【過去レコ】熊野古道(中辺路)
コースタイム
紀伊田辺駅(バス移動)滝尻→滝尻王子→不寝王子→高原熊野神社→大門王子→十丈王子→大阪本王子→牛馬童子像(箸折峠)→近露王子
2007年3月22日
近露王子→比曽原王子→継桜王子→中川王子→小広王子→熊瀬川王子→岩神王子→湯川王子→三越峠→猪鼻王子→発心門王子→水呑王子→伏拝王子→熊野本宮大社→大斎原→本宮大社前(バス移動)権現前→熊野速玉大社→丹鶴城公園→新宮
2007年3月23日
新宮→神倉神社→新宮駅(電車移動)那智駅→浜の宮王子→市野々王子→大門坂入口→多富気王子→熊野那智大社→那智山青岸渡寺→那智大滝→神社お寺前駐車場(バス移動)紀伊勝浦駅
天候 | 2007年3月21日:晴れ 2007年3月22日:晴れ 2007年3月23日:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2007年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
東京→新大阪(寝台急行「銀河」) 新大阪→紀伊田辺(特急スーパーくろしお1号) 帰り 紀伊勝浦→名古屋(特急ワイドビュー南紀6号) 名古屋→東京(新幹線ひかり378号) |
写真
感想
2007年3月20日
2年ほど前から、熊野古道(中辺路)を歩きたいと思い、計画をしてきて、やっと実現しました。東京駅23時発の寝台急行銀河に乗車します。22時30分に発車ホームの10番線に到着。ホームにはブルートレインの寝台列車が停車していました。先頭に電源車両、続いてA寝台車1両、B寝台車5両の編成です。大阪方面から牽引する電気機関車(EF65)が接近してきて22時45分ころに客車と連結しました。乗車します。A寝台下段を予約。客車の左右に2段の寝台がカーテンで仕切られて並んでいます。浴衣とスリッパが用意されていて、スリッパは持ち帰りできます。A寝台は、進行方向縦に寝られるので、そんなに揺れを感じないので楽です。早速浴衣に着替えて寝る準備。23時定刻に列車が発車しました。通過する各駅のホームには家路を急ぐサラリーマンが電車待ちをしています。いつまでも車窓を眺めていたいのですが、明日の事を考えて23時45分ころに就寝。寝台急行「銀河」は一路大阪へ。
2007年3月21日
6時10分ころに起床。寝台は快適で良く寝られました。車窓には青々とした田畑が広がり、遠くには雪を被った山並みが見えます。乗車前に買っておいた、パンで朝食です。6時44分に京都駅。荷物を整理して出発準備OK。定刻7時12分に新大阪駅に到着しました。ホームを上がって、売店で昼食用の駅弁を購入。次の列車は、新宮行きの特急スーパーくろしお1号。発車ホームの11番線に降ります。7時35分に発車。到着の少し前になって車窓に海岸が広がってきました。9時57分に紀伊田辺駅に到着。快晴で暖かです。JRバス乗り場に荷物を置いて駅前を見物。弁慶像が建っていました。栗栖川行きのバスが到着。座席がちょうど埋まる程度の乗客です。10時20分に発車し、少し遅れて11時4分に滝尻バス停に到着しました。川の向こうの熊野古道館に行き、外にある川に面したベンチで新大阪駅で買った駅弁で昼食です。熊野古道館から橋を渡り、道路の反対側に滝尻茶屋が建つ広場があり、滝尻王子が構えています。靴の紐をしっかり締めて準備運動をして、11時35分に熊野古道歩きに出発です。滝尻王子の左を入っていきます。すぐに急な登りが始まりました。胎内くぐり、乳岩と呼ばれる岩を過ぎ、不寝王子跡。少し行くと熊野古道1番の道標。この番号道標は滝尻王子を起点に500m毎に建っています。2番道標を過ぎて剣ノ山経塚跡に来ると、平坦な道になりました。分岐があり案内板には、左の遊歩道を行くと飯盛山展望台。270m先で熊野古道に合流するので展望台に行きます。丸太の階段を少し登ると展望台。眼下に町が見えて山並みが素晴らしい。丸太の階段を下って行くと熊野古道に合流し、平坦な歩きやすい道です。石畳の道になり下っていくと、舗装道路を横切り、すぐに山道に入り登りになりました。針地蔵尊を過ぎると急な丸太の階段の登り。