天狗堂、サンヤリ【滋賀県】
- GPS
- 07:28
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 1,081m
- 下り
- 1,077m
コースタイム
11:30 天狗堂(〜12:45昼食)
13:30 サンヤリ(〜14:00)
16:05 御池川
16:30 御池林道駐車場
17:05 君ヶ畑バス停
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(地元の方の了解の上) |
コース状況/ 危険箇所等 |
天狗堂までは要所要所案内板があるが、ほとんど壊れてた。(参考にはなる) テープがしっかりしていたので迷うことはなかったが、 最後の直登はテープがないとどこを歩いていいのかわからない。 (逆にいうと、どこでも歩けるので、とにかく登って行けば頂上に至る?) サンヤリへはある程度はテープあり。尾根伝いに行けば迷いはしないと思われる。 サンヤリから御池川への沢道を進んだが、道と言えるものは無いに等しい。 部分的にテープがあったが、連続しておらず本来のルートはわからない。 かなり危険なところも多く、安易に行ってしまって後悔した・・・ |
写真
感想
この日、本当は茨川町に車を停め、藤原岳に登るつもりだった。
しかし、茶屋川沿いの林道を進んでいったがあまりの悪路に先が思いやられ、
折戸トンネルからしばらく行ったところで軽い土砂崩れもあり、早々にあきらめた。
この辺のルートを検討する際、日本コバや天狗堂がすぐ近くだということはわかっていたので、
急きょ行き先を天狗堂に変更。君ヶ畑の集落へ向かう。
君ヶ畑のバス停まで来て、(具体的な準備をしていないので)どこが登山口かわからず
通りすがりの地元の方に聞くと快くいろいろと教えてくれた。
大皇器地祖神社から登り始める。
いきなり急登の後しばらく尾根道で、最後はまた頂上へ向かう急登。
テープがしっかりしていたので、すんなりと頂上に着く。
大きな岩が頂上らしく、その上に立つと眺めは素晴らしかった。
御池岳(鈴ヶ岳)から藤原岳、竜ヶ岳あたりまで見渡せる。
360°とはいかないが付近の主な山やT字尾根など、一帯の位置関係が3Dでよくわかる。
さて、この後どうするか。
唯一の手持ち資料「山と高原地図」を見るとこの先に「サンヤリ」という山があるが、点線すら引かれていない。
あきらめて帰るしかないかと思っていたところに一人の登山者が到着。サンヤリを通って来たという。
色々状況を教えてもらい、どうやら問題なくいけそうという感触を得てサンヤリを目指すことにする。
まず天狗堂を一気に下り、尾根伝いに行くと小一時間でサンヤリ到着。
しっかり三角点もあり、少し探せば周辺の山が臨めるところもあり、来た甲斐があった。
十分満足感を味わい改めて帰りのルートを考えるが、
先ほど天狗堂から一気に下った道を登り返すと思うと気のりがしなかった。
地図を見る限り、ここから東に谷を下って行けば間違いなく御池川に出られそうだし、
上から見ると何となく道がありそうに見えた(?)ので安易にそっちを目指した。
最初は本当にちょろちょろとした沢で、その内にテープも出てきたのですんなり下山できそうに思えた。
しかし進むにつれ当然のことながら水量は増えていき、あった言う間に想像をはるかに超えた急流になってしまった(想像が甘かっただけ)。頼りの赤テープもすぐになくなり、およそ登山道とは言えない状況になる。歩けそうなところが川の右と左に交互に現れるので渡渉を繰り返す。安定した石を選別し滑らないように踏みながら・・・普通に歩けないので遅々として進めない。
普段は経緯度の入った拡大地図を用意してデータロガーで現在地を確かめながら進むが、この日は御池川以東の地図しか用意しておらず、どれだけ進んだかわからないのが最大の問題だった。時間は十分あるつもりだったが、残りの距離がわからないので時間が経つにつれじわじわと精神的に苦しくなってくる。
ちょっとしたことで足をくじいたりしたらそれだけで帰れなくなる。慎重かつ可能な限り急いで進むのに神経をすり減らし、集中力を保つのが大変だった。気力と体力が少しずつ衰え、足に来はじめたのがわかる。
唯一の救いは沢道なので、とにかく下って行けば迷うことはないということだけ。
4時頃には抜けられるつもりだったが、その時間が近づいてくる。「これでまだ半分しか進んでなかったらビバークやなあ」などと嫌なことを考えてしまう。
行く先には御池川をはさんでT字尾根があるはずで、それさえ見えれば、あとどれだけかわかりそうなもんだが、沢が曲がりくねっていて先がさっぱり見通せない。しかし、いくらなんでもそろそろと思いながら30分ほど進んでようやく新たな赤テープと人間が踏んだ道が現れる。しばらく進むと視界が開けT字尾根らしき山が見えてきた。沢は御池川に合流する。
ここまで何とか濡れずに来たが、このまま御池川を渡るのがてっとり早いと思い、じゃぶじゃぶ渡った。渡れる水量で幸いだったが、これも無謀だったと反省している。
林道めがけて急勾配を這い上がり、ようやく一安心した。
御池林道駐車場を経て君ヶ畑の集落まで、普通に歩けることのありがたさをかみしめながら帰った。
コメント
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初めまして yuconと申します。ご存知かどうか 今年の7月に遭難してお騒がせしたものです。(T字尾根からこぼれ落ちて6日間彷徨いました)
私が申し上げるのは説得力に欠けますが 経験者として申し上げると、迷った時は絶対に下らない 特に沢を下るのは御法度です(結構常識です)
登った道が間違っていても引返すのは下るだけです。しかし下った道の先が断崖絶壁だったら、下った沢の先が高低差十メートルの滝の落ち口だったらリカバリーは登り返さなければなりません。数回繰り返せば登り返す気力体力はかなり消耗します。そのようにして遭難者はより深い谷間へ落ちて行き脱出できなくなります。
過去相当な数の登山者が沢で命を落としています。遺体が沢で発見されることが多いことからもわかると思います。
天狗堂〜サンヤリは気持ちの良い稜線歩きと5月頃にはイワカガミの群落、満開の石楠花が稜線上に咲きほこります。
次回は花の時期に行かれることをお勧めします。
長いコメントで申し訳ないです。ではお互いに安全登山を続けましょう!
遅ればせながら、先日は御無事で何よりでした。
yuconさんの月の画像は印象的で以前より存じ上げておりましたが、例の遭難の件は今回、藤原岳行きを検討している最中、たまたま見かけていました。
読んでおきながらなんて無謀なことをと怒られそうですが、やはりどこか他人事のように思っていたのだと思います。
天狗堂からT字尾根を見下ろし、あそこでyuconさんがさまよったんだということも認識していました。
なりゆきでしたが、そっちの方向に向かって進んでいったのは何かの力が働いたのでしょうか・・・
今回は本当に反省点も多く、「沢を下るのは御法度」などということも知りませんでした。改めて本でも読んで勉強しようと思います。
yuconさんもお体に気を付けて。またどこかでお会いしましょう!
大変参考になりました。私も最近ルートミスなどでもしかして遭難するかもと思ったことがありましたので,恐怖感はよくわかります。本当に迷ったら沢に出るとアウトですね。尾根を目ざすのが鉄則だと最近(2018年6月)知りました。安全登山を心掛けたいですね。
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