陣馬山


- GPS
- 06:39
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 524m
- 下り
- 680m
コースタイム
11:30陣馬山-明王峠12:00
12:05明王峠-石投げ地蔵12:20
12:20石投げ地蔵-七ツ淵13:40(栃谷沢坂林道経由)
14:30七ツ淵-美女谷温泉14:40
14:40美女谷温泉-底沢バス亭15:00
15:00底沢バス亭-千木良富士見茶屋15:15
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
7:38八王子-高尾北口7:45 8:05高尾北口-陣馬高原下 計画では8:15発のバスを使う予定だったが、山行日和のせいか高尾北口から陣馬高原下までの臨時急行バスが出ていた。早めにバス停で並んでいたので急行バスに乗ることができた。登山口に近いバス停(終点の陣馬高原下の他、夕焼け小焼け等3箇所ほど)にしか停まらない登山者向けのバスだった。ナイスバス。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
陣馬高原下から明王峠にかけての登山道は全般的に良好だった。 陣馬山頂の富士見茶屋のカキ氷は超山盛な上独特のふわふわ加減で絶品。 明王峠から底沢峠方面へ向かう計画だったが、明王峠から相模湖駅へ下る道に誤って進んでしまった。底沢・千木良方面へ抜けるため栃谷沢坂林道を通ったが、この林道は危険区間として通行を控えるように(一般車両は完全通行禁止)との案内があることを途中で気づいた。確かに小さな落石等により林道路面は荒れていた。 美女谷温泉で日帰り入浴ができるかもとの期待があったが、日帰り入浴はお断りしていますとのこと。残念。 千木良の富士見茶屋では名物おばちゃん手作りの酒饅頭をいただいた。看板犬のピーチちゃんは10歳のお婆ちゃん犬だがとても人懐こく果物に目がない。 |
写真
感想
前回の山行で始めた高尾連峰スタンプラリーをコンプリートするための山行であったが、今回は多くの反省点がある山行となってしまった。
まず第一には、自パーティの登攀速度を読みきれず、陣馬山頂へのコースタイムが計画と大幅に食い違ってしまった点である。
山と高原地図によれば、陣馬高原下から陣馬街道をたどってナマケ沢の登山道入り口までが20分、ここまではほぼコースタイム通りに進むことができた。
しかしながら登山道入り口から陣馬山頂までは地図上のコースタイム1時間のところ、1時間半ほどかかった。
20年ぶりに登山を再開したばかりのおっさんと登山経験がほとんどないうちのかみさんの二人連れなのだから、地図通りの時間では歩けないこともあるという自覚を持つべきだった。
俺はおっさん。かみさんは初心者。半紙に書いて壁に貼ろう。
第二の反省点として、これはコースタイムにも影響していると思われるのだが、おっさん自身の体調が今ひとつだった点だ。
ひどく具合が悪かったわけではないが、ベストな体調を10とすれば、7とか6くらいの状態だった。
体調管理が出来てないことに加えて、1週間前に20年ぶりに登山した疲れが抜けきっていなかったと考えるべきか。おっさんが老いを感じる瞬間である。
例えば腰の動きが重い。ザックが体と一体になりきれていない感じ。
これはおそらく腹筋・背筋がデロデロになっているせいだ。ザックの重量に腰が耐えられないのだ。ギックリしちゃうのではないかとヒヤヒヤしていたのは内緒だ。
腹筋と背筋を鍛えねばなるまい。
第三に、陣馬山頂時点で30分以上の遅れがあったにも関わらず、山頂でカキ氷食べたりお馬さんと戯れたり登山バッヂを買い漁ったりで40分ものんびり過ごしていた点だ。
これでは計画通りの山行になるはずがない。
計画を見直した上でのんびり休憩するならまだしも、予定通りのコースで歩く気満々のうちのかみさんに、
