All day ぐるっとクレーター三昧 安達太良山
- GPS
- 08:23
- 距離
- 13.1km
- 上り
- 981m
- 下り
- 969m
コースタイム
- 山行
- 6:28
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 8:09
天候 | 曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません。 |
その他周辺情報 | 下山後、中ノ沢温泉に宿泊 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
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感想
いろいろ事情が重なりまして、急遽、3連休に師範代のホームグラウンドいや、山だからグラウンドじゃなくてホームマウンテン?の安達太良山に行くことになりました。
安達太良山、あの智恵子抄では「阿多多羅山」の上に毎日出ている青い空がほんとの空とうたわれていて、そのほんとの青い空を前から一度見てみたいと思っていました。
この3連休、ゲーノー活動が入っているオヤヂを捨てて遊びに行ってしまう家族がいたのと、そのゲーノー活動の会場が師範代の家の近くだったことから、なんと、ハイドンのオラトリオの演奏会からそのまま黒い蝶ネクタイをしたままヤマに直行というハレンチなことになってしまいました。
ザックを背負って楽屋に現れたワタシに合唱団のメンバーも??? お騒がせしました〜。
というワケで集合場所は武蔵小金井駅前のホールの楽屋口。夕方から休憩はさんで3時間の演奏のあとでは遅くなるし、疲れるし(てゆうか3時間も耐えて?いるお客さんのほうが疲れているに違いない)で「打ち上げ」もナシよ、ということで、師範代の青いスパーカーが楽屋口に到着するまでコンビニで調達した缶ビールでひとり打ち上げ。まもなくラグビー決勝をテレビ観戦してきたナベちゃんも合流。(3時間のゴーモンよりそっちが正解!)立ったまま1本飲み終えた頃に師範代のスーパーカーが目の前に滑り込んで一路、裏磐梯へ。
休養十分の師範代とスーパーカー、軽やかに東北道を疾走し、磐越道に入ったところのPAで仮眠。スーパーカーのシートはさすがに硬くてツラいんだけど、こういう時には、それこそハイドンのオラトリオ?バッハのマタイやロ短調はどうですかね。ちなみに夜行バスでは実証済み、効果満点ですよ。ワタシはかなりの間、意識不明でしたが、ふたりは寝たのか寝ないのかわからないまま登山口へ。
ちょっとてこずりましたが、沼尻スキー場上部の登山口へ到着、6時半に登山開始。
本日のコースは反時計回りで、まずは安達太良山をめざし、鉄山経由でクレーターをぐるっとひと回りする周回コース。ホームの師範代も一度、悪天候で途中で撤退したコースということで、気合入ってます。
朝イチバンはクマも活動開始の時間帯ですかね。このあたり、よく「出る」んでしょうね。きっと本場ですね。翌日、(むしろ日本人でない)観光客でごったがえす五色沼の遊歩道にまで「クマ注意」の看板。(その下に英語で「AGGRESSIVE BEARS IN THIS AREA」とありましたが、襲ってくるクマは「アグレッシブ」だから襲ってくるんですね。PASSIVE(消極的)とかDEFENSIVE(防御的)なクマはいないんですかね・・・って消極的なクマは居ても、防御的なクマってどんなんや?)
