【タンザニア】キリマンジャロ(マラング・ルート)


- GPS
- 34:35
- 距離
- 69.3km
- 登り
- 7,989m
- 下り
- 7,965m
コースタイム
マラング・ゲート(1880m)12:55 - 16:20マンダラ・ハット(2730m)
【2日目】行動時間:6時間5分、標高差:1050m
マンダラ・ハット(2730m)7:25 - 13:30ホロンボ・ハット(3780m)
【3日目】行動時間:4時間40分、標高差:990m
ホロンボ・ハット(3780m)8:20 - 13:00キボ・ハット(4720m)
【4日目】行動時間:10時間10分+2時間50分、標高差:1175m
キボ・ハット(4720m)0:00 - 2:25ハンスメイヤー・ケーブ - 5:10ギルマンズ・ポイント(5685m) - 5:55ステラ・ポイント(5756m) - 7:00ウルフ・ピーク(5895m)7:20 - 7:50ステラ・ポイント(5756m) - 8:15ギルマンズ・ポイント(5685m) - 10:10キボ・ハット(4720m)12:10 - 15:00ホロンボ・ハット(3780m)
【5日目】行動時間:約5時間40分
ホロンボ・ハット(3780m)7:50 - 11:05マンダラ・ハット(2730m) - 13:30マラング・ゲート(1880m)
過去天気図(気象庁) | 2019年11月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5985m)。
キリマンジャロ登山は、入場料が高く、ガイド・コック・ポーターの同行が義務付けられているので、どうしても高い費用がかかってしまいます。また、すでに雨期に入ってしまっていて天候も厳しくなることが予想されたので、直前まで登ろうかどうか迷っていました。
いろいろと悩みましたが、やっぱり登ってきました。
案の定、天候は安定しないで曇りがち。雨にも結構降られましたが、肝心な登頂時は好天に恵まれました。
標高5000mを越える登山・トレッキングの経験は何度かありますが、いつも空気の薄さに苦しい思いをし、今回も同様大変苦しかったのですが、同行のNさん、ガイドたちのおかげで無事登頂できました。ありがとう。
山はとても雄大で、頂上付近の火口の光景も素晴らしかったです。
【前日】
・前滞在地ザンジバル島からは飛行機で移動。ザンジバル〜アルーシャの料金は53USD(約5800円)と、フェリー、バスを乗り継ぐより少し高いくらい。飛行機からのキリマンジャロが見える事を期待したが、残念ながら雲がかかっていた。
・到着したアルーシャ空港はアルーシャの街の郊外にある。市内へのシャトルバスが出ているという情報もあったが、見当たらなかった。空港裏側の道路にダラダラが走っていそうなので、道路まで歩いて行こうとしたらタクシー運転手から声がかかる。他の客とシェアで10000シリング(約470円)で行ってくれるとのこと。お願いすることにした。
・アルーシャのバスターミナルで乗り継ぎ、キリマンジャロ登山の基地となる街モシへ移動。バス代3000シリング(約140円)。荷物代として2000シリング(約100円)を要求されたが、荷物を持って立ち去ろうとすると「問題ない」と引き留められる。やっぱり荷物代は不要だったみたい。
・モシでは日本人ブログでよく紹介されているキリマンジャロ・バックパッカーズ・ホテルに宿泊。シングルルームで10USD(約1090円)。
・キリマンジャロ登山をお願いする旅行会社は、これまた日本人ブログで紹介されているキリ・クライマーズにした。宿の受付でその旨を話すと、電話をしてオフィスの人に迎えに来てもらえた。紹介料でも貰えるのかな?
