リベンジ 甲斐駒ケ岳
h-kaku
- GPS
- 32:00
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 1,109m
- 下り
- 1,111m
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7:25甲斐駒ケ岳発ー8:50駒津峰ー9:50双児山ー10:40北沢峠
| 天候 | 曇りのち晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
12:00北沢峠ー12:20広河原ー16:00甲府（山梨交通バス） 16:10発 JRスーパーかいじ |
| コース状況／ 危険箇所等 |
山頂付近はそれなりに危険な個所はあります。しかし、かなりご高齢の方も頑張って登ってこられます。岩場付近ではストックは畳んで両手を使えるようにした方が良いと思います。逆に手袋が必要。 |
| 予約できる山小屋 |
北沢峠 こもれび山荘
|
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感想
北沢駒仙小屋のテント場をまだ夜が明ける気配のない朝4:00に出発する。
暗すぎて時々ルートを見失いそうになるが、なんとか仙水小屋を抜ける頃、ようやく夜もしらみ始めた。
ゴーロと呼ばれる、冷蔵庫から軽乗用車大の石が何百万個も積み重なって出来た山の中を抜ける。
大昔に氷河が運んで来て丸くなった岩が積み重なって出来たものだそうだ。なんとも幻想的。
仙水峠を左に折れ、駒津峰に向かう急峻な坂を登る頃、また風が強くなってくる。
下から時々霧雨まじりの風が吹き上げてくる。
今日もだめかな、と思わず弱気になる。
昨日、北岳の山頂は悪天候でまったくの展望が見渡せなかったので、今日こそはと期待をかけていた。少し気持ちが萎える。
しかし、高度が上がるにつれ、だんだん霧が晴れてくる。
駒津峰を越える頃、目指す甲斐駒ケ岳が写真で見たままの異様な容姿で聳え立つ。その東の稜線から朝日が昇ってくる。
やせ尾根の岩場を何度も降りてはよじ登りながら、その大きな山へ近づいて行く。
六方石を越えて岩場を抜けると白い砂礫のザラザラした尾根筋を山頂へ向かう。雪の上を歩いているかのような不思議な幻想を覚える。
山頂はすぐにやってきた。今日は360度の展望が望めた。
北に鋸岳から八ヶ岳、鳳凰三山越しに富士山が雲の隙間から少しのぞいている。そして、昨日雲の中から決して姿を現さなかった北岳、仙丈ヶ岳までくっきりとその荘厳な姿を見せてくれた。
北岳より少し低い2967mの高峰からの絶景を満喫して腕時計を見る。まだ7時過ぎだ。
慌てることもないが、これ以上居ても仕方がないので元来た道をゆっくり下る。
登りではあまり人と会わなかったが、下りでは登ってくる大勢の人とすれ違う。
ルートの限られた岩場ではどうしても登り優先で待たなければならないので、時々ご婦人には手を出して引っ張り上げてあげる。
途中の岩場でかなり？のご高齢のご婦人が岩場をよじ登ってくる。
「急な山道はいくらでも大丈夫なのだけど、こうした岩場登りはやっぱり少し怖いわ」
一体、何歳位まで登れるのだろうか。なんだかうれしくなる。
岩場を抜けて駒津峰から今度は双児山の方へ抜ける。時々甲斐駒の頂を見返しながら、ハイマツの草原を下って行く。
途中開けた場所で20才位の若い青年二人とすれ違う。喘ぎながら、
「頂上はあとどれくらいですか？あれが頂上？」と駒津峰の尾根筋を見上げながら聞いてくる。少し横柄な聞き方だった。
見るとTシャツにジーパン、スニーカー履き。もう一人の方は少しましだが同じような格好。
時計を見るとまだ9：30。今から山頂を目指しても十分に降りて来れるだろう。しかし、
「そうだよ。あれが頂上。後もう少し頑張って！」
と答えて彼らを背に歩き出した。駒津峰に登り切ったあと、さらに奥の甲斐駒の頂に絶句するのだろう。
「ええっ、マジ、まだあんなに歩くのかよ」と後ろで聞こえる。
「君にはむりだよ、ピクニックじゃないんだ」少し憂鬱になる。
双児山を抜けてもう里山風の登山道を下り、北沢峠に着いた時にはまだ11時前だった。
空は青く澄み渡り、暑い日差しが照りつけてくる。「梅雨が明けたな」
駒仙小屋のテント場に着くと、テントは日を浴びてカラカラに乾いていた。
中の荷物もシェラフも触ると暑く、もう自宅で干す必要も無いくらいだ。
荷物をパッキングして北沢峠のバス停に戻ると、ちょうど臨時のバスが入って来た。
広河原へ着くと、甲府行きのバスの出発12:50。あと30分。
少し時間があるので、大樺沢への橋まで歩いてみる。昨日と同じ場所から見上げる北岳の山頂は雲一つなく黒く輝いていた。
「今日か明日だったらな」とこのまま帰るのが残念。
「今日、広河原山荘に泊まって、明日もう一度登れば」なんて考えが頭に浮かぶ。
でも体中のあちこちがぎしぎしと悲鳴を上げている。
「ピクニックじゃないんだから」ふとさっきの自分の言葉が頭に浮かぶ。
「3000mの高峰はそう簡単には登らせてくれないんだよな。」
そう考えると、なんだか急に吹っ切れた。
そういえばさっきの青年たち山頂まで登ったのかなあ？
思い出すと笑いがこみ上げてきた。なんだか悪いことしちゃったかな？
「さあ帰ろう！そういえば雷鳥も見てないな、また今度」
思い直すと、バス停にすでに長く出来始めていた帰宅する登山者達の列に加わった。
前日の北岳へhttp://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-207321.html
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