登り切るとNHKの中継アンテナが建つピーク。6番道標を過ぎると広い道に出て、民家が建っています。この辺りは高原という地域です。小さな畑があり、道端には綺麗な花が咲いています。左側には山並みが広がっていて、気持ち良いです。さらに行くと朱が鮮やかな高原熊野神社。その先に高原霧の里休憩所。駐車場から山並みが一望できます。右の細い石畳の道を登って行き、8番道標を過ぎた辺りからは民家が終わり、「近露王子までの約4時間は、民家がなく連絡の方法がありません」の看板。石畳は終わり、一里塚跡に小さな東屋。わりと広い林道を行き10番道標を過ぎて、右に小さな池がありました。帰ってから調べたら高原池と分かりました。横木が時々ある階段状の登りを行き、11番道標の先に大門王子跡。軽く下っていくと、左側が開けて山並みが見渡せました。歩きやすい軽い登りを行くと東屋がありました。中辺路町が建てた十丈休憩所です。小休止します。少し行くと十丈王子跡。広場になっていて十丈王子公園の案内板があり、滝尻から近露までのコースが描かれています。ベンチがいくつか並んでました。軽い登りを行くと、小さな小判地蔵。歩きやすい山道を行くと、上田和茶屋跡の説明書き。この辺りからは、軽い下り道になり、「三体月の伝説」の説明板。少し急に下ると林道交差点。逢坂峠の石碑が建っていました。林道を横切り、すぐに細い山道に戻り下っていきます。木橋を渡ると、大阪本王子跡。平坦な道になり、しばらく津毛川という川に沿って歩きます。下り道になり、右に舗装道路が見えてきて下りきると、牛馬童子口バス停。車道の反対側に、道の駅がありました。この道の駅まで車で来て、牛馬童子像までを往復する人たちがいました。登って行くと車道に出ました。100mほど車道を歩いてから、山道に戻りました。箸折の法篋印塔があり、その先に牛馬童子像。小さな像でした。石畳の下りを行くと開けてきて、東屋があり近露の町が一望できました。さらに下り、近露の町に到着。北野橋を渡ります。雲一つ無い快晴。橋の下を流れる日置川、その奥には綺麗な山並み。山に囲まれた静かな小さな町です。橋を渡りきると、右に なかへち美術館。左に近露王子跡。すぐ右側に今日の宿「月の家」を発見。昔ながらの小さな旅館といった感じの宿です。16時10分に宿に到着。ご主人が迎えてくれました。通された部屋は2階の8畳間、床の間がある広い部屋。「風呂が沸いているが、5分ほどの所に温泉がある」と教えてくれましたが、別に温泉に浸かりに来たわけではないので、宿のお風呂で十分です。早速、お風呂で汗を流します。洗い場は、そこそこの広さがありましたが、湯船は小さく、家庭用の湯船を少し大きくした程度で、1人で入れて良かったです。荷物を整理してから、時間がまだ早いので近くの散歩に出かけました。なかへち美術館は休館のようでした。その先の近露王子公園へ。いやあ〜、のどかです。18時に夕食です。調理場隣の食事をする部屋へ。4人分の食事が用意してあり、今日の宿泊客は4人。食事中にご主人から、今回の熊野古道のコースの説明や、熊野本宮大社での参拝の仕方等を解説して頂きました。食事が終わり部屋に戻ると、布団が敷いてあり足元には、あんかが入っていました。19時45分に就寝。
2007年3月22日
5時30分に起床。良く寝られました。ちょっと外に出てみると近露の町は静かです。6時に朝食。宿のご主人と女将さんに見送られて6時30分に出発。小さな近露郵便局を過ぎると、分岐があり左の道を登っていきます。近野小学校を過ぎると、道端にスイセンが植わっています。右の長い階段の上に鳥居。民家手前を左に進むと山道に入りましたが、5分ほどでまた舗装道歩き。民家があり、右側が開けていて山並みが綺麗です。比曽原王子跡を過ぎて、左の坂道を登ります。野中伝馬所跡、すぐに継桜王子。その先に茅葺屋根の小屋が見えました。小屋まで行くと、とがの木茶屋でした。ちょうど雨戸を開け始めていました。茶屋を過ぎると、秀衡(ひでひら)桜の大木。まだつぼみはふくらんでいません。少し先に、安部清明の腰かけ石。座ってみましたが、座り心地の良い石でした。閉鎖されてる高尾隧道を過ぎると、中川王子跡の案内板。