを越えて大渕沢まで行ってしまうのではとヒヤヒヤしながら一直線に降っていくと、踏跡は突然右折して林道方向へ。結局林道へ出ることができ、無事帰着した。
テープマークが殆どなく、登山者の踏跡と鹿道が錯綜するコースのむずかしさを味わった気がする。ここは殆ど人間は入っていないとはっきりしていれば、原始人の気持ちになって尾根を辿ると思うが、中途半端に人の手が入っている処は、ついつい人間の踏跡を探して辿ろうとしてしまう。自分は一体何がしたいのか?人の踏跡を辿って楽に登山を済ませることを目的にしているのか?これで純粋に山を楽しんでいますといえるのか?
加齢を言い訳に安きに流れ続ける自分を戒める契機としたい。
コメント
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ebi0813さん、こんばんわ。
鹿ノ子池でお会いした二人組です。
先日、同行者が貴女のヤマレコを見つけ知らせてくれたので、鹿ノ子池以外のたくさんの山行も読ませてもらっていました。単独であのような山奥に入るとはさすがの山女と感心。(GPSの修理技術にも感動)
自分達の山徘徊の様子(2005年以降)は下記ブログにありますので気が向いたら覗いてください。またどこかの山奥でお会いしたら宜しく。
https://yamatomo3.exblog.jp/27586701/
fukuroi様、こんにちは。コメントどうもありがとうございます
鹿ノ子池では大変お世話になりました。快く宴会に加えていただいてお酒をご馳走になり、深南部のお話を沢山伺って、楽しく思い出に残る一晩になりました。ありがとうございました。同行の方にもどうぞよろしくお伝えください。
ブログのほうものぞかせていただきました。気の合う山仲間と山三昧な生活、とてもうらやましいです。
いつか山で再会できるのを楽しみにしております
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