幸い、あぐれっしぶベアに会うこともなく、比較的なだらかな道を行くと、すぐに展望ベンチ。まだ残っている紅葉に彩られた「白糸の滝」、振り返ると左に磐梯山、右には東西の吾妻山の雄大な景色。磐梯山と吾妻山のあいだには遠くに飯豊連峰(会津駒ケ岳とカン違い)。上空に雲は多いですが、眺めは遠くまで問題ありません。
2週間前、会津駒ケ岳に大師匠と師範代に同行予定のナベちゃんが不参加になったことで、雨の予想が一転、思いもよらない好天に恵まれたことにより、だれが「あめをのこ」だったかバレてしまったナベちゃんでしたが、今日はなんとか大丈夫そうです。
しばらく行くとまた「滝の展望ポイント」。先ほどの展望台よりさらに滝に近くなって、その迫力も増しています。思わず見とれてしまい、なかなか前に進めません。さらになだらかな道を行くと、下に湯の華採取場が見えてきたところで分岐点。右に行けば安達太良山へ直行、左に行けば一旦、湯の華採取場まで下りて鉄山経由で安達太良山へのコースですが、今回は右のコースをとり、安達太良山へ直行します。
さて、ここからがけっこう急登です。本日のコース、山頂からぐるっとクレーターを回って鉄山避難小屋から胎内くぐりを抜けて湯の華採取場の谷に降りるあたりがかなり急な岩場で、これは逆回りだとキツかったろうにと思いましたが、行程のグラフを見るとこちらのほうが急斜面でしたね。湯の華採取場が見えるあたりからかすかに屁、いやいや火山性ガスのにほひが漂ってきていましたが、樹林帯の中を進んでいくと、いよいよ月面クレーターがその全貌を現わします。
あの田部井淳子さんは福島県の生まれだそうで、初めて安達太良山に登った時、オモテから(山のオモテ、ウラの話をすると、富士山の例でもわかるように山梨の人は「何がウラだ、こっちがオモテ」と言って譲らず、炎上騒ぎに発展するキケンがありますが、ココは「裏磐梯」っていうのが定着してるからモンダイないか?)いつも見ていた安達太良山がウラ側はこんな地球ではないような風景が広がっているのにホントに驚いたと言っていましたが、その話のとおり、まさに地球ではないような光景が目の前に広がりました。
むかし、シンガポールからシドニーへ向かう飛行機からオーストラリア大陸のど真ん中の砂漠を見たことがありますが、赤茶けた岩だけの大地に大昔に水が流れたのではないかと思わせるような川の痕跡以外何もない、まさに不毛の地でしたが、それを思わせるような灰色一色の、生命の活動をまったく感じさせない窪みでした。
そのクレーターを取り囲む稜線に出ると、そこからぐるっとひと回りですが、半分回ったところで山頂への分岐があり、なだらかな稜線上を頂上へ向かいます。左にクレーターの底を見ながらクレーターのへりを回りますが、足元はザレていて、ところどころで細くなっており、本日、日曜日なんですが「火曜サスペンス劇場」です。
例のジングルがアタマの中で鳴るので、慎重に通過します。
何度かアップダウンを繰り返して山頂への分岐に到着します。お天気は大丈夫なんですが、風がものすごくつおい。この風も安達太良山の定番らしいんですが、風よけは着ているものの、かなりさぶくて手もちょっとかじかんでいます。
分岐からはなだらかな稜線上を進み、その先に見えるのが例の「びーちく」の山頂です。山頂の標識が見えるあたりでは、反対側からロープウエイを利用して登ってくる人たちがたくさん見えます。高尾山とまではいきませんが、かなりの人出で、やはりこのエリアでは屈指の人気の山であることがよくわかります。
安達太良山1700mの標識で証拠写真を撮りましたが、やはり最後には「にゅーとー」を征服しないとねえ。ということで、ちょっとした岩登りでとうとうたどり着きました。
長い間、機会をうかがっていましたが、ついに安達太良山、登頂です。でも風つおいしさぶい。360度、ぐるっと見渡せます。南の郡山、二本松方面から北には福島市。師範代の小学校がある信夫山もはっきり見えます。(師範代にも小学校時代あったんだ。)うしろは登山口からずっと見てきた三角の磐梯山になだらかな稜線の吾妻連峰。すばらしいです。非常にすばらしい。
頂上で景色を堪能し、少しエネルギーを補給して、さてあと半周です。
