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Yamareco

記録ID: 1911442
全員に公開
沢登り
京都・北摂

【京都北山】オクノタン(奥ノ谷)

2019年06月30日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
3.5km
登り
473m
下り
469m

コースタイム

日帰り
山行
4:40
休憩
0:00
合計
4:40
7:20
70
オクノタン(奥ノ谷)出合
8:30
8:30
60
二俣
9:30
9:30
60
オクノタン(奥ノ谷山)
10:30
10:30
90
二俣
12:00
オクノタン出合
天候 曇り時々小雨
過去天気図(気象庁) 2019年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
オクノタン(奥ノ谷)出合い付近の路肩に何か所か駐車可能。
オクノタンは芦生エリアに隣接しているが、京都大学の芦生研究林の区域外であるため、事前申請等の手続は必要ない。
コース状況/
危険箇所等
・3段20m滝を筆頭とした序盤の連瀑帯は、小さいお気楽沢と思って入渓した人がぶつかるとかなりインパクトがあると思います(私がそうでした…)。序盤の何の変哲もない小川のような姿とのギャップがすごいです。巻きも意外に手こずります。
・全体的に直登可能な滝も多くありますが、この沢は芦生や京都北山、比良山地西面の他の沢と同様、つるつるした黒い岩で構成されており、ホールドは逆層で丸みを帯びているものが多く、滑りやすいので注意してください。また、両岸も意外に立っており、灌木や木の根の少ない泥壁のような状態のところが多いので、高巻きも結構神経を使わされます。
・小ぶりな沢なのに序盤でいきなりゴルジュが出てきて、滑りやすい滝が多く、両岸が泥壁状で巻きが悪い点では、すぐ近くにあるカラオ谷(沢登りルート100では1級上)とよく似ていますが、滝の数が劣り長さも短い点で、カラオ谷より簡単な印象です。ただ、序盤の連瀑帯の迫力は(水量は少ないですが)こちらの谷のほうが上な気がしました。
・今回は下山は沢を下降しましたが、頂上から東の方向の尾根に向かってテープが貼られていたため、(どこに降りるかは確認はしていませんが)尾根上にもルートがあるものと思われます。
その他周辺情報 オクノタン出合のすぐ目の前に蕎麦屋さんあり。私は寄れませんでしたが、山行後に立ち寄るのもいいかもしれません。
のどかな口芦生の集落からスタート。梅雨前線が活発化しているとの予報だが、天気は何とか持ってくれている。
2019年06月30日 07:12撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:12
のどかな口芦生の集落からスタート。梅雨前線が活発化しているとの予報だが、天気は何とか持ってくれている。
橋からオクノタン(奥ノ谷)を見下ろす。…うーん、なんというか、事前情報がなかったらまず入渓しそうにない眺めだ。
2019年06月30日 07:13撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:13
橋からオクノタン(奥ノ谷)を見下ろす。…うーん、なんというか、事前情報がなかったらまず入渓しそうにない眺めだ。
地形図にも記載のある小さなお寺の前を通る。手前にお地蔵さんがあり、安全登山を祈願しておく。
2019年06月30日 07:16撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:16
地形図にも記載のある小さなお寺の前を通る。手前にお地蔵さんがあり、安全登山を祈願しておく。
少し奥には山の神様も祭られている。こちら様にも道中無事を祈願。
2019年06月30日 07:19撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:19
少し奥には山の神様も祭られている。こちら様にも道中無事を祈願。
入渓しましたが…
最初は植林帯の中の少し荒れた流れが続く。水量も少ない。
あまりテンションが上がらない中、歩を進めていくと…
2019年06月30日 07:25撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:25
入渓しましたが…
最初は植林帯の中の少し荒れた流れが続く。水量も少ない。
あまりテンションが上がらない中、歩を進めていくと…
おや? 急にナメが。
2019年06月30日 07:42撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:42
おや? 急にナメが。
またナメが。急に谷がナメり始めた。しかも奥には滝の気配が。
2019年06月30日 07:43撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:43
またナメが。急に谷がナメり始めた。しかも奥には滝の気配が。
ナメが現れるとともに、両岸は次第に感じの良い自然林に覆われていく。
いい感じじゃないですか。テンションが上がり始めた。
2019年06月30日 07:46撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:46
ナメが現れるとともに、両岸は次第に感じの良い自然林に覆われていく。
いい感じじゃないですか。テンションが上がり始めた。
小滝が続いた後に5mほどの斜滝。いかにも滑りそうなので、左岸を巻く。
短い巻きなのだが、急斜面のうえ足場がどろどろで悪く、気を使わされる。
2019年06月30日 07:47撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:47
