飯盛ヶ城☆緑のビロードの山に


- GPS
- 01:11
- 距離
- 2.5km
- 登り
- 287m
- 下り
- 273m
コースタイム
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山路は一般登山道 下山路は鹿道 |
写真
感想
別府から由布岳の正面登山口を経て由布院の街にたどり着く。車窓から眺める由布岳の山麓部にはその南西の位置する飯盛ヶ城にかけて広大な草原が広がる。その美しい草原の様子はまるで緑のビロードとでも表現したくなる。
レンタカーを借りる手続きを済ませ、早速車に乗り込むと、バスで通過してきたばかりの正面登山口に向かう。
登山口からは由布岳への登山路を右手に見送り、飯盛ヶ城に向かって草原の中を歩いてゆく。草原の中には疎らに生えている樹々がある。近づくと、樹々は悉く柏の樹のようだ。
樹が疎らに生えているあたりを通り過ぎると、山頂直下の斜面には樹々は一切なく、草原ばかりの斜面となる。空気は相変わらず湿度が高いが、草原を吹き渡る風は涼しさを運んでくるようだ。
山頂に立つと、間近に聳える由布岳がさらに大きく感じられる。飯盛ヶ城の山頂の周囲は静まり返っているが、対照的に由布岳の樹林の中からは騒々しいほどの鳥の鳴き声が聞こえてくる。
山頂の西に立つと、西側にも緑のビロードの斜面が山裾に至るまで広がっている。その先には由布院の街を見下ろす。西の空では太陽の日差しはいつしかすりガラス様の高層雲に遮られ、太陽も厚い雲の帯の中に消えようとしている。
日没を眺めるには格好の場所ではあるが、その時間まではまだまだ時間がありそうだ。しかし、西の空には厚い雲の帯が棚引いている。ここで日没を待っていたとしても今日は綺麗な夕陽は期待出来ないさそうだ。山頂からの日没は諦めて下山の途につくことにする。
来た道を戻りかけるが、山頂から伸びる南尾根に細い一丈の鹿道が目に入る。山頂からしばらくの間は踏み跡のない斜面を下ると、まもなく明瞭な鹿の踏み跡に出る。尾根を下る鹿道は幾筋もの細い鹿道を横切って下ってゆく。鹿道を快適に下るうちに山頂を振り返ると、鹿の親子が斜面を横切ってゆく。
尾根は下部では急斜面になり、鹿道も突然、不明瞭になるが、やまなみハイウェイの手前に草原を横切る細い林道が目に入る。急斜面を下って林道に出ることはさほど難しくはなさそうだ。
斜面を降りかけると今度は左手の方からかなり小さな仔鹿が斜面の下を走り抜けてゆく。次いで親鹿が現れる。おそらく生後間もない赤ちゃん鹿なのだろう。毛並みは親鹿とは異なり薄いベージュ色である。親鹿に甘えるように寄り添う仔鹿の仕草がなんとも可愛らしい。間もなく兄弟鹿だろうか。二匹の鹿が加わったかと思うと、さらに別の親子が現れた。
おそらく日中は多くの登山者が往来する道であるが、夕方になって登山者がいないことを見込んで山の中から出てきたのであろう。やがて斜面の私の姿に気がついたのだろう。群れは再び向こうの森の中へと消えていった。
斜面を下ると草原の中に鮮やかな一輪の朱色の花が咲いている。本州では滅多にみかけない花に思われる。姫百合の花のようだ。駐車場に戻り、夕陽を眺めるために、雨乞牧場に向かう道へ入る。
鹿に夢中になっている間にいつの間にか時間が過ぎたのだろう。西の空では丁度、日が沈んだところのようだ。由布岳の上では雲が薄紅色に輝きはじめる。残照と徐々に明かりが灯ってゆく由布院の街の夕景を眺めながら、明朝の好天を祈りつつ由布院の街へ下るのだった。
コメント
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さすが「豊後富士」いい山容ですね。飯盛ヶ城も綺麗なお山です。由布岳に上がるのならこのルートを上がりたいと思いました。
こちらの方向から見る由布岳は双耳峰がよくわかる景色ですね。見る方向で形が変わるお山ですが、どの方向から見る由布岳が人気なのかな?
遠くて中々行けない九州のお山なので、行くとしたら1週間ほどかけて百名山踏破したいと考えてしまうため、ますます行けなくなってしまいます。
yamanekoさんもよくご存じの、kol-yosiokaさんに教えていただいたのが、「さんふらわあ」で弾丸登山すればフェリーが宿泊に使えるので割と安く付くとのこと。
別府港に朝7時前に付くのでバス移動ででも登山口に8時20分に付くときいて、これは良いとメモしてます。
帰りもフェリーでお風呂に入ってゆっくり寝て帰れば、大阪に早朝に付くとのことでした。フェリー代も山小屋レベルの「ツーリスト」なら8300円は安いです。
ののさん コメント有難うございます。
由布岳は確かに見る方向によって双耳峰に見えたり見えなかったりしますよね。
南北に細長い二つのピークが噴火口を挟んで東西に向かい合っているので、東西の方向からは双耳峰に見えなくなります。
この由布岳はkol-yosiokaさんのコースを逆に辿って、鶴見岳と共に翌日に登りますので、宜しければご来訪お願いいたします。由布岳は百名山ではありませんが、二百名山、鶴見岳も三百名山に数えられており、いずれも名山ですね。
今回、東、南、西と様々な方向から見たのですが、脇侍のように控えるこの飯盛ヶ城が美しく見える景色がいいのかもしれないと思います。何しろ、この緑のビロードの山肌は由布岳の峻険さと相俟って、由布岳の姿を際立って個性的なものにしていると思いますので。特にこの季節はこの飯盛ヶ城の草原がとても美しい時期だそうです。由布岳に登られる際は、この飯盛ヶ城も是非、おすすめです。
ちなみに秋吉台の草原と同様、この草原は春先(3月だと思います)に野焼きが行われるそうです。
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