さきほどのクレーターのヘリの分岐まで戻ってくると、クレーターと反対の斜面にはくろがね小屋が見えました。もうすぐしばらくのお別れになり、結局、行けませんでしたが、師範代、ナベちゃんからはいつも「いい小屋だ」と聞かされてました。また復活したアカツキにはぜひ伺いたいものです。
くろがね小屋に向かって降りる道とわかれて、私たちはひき続きクレーター周回で、鉄山へのルートをたどります。少し登り返しますが、鉄山の頂上からは広いなだらかな稜線が避難小屋からその先ま続いています。
少し風も弱まってきて日差しもかなりあります。磐梯山や裏磐梯の湖、吾妻連峰を眺めながらのんびり歩くのがとても爽快です。避難小屋を過ぎてしばらくはなだらかな道が続きますが、切り立った岩の上から下をのぞくと、湯の華採取場へ通じる道が見えます。が、この絶壁の上からの高度差はかなりあるカンジです。いったいどんなルートが待ち構えているのかと思っていると、いきなり出ました「胎内岩」。
えー、やっぱりくぐるの?上を行ってる形跡もあるけど、転落も怖いし・・・結局、ザックをおろして通過しましたが、アタマを上げるタイミングがちょっと早くてちょっと岩に頭突き・・・後で見たらちょっと赤くなってました。
難所をこえると、やっぱり予想したとおり急な道。慎重にひとつひとつ岩をやりすごして降りていきます。それほど長い距離ではなかったのでしょうが、下から見るとイッキにころげ降りてきたカンジです。
急な岩場を過ぎて谷へおりると、ここから湯の華採取場までザレた道を行きます。
何度か水の流れを横切り、湯の華採取場の小屋まで来ました。さて、ここで、登山道の矢印は湯の華採取場の施設を通って、反対側の急登を登り返して、朝、通過した分岐に向かうようになっていますが、どうも道があるのかないのかよくわからない。おまけにそろそろ足にも来るころなので、この急登できっと足がつりそう・・・そのまままっすぐ行く人ばかりで、登り返している人はだれもいないし・・・・師範代によると、まっすぐ行くのは正式な登山道ではなくて「作業用の道」ということらしいし・・・・が、登り返す気力も萎えているので、結局、まっすぐの道を行きました。(ごめんなすって)
この道、今朝のぼった登山道の下を通っているようで、途中、行きに眺めた白糸の滝にサヨナラしながら、結局、Aggressiveなクマに会うこともなく、クルマを止めた駐車場の端に突然でてきました。ハイ、お疲れさまでした。
オモテから見る山容とはまったく異なり、まさに月のクレーター?みたいな異様な光景を左に見ながら1日かけてぐるっと1周。智恵子の雲ひとつない抜けるような青空はなかったものの、ふもとには紅葉あり、立派な滝あり、頂上からの360度の眺望あり、ずっと来たいと思っていた師範代のホームは本人の言うとおり何度でも来たくなるすばらしい山でした。
「心のよりどころ」としている山ってありますよね! ホームグラウンドとでも
言いましょうか? 例えばコースを知り尽くし自分の体調チェックに使える山
あるいは 登山仲間が集い訪れると楽しい会話に花が咲く山もそうでしょう。
安達太良山は私にとって絶えず心の中に息づいてきた山と言えます。 福島市に
生まれた私は吾妻連峰の先に連なる安達太良連峰の姿を西方に眺めながら小学生
までを過ごしました。夕日に映えるその姿は限りなくのびやかで登山を知らない
子供の目にも綺麗な山並みの印象が焼き付いています。
時は進み 栃木県の高校で1年間入部した山岳部時代、トレーニングはもっぱら
日光連山、夏山合宿は飯豊連峰でしたが、栃木県高校山岳部の合同合宿が行われ
たのが安達太良山、この時が初めての安達太良山登頂となったのですが、登山の
印象は極めて薄く!、キャンプファイアーを囲みながら高校別「出し物大会」が
行われ女性陣が歌を歌いそれに合わせて男性陣がダンスを披露する「パフォーマ
ンス合戦」への参加が深〜〜く心に残るイベントとなっています。男子校だった
わが校は県内女子高とタッグを組みパフォーマンスへの練習を行ったのですが、
なにせむさ苦しい男子校生活の中、女子高との共同作業のひとときは「淡い青春
の思い出!?」(^^♪を形作っています(・・;) (パフォーマンス合戦の結果?