小滝が続いた後に5mほどの斜滝。いかにも滑りそうなので、左岸を巻く。
短い巻きなのだが、急斜面のうえ足場がどろどろで悪く、気を使わされる。
ややっ、今度は両岸がV字状に狭まり、ゴルジュの様相を呈してきた。序盤の何の変哲もない小川のような姿に油断しきっていたので、突然の険悪な相貌に思わず緊張が走る。
2019年06月30日 07:53撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:53
ややっ、今度は両岸がV字状に狭まり、ゴルジュの様相を呈してきた。序盤の何の変哲もない小川のような姿に油断しきっていたので、突然の険悪な相貌に思わず緊張が走る。
谷が右に折れると、両岸の壁はいよいよ立って、ほの暗い中に数mの斜滝が白く連続して走っている。錯覚だと思うが、渓相が険悪になると急に水量も増したように感じるようになるのが面白い。
2019年06月30日 07:56撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:56
谷が右に折れると、両岸の壁はいよいよ立って、ほの暗い中に数mの斜滝が白く連続して走っている。錯覚だと思うが、渓相が険悪になると急に水量も増したように感じるようになるのが面白い。
ここは右手の壁を回り込むように登っていく。
2019年06月30日 07:56撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:56
ここは右手の壁を回り込むように登っていく。
この小滝は流線の左手を直登。
2019年06月30日 07:58撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:58
この小滝は流線の左手を直登。
ここはステミング気味に手足を突っ張って通過。
この辺りは滝登りが実に楽しい区間だ。まさかこんなに楽しめる谷だと思わなかった。
2019年06月30日 07:59撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 7:59
ここはステミング気味に手足を突っ張って通過。
この辺りは滝登りが実に楽しい区間だ。まさかこんなに楽しめる谷だと思わなかった。
これは登れそうにも見えたがホールドが逆層で微妙だったため、おとなしく左手の段差を登って巻いた。
2019年06月30日 08:01撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:01
これは登れそうにも見えたがホールドが逆層で微妙だったため、おとなしく左手の段差を登って巻いた。
そして谷が再び左手に曲がりこむと、そこには3段20mほどの大きな滝が! こんなに大きな滝があると思っていなかったため、意表を突かれて思わず「うおー」と声を上げてしまった。大きな沢だったらこれくらいの滝があっても驚きはしないと思うが、とにかくこの沢は第一印象を効果的に裏切ってくる。
2019年06月30日 08:04撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:04
そして谷が再び左手に曲がりこむと、そこには3段20mほどの大きな滝が! こんなに大きな滝があると思っていなかったため、意表を突かれて思わず「うおー」と声を上げてしまった。大きな沢だったらこれくらいの滝があっても驚きはしないと思うが、とにかくこの沢は第一印象を効果的に裏切ってくる。
で、この滝をどう登るかだが…。まず直登は思いもよらない。右岸はかなり壁が立っていて難しそう。残る左岸は、浅いルンゼ状の地形が降りてきており、それを登れば巻けそうな気がする。滝の2段目まで登り、木の根をつかんで滑りやすい微妙な足場をだましだましルンゼ状に這い上がる。ルンゼ状を少し登ると、左手へとトラバースできそうなラインが見えたため、滝頭を目指して急斜面を巻き登っていく。もう少しで登りきるというところで、なんと古いロープが下がっていた(写真)。こんな記録がほとんどない沢でも、やはり登っている人はいるのだ。心強くなると同時に、人擦れのない山を期待していたので、少しだけ拍子抜けな気分。
2019年06月30日 08:15撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:15
で、この滝をどう登るかだが…。まず直登は思いもよらない。右岸はかなり壁が立っていて難しそう。残る左岸は、浅いルンゼ状の地形が降りてきており、それを登れば巻けそうな気がする。滝の2段目まで登り、木の根をつかんで滑りやすい微妙な足場をだましだましルンゼ状に這い上がる。ルンゼ状を少し登ると、左手へとトラバースできそうなラインが見えたため、滝頭を目指して急斜面を巻き登っていく。もう少しで登りきるというところで、なんと古いロープが下がっていた(写真)。こんな記録がほとんどない沢でも、やはり登っている人はいるのだ。心強くなると同時に、人擦れのない山を期待していたので、少しだけ拍子抜けな気分。
滝を登りきると、流れは再び穏やかになる。
周囲は広葉樹林に芦生スギが混じる芦生独特の植生に包まれており、本当に気持ちがいい。
ただ、大木があまり見られないので、一度は伐採が入っているものとみられる。
2019年06月30日 08:18撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:18
滝を登りきると、流れは再び穏やかになる。
周囲は広葉樹林に芦生スギが混じる芦生独特の植生に包まれており、本当に気持ちがいい。
ただ、大木があまり見られないので、一度は伐採が入っているものとみられる。
時折、こんな感じの小さなナメ滝が現れる。