「これは相模湖に抜けた時点でスタンプコンプリートは諦めて終了にしたほうがいいなぁ」
と考えていた胸のうちをちゃんと伝えることもできていなかった。
このことが後々喧嘩のネタとなる。
登山中の喧嘩はやばい。
「予定通りにスタンプコンプリートできなきゃやだーやだやだやだやだ」と駄々をこねるうちのかみさんを諦めさせるのは至難の業である。
山道に費やすべき大事な体力と気力を、立ちはだかるかみさん相手に無駄に消費することになるのである。
計画通りに行かないことがあるのは仕方がない。しかし、その場合はちゃんと対応を考えて、パーティに周知すべきである。違う向きのベクトルを足し算したのでは方向がブレんだ。
第四。道を間違えた。
明王峠から底沢峠方面に向かうはずが、相模湖駅に下る道へ進んでしまった。
進む前にきちんと道標や地図を確認すべきだった。長い下りがガーっと続いているので、
「これは変だ、こんなに下るはずはない」
という勘がすぐに働きはしたものの、下り大好き登り大嫌いなうちのかみさんに、
「戻って登りましょう」
という提案をする間もなく、
「戻るのやだーやだやだやだやだ」
と釘を刺されてしまい、先に進む以外になくなった。
この時は少し足を止めて地図を広げ、元のルートに戻るための方策をすぐに決めた。しかしこれが第五の反省点となる。
明王峠から南へ下る道は、石投げ地蔵の先で栃谷坂沢林道と交わる。この林道は元々のルートである美女谷温泉まで続いているので、リカバるには都合の良い道である。
だが、林道を進んだ後に気づいたことであるが、この林道は現在危険なために通行を自粛するよう呼びかけられている道だった。
確かに落石の痕跡があったり、路上には折れた木々が散乱していたりと、道路の状況はあまりよろしくなかった。通行に支障がない程度の荒れ具合だったのは幸いだが、これがもし致命的に危険な状態だったらと思うと冷や汗モノである。
よく見れば山と高原地図にも「一般車通行止」と記載がある。ルート変更する際には慎重さが必要だ。
何の問題もなかったから結果オーライかもしれないが、これがもしもっと危険な山や危険な状況だったら……という危険予知の感覚みたいなものはしっかり持っていたほうがいい。
安全第一。
第六、GPSロガーが開始早々で切れていた。
約1Kmくらいしか歩いたことになっていない……
GPSは切れることがあるので確認が必要だ。
**********
以上の反省点を踏まえた上で、今回の山行を振り返ってみる。
前回の山行を終えた時点で、10個あるスタンプのうち6つまでを集め終えていた。
残るスタンプは陣馬高原下の山下茶屋、陣馬山頂、千木良富士見茶屋、琵琶滝の4つ。
今回は陣馬高原下から陣馬山を経て千木良方面に下り、再び城山に登って高尾山に抜け、琵琶滝を通って高尾山口から帰るという計画だった。
うちのかみさんは登りに弱いということは解っていたので、最初に一気に登ってしまおうという目論見があった。
今回の山行から導入したトレッキングストックの効果にも期待していた。通称“棒”と呼ばれるアレである。
高尾駅北口から陣馬高原下へ向かうバスは1時間に1本の頻度だが、今回は臨時急行バスに乗ることができた。
予定時刻よりも10分早く陣馬高原下へ出発。計画より巻き気味でのスタートに、おっさん気を良くする。
陣馬高原下に到着した時点で、山下茶屋のスタンプは即刻ゲット。
うちのかみさんはついでに“きのこおにぎり”を購入。「お持ち帰り」オプションで購入した場合、個数は2個からになるそうだ。2人パーティなので1個ずつ分け合うことにする。
準備運動をして、靴紐を締めなおして……などとやっているうちに10分遅れのバスが到着。おっさんやや焦る。
そそくさと陣馬街道を歩き始めた。登山道入り口までは舗装されたゆるやかな登り道である。
登山道入り口は沢沿いに切れ込んでいく感じであった。きっちり道標があるので迷うことはない。
ここからはトレッキングストックを装着。“棒”は確かに効果的だった。高い段差も足に負担なく登ることができた。
