ロイガヴェーグルトレック in アイスランド
- GPS
- 19:52
- 距離
- 53.7km
- 登り
- 1,130m
- 下り
- 1,256m
コースタイム
- 山行
- 3:20
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 3:20
- 山行
- 8:53
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 9:17
- 山行
- 5:59
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:59
天候 | 1日目 曇り時々雨、時々強風、2日目 曇り時々晴れ、風強め、3日目 曇り時々晴れ 夜間は毎日雨が降りました。 私の滞在した翌々日は大嵐でアラートが出てました。土地柄小雨は避けられませんが、本当にマズイ状況になっていないか現地の天気予報(https://en.vedur.is/weather/forecasts/areas/)やトレッキングルートの安全情報(https://safetravel.is/)を確認したほうが良さそう。 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・全般的にコースの目印が良く整備されており、次の目印を常に確認しながら進めば迷うことはなさそう。オフラインで使える地図アプリのMaps.Meにもトレイルが書かれているので、距離感の把握のために利用しました。 ・危険箇所はほぼ無し。雪渓も踏み抜きに多少注意すれば良い程度。サンダルを徒渉で使ったのは4箇所ほど。そのうち2箇所は膝下まで水位あり。ソルクモスル手前の徒渉が一番大変。まわりの人の様子を見て、一番楽そうな場所を渡ること。 ・LTEが使えるのはソルクモスル付近の高台。他はGSMが入ったり入らなかったり。SiminnのプリペイドSIM(5GB+国際/国内通話50分)がISK2900で空港の10-11で売ってるので、あると心強い。 |
その他周辺情報 | 前後泊にレイキャビクキャンプサイトを利用。目の前のバス停からロイガヴェーグル方面へのバスが出ている。オンライン予約すれば直前でも割引になり、一人ISK2160。荷物預けは一週間でISK3500、当日引き取りは1/2day扱いになりISK600だった。温水シャワー無料、ただしドライヤー無し。ダイニングにはコンセントがあり、充電可能。レセプションは朝6時〜深夜2時まで開いている。 |
写真
装備
備考 | ・気温は最高で13度、朝は0度まで下がる。アイスランド滞在中は風が強い日が多く、気温よりも寒く感じた。大体紅葉終わりかけの涸沢くらいを意識して準備したほうが良さそう。 ・ダウン上下、ニット帽、防寒用の手袋は必須。行動中にダウンを濡らしたくなかったのでフリースも持っていったが正解だった。タイツも役立った。Tシャツは全く出番なし。 ・寝袋はモンベル#1でちょうど良かった。#3ではかなり辛かったと思う。カバーは持ち込んだが利用せず。冷気遮断のために銀マット利用、個人マットはサーマレストプロライト150cm。 ・ガス缶は日本から持ち込めないので、現地で入手の必要あり。ガソリンスタンド併設の売店、レイキャビクキャンプサイトでコールマン、ジェットボイルのガスを見かけた。レイキャビクキャンプサイトでは余ったガス缶を無料で譲ってもらえる可能性がある。 ・食料はパン、ドーナツ、チーズ、プチトマト以外は日本から持ち込み。アイスランドは肉が入っている食料でも持ち込めたので、その点は楽だった。 ・徒渉があるので足首固定できるサンダル必須。濡れてもいいスニーカー持ってる人も。水位確認のためにポールもあったほうが楽。 ・地図はランドマンナロイガルのインフォメーションで10万分の1を入手。でも空港の10-11が最安値だった。 【食料】 (日本から持ち込み、実際消費したもの)米1合、味噌ラーメン、レトルトカレー、サバ味噌レトルト、フリーズドライスープ2袋、カレーメシ、コーン、ミックスビーンズ、乾燥野菜、その他行動食(お菓子等) (現地調達)ロールパン1袋、ドーナツ1袋、チーズ1袋、プチトマト1パック (日本から持っていって持ち帰ったもの)フリーズドライご飯2袋、カレーメシ1パック、フリーズドライ味噌汁、パスタ90g、コーン、ツナ、パスタトマトソース、アクエリアス2袋、ナッツ、柿の種、等々 ※高低差がないため、思った以上に行動食の減りが少なかった。アクエリアスは寒くてあまり飲む気になれなかった。 |
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感想