何でもない小滝のように見えるが、これが結構苦労させられる。いざ登ろうとするとホールドがなくあと一歩のところが登り切れず、巻こうとすると周囲の壁はつるつるの岩の上に泥が乗っている状態で、足がずるずると滑ってしまうのだ。安定したところまで登ろうとすると勢い高く登ってしまうことになり、2mくらいの小滝を巻くために、10mくらいの高巻きを強いられて不条理な思いをした。
2019年06月30日 08:25撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:25
時折、こんな感じの小さなナメ滝が現れる。
何でもない小滝のように見えるが、これが結構苦労させられる。いざ登ろうとするとホールドがなくあと一歩のところが登り切れず、巻こうとすると周囲の壁はつるつるの岩の上に泥が乗っている状態で、足がずるずると滑ってしまうのだ。安定したところまで登ろうとすると勢い高く登ってしまうことになり、2mくらいの小滝を巻くために、10mくらいの高巻きを強いられて不条理な思いをした。
二俣についた。ここは右俣を選択。帰りは左俣を下ってくる予定だ。
2019年06月30日 08:38撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:38
二俣についた。ここは右俣を選択。帰りは左俣を下ってくる予定だ。
右俣に入ると水量はさらに減ってしまうのだが、5mほどの滝が連なって谷の奥に続いている。
2019年06月30日 08:41撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:41
右俣に入ると水量はさらに減ってしまうのだが、5mほどの滝が連なって谷の奥に続いている。
10m近い滝が数段連続する箇所もあり、なかなか壮観である。直登しようと思えばできそうな気がするのだが、ホールドが丸く、滑ったら止まらなさそうなので、左岸を巻いていく(写真は、巻きながら滝を見下ろしているところ)。
この巻きも、つかむ灌木の乏しい急な泥斜面のトラバースが続き、結構緊張する。むしろしっかりした木のある所まで登ってしまってから巻いたほうが楽だったかもしれない。
2019年06月30日 08:48撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 8:48
10m近い滝が数段連続する箇所もあり、なかなか壮観である。直登しようと思えばできそうな気がするのだが、ホールドが丸く、滑ったら止まらなさそうなので、左岸を巻いていく(写真は、巻きながら滝を見下ろしているところ)。
この巻きも、つかむ灌木の乏しい急な泥斜面のトラバースが続き、結構緊張する。むしろしっかりした木のある所まで登ってしまってから巻いたほうが楽だったかもしれない。
連瀑が終わると、谷は源頭の様相。しかし、水が切れそうなのに、沢床にはずっとナメが続くのには感心してしまう。土砂や倒木で埋まっている箇所が多いのが惜しい。もしきれいに掃除したら、かなり長い立派な滑床になるのではないだろうか。
2019年06月30日 09:02撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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連瀑が終わると、谷は源頭の様相。しかし、水が切れそうなのに、沢床にはずっとナメが続くのには感心してしまう。土砂や倒木で埋まっている箇所が多いのが惜しい。もしきれいに掃除したら、かなり長い立派な滑床になるのではないだろうか。
斜面に立派な芦生スギが見えた。
2019年06月30日 09:03撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:03
斜面に立派な芦生スギが見えた。
長く続いたナメもついに途絶え、水も枯れて、オクノタン(奥ノ谷山)目指して登っていく。かなりの急斜面だが、藪漕ぎはなく、歩きやすい。木々のシルエットが墨絵のように霧の中に流れて美しい。
2019年06月30日 09:26撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:26
長く続いたナメもついに途絶え、水も枯れて、オクノタン(奥ノ谷山)目指して登っていく。かなりの急斜面だが、藪漕ぎはなく、歩きやすい。木々のシルエットが墨絵のように霧の中に流れて美しい。
山頂手前で目にした大きめの芦生スギ。しかし、この程度の大きさでは、芦生エリア・京都北山エリアでは「大きい」とは言えないかもしれない。
2019年06月30日 09:33撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:33
山頂手前で目にした大きめの芦生スギ。しかし、この程度の大きさでは、芦生エリア・京都北山エリアでは「大きい」とは言えないかもしれない。
オクノタン(奥ノ谷山)にダイレクトに到着。樹林に囲まれた小広い山頂で、展望はあまりない。
2019年06月30日 09:46撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:46
オクノタン(奥ノ谷山)にダイレクトに到着。樹林に囲まれた小広い山頂で、展望はあまりない。
京都北山を歩く人なら一度は見たことがあるはずの、このデザインのプレート。どんなにマイナーなピークにも(山名のない単なる独立標高点にさえも!)このプレートがあるので、感心してしまう。京都北山の静かさを乱さないこじんまりとしたサイズも感じが良い。最近はピークに立った時にこのプレートを探すのが習慣になってしまった。
2019年06月30日 09:48撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:48