登山道の状況も良好で、うちのかみさんはキノコの写真を撮りつつ登っていた。
だが先に書いた通り、おっさん一行のペースは遅かった。後から登ってくる人たちにどんどん道を譲りつつ、のそのそと登り続けた。
登山口からしばらくは、細く長い登りが続く。頑張って登りきると尾根に出て、ややゆるやかな林の中の道になる。ほどよく一息つけた頃にまた斜面が続き、和田峠方面の道とぶつかる辺りで山肌を横に伝う。その辺りに運搬用のマシーンが置いてある。その先は頂上までマシーンがえぐったあとが目立つ直線的な道が続く。
陣馬山頂付近に立つと、一気に視界が開けてくる。三角点に立つお馬さんの像と並んで立つと、やや右手に富士山が見えた。山頂の富士見茶屋の名前に偽りはない。
すでにバテ気味のおっさんは迷わず茶屋でカキ氷を注文。超山盛りフワフワの絶品だった。生涯食った中でベストオブカキ氷の暫定1位に認定。ちなみにシロップはイチゴである。
暑くなった頭に氷は冷たく、疲れた体にシロップの甘みが効いてくる。
カキ氷と共に山下茶屋で調達したきのこおにぎりをモソモソといただく。これも旨い。体力回復には十分だった。
登山バッヂをコレクションしているので、置いてあったバッヂを買い漁るとともに、こっそりポカリスエットを購入してさらに水分補給。
それからお馬さんと記念撮影したり、トイレに行ってみたりと、先に書いた通り40分も山頂で過ごす。
陣馬山頂の景色が気持ちよかったので、おっさん文字通り有頂天だったのかもしれない。
「計画から1時間以上遅れてるから、今日は途中で切り上げてはいかがかと……」
うちのかみさんに提案してみるが、
「その程度の遅れなぞ取り戻してくれるわ」
と一蹴され、明王峠方面の下り道へ。
下り大好き登り大嫌いなかみさんの早いこと早いこと。位置エネルギーを自分の手足のように操る能力の持ち主か。
イマイチなコンディションのおっさんなぞ遥か後方に残し、かみさんは次々と別パーティを追い越して驀進していった。
ところが奈良子付近で道が登りに転じると、かみさんの動きが鈍くなった。追いつくチャンスとばかりに今度はおっさんが頑張る。
“棒”の使い方にもだいぶ慣れてきて、なかなか颯爽と進んでいく。
「エイちゃんイイよ!エイちゃん!」(注:矢沢)
と言いながら歩いていた方々を追い抜き様、
「棒いいなぁ。棒欲しいなぁ」
という声が聞こえてきた。やっぱそう思うよねぇ。前回我々もそう思って導入したし。
“棒”と位置エネルギーの力により、地図上のコースタイムより10分ほど早く明王峠に到着した。
ちょうどお昼時とあって、多くの方々がランチタイムを楽しんでいた。我々はカキ氷ときのこおにぎりのカロリーがまだ十分残っていたのでまだまだ進める状態だった。
(このペースなら多少遅れを取り戻して、計画通りのルートで行けるかも……)
という欲が出てきて、
(それならすぐにも出発しないと……)
という焦りが判断を曇らせたのだと思う。道標もろくに確認せずに相模湖駅へ下る道を進んでしまった。
一気に下る長い階段を下りたところで、(これは多分道を間違えてる)という勘が遅ればせながら働いた。
しかし後の祭りである。キレまくるかみさんに逆らわず、とにかく先へ進むことにした。
途中、別の登山者に出会ったので道を尋ねてみると、思ったとおり道を間違えていた。
地図を広げて対応を考え、栃谷坂沢林道に入って底沢に抜けることにした。
林道に入る直前に“石投げ地蔵”として伝えられる小石の山がある。
由来を伝える看板が傍にあるのだが、おっさんが見落としたのか、どうにもこの看板の由来は尻切れトンボで終わっているようだ。
要約すると、
「甲斐の姫君が常陸の国に嫁いだが、離縁されて娘を残して甲斐に帰った。娘は成長した後に母のことを知り、対面するために甲斐に向かったが、その旅は実に過酷なものであった……(続きはWebで!)」
みたいな内容である。