きっかけは、3月に読んだ1つのWEB記事。
https://www.yamakei-online.com/yama-ya/detail.php?id=618
読んでいて、あまりの絶景とアイスランドという未知の国への好奇心に「あー、これは呼ばれたなー」と確信。調査すると個人旅行でも十分行けることがわかり、GW頃にはチケット確保。なのに直前まであまり下調べができず、ギリギリ駆け込みで調査しての出発。
■入国日
羽田発の深夜便で乗り継ぎ、13時ごろにはレイキャヴィク到着。空港で現金とSIMカードを入手。早速携帯をアクティベートしようとしたら、SIMを外すピンを忘れてたことに気付く・・・何回同じ失敗してるんだろ(テント張ってから安全ピンで外せたけど)。土地勘がないので、空港からはキャンプサイトまでの送迎付きのバスを利用し、15時にはテントサイトでテントを張れた。ここからは、怒涛のトレッキング準備。
まずはキャンプサイトの残置物置き場でガスカートリッジ漁り。ほとんど空に近いものか、口が合わないものが多かった中で、奇跡的に半分以上余ってるカートリッジ入手。500g缶なのは邪魔だけど、かなり節約できてありがたい限り。次はお買い物。最初に国営のリカーショップでビールを入手。いきなり重量物を買うのは面倒だけど、タイミング的にここでしか買えないから仕方ない(アイスランドでは国営リカーショップでしかアルコールが買えないので。営業時間はかなり短い)。その後スーパーに移動し、パン、ドーナツ、ハム、チーズ、プチトマトを入手。サンドイッチなどはISK1000円くらいが普通だけど、加工していない食料はわりとまともな値段。
この日は買ってきたハムでサンドイッチを作り、食べたら早々に就寝。ビールも一本はあけたものの、寒くてあまり飲めなかった。
■Day1
7時半のバスにあわせて起床、昨日から天候はかなり怪しかったけど、夜間に雨が降り、しかも強風。初日から濡れ濡れのテントを持ち歩くことになる。バスに乗車し、ランドマンナロイガルに移動する間も、時折雨が降る。天気予報的には、それほど悪くないのに・・・。2〜3日目はともかく、4日目の予報も怪しい状況。しかもバスのトラブルで途中で若干の足止め。嫌な予感しかしない。
1時間ほど遅延したものの、無事にランドマンナロイガル到着。雨はまだ降っていないものの、空は怪しく、強風が吹き荒れる。初日のキャンプサイトは風が強くなりやすいことを知っていたので、一瞬出発日を遅らせるか迷うものの、4日目の天候が崩れる可能性が高そうなので出発を決意。
ルートはいたって明確、アイスランドで一番の人気ルートだけあって人も多く、目印も整備されていて問題なさそう。最初は日帰りハイクの人も多く、のんびりハイクの雰囲気。あちこちで蒸気が吹き出し、火山の国アイスランドを実感させられる。しばらくすると人も減り、ロングトレック目的の人の姿はいなくなる。雨も降りだし、時折体が持っていかれるような強風にもさらされる。ロングトレイル目的の人の姿はなく、見渡す限り自分の姿しかない。やばっ、やっぱり出発遅らすべきだったか?いざとなったら空きさえあれば小屋にも泊まれるのか?と焦りまくる。若干くたびれてきているレインは撥水機能の限界を超え、これ以上濡れてくるとまずいなーと思っている頃に、なんとか雨は止んでくれた。
キャンプサイトにはコースタイムより1時間ほど早く到着。小屋番さんから「風避けの壁の中に張ってね」とアドバイスがあり、比較的テントサイト内のトイレに近く、他の人も張っている場所を選択。設営中の降雨は逃れたものの、油断すると強風でテントが持っていかれそう。撤収時のことを考慮し、久しぶりにテント本体にもペグを打つ。強風ではためく前室では炊飯もできず、仕方なくテント内で。夜間も強風は吹き荒れ、フリース&ダウン上下&モンベル#1でも少し寒いくらい。雨も降っているようで、朝には止むことを祈りつつ就寝。
■Day 2
途中トイレに起きたら、月と星空。まだ風は強いものの、予報通りに天気が良くなりそうで期待。二度寝して起きたら・・・またもや濃い霧に包まれてた。強風にテントが持っていかれそうになりながらテントを撤収、そんな状態だからずぶ濡れのテントを持ち歩く羽目になり、ますます荷物は重くなる。ちなみに気温は0度。これで強風、太陽も無しの寒さといったら・・・
それでも降雨はなく、前日よりは遥かに良いコンディション。途中までは霧に包まれて次の目印が見えないほどだったけど・・・急に霧が晴れて、視界が広がった!まるで月に来たかのような、植物がほとんどない不思議な地形が浮き彫り。これは、きっとアイスランドにしかない光景。そうそう、これこれ、これを見たかった!