京都北山を歩く人なら一度は見たことがあるはずの、このデザインのプレート。どんなにマイナーなピークにも(山名のない単なる独立標高点にさえも!)このプレートがあるので、感心してしまう。京都北山の静かさを乱さないこじんまりとしたサイズも感じが良い。最近はピークに立った時にこのプレートを探すのが習慣になってしまった。
木々の合間から、中山谷山の穏やかな山容が垣間見えた。
2019年06月30日 09:42撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:42
木々の合間から、中山谷山の穏やかな山容が垣間見えた。
さて、下山はオクノタン(奥ノ谷)の右俣を下降する。
地図とコンパスを見ながら穏やかな源頭を下っていく。目の前を驚いたシカが走り抜けていった。
2019年06月30日 09:54撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 9:54
さて、下山はオクノタン(奥ノ谷)の右俣を下降する。
地図とコンパスを見ながら穏やかな源頭を下っていく。目の前を驚いたシカが走り抜けていった。
やがて地形は谷状となり、水が流れ出す。
右俣と同じく、左股もナメ主体の渓相のようだ。下りはさらに滑りやすいので、足の運びに気を使う。
2019年06月30日 10:09撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 10:09
やがて地形は谷状となり、水が流れ出す。
右俣と同じく、左股もナメ主体の渓相のようだ。下りはさらに滑りやすいので、足の運びに気を使う。
やがて数mの滝がつらなる連瀑帯。左岸側を巻き下っていく。このあたりの感じは右俣とよく似ているが、左俣のほうが若干傾斜が緩く、滝の数も少なくて容易な気がする。
2019年06月30日 10:18撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 10:18
やがて数mの滝がつらなる連瀑帯。左岸側を巻き下っていく。このあたりの感じは右俣とよく似ているが、左俣のほうが若干傾斜が緩く、滝の数も少なくて容易な気がする。
思ったより早く二俣に戻ってきた。行きには気づかなかったが、二俣の右岸側に炭焼き窯の跡があった。やはり昔から人の営みのあった山と谷だったのだ。往時は下の険しい連瀑帯を避けてここまで来るための杣道もあったはずだ。その道はどこを通っていたのだろう。想像すると楽しい。
2019年06月30日 10:37撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 10:37
思ったより早く二俣に戻ってきた。行きには気づかなかったが、二俣の右岸側に炭焼き窯の跡があった。やはり昔から人の営みのあった山と谷だったのだ。往時は下の険しい連瀑帯を避けてここまで来るための杣道もあったはずだ。その道はどこを通っていたのだろう。想像すると楽しい。
いくつか滝を巻き下ると、ついに3段20mの滝の落ち口に到着。この滝の巻きはちょっと悪かったので、下りは懸垂下降することに。
2019年06月30日 10:56撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 10:56
いくつか滝を巻き下ると、ついに3段20mの滝の落ち口に到着。この滝の巻きはちょっと悪かったので、下りは懸垂下降することに。
40mロープをダブルにして、20mいっぱいの懸垂で1段目の滝頭に何とか届いた。1段目はそれほど高さがないのでクライムダウン。
2019年06月30日 11:11撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 11:11
40mロープをダブルにして、20mいっぱいの懸垂で1段目の滝頭に何とか届いた。1段目はそれほど高さがないのでクライムダウン。
連瀑帯の下半分は、左岸側から巻き下れないか試みたが断崖のようになっているため諦め、結局もう一回ロープを出して懸垂下降(大体15mくらい)。この懸垂の途中で本日初めてのヒルが取りついてきた。よりによって懸垂中はやめてほしい。
2019年06月30日 11:37撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 11:37
連瀑帯の下半分は、左岸側から巻き下れないか試みたが断崖のようになっているため諦め、結局もう一回ロープを出して懸垂下降(大体15mくらい)。この懸垂の途中で本日初めてのヒルが取りついてきた。よりによって懸垂中はやめてほしい。
口芦生の集落に戻ってきた。山の神様とお地蔵様に下山報告。
2019年06月30日 12:01撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 12:01
口芦生の集落に戻ってきた。山の神様とお地蔵様に下山報告。
天気はここまで何とか持ってくれて、本格的な雨に打たれることなく車に戻ることができた。ありがたや。
2019年06月30日 12:06撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 12:06
天気はここまで何とか持ってくれて、本格的な雨に打たれることなく車に戻ることができた。ありがたや。
車の前には、由良川が滔々と流れていた。
2019年06月30日 12:09撮影 by  FinePix XP120 XP121 XP125, FUJIFILM
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6/30 12:09
車の前には、由良川が滔々と流れていた。