折り返しの坂を200mほど登ると中川王子跡。新高尾トンネルを過ぎて、小広王子跡。バス停もありました。40番道標を過ぎて、車道を離れて山道を下り、また車道に出ると、綺麗なトイレがありました。さらに下って橋を渡ると東屋。ここで小休止です。ここからやっと山道が始まりました。熊瀬川王子跡、そして草鞋(わらじ)峠。下って林道を横切ると仲人茶屋跡。つづら折れの上り坂を登り切ると岩神王子跡。下りになり林道を横切り、さらに下ると川沿いの道になり、おぎん地蔵。また林道を横切り、川に沿って行き、蛇形地蔵尊に寄り道。元の道に戻り杉林の道を行くと、湯川王子。登り道になり、舗装道に出ると三越峠。峠に休憩所があります。峠からは山並みが見渡せます。三越峠からは、どんどん下っていきます。林道に出て音無川に沿った道を歩きます。赤木越分岐に来ました。広場になっていて、奥にはトイレがあります。11時35分。ここで昼食にします。広場にあった切り株に腰掛けて、月の家さんで作ってもらった、お弁当(めはり寿司2個と、きな粉に包まれたおにぎり1個)12時ちょうどに出発。すぐに船玉神社。林道から少し下っていくと猪鼻王子跡。60番道標を過ぎて、林道に戻りました。しばらくして、林道を離れて山道を登って行くと、発心門王子。車道に出ました。車道を下っていき、ささゆりの標識を右に入ります。トイレのある休憩所があり、バスが2台とまっていて、10人ほどのグループが歩き始めていました。民家の建つ道を行くと、民芸品の無人売店。右に小さな歯痛の地蔵さん。そして水呑王子。ここから山道に入り、少し登り下っていくと、また舗装道に出ました。そこには無人の茶屋が建っていました。この辺りは、里山の風景の中の道で快適です。果無山脈の案内版があり、近くに見える山の名前が分かりました。下っていくと、左にトイレのある休憩所。右に伏拝王子。茶畑の脇の道を行き70番道標を過ぎると、林道をまたぐ橋を渡ります。渡り切ると九鬼ヶ口関所。石段の登りを行くと、ちょっと寄り道展望台の標識。登ってみました。遠くに山並み、音無川、そして大斎原の大鳥居が見えました。ついにここまで来ました。元の道に戻り下っていくと、住宅地に入りました。祓殿王子社跡を過ぎると、鳥居。熊野本宮大社の裏鳥居を入ります。神門を入り、熊野本宮大社の社殿を参拝。参道の石段を下って、正面の鳥居をくぐりました。鳥居の左には、八咫烏(やたがらす)の幟。続いて、ちょっと寄り道展望台から見えた、大斎原の大鳥居に行きます。
車道を渡り細い道を入っていくと、菜の花畑が広がっていて、その奥に大鳥居が建っています。鳥居まで続くまっすぐな道を行きます。巨大な鳥居です。大斎原は、旧社地です。現熊野本宮大社鳥居前のバス停に行きます。予定よりだいぶ早く着いたので、15時10分の勝浦行き特急バスに乗車しました。早かったので、明日の早朝に行く予定だった、熊野速玉大社に今日、行く事にしました。権現前バス停で下車。バス停を少し戻ると朱が鮮やかな鳥居のある熊野速玉大社。神門を入り、熊野速玉大社の社殿を参拝。新宮駅を目指して新宮の町を歩きます。丹鶴城公園という所に来ました。階段を登ってみます。公園になっていて、眼下に新宮の町並みと、熊野灘が見渡せました。反対側には熊野川。途中にパン屋さんがあったので、明日の朝食用にパンを買って、新宮駅に来ました。今日の宿「ステーションホテル新宮」が見えました。17時30分にチェックイン。夕食はホテルのレストラン。お風呂に入り、テレビを見ていたら、ちょうど熊野古道の紹介番組をやっていました。明日の早朝に行く予定だった熊野速玉大社には今日行ったので、明日はゆっくり起きるつもりでしたが、熊野速玉大社の摂社である神倉神社を番組で紹介していて近いので、明朝新宮を離れる前に行く事に決めました。 22時就寝。
2007年3月23日
