男体山 2484m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2005年05月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
5/16(月) 桑園−千歳7:50−羽田−上野―宇都宮−日光―中善寺温泉(泊、すぎもと館) 5/17(火) 中善寺温泉―林道分岐―滝尾神社―男体山―中善寺温泉(泊、すぎもと館) 5/18(水) 中善寺温泉―湯元温泉―稜線―天狗平―前白根山―五色沼避難小屋―奥白根山―天狗平―湯元温泉―中善寺温泉(泊、すぎもと館) 5/19(木) 予備日(華厳の滝、雲竜の滝、東照宮・・・・・) 5/20(金) 中善寺温泉(?)―・・・・−上野−尾久―羽田18:00―19:30千歳ー札幌 裏から登って表登山道を降りた。裏はほぼ全行程雪が残っていた。表は雪は全く無かった。 |
写真
感想
計画を立てたのは、飛行機のバーゲンの関係で、2月前、前手稲に行く前だから、登れるかどうか、全く見通しの立たない段階での計画だった。幸い、その後、前手稲に登ることができ、万里の長城も歩くことが出来た。
中央図書館まで自転車で往復したり、エレベーターは使わないで、階段を上り下りした。
その結果、ゆっくり登れば、標高差約1000mなら登れる、という見通しが立った。
それにしても病み上がってから初めての本格的な登山であり、不安はぬぐい切れない。
体調を観察しながら、無理をしないで、不調をきたしたらすぐ引き返すことだ。
5/16(月)目を覚ますと、張り紙がある。「お休み中だったので飲み物のサービス遠慮しました」と。飛行機は千葉上空辺りまで来ていた。綺麗に晴れ渡った彼方に富士山がくっきりと見える。この辺りから富士山を、こんなにはっきり見るのは初めてである。
今回は余裕があるので、モノレールでなく京急に乗ってみる。乗った電車は成田行きで、途中池袋にも止まるようだ。池袋で東武線の日光行きに乗り換えればいいのだ。
池袋で降りて、駅構内の標識を見ながら東武線の乗り場を目指す。すると駅舎の外に出た。別の建物のなのだ。標識に従って左に行くと交差点がある。渡らずに左へ行くが、それらしきものがない。仕方なく通行人に聞く。引き返して交差点を渡って真直ぐ行け、と。
日光線、特急はすぐあるが、その後すぐ快速があるので、特急料金を節約する。
新今市からは、前2両が日光行き、後ろ4両が鬼怒川方面行きである。
東武日光に着いて、中禅寺温泉行きの切符を買う。東照宮にも行くなら、途中下車できる切符があると言う。運転手に聞いて、東照宮へ最短のバス停で降りる。
道路を渡ろうとするが、横断歩道がない。車が切れるのを待って素早く渡る。
急な石段を登ると参道に出た。少し行くと拝観券売り場がある。拝観券を買って、順路に従って、武徳殿から参道に出る。参道では丁度馬の行進である。人が馬に乗って登ってくる。
表門をくぐり、三猿の前を通って右に曲がると正面に陽明門が見える。かなり色褪せてはいるが極彩色である。陽明門をくぐって右に行くと、門の鴨居に、左甚五郎の作として有名な眠り猫がある。ツアーの団体がかたまってガイドの説明を聴いている。僕には、平凡な彫刻としか見えない。ここを更に進むと、その先で200段の石段を登って家康の墓があるそうだが、疲れてきたし、リックも重いので引き返す。そして唐門、拝殿、本殿と続く。可愛い修学旅行の生徒達で賑わっている。聴いてみると、5年生、千葉から来た、と。夫々の課題に就いて調べたりしている。
ここも極彩色で、唐門の庇の下側に龍の彫刻が施されている。唐門に続く塀にも一面彫刻である。
引き返して、本地堂。ここは鳴龍である。天井に龍が描かれている。その下で、坊さんが拍子木を打つと、反響して、確かに龍が唸りを繰り返しているようだ。
参道を下って、石段を降りてバス停へ。車が切れるのを待っている間に、バスが来て、行ってしまった。道路を渡って時刻表を見ると、次は1時間後だ。