・マチャメ・ルート(テント泊6日間)で登りたい事を伝えると、今は雨期に入っていて雨が降るので、小屋泊で登れるマラング・ルートの方がいいと勧められる。料金を聞くとマラング・ルート(小屋泊5日間)が1500USD(約162,900円)、マチャメルート(テント泊6日間)が1700USD(約184,600円)。また、翌日発のマラング・ルートなら、ちょうど他の日本人客と一緒に登れると言う。マラング・ルートでお願いすることにした。料金はまけてもらって1300USD(約141,200円)。料金には往復の車代、ガイド・コック・ポーター、レンタル装備、登山中の食事、国立公園の入場料等が含まれていて、チップ代は別。
・車で近くの銀行まで連れて行ってもらい、ATMで現金を入手。私はタンザニア・シリングで支払った。
・その後、国立公園への予約、支払いが必要になるのだが、オフィスの通信環境が悪いため近くのネットカフェへ移動。そこでオンラインで入場料等の支払いを済ます。
・宿に戻ると共有スペースに日本人がいた。Nさん。聞いてみると翌日からマラング・ルートで登ると言う。6日間で申し込んでいるとのことで私の日程とは異なっている。旅行会社で聞いた日本人と同一の人かどうか分からないが、まぁ、多分一緒に行動できるでしょうと、お互い日本人同行者と登れることでほっとする。
・持っていく荷物と置いていく荷物を分けて準備を済ませておく。
【1日目】マラング・ゲート〜マンダラ・ハット
・6時半に起床。宿の屋上に上がってキリマンジャロ方面を眺めてみるが、残念ながら雲がかかっていて姿を見る事はできなかった。
・高山病の薬ダイアモックスを用意していなかったので薬局へ行く。品切れで何軒か回ってようやく購入。1〜2錠あれば十分だが、5錠単位でしか売ってくれなかった。5錠で5000シリング(約240円)。
・9:00ピックアップ。宿に戻ると旅行会社の人とガイドはすでに来てくれていた。不要な荷物を宿に預け、持参する荷物のチェックを受けて出発。
・装備のレンタル、食材の買い出しなど寄り道しながらマラング・ゲートに向かう。11時半頃に到着。
・ゲート付近で昼食。受付で時間がかかったようで、13時頃、いよいよ登山開始。
・空は残念ながらの曇天。
・樹林の中の道を行く。ガイドの歩くスピードはかなり遅い。じれったく感じる。標高が高くなってきた時のペース作りをしてくれているのかな。
・途中から雨が降り始める。本降りではないので雨具はしばらく着なかった。その後も降ったりやんだりを繰り返す。
・今日の目的地マンダラ・ハットが近づいてきた頃、雨も本降りになる。雨具を着込むが、撥水性能が悪くしみてくる。着ていた衣類も濡れてしまった。この先も雨が続いて用意していた衣類がみな濡れてしまうと、標高が上がり気温が下がってきた時に厳しくなる。不安が残る。
・16時半前に小屋に到着。名簿にサインして受付を済ます。
・マンダラ・ハットでは三角形の小屋がたくさん立ち並んでいる。一つの棟には入り口が両面についていて、それぞれが4人部屋となっている。4人部屋を2人で使用できるので、広々としていていい。
・小屋に着くと、まずお湯をいれた洗面器を用意してくれる。手と顔を洗い、さっぱりとする。
・続いてティータイム。ポップコーンも用意してくれていた。
・晩飯の時間まで小屋でのんびりと過ごす。雨は降り続いていて、テント泊でなくてよかったと、つくづく思う。
・晩飯後、翌日のスケジュールの説明を受け、早目に就寝。
【2日目】マンダラ・ハット〜ホロンボ・ハット
・朝6時起床。雨はあがっていて、雲の切れ間から日が射している。雨が降らない事を願う。
・朝、まずはお湯をいれた洗面器を用意してくれる。顔を洗い、朝食。
・7時発と聞いていたが、なんだかんだ7時半に出発。こっちはちゃんと7時には出発できるように準備していたが、まぁこんなもん。日本とは違う。
・曇り空のもと、登山開始。
・まずはクレーターに寄る。クレーターというと隕石の落下跡を想像したが、火口のことだった。
・しばらくは樹林歩きが続く。標高が上がってくると、やがて低木帯となり、木も少なくなっていき、展望も開けてくる。
・途中の休憩所で昼食。
・晴れ間も出たが、やがて雲が広がってしまう。
・13時半にホロンボ・ハットに到着。小屋の形式はマンダラ・ハットと同じだが、少しだけ広かった。
・雨は降ったりやんだり。小屋でのんびりと過ごす。濡れた衣類を干しておくが乾かない。
・夜中、雷雨。
【3日目】ホロンボ・ハット〜ギホ・ハット
・7時起床。空は一転していい天気。今まで見る事ができなかったが、ようやく真っ白なキリマンジャロ頂上方面を見る事ができた。
・ガイドに相談し、ダイアモックスを半錠飲んでおく。薬を飲むと、便意をもよおしやすくなるので夜は飲まない方がいいとのこと。
・真正面に頂上方面を見ながら、気持ちのよい草原を行く。展望が開けていて気持ちがいい。マウエンジ峰も格好いい。
・気持ちのようい平原の中をひたすら歩くと、ようやくギホ・ハットが見えてきた。見えてきてからもまだまだ遠い。
・やがて休憩所。ちょうど昼時だが、ギホ・ハットも見えていて1時間弱で到着できるとのこと。昼食はギホ・ハットで取ることにして、そのまま歩き続ける。
・13時頃、ギホ・ハットに到着。ここでは大部屋。8人部屋で、他にも客が2人来ると聞いていたが、結局誰も来なかった。
