記録ID: 233698
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ハイキング
石鎚山
日本一の水質・面河渓本流と支流
2012年10月09日(火) [日帰り]
- GPS
- 04:50
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 461m
- 下り
- 439m
コースタイム
9:00面河バス停横駐車場-9:15空船(くうせん)橋-9:30面河バス停横駐車場→車で移動→9:40面河第二駐車場-9:50櫃の底-10:00兜岩-10:10布引の滝-10:45赤石河原-11:45鉄砲石川トンネル-12:00パノラマ展望台-12:20亀腹展望台-12:30面河渓本流遊歩道-12:45第二キャンプ場-13:15虎ケ滝-14:00面河第二駐車場
※コースタイムは暫定的なもの。
地形図=面河渓
※コースタイムは暫定的なもの。
地形図=面河渓
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
面河渓本流と鉄砲石川探勝時は、渓泉亭南の第一駐車場(トイレ前)が満車の場合、五色橋を渡って国民宿舎斜め上の第二駐車場へ。 公共交通機関利用時は、松山市の伊予鉄松山市駅から伊予鉄南予バス・面河行き(夏場は土小屋まで延長運行)に乗車し、終点降車。要する時間は便によって異なり、2時間20分から2時間40分ほど。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪四国一の渓谷と支流は日本一の水質≫ 去年からNHK高知局では、仁淀川(愛媛県域での呼称は面河川)を「日本一の清流」として、その支流も含めて大々的に宣伝し、自然や習俗に関する番組を始め、ドラマまで制作・放送してきた。 「日本一」というのは、国が近年、全国の一級河川の水質を調査し、全国13の河川を「最高水質」として認定したことによる。四国では仁淀川が唯一だから、四万十川よりもきれいな川ということになる。 「日本三大渓谷」(「三大峡谷」という場合は大杉谷の代わりに北山峡が入る)の一つ、三重県の大杉谷から流れる宮川も13河川の一つだ。 この仁淀川の最上流域(道が付いている区間)にあるのが、四国一の渓谷として有名な面河渓(おもごけい)だ。日本一の清流の最上流域の渓谷だから、自然と「日本一きれいな渓谷」となる。 NHK高知局ではこれまで、仁淀川支流、土居川のそのまた支流、安居川上流の安居渓谷の流れを「仁淀ブルー」として称えてきたが、面河渓の水流の美しさは、安居渓谷をはるかに凌駕する。まさに「面河エメラルド」だ。 ヤマレコでも石鎚山面河コースは取り上げられているが、面河渓本流と代表的な支流、鉄砲石川全コースの記録の投稿記事が皆無だったため、投稿することにした。 面河渓までのアプローチにマイカーを利用した場合、大半の者は車道終点まで行き、そこから探勝を開始するが、面河渓最高の見所はそこより手前の面河山岳博物館から始まる。高床式の博物館下の駐車場が探勝路の入口で、案内板も建っている。 地形図で「関門」と記載された辺りが渓谷最大の見所だ。その字の上に滝マークが描かれているが、これは遊歩道から見下ろすことができる。対岸を見下ろすため、迫力は感じない。 関門の由来は、その辺りの両岸の凝灰石火山岩が高さ80mの絶壁となり、まるで自然の門のように見えるからだ。遊歩道から渓谷まではかなりの落差があるため、秘境感も漂う。 この辺りは「面河ブルー」だ。 両岸が狭まった所を抜けると遊歩道の東側の樹林がなくなり、切り立った断崖上を歩いていることが分かる。 この辺り一瞬、泳げそうな深さではないかと思うが、よく両岸の地形を観察すると水かさは何メートルもの深さになりそうだ。それだけ水が澄んでいて、水底まで見通せるということ。 ほどなく空船橋に至るが、そこから先は崖崩れの危険があるため、通行禁止となっている。この橋からが一番の撮影スポットだ。 車まで引き返すと、面河第二駐車場まで移動する。バスで来られた方も、ここから第二駐車場までは1.2kmほどの道程だから大した歩きではない。 まずは支流の鉄砲石川を探勝する。確か、第二駐車場前の道標は、鉄砲石川へは車止めのある車道を歩くように示していたと思うが、山際を斜めに上がる歩道の方が近道だ。 歩道はすぐ上の鉄砲石川トンネル東口に出るので、トンネルをくぐる。 その先には不思議な光景が広がっている。左手には鉄砲石川の流れがあるはずであるのに、西の山から落ちた滝が広い池のような浅い釜を形成しているのだ。ここから面河渓へは、伏流水となって流れているのだろうか。 そこを過ぎると鉄砲石川キャンプ場の管理舎があり、手前に「櫃の底」の道標が出ているので寄っておこう。 その名称の由来は分からないが、その辺り、さきほどの釜より二回りほど小さな泉のような浅い釜がいくつか連続して形成されている。 この鉄砲石川の探勝路は全て林道故、ここから少し河原を歩いてみた。対岸は「屏風岩」という名称を付けたいような、高さ数十メートルの絶壁が続いている。 貼付画像ではこの絶壁前の河原に石が一つ写っているものがあるが、この石は何メートルもの大きさだから、「屏風岩」の規模が分かるだろう。 この先の流れが右にカーブする地点の谷の奥には、落差120m(恐らく高瀑に次ぐ愛媛県第2位の落差)の千段の滝があるはずだが、沢の出水で踏み跡が消滅して久しい。 林道に戻る。