藤原岳 フクジュソウ（過去レコです）。
三重県
滋賀県
onisan
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 1,057m
- 下り
- 1,050m
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標高グラフを拡大| 天候 | 曇り。 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2006年03月の天気図 |
| アクセス | 農協の駐車場に停めさせて頂きました。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
左程の危険個所はありませんが、注意は必要です。 |
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感想
「花の百名山」の田中澄江は、「藤原岳の春の盛りほど、すばらしい山の花の大群にであったことはなかったと感激した。フクジュソウも山腹を埋めてびっしりと咲いている」と書いている。以前、11月の寒い日にこの山に登ったことがあるが、花はなんにも咲いておらず、藤原岳の良さを垣間見ることも出来なかった。2006年3月26日、朝7時40分に藤原町の農協の駐車場に車をとめて仕度をしていると、その間にも沢山の車がやってきて、駐車場はすぐに一杯になってしまった。前回は大貝戸道を登り、聖宝寺道を下りて来たが、今回は逆のコースを行くことにした。鳴滝神社の鳥居をくぐり、長い階段を登って聖宝寺の境内に至る。境内の左手奥の登山口に入ると、杉の植林の中に藤原岳裏登山道が続く。道は沢沿いとなり、じきに「一合目」の札が立つ「長命水」という、この登山道最後の水場に着く。豊富な水が音をたてて流れ落ちている。「百歳まで元気に山登りが出来る水」と書かれていれば飲むのだろうが、身体もいうことを聞かず、頭もぼけてしまいただ生きながらえているだけでは困るので、飲むのを止める。道は狭い急登となり、多くの人に踏み固められたのだろう、滑りやすく、気をつけながらジグザグに登る。滑らないように、露出している石に足をかけるが、石灰岩の石は踏み削られて丸くなっており、これまた滑る。倒木をくぐると道が広まり、三合目の札が立てられている。ここで一服。スギとヒノキの入り混じる薄暗い林の中の急登が続き、七合目あたりからは登山道にも残雪が現れる。目を凝らして見ると、小さくて白い可憐なセツブンソウが咲いている。絶滅危惧種�粁燹�VU）、すなわち絶滅の危険が増大している種に指定されている。八合目に来ると大勢の人が腰をおろして休んでおり、わたしもひと休み。大貝戸道と合流すると道はぬかるんでくる。ぬかるみ道を避け、雪の斜面をショートカットする。九合目でも多くの人が休んでいる。鮮やかな黄色のフクジュソウが群生しているが、まだ蕾んだままである。フクジュソウもまた絶滅危惧種�粁燹�VU）であるが、これほど多くの人がやって来る人気のある山では、いずれ踏み荒らされて�砧狆些覆盍峩瓩い里任呂覆い�と危惧される。雪で固まった登山道の、泥でよごれたスプーンカットを踏み、十一時、非難小屋に到着。小屋の周りはフクジュソウが一杯咲き、陽を浴びて花びらを開き、きらきらと輝いている。ここにもまた沢山の人が休んでおり、さらにどんどん人が登ってくる。冬の間、山登りを待ち焦がれていた人たちが満を持してやってくる、今が盛りの藤原岳である。藤原岳へは一旦下って雪の斜面を登るのだが、鞍部は泥だらけとの事で行くのは止める。石に腰掛け昼飯とする。ポットの湯を注ぎスープを作り、西田屋のシバ漬けと生ハムをおかずにお粥とオムスビを食べる。下山はぬかるみの登山道を避け、林の中の白い雪の上をおりる。固まった雪はかかとで蹴ってもへこまず、滑り落ちないよう木の枝を掴みながら急斜面を下る。ざらめ雪が、泥でよごれた登山靴をきれいにしてくれる。九合目からは登山道に戻り、再び靴がよごれる。滑りやすい聖宝寺道を避け、大貝戸道を下り、午後2時に大貝戸登山口に降り立った。道路脇の草むらにミヤマカタバミが小さな花をつけていた。藤原岳は確かに花の山であることがわかった。
6日後の4月1日、聖宝寺登山道の三合目付近で、下山中の68歳の男性が65歳の妻を巻き込んで6メートル下の岩場に落ち、夫は頭部裂傷、妻は腎臓破裂で重症をおった。あの滑りやすい道で転んだのだろうが、どんな山でも常に注意が必要である。
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