・登頂のスケジュールの説明を受ける。17時頃に晩飯をとり、23時に起床して、0時出発の予定。
・晩飯まで時間があるが、ここで眠ってしまうと夜眠れなくなりそうなので、頑張って起きている。食後、眠ろうとしたがあまりよく眠れなかった。途中、トイレに行くため外に出たら星がきれいだった。
【4日目】ギホ・ハット〜ウルフ・ピーク〜ホロンボ・ハット
・よく眠れなかったまま23時に起床。つらくなりそう。
・準備を済ませ、0時に出発。外は思ったより寒くない。
・真っ暗な中、ヘッドライトと月あかりを頼りに歩く。
・今までの3日間は、よく整備されたゆるやかな道ばかりで楽だったが、今日は最初から急な道で結構しんどい。空気も薄くなっていて呼吸が苦しい。
・ひたすら歩く。ひたすら歩く。
・ハンスメイヤー・ケーブ で休憩。岩の下で休む事ができる。
・まだまだ登りは続く。道はジグザグな道。ひたすら歩く。
・途中までは歩きやすい道だったが、やがて岩っぽくなってきて歩きづらい。かなりしんどくなってくる。それに眠い。Nさんは頭痛が出始めた。何とか頂上までひどくならなければいいが…。
・真っ暗で、その先どこまで登りが続くのかも分からない。
・途中、スマホの地図で位置を確認すると、急登を登り切るまで平面距離で200mほど。もう少しで急登は終わりと、自分で自分を励ますが、なかなか急登は終わらない。道はジグザグだし、遅くしか歩けない。その200mがとても長く感じた。
・出発から5時間、ようやく一区切り。ギルマンズ・ポイントに到着。急登はこれで終わり、その後は楽になるかと思ったが、その先もかなりしんどい。すでに疲れがたまっていて、空気もさらに薄くなっている。緩やかな道でもしんどい。
・薄っすらと明るくなり始め、周囲の景色も見え始める。想像以上の絶景にびっくり。
・途中、ステラ・ポイントあたりで日の出。
・日差しが出始めると体も暖かくなってくる。手足の指先が冷えて痛かったが、日差しのおかげで痛みもやわらぐ。
・7時、無事頂上に到着。途中から頭痛を感じていたNさんも無事登頂。よかった。それに空はいい天気。絶景。
・頂上では、まず一服。とても気持ちがいい。
・記念写真を撮って下山開始。
・眠たさもさらに強くなっていて、下りも結構しんどい。
・ギルマンズ・ポイントを過ぎると急な下りが始まる。道は雪がついていて滑りやすい。転ばないように気を付けながら下る。さらに眠気が強くなっていく。
・10時過ぎ、ギホ・ハットに到着。すぐに眠ってしまった。
・1時間ほどして起こされる。1時間の睡眠でだいぶ楽になった。
・食事をとり、12時過ぎにホロンボ・ハットに向けて出発。
・雲が広がってしまった。気持ちのよい草原をひたすら下る。登りの時はゆっくりだったガイドも、下りは足が速い。
・15時頃、ホロンボ・ハットに到着。
・晩飯後、チップ交渉が始まる。やっぱり苦手。相場は200USD(約21,700円)と聞いていたのでそれで交渉するが、300USDは欲しいと話はまとまらなかった。交渉は翌朝に持ち越すことになった。
・ぐっすり眠る。
【5日目】ホロンボ・ハット〜マラング・ゲート
・6時起床。前日は20時前には眠っていたので、たっぷりと10時間以上。それでもまだ眠っていたかった。
・外はいい天気。頂上方面もよく見える。私たちが登った時以上の好天かもしれない。
・朝食後チップ交渉が始まる。こちらは前日同様200USDを提案。ガイド側はその後仲間と話して250USDを要求。結局220USD(約23,900円)で話を決めた。自分の分だけでなく、仲間の分も含めて交渉しなければならないので、メイン・ガイドはかなり大変な役割だなぁとつくづく思う。後で考えてみたが、今はシーズンオフ。収入も少なくなっているのだろう。これだけ粘り強く交渉してきたのも、そのためかもしれない。
・決める事も決まり、お互いすっきりとした気分で下山開始。
・気持ちのよい平原歩き。どんどん下る。
・やがて樹林帯。マンダラ・ハット小屋を過ぎる。樹林の中の道をひたすら歩くと、ようやくマラング・ゲートに到着。無事、下山。
・受付で下山の報告をし、付近で昼食。売店でビールを売っていたので飲む。久しぶり。4000シリング(約190円)。
・みんなで記念写真。その後、みんなが歌をうたってくれた。この登山中、よく考えてみるとどの人が自分たちのコック、ポーターだったのかよく把握してなかった。初めてみんなと顔を合わせることができた。
・登山証明書をもらい、帰路につく。オフィスでレンタル品の返却し、宿まで送ってもらって、そこで終了。ありがとう。
・早速部屋に荷物を置いて、シャワーを浴びる。暖かいシャワーが気持ちよい。体もさっぱり。近くの酒屋でビールを2本買って、屋上で飲む。うまい。
・夕方、雲も晴れてきてキリマンジャロが見えてきた。宿の屋上からは、残念ながら建築中のビルがジャマでよく見えない。宿の受付でキリマンジャロがよく見える場所がないと聞いてみると、別のホテルに連れて行ってくれた。屋上からキリマンジャロがよく見える。今宿泊している所の同経営ということで、また来ていいと言う。
・夜は近くのレストランでNさんと打ち上げ。お互い、無事の登頂を祝う。
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