十禅寺山☆暁の海景


- GPS
- 01:33
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 242m
- 下り
- 248m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備された一般登山道 |
写真
感想
望海山という呼称は果たして瀬戸内以外で使われるのかは知らないが、地味な里山や低山が海の眺望がなんとも魅力的な山がある。この十禅寺山は岡山百名山に名を連ねるらしいが、山頂は全く眺望はなく、山頂近くまで車道が通じていて、海景がなければおよそ登頂意欲のそそられないところだろう。
海景といっても海が見えれば言い訳ではなく、その魅力は沖合に浮かぶ島影によるともいえる。従って、笠岡諸島、塩飽諸島、忽那諸島といった島嶼群が沖合にあるところは格好の望海山がある可能性が高い。この十禅寺山のある児島半島は直島諸島をはじめとして瀬戸内の対岸の香川県との間に島嶼が集中するところであり、なおかつ山から東側に展望が開けるので早朝の海景を眺めるには格好の山であることが期待される。
前日は宇野の街の駅前の旅館に投宿する。楽天トラベルなどのサイトではあがってこないような小さな旅館であり、入り口に入るなりガスストーブとその上に載せられた薬缶が歴史を感じさせる。部屋は意外なほど広い畳敷きの和室であり、小さなユニットバスがついていた。
宇高連絡船は昨年の秋に長い航路の歴史の幕を下ろしたところだが、かつては潮待ちの客で賑わいを見せたこともあったのだろう。いまでも日中は直島や豊島に訪れる人がいるだろうが、寂れつつある街の雰囲気を漂わせている。
朝は始発列車で隣の備前田井まで移動する。歩き始めると徐々に東の空が白み始める。登山口と左手の斜面を蛇行しながら緩やかに登ってゆく車道に分岐するが、ここは敢えて車路を登る。徐々に東の空が白み始めており、薄明かりのお陰でヘッデンの明かりを必要としない。
まもなく道路から東側に好展望が開け、茜色に染まった東の空を仰ぐことができる。この道路は随所に好展望が広がるのが嬉しい。林道を登るにつれて眼下には海が大きく広がるようになり、茜色に染まった東の空に小豆島のシルエットが浮かび上がる。しかし、朝焼けの空の美しさもさることながら、暁の空を反映した海の微妙な色合いが素晴らしい。残念ながら紫やピンク色が複雑に入り混じったこの海の色を表現する術を思いつかない。
海の方角に目を向けると直島諸島の東の海上には宝石のような輝きを放つ漁船が往来しているのが目に見える。右手にはまだ眠りから目を醒ましていない田井の灯りが水面に反射している。街はいないようだ。眼下に見下ろす薄暗い野之浜港からは船の音が聞こえる。
山頂から東に伸びる尾根にたどり着くと山裾に遮られて東の海の展望が狭くなる。東の空はかなり明るくなってはいるが、日の出の時間まではもう少し時間がありそうなので山頂を周回してくることにしよう。山頂への分岐を目指すと道には白やピンクの桜や桃の花が咲いている。
分岐からは山頂へと続く尾根を周回すると最初の小ピークca210mは中将峰、図根点のあるp231は西光峰と記された山名標が立っている。西光峰のピークではミツバツツジの花が既に満開だ。次のなだらかな不老峰を経て、樹林に囲まれた金剛峰の山頂広場にたどり着く。
下山は日吉神社を経て先ほどの分岐に戻る。日吉神社からは右手に竹林の中に道がつけられているが、竹林の中は無数の倒竹で荒れており、到底通れるようなところではない。東側の草原の中道を辿るとすぐにも先の分岐に戻る。
尾根の東の展望地に戻ると丁度、朝日が雲の上に顔を出したところだった。下山は再び分岐点まで戻り、快適な道を道を下るとすぐにも登山口に戻る。短時間のうちにも暁の海景と島並、そして春の花々を楽しむことが出来た贅沢な山行であった。
yamanekoさん、こんばんは
私は瀬戸内の風景が好きで、その辺りの島によく行ったりしているのですが
直島や豊島、小豆島含め、散らばる島々の展望が拝める山、予想的中ですね!
昼間の景色もかなり良さそうな感じがします。
個人的に瀬戸内の海景が望める山で良かったのは
日生の楯越山と色見山からの景色が良かったです。
めちゃくちゃ低山で物足りなさはありましたが
私と同じカメラをお使いでしたよね。
「ピンクや紫の海に表現する術が思いつかない」とありましたので参考まで。
私が撮るならですが、
朝日の具合にも寄りますが、ホワイトバランスで「蛍光灯」を選び
暗い山の部分で海や空がピンクや紫色になって明るくなるところを探り、AEロックボタン(露出固定)を押したまま、ピントがほしい部分に移動してシャッターをきれば、ある程度、光量があって、ピンクや紫のグラデ写真になると思います。
(絞り優先AEモードで、手持ち撮影であれば、ブレなければISO400固定をおすすめします)
オレンジに輝く朝日にする場合はWBを「くもり」か「日陰」にします
woodtableさん コメント有難うございます。
「ピンクや紫の海を表現する術が思いつかない」というのはそれ以上に言葉で表現する術がないというつもりだったのですが、まさに言葉足らずでした。しかし、そのせいでカメラのプロから写真のコツを伝授して頂けるとはまさに怪我の巧妙です。
ここは岡山からアプローチがよく、JRを降りて登山口まで歩いて行けるので、もしも何かのついでに岡山か宇野に来られることがあればオススメです。しかし、景色がいいのは登山道ではなく、登山道の東側を走る舗装路なので、山登りのつもりで来られると物足りなさを感じられるかもしれません。
日生諸島の海景も良さそうですね。楯越山と色見山・・・全く知りませんでした。本日、レコをアップした後で、岡山の東にはいい望海山がないかな・・・と思って地図を眺めていたところなのでした。近々、訪れてみたいと思います。
冒頭に書きましたが、望海山は山の高さは重要な要素ではなく、沖合に浮かぶ島影だと思うので、低山であることは問題ではありません。その点、児島半島の先端にある鷲羽山も標高は低いですが、ここから眺める島影は確かに名所として人気を博することがあると思いました。問題は登山の対象となる山でないということと間近な瀬戸大橋をどう思うかかでしょうか。
また機会があればカメラ技術の御指南、どうぞ宜しくお願いします。
そうでしたか!
情景の表現の言葉だったのですね。 読解力のなさがバレてしまいましたw
yamanekoさんは文章力があって表現がお上手なので、いつも羨ましく思っています。
ちなみに、写真にも関わる仕事ではあるのですが、
カメラのプロではないですよ。あくまでも趣味の領域です。
鷲羽山の瀬戸大橋の風景もよいですよね。
楯越山からも、橋が見えるのですが、島にも渡っていけます。
晴れたときは瀬戸内らしい風景といいますか、清々しい気分になれますよ。
とんでもありません。こちらこそ冗長な拙文にお付き合い下さり、恐縮です。
ではwoodtableさんはプロ級ということで
なるほど楯越山からはあの形の良い日生大橋の絶好の展望台となっているのですね。日生は昔は海産物目当てに頻繁に訪れたのですが、最近はご無沙汰しておりました。再訪するのが楽しみになりました。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する