装備

備考 ・下山は沢下降だったため、40mロープを持参しました。結果的に下山時に連瀑帯で2回懸垂下降しました(20mいっぱいの懸垂1回、15mほどの懸垂1回)。登りではロープは使いませんでした。
・滑りやすい岩質で、橙色に変色した部分は特に滑るため、フェルトのほうが良いと思いますが、結局フェルトでも滑るためラバーでも変わらないかも…(どないやねん…)

感想

 京都北山には穏やかな谷が多く、いわゆる「沢登り」の対象になる谷はそれほど多くない。その中で、口芦生のオクノタン(奥ノ谷)は、日本登山体系に「北山としてはよくまとまった谷」として記載がある割には周辺のカラオ谷や芦生研究林内の沢に比べてほとんど記録を見ず、気になっていた沢だった。オクノタン(奥ノ谷、奥ノ谷山)という名前も、いかにも奥地の隠れた山、という感じで何となく惹かれるものがあった。
 オクノタンの出合に立った時、正直これは失敗したのでは…と思った。どう見ても植林の中の単なる荒れた小川にしか見えない。水量も少ない。ロープとハーネスとヘルメットを置いていこうかと思ったくらいだった(これは思い直して持っていくことにして正解だった)。
 しかし、入渓して少しで、あれ?急にナメ滝が出てきたよ?と思ったとたんにいきなりゴルジュ、いきなり連瀑、いきなり大滝と来るので、この鮮やかな豹変ぶりに思わず声を上げてしまう。しかもその通過も、滝登りにちょっと悪い巻きと結構面白く、地元のこんなに小さな谷でこんなに楽しめるとは、と泥斜面をずるずる滑って冷や汗をかきながらほくそ笑めること請け合いである。初対面の第一印象をいい意味で裏切ってくれる沢である。
 また、平流の区間も、上流はブナと芦生スギの深い緑に包まれて、歩いているだけで幸せな気分になれる。さすが芦生の玄関口に位置する山だけはある。
 余談だが、京都北山では、谷のことを「タン」と呼ぶことがあるようで、このオクノタンのほかにも、センダン(千谷山)などがある。北アルプスで谷のことを「タン」と呼ぶ(長次郎谷(ちょうじろうたん)など)のと何か通じるものがあって面白いと思う。

※ ちなみに、この沢では魚影は見ませんでした。また、ヒルは1匹だけ出現(よりによって懸垂下降中に…)。
 

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