⇒そんな調子の私達です、練習に力が入るワケがありません! しかも本番では
女性陣が練習時と異なる歌を歌い始める(イタズラ)の為、結果はボロボロだっ
た(>_<)とだけ申し上げておきます。)「うかつに人を信じてはいけない!」
そんな教訓?も身に着けた瞬間でした。
約20年間のブランク期間を経て、社会人として山登りを始めた私は自分の意志で
東京から安達太良山に向かう機会が増えてきました。安達太良山の山頂に立つと
生まれ育った故郷(福島市、郡山市)の街並みが眼下に広がり、福島市の中央に
は小学校時代の遊び場であった信夫山が、街の南部には北へと流れる阿武隈川を
望む事ができます。 更に西方に目を移すと父親(故人)の運転で夏休みのドラ
イブに連れて行ってもらった猪苗代、裏磐梯地域の大自然が広がっています。
ドライブ中の車内には赤トンボが飛び込んで来た思い出もあり 自然と戯れてい
た少年時代を思い出します。 そんな父親も信夫山内の霊園に眠っています。
毎年のように恒例の安達太良山登山&お墓参りを繰り返すうちに、最初は「ゴン
ドラも使える登り易い山」の印象があった安達太良山は「静と動 2つの側面を
持つ山」「なかなか飽きさせてくれない山」と次第にその印象が変わりその奥深
さにたまらない魅力が感じられるようになっていきました。
世界的な登山家の一人だった田部井淳子さんが安達太良山を「登山にはまった
原点の山」と述べている事を知り、私自身の感覚に確信を得る事ができました。
長年に渡る安達太良山との精神的なつながりが、単に回数をこなしている山とは
異なる信頼関係のような感覚が生まれているのかもしれません。
自叙伝!が長くなってしましました(>_<)
そんな安達太良山の魅力に触れてもらいたいと、前々から登山仲間(Stanton,
ナベちゃん)を招待できる機会をうかがってきましたが、日程の都合、悪天候等
で叶わないまま年月が過ぎていましたが、その機会は突然巡ってきました。
しかも沼尻登山口を起点としたクレーター周遊コースで上記 田部井淳子さんが
「安達太良山を登るなら絶対こちらのコース」と紹介していた名裏ルートへの
初挑戦です。(過去 雨天途中撤退あり)
3連休の初日夜、東北道を北上して安達太良山ツアーのスタートです。
(登山ルート)(山からの眺望)
なだらかで歩き易いコースが連続する奥岳からの「表ルート」に比較して、クレ
ーター周遊の「裏ルート」は急登あり、岩場あり、断崖ありの緊張感が散りば
められています。 目に飛び込んでくる景色も刻刻とその表情を変え驚きと感動
さえ感じさせてくれます。
田部井さんの言葉どおり「山好きならぜひこちらのコースへ」と宣伝したくなる
程の良コースと感じられました。
詳細レポートはStantonにおまかせしましょう。
(まとめ)
同じく「安達太良山はホームゲレンデ」と力説?しているあの師範代がインタ
ビューに応えてくれました。
Q:安達太良山は過去何回ぐらい登っているのですか?
A:そうねえ!学生時代、途中撤退も含めると2ケタ程度にはなるかな〜
Q:同じ山ばかり飽きないのですか?
A:安達太良山に限らずどの山にも言える事と思うけど、季節を変え、ルートを
変え、体調に応じて山は様々な表情を見せてくれるものだよ。
今回のクレーター周遊コースなんか典型的な例だと思うよ。まるで初めて
訪れた山かと感じたからね!
Q:安達太良山の魅力とは何ですか?
A:標高1700mのたおやかな表情を見せて登り易い人気の山 こんなレッテル
を信じて訪れた人はゴンドラを使った山頂のみを目指すのではなく、鉄山
方面への周遊をするべきだね。山の表情の2面性、自然の驚異を目の当たり
して驚きの声をあげる事になると思うよ。 そこが安達太良山の奥深さであ
り、百名山たるゆえんだと思うね。
Q:今回巡ったクレーター周遊コースの良い所は?
A:交通アクセスの観点から、文学的な由来からか? 裏磐梯方面からコースは
「裏」扱いになるケースがあるけれども、山と触れ合いたい、登り心地を堪能
したいと思っている山好きにとっては絶対にこちらが「表」、七変化のコース
を1日楽しむ事ができるよ。
Q:登山仲間への招待叶いましたね?
A:そうなんだよ! ようやくその時が訪れた感があるね。 視界ゼロだったら
どうしよう?と心配したけど、天気OK、コースOKで きっと楽しんで
くれたと期待しているんだ。 自分がホームグラウンドだと言っているその
ゆえんも感じてもらえたらうれしいね。
Q:恒例の最終質問です! 次の登山計画は?
A:今回の 山行 少し心配しているのは「クサリ場、ハシゴが少ない」「スリル
とサスペンスがもっとほしい」(*_*) と不満の声があがらないか?と言う
点なんだけど、、。(ナイカ!) 雪解けシーズンになったらイヤになるく
らいスリルとサスペンスを準備しておくよ!と伝えておいてもらえないか。
ワハハハハハ〜〜〜!!
この師範代の性格、幼少時代のどこかに問題があったのでしょうか??
お疲れ様でした!
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