キャンプ場から先は未舗装になっている。 右手上を注意してみると、二つの道標が出ている。「コウモリ石」と「鉄砲石」だ。 踏み跡を上がるとすぐコウモリ石が道横に現れる。全長二メートル半位のバットマンのロゴマークそっくりの平石だ。 鉄砲石はどれがそれなのかよくわからないが、単独の石ではなく、崖と一体化しているのではないだろうか。 林道を進むと「紅葉岩」と「お月岩」の道標が出ているが、前者は対岸の、横に切れ目が何本も走っている岩のことではないだろうか。後者はギザギザの幅広の窪みが横に走っている岩のことではないかと思われる。できれば道標看板には由来も記してほしいものだ。 お月岩先の錦渓橋からは、面河本流の亀腹岩をはるかに超える規模と景観の岩が二つ重なって見える。特に手前の兜岩は誰もが感嘆の声を上げそうな迫力だ。あまり兜らしくはないが、大きな膨らみがあり、藩政期の軍艦を彷彿させる。軍艦と言えば町内御三戸にある軍艦岩こと御三戸嶽が有名だが、その岩とは桁違いのスケールだ。 その奥の高所に見えているのが板状節理が入っている鎧岩。 橋から先は立入禁止ロープが張られているが、自己責任で先に進む。兜岩の正面に下りられる道があるからだ。正面に出ると改めてその巨大さが実感できる。岩盤の膨らみが対岸近くまで張り出しているのだ。 こんなに素晴らしい景観があるのに、なぜ行楽客はこちらに一人も来ないのか。 次の見所は地形図にも記載されている、落差80mの布引の滝。これは林道のすぐ側へ流れ落ちているが、滑らかで緩やかな岩盤を伝って落ちている。「滑らか滝」で四国一有名なのは滑床渓谷の雪輪の滝だ。 この次の景勝地は錦渓で、地形図で1086mピーク南の沢との出合辺りを言う。但し、面河博物館等の冊子や書籍では赤石河原の別称として記述されている。 赤石河原は川床を見ればすぐ分かる。水かさが非常に浅く、赤褐色の岩肌のような平らな川床を滑るように流れているのだ。 赤石河原北の夫婦橋から渓流に下りてみたが、水の色の美しさに驚く。是非とも「面河エメラルド」を全国区に。 夫婦橋からヘアピンを過ぎた所で林道は終点となるが、10年ほど前、終点から四国の高山(1700m以上)では最も手ごわい山、五代ケ森(1706.7m)にアタックしたことがある。しかし途中の沢が渡渉できず、断念した。勿論、太ももまで水に浸かれば渡渉できたが、そこまでして登頂する意義はない。 夫婦橋からは鉄砲石川トンネル東口まで戻る。そこには道標が出ているが、まずはトンネル南のピークにある、パノラマ展望台へ登る。 周囲を山に囲まれているため、「パノラマ」という呼称はどうかと思うが、冠岳(1476m)の尖峰は印象的だ。 次は北方、866mピークにある亀腹展望台へ向かう。距離的には指呼だが、急登が続く。展望台へは遊歩道から左に折れて上がる。 展望台下には孫引割という岩の裂け目があるが、これは天狗高原東方の黒滝山中腹にある大引割、小引割に倣って命名したもの。「孫」とついているように、規模は黒滝山の物とはくらべものにならない。 展望台も落胆させられる。周囲の木々が育って全く展望が効かないのだ。 ただ、弁当を広げる場所としては推奨できる。 遊歩道に戻って先に進む。昭和期の文献では、階段の少々先に「刃渡り」という箇所があるとのことだが、これは岩盤の痩せ尾根部を指しているのだろう。 最高所(900mほど)から下りにかかり、やがて大きくジグザグを繰り返して下りて行く。 本流沿い遊歩道に下り立つと当然北東に向かうが、右手には景観のいい紅葉河原が広がっている。夏場は憩いたいところだ。 そこからやがて河原から淵へと変わっていき、下熊淵、上熊淵を過ぎて熊淵橋を渡った下に奇岩「水呑獅子」がある。どこが獅子なのかよく分からないが、激流となっており、見応えはある。 橋を渡ってすぐロープで通行禁止となるが、この先には虎ケ滝があるので先に進む。8年前訪れた時はきれいな道だったが、今では藪化が進行している。 道が途絶えた所まで来ると、景観が8年前とは一変していた。当時は滝の上流の岩場に下りられたのに、下りられるような箇所はない。'04年夏の豪雨で地形が変わってしまったのか。 そこで何とか滝の下流で下りられる所を探し、渓谷に下りてみると、何と虎ケ滝の前に虹が懸かっている。それも消えることはない。 改めて思ったのは「通行禁止」の先にこそ、真の景勝がある、ということ。 帰路は面河本流沿いの遊歩道を終始歩く。 亀腹展望台遊歩道分岐南は蓬莱渓と呼ばれる。 鶴ケ瀬橋を渡ると、遊歩道起点の渓泉亭向いに、本流最大の絶壁「亀腹岩」がそそりたっている。高さは70mもあるが、昭和中期までは上から縄を垂らして降り、イワタケを採っていたというから驚きだ。 車へ戻る前に渓泉亭か国民宿舎で軽い飲食をしたい。 |
写真
撮影機器:
感想
特筆すべきはまずやはり、水の美しさ。「面河エメラルド」は「仁淀ブルー」を凌駕していることを実感して貰いたい。
キャンプ場は蓬莱峡と下熊淵にある。
虎ケ滝から御来光の滝までの沢登りは、よほどの熟達者でないと危険。御来光の滝から愛大小屋までの道は存続しているか否か不明。
余談だが、国道33号から面河渓を目指す際、途中の国道494号沿いに、よさこい節で知られる「純信・お馬」の純信の曾孫の方が営業されている食堂がある。「しずか食堂」だ。アメゴ定食等、安くて美味しい。
純信の晩年の住居跡と墓は494号沿いの東川にある。
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