この日は天候がもちそうなので、本来は2日目、3日目に分けて歩く行程を1日で歩ききろうと思っていた。初日で普通に歩いていてもコースタイム通り以上に歩けることが分かったし、3日目はほぼ標高差無しのルートだとは把握していたので。最初の小屋に11時くらいに着くようなら先に進もうと目安を決めて歩く。結果的に、目標通りの11時に到着したので先に進むことに。
ここから先は、ほぼ平坦。そして、地形の変化も少なくなり、砂漠かアメリカの荒野を歩いているかのような気分になる。平坦だから楽だろうと思ったら、その分同じ動作がひたすら続くことになり、重い荷物が辛くなる。明らかに食料が余分過ぎていて、なんでこんなに持ち込んだんだろうと後悔をちょっとしつつ。。
途中、噂のスネまである渡渉。このために持ってきたサンダルに履き替えて渡ると、流れはそれほど早くないものの、雪解け水がめちゃくちゃ冷たい!足はさっぱりしたものの、リフレッシュというにはあまりに冷たかった。
GPSで時折マップを確認しながら進むも、なかなか次の小屋にたどり着かない。ちょっと焦っていたころ、次の小屋をGPSソフト(Maps Me)でマークし忘れてたことに気が付いた。Emstrurという名前で探していて見つからなかったのが原因で、Botnarという名前で地図に記載されている。よくよく地図と合わせて確認、そろそろ小屋が見えてくる頃と分かり、少し安堵。実際、まもなく小屋が見えてきた。氷河が見渡せる、最高のロケーションのキャンプサイト。この頃には風もなく、天候も良しの最高のテン泊日和(とはいえすごく寒いけど)。この日は重いものを減らすために、ラーメンとサバ味噌の夕食。ここでラーメンを食べるのもいかがなものかとは思いつつ、暖かいラーメンが心に染みた。
■Day 3
夜間に雨がパラついていたものの、前日以上にいい天気。最終日は6時間ほどの行程、最終バスは18時ということで、のんびり行程。ゆっくりと朝食を食べ、少し丁寧にテントの水をふき取って撤収し、ソルクモスルへ向けて出発。
前日後半はひたすら平坦な道を進む苦行だったが、この日は変化に富んだルートが続く。大地の割れ目のような地形、渓谷などを歩くのが楽しい。天気も良く、時間に余裕もある。これくらいの余裕のあるトレッキングは素敵だ。
そろそろソルクモスルも近くなってきたころ、いかにも渡渉しないと〜な川が見えてきた。調査段階から多少心配していた、時には膝上まで水位が達するという、このルート最難(?)の渡渉。案の定、苦労しながら渡ろうとしている人が多数。これだけ人が通るなら、大した水位でもないのだから橋を架ければいいのに・・・と内心思うけど、ある意味名物になっているから今更架けられないのではという気もする。すでにこの日も一回渡渉をしており、サンダルは昨日から外付けしっぱなし。再びサンダルに履き替えて、近くにいたパーティーに「どこから渡るつもり?」と相談。少し上流がマシなんじゃないかという結論になり、いよいよ渡渉。途中までは良い感じだったのに、途中から急に深くなる。・・・あ。流れが合流するところだからだ、と気が付き、慌てて引き返す。もう少し上流から渡って、無事に渡り切った。水位は膝下、1.5往復くらいしてしまったので冷え切った。。
その後はのんびりとした樹林帯を進み、広い湖(というには水位が低すぎるけど)が見え、その湖畔に小屋が見えた。無事に、ソルクモスルまで到着。のんびり歩いていたわりに14時には到着したので、14時半のバスに振り替えられないかバスの運転手に聞いてみるも、残念ながら満席。次の18時の便は空いているということなので、そのまま3時間ほど待つことにする。3km先のBásarまで行くこともできたものの、もしも始発のバス停で満席になると目も当てられないので、コーヒーや紅茶を飲みつつ、のんびり待つことに。天気は良かったものの風は再び強くなり、吹きさらしの芝生で待つのは何気に辛かった。
18時のバスが到着、すぐに乗れるかどうか聞くと「OK」との返事。無事にレイキャビクまで戻れることが確定し、安堵。
今回は4日間の日程を3日間で歩いたけど、結果的にベストな選択ができた気がする。ガイドブックで3日目と紹介されてる行程(私の2日目後半)はひたすら変化がなく、正直辛かった。これだけで1日を終えるのはもったいない。テント泊だと苦労も多いけど、レイキャビクでの前後泊も含めて行程を柔軟に変えられたのは大きかった。
天気がコロコロ変わるアイスランドで、二日間天気がもったのはラッキーだったと思う。事実、二日間日程が違っていたら、大嵐に巻き込まれるところだった。
今回の海外トレッキングは、いろいろな意味で忘れられない経験になった。
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