ダイトレ(平石峠〜岩橋山〜大和葛城山)
- GPS
- 06:36
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 977m
- 下り
- 854m
コースタイム
【ダイトレを歩く人のためのサイトを立ち上げました!】
●ダイトレ Solo Walking Guide http://kupi-fw.com/wp/daitore/
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天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
写真
感想
早秋のダイトレはスズメ蜂に怯えるビビリ道であった
【プロローグ】
性懲りも無く、ダイトレ南向きルートを再び歩いている。前回は竹内峠〜平石峠、その前は屯鶴峯〜二上山、今回は平石峠〜葛城山だ。
平石にはバスで行く。富田林駅8時50分発の金剛バスだ。乗客は俺を含めてたったの3人。レトロな外観のローカルバスは眠たそうなエンジン音を発して、定刻丁度に平石に向けて走り出した。
【平石〜平石峠】
いっしょに乗っていた2名の客は、平石のかなり手前のバス停で早々と降りていった。他に乗客は無く、自分一人だけを乗せてバスは山の方に向って走っていく。車窓が鄙びた山村風景に変わっていくと、自分一人のためにわざわざ平石まで送ってくれているようで、運転手さんに対してなんとなく申し訳ない気持ちになってしまった。
終着の平石に9時15分頃到着。民家の庭先のようなところがバスの停留所になっている。ここからこの舗装道路をさらに登っていくのだが、その道沿いにガテン系の若者数人がなにやらたむろしている。どうやら秋祭りの準備のようだ。
半分観光化された市井の派手な祭りに比べると、多分、この村の秋祭りはとても素朴で静かなものであろう。しかし、祭りの規模は関係無いのだ。自分達の村に誇りを持っている若者たちは、こうやって率先して集まり、先祖と大地を敬って祭りを行なう。日本の正しき秋祭りの姿がここにはあるのだ。
左手の畑を巻くようにして舗装された坂道を犬に吠えられながら歩いていくと「高貴寺」と「平石峠」との分岐に出る。「平石峠」は右だ。入口には「金剛生駒国定公園」の立派な石碑が建てられているので迷うことなないだろう。
小川に沿ってセメント道を歩いていくと紛らわしい分岐に出る。なんとなく直進してしまいそうになるがここは左側の橋を渡る。欄干には小さな文字で「平石峠」と手書きされている。
その先もなだらかで気持ちの良い山道が続く。途中、柿ノ木谷と書かれた分岐地点があるが、その入口は丸太で塞がれていた。地図を見ると岩橋山へ直接登れるようであるが、途中で道をロストするのかもしれない。
さらに行くと府道704線の標識があるが、もちろんこの道幅と道路の状況では車は通れない。決して車で入ってこないように。
写真にも載せているが、平石峠手前に紛らわしい分岐がある。ここは右を行く。道標など無いので注意してください。
右手に経塚のお地蔵さんが見えたら、すぐそこが平石峠だ。
【平石峠〜岩橋山】
身体が暖気し調子が出てきたきたので、一服することなく岩橋山への丸太階段の取り付きに向う。ここから葛城山まで標高差約600m近くをほぼ階段だけで登っていくのだ。調子よく登っていくといきなり「この先50mスズメ蜂注意」の張り紙。それを見た俺は激しくビビる。そこからは「この先30m」「この先10m」と、恐怖のスズメ蜂カウントダウンが始まる。スズメ蜂は黒いものを攻撃すると聞いているので、身に着けている黒いものを覆い、忍者のような足取りで、静かに、素早くその場を通り抜ける。「丁度ここが0mです」的な張り紙もあったのだが、シャッター音で蜂を驚かすのが怖かったので写真も撮らなかった。さて、肝心のスズメ蜂であるが、そこには一匹もいなかった。(眠っているのかもしれない・・・)などと勝手な想像をしてその場を後にした。
(後日ダイトレのHPを見るとすでに巣が撤去されていた事が判明!ビビらせんといて欲しいのだ)
岩橋山への急で長い階段を息を切らしながら登る。3度目なので勝手知ったつもりであったが、何故かとても長いように感じられた。やっとの思いで岩橋山頂上に到着。誰もいない。昼食にはまだ早いので少しだけ休憩し、岩橋峠への激下りに向う。
【岩橋山〜葛城山】
しかし、人がいない。平石峠からここまでで出会った人は年配の夫婦の1組だけ。よく晴れた気持ちのよい早秋の3連休の中日、絶好の山登り日だと思うのだが、ダイトレは人気が無いのだろうか・・・。
確かにダイトレは尾根道を歩くと言っても、展望が望めるようなところはあまりない。特にこの平石峠〜葛城山は、黙々と杉林の中を歩くという感じである。しかし、逆にあまり人に出会わない分、出会った時には、皆とても優しい。登り下りの擦れ違いで道を譲った時などは、必ず感謝の言葉と小さな会釈を受ける。また、俺のようにソロで歩いているハイカーも多い。中には結構な重装備をした山男がノッシノッシと歩いている。そういえば昔、ダイトレの紀見峠の辺りで、重装備の単独の女性のハイカーを見た時には、ちょっと感動したなあ。本当の山好きが歩くルートなのかもしれない。
持尾辻を抜け、葛城山への恐怖の丸太階段3セットを登り終えると、徐々に人に出合う。電波塔が見えるとゴールはすぐそこだ。
【葛城山】
さっき迄の閑散さは嘘のように、葛城山は多くの観光客とハイカーで賑わっている。
とにかく腹が減っていたので、メシが食える場所を探していたのだが、それらしいところが見当たらない。仕方がないので白樺食堂に隣接されたトイレの脇のベンチで飯を食っていたのだが、いきなり激しい水音と共に異臭が漂い始めた。よく分からないのだが、浄化された汚物でも流しているのだろうか?
ザックの中身をなんやかんやと拡げてしまっていたので移動する訳にもいかず、その場で食事をすませた。
さて、そろそろ下山しようか、と思ってその場を離れ、ふと白樺食堂の横を覗いたら、なんとそこには食事ができる立派な展望デッキがあるではないか。家族連れやアベックがそこのベンチで旨そうに飯を食っている。(こんなによいところがあったとは・・・)思ってみたが後の祭である。悔しいので、残っていた缶ビールをザックから取り出し、隅のベンチで一人飲んだ。なんとなくいつもより苦かったのは、気のせいだろうか・・・
【エピローグ】
下山はロープウェイである。軟弱者との謗りを受ける事を承知の上で乗車したロープウェイはとても快適であった。30分程待って臨時バスに乗り、ロープウェイ降り場から御所駅に向う。シートに持たれるとバスの振動に相まって心地よい疲労感が全身を包み込んだ。すぐ前では吊革に掴まった年若の女性二人が車窓を見ながら話している。今日の山行きのことでも話しているのだろうか、時折見せる笑顔と柔らかい瞳はとても幸せそうに見えた。
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