気になる方は“明王峠 石投げ地蔵”でググると詳細が出てくるのでどうぞ。
どうも“石投げ地蔵”伝説と“嬢の塚”伝説が長い歴史の中で混同されてきたのではないかという印象です。
ちょっとした歴史ミステリーかも。
林道に出て、舗装道路を曲がりくねりながら下っていく。途中、落石の痕跡等が見受けられた。
林道の端のゲート付近まで来た辺りで、道傍に貼られている地図を見てみると、
「ハイカーの皆様へ。以下の場所は危険箇所につき通行を控えて下さい」
と記載されているのは、まさに今下ってきた林道の辺りだった。
(やべえやっちまった)と内心反省するおっさんの横を、スポーツサイクルが颯爽と走り抜けていった。
林道を抜けるまでに、スポーツサイクル3台に追い越された。路面の石とかですっ転んで谷底に転落しないよう、よくよくお気をつけて。
「一般車通行禁止」と大きくかかれた巨大なゲートが林道の終点である。
ゲートはがっちり閉じられているが、徒歩ならゲート脇を通り抜けることができる。
ゲートのすぐ脇に設置されている仮説トイレが、実におどろおどろしい雰囲気を醸し出していた。
扉が吹っ飛んでトイレ前に落ちており、まるで中から何かが飛び出していったかのようである。
さらにしばらく進むと、左手に大きな木の根に被さる様に真新しい門が設置されていた。
「七ツ淵まで八〇M」と書いてある。
その程度の距離なら寄り道してみるかと、沢沿いの山道に入っていくと、沢の水が階段状に流れ落ち、それぞれの段に小さな窪みが出来ている場所に出た。
なるほど、これが七ツ淵。
門の脇には美女谷の名前の由来となったという照手姫の伝説を記した看板があった。
照手姫が髪をくしけずっていたという淵らしい。
ここから底沢バス亭に下るまでの道すがら、ところどころに「七ツ淵までXXM」の看板があったところから推察するに、村興しで一押しの観光ポイントっぽい印象だった。
おっさんは好きだなぁ、こういう地味な観光ポイント。あの淵で髪くしけずるって、ちょっと想像が難しいけど。
地元の人たちがアピールしようと努力しているのだと思うと、宣伝してあげたくもなる。
時刻は午後1時半を回っていた。
さすがに腹も減ってきたので、七ツ淵前のベンチで昼食をとることにした。
今回のメニューはタイカレーラーメンにスモークチキン、メイプルティーである。
大変美味であった。
すでにスタンプラリーの完遂は諦めていたのでのんびり1時間ほどランチを楽しみ、その後底沢のバス停へ向かう。
美女谷温泉を通過し、中央道の下をくぐって30分ほど歩く。初めて下から見上げてみたけれど、中央道ってあんなに高いところを走っているのだなぁ。
底沢バス停からさらに国道20号を歩いて15分ほどで千木良の富士見茶屋へ。
城山から下ってくる人ばかりの中、逆方向へ歩いていくのはおっさんたちだけ。なかなかシュールな感じだ。
富士見茶屋では何はともあれスタンプを押し、残るスタンプは琵琶滝を残すのみとなった。これはまた次回、今度はのんびり押しにくる予定。
次のバスまでおそよ1時間の待ち時間があった。
茶店のおばちゃんに勧められるまま酒饅頭をかじり、アイスコーヒーを飲み、看板犬のピーチちゃんと戯れて過ごす。
帰りのバスは八王子まで行く便で、後部座席にゆったり座りながら帰ることができた。
コメント
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私は登る事(スタンプラリー)が目的ではなく写真を撮るのが目的で山行計画を理解していなかったのだと思います。
スタンプラリーの事はすっかり忘れていましたし・・・。
次回は気をつけます、ごめんなさい。
そもそも計画が間違ってたんだと思うよ。
写真とりながらゆっくり登るなら、それなりのコースタイムを見積もるべきだった。
計画時点からよく話し合っておかないとねえ。
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