4時30分に起床。部屋が暑くて、なかなか寝付けなくて眠いです。シャワーで汗を流して、昨日買っておいたパンで朝食です。5時10分にホテルを出ます。まだ真っ暗。街灯の明かりだけが頼りです。新宮駅横の踏切を渡ります。駅とホームに明かりが燈っていますが、まだ始発前です。新宮市内を西に向かって歩きます。国道42号を渡り、少し行くと朱塗りの橋が見えて、神倉神社に着きました。橋を渡り左に行くと鳥居があり、粗く積み上げられた石段が続いています。まだ薄暗い石段を登り出しました。この時は何段あるか知りませんでした。(帰って調べたら、538段)8分ほどで登りきり、小さな鳥居をくぐり磐山を削り付けられた道を行くと、祠の後ろに注連縄を巻いた御神体 「ゴトビキ岩」。ここからは、新宮の町、その先に熊野灘。海の向こうには朝焼けの空と、良い眺めでした。石段を下ります。途中から女坂を下って鳥居に戻りました。すっかり夜が明けました。振り返り山を見上げると、祠と「ゴトビキ岩」が山にへばり付いているのが見えました。来た時は、真っ暗で分かりませんでした。さぁ、駅に向かいます。東に向かうので、ちょうど正面から昇ってくる朝日が眩しいです。6時30分に新宮駅に戻って来ました。新宮駅6時57分発の紀伊田辺行き普通電車に乗ります。電車はすぐに熊野灘に沿って走ります。7時14分に那智駅に到着。那智駅は無人でした。駅前は商店など無く、国道42号が通ってるだけです。那智山まで8kmの標識。国道を渡ると、すぐに浜の宮王子。ここからは、「曼荼羅のみち」と呼ばれる旧街道を歩き始めます。途中から県道になり、車が時々通ります。那智山7kmの標識を過ぎて少し行くと右に「曼荼羅のみち」の石碑があり、県道を離れて脇道に入ります。道標にしたがって、橋を渡りすぐに右折して土手を行きます。すぐに山道になりました。杉林、竹林の道を登って行くと、尼将軍供養塔。ここから下りになり、開けてきて、ふだらく霊園に出ました。これで山道は終わり。坂道を下っていくと、荷坂の五地蔵。旧道の街の中を歩きます。右に鳥居があり、市野々王子。市野々小学校を過ぎると、庚申塔。すぐにお杉社。二ノ瀬橋を渡ると、県道に出ました。大門坂の道標があり、車道を横切ると大門坂入口。鳥居をくぐり、赤い欄干の振ヶ瀬橋を渡り、聖地に入ります。大門坂茶屋の奥に夫婦杉。苔むした石段と老杉の大木に囲まれた大門坂を行きます。多富気王子、唐斗石を過ぎたころに、右の樹間に那智の滝が見えました。五町の石碑を過ぎてさらに行くと、駐車場下に来ました。右巡礼道の石碑があり、七町の石碑。階段を登ると参道入口があり、一般の観光客がたくさん来ています。参道の石段を登っていきます。途中には土産物屋が並んでいます。一の鳥居、そして最後の石段を登りきり、二の鳥居をくぐると朱が鮮やかな熊野那智大社にたどり着きました。9時15分。樹齢約850年の楠の巨木の向こうに、那智山青岸渡寺。さらに行くと鮮やかな三重塔、そして那智の滝が見えてきました。坂を下って三重塔脇を通り、さらに下って行き、飛瀧神社の鳥居。石段を下っていくと正面に那智大滝。300円を払い飛瀧神社延命御守を貰い、滝つぼそばへ。これで、今回の旅の全行程が終了です。参道入口辺りに戻り、お土産を買い少し早めの昼食。神社お寺前駐車場バス停に行き、バスを待ちます。10時55分発の勝浦行きバスに乗車。11時20分に紀伊勝浦駅に到着。予定の列車まで、1時間半ほどあります。駅に荷物を置いて、海に行ってみました。海まではすぐで、勝浦漁港。水揚げされたマグロがたくさん並んでいて、セリが始まるようでした。いよいよ、旅も終わりになりました。12時46分発の特急ワイドビュー南紀6号に乗車。車内で予約販売の松坂牛の牛肉弁当を予約。松坂駅で積み込んだようで、松坂駅を過ぎてしばらくしてから届きました。1,260円。16時18分に終点、名古屋駅に到着。名古屋駅を少しぶらついて、16時58分の新幹線ひかり378号に乗車。車内で牛肉弁当を食べて、帰宅。
2年ほど前から計画してきた熊野古道(中辺路)の旅。3日間共に天気が良く気温は高めで、素晴らしい旅を楽しめました。
1日目の滝尻から近露までは、ほぼ山歩き。
2日目は、小広王子辺りから発心門王子まで山歩きで、あとは里山歩き。
3日目は、山道はわずかで、車道歩きと大門坂の登り。
いずれまた、別の熊野古道を歩きたいものです。
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