【皿ヶ嶺】山霧晴れずとも
- GPS
- 02:41
- 距離
- 5.4km
- 登り
- 381m
- 下り
- 383m
コースタイム
- 山行
- 2:13
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 2:39
天候 | 晴れときどき小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
【忘備録】
山の天気予報は、やはり半信半疑くらいがいい。今回は早朝に家を出て、涼しい時間帯にさっと登ってしまう計画だった。9月に入ったとはいえまだまだ日差しが強く、もう半年以上も山から離れていた自分の体力に自信がなかったのもある。(令和になってからはじめて登るくらいだから。)松山市内を抜けて、東温市の奥の方を進むうちに、雲行きが怪しくなってきた。前日の予報は間違いなく晴れだったのはずなのに。
最初のうちは天気雨みたいだったから、登山前に少し雨が降れば、気温が下がって登りやすくなるなと楽観視していた。それに街中を抜けて、南の方にハンドルを切った時、山裾にちょっと見たことがないくらい大きな虹を見つけた。山を登る前の静かな興奮と、変わりやすい天候への期待と不安。きっと誰かと一緒なら分かち合えた感情は、言葉にならないまま自分の胸の底に穏やかに堆積していく。
山道を進み上林森林公園の登山口に車を停めると、雨粒はさらに勢いを強めている。このまま強行するか、諦めて引き返すか。雨雲レーダーのあるアプリと実際の空を交互に眺めること小一時間。なんとか雲の切れ間から青空がちらほら見えてきた。こうなったら迷いはすっかり消えて、久しぶりの一歩を踏みしめる。ここは嶺という立派な漢字が使われているものの、ほとんど森に近い印象を受ける。
雨後の山は白い霧に覆われて美しく、匂い立つような濃密な空気が充満している。道はぬかるんでいるものの、歩くのが嫌になるほどではない。むしろ、水滴のついた木々や草花は生命力を増しているようで、少し前まで急な雨を恨んでいた自分が情けない。始めのうちは、体力温存を理由にスローペースを心がけて登っていたが、いつの間にかこの時間が惜しくなってきて歩くスピードをさらに緩めた。
それでもあっという間に中間地点にある竜神平を通過し、ほぼ予定通りのコースタイムで山頂に着いてしまった。前回同様、瀬戸内海と島々が遠くに見える。ああやっぱり海の近い愛媛の山なんだなと思う。頭上の風が強くなってきて、雲が後から後から流れていく。直前に見た天気予報だと午後からもう一雨くるらしい。短い休息の後、再び霧の道をくぐり抜けるのを楽しみに、来た道を足早に下っていった。
九月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやむ
[九月(ながつき)の時雨の雨が山霧となって立ち込める。そんな風に塞いでいる私の胸は、誰を見れば晴れるのだろう。]
(詠人不知『万葉集巻十』)
【山の概要】
皿ヶ嶺は愛媛県中予地方の東温市と上浮穴郡久万高原町とに跨る皿ヶ嶺連峰県立自然公園を擁する山。山頂は久万高原町に属し、標高1271m。東は陣ヶ森、石墨山、堂ヶ森さらには石鎚山と連なる。西には松山平野と久万高原とを隔てる三坂峠が位置する。山麓から中腹までは自動車の通行可能な道があり、道の終点の駐車場まで松山市街から自動車で1時間程度でたどり着けるため、遠足やハイキングなどで気軽に登れる山である。山の北斜面は中央構造線に当たり断層が多く見られる。このため中腹までは急傾斜が続くが、山頂付近にはなだらかな竜神平が広がり、皿を伏せたような山容であるため、この名が付いた。中国地方の山間部よりも標高が高く、冬場はしばしば積雪が見られ、1m近く積もることもあるため、中腹にはスキー場もある。山頂には二等三角点「行長」が設置されている。
(ウィキペディアより抜粋)
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する