時間つぶしにぶらぶら歩き始めると、地下歩道の看板がある。ここは地下歩道で渡るようになっていたのだ。気付かなかった僕も迂闊だったが、看板をもっと目立つように設置すべきだ。ここは初めての旅行者も多いのだから。
バスに乗り、バスが走り出し、暫らく行くといろは坂にさしかかる。ヘアピンの度合いといい、その回数といい、さすが天下のいろは坂である。
坂を登りきると、間もなく中善寺温泉に着く。バスを降りると、家並みの上に男体山が覆い被さるようにどでかく聳え立っている。すぎもと館はすぐみつかった。一見して民宿だ。
主は40代前半、人当たりがいい。部屋は6畳日本間、コタツが置いてある。
早速登山の件になり、車で菅沼まで送ることもできると言う。朝をおにぎりにしてもらって、出発は5時半と約束。華厳の滝は歩いて10分だから今日のうちに見てきたらいい、と。まだ十分明るいが、人はもう誰もいない。エレベーターで100m下まで行けるようだが、今日の営業は終わっている。展望台から眺める。さすが華厳の滝だ。
部屋に帰って、テレビをつけて、荷物を整理していると、7時のニュースの後、地方版トピックの時間、80歳の人が男体山に1000回登ったという。主が教えに来て、「あっ 見ていたんですか」といって下がって行った。前橋(?)の人、健康の為。昨、日曜がその1000回目、あいにく悪天で、山頂は雪だったようだ。
5/17(火) 5:25リックを持って玄関へ。車がエンジンをかけて待っている。主も奥から出てくる。5:30丁度出発。天気は予報通り快晴、風もない。
楽天との関係を聞くと、契約してページに載せてもらい、売上の2〜3%を手数料として支払う、自分でもHPを持っているけど余り見てもらえない、と。
奥白根山が迫り、湯元の温泉街も見えてきた。山の上は雪が残っている。主もしきりに気にしている。アイゼンは持ってきたか、と。ノー!
更に山に近づく。雪がかなり残っている。去年の白馬、その前の祖母山で苦労したことを思い出す。主も「今日男体山にして、明日様子を見たらどうか」と。同意する。
標高は大して違わないのに、奥白根山と男体山では雪の積もり方が随分違う。奥白根で雪を落とした風が男体山の方に吹いてくる、と。引き返して男体山の裏側、二荒山神社志津宮登山口へ向かう。幹線から狭い林道に入る。かなり走って登山口到着。バス停から歩くと2時間かかるそうだ。
ここは標高すでに1800mである。山頂まで標高差は約700mである。地図では尾根まで込んだ等高線を、従って急な坂を直登することになるのだ。
霜が降りていてひんやりとする。ストレッチをしながら、Uターンしてきた車を見送る。
病みあがり以来はじめて、そして単独だ、果たして無事登れるか、身が引き締まる。
霜の付いた笹が道を覆っている。今日は雨具上下持って来なかった。霜が解けたらびしょ濡れだ。去年の摩周岳のことを思い出す。結果的にはこの心配は無用だった。
間もなく祠があり二荒山神社志津宮だ。登山の安全と成功を祈る。ここからは笹がなくなり、道も広くなって濡れる心配は解消した。やがて砂防ダムのある沢の縁に出る。道は右岸の林の中に続いている。
ゆっくりだ。去年までのようには行かないのだ。初めは特にゆっくりだ。
道が大きく掘れていて、其処に雪が残っている。凍ってはいないし、踏み跡もあり、埋まる事もないので特に問題はないが、場所によっては歩き辛い。
ブッシュの中に入り、踏み跡も不明瞭になった。注意深く見定めながら進む。下の方で鈴の音がする。高年の女の人が登ってくる。少し遅れて主人が来る。
小休止して、水、エネルギーを補給する。2人(以後Aカップルという)が追い越して行く。
沢の源頭に出て、トラバースする。見晴しがいい。太郎山がすっきり見える。
Aカップルが写真を撮っている。三脚を立てて本格的だ。先に登って行く。暫らく登ると、今度は左手に大きな崩壊(ここでは薙ぎという)があり、その縁を登って行く。四合目の標識がかなりまえにあったので、もう五合目、六合目の標識があってもよさそうだがない。見落としたのだろうか。
暫らく行くと右前方に建物が見える。山頂だ。もう少しだ。
しかし疲れが出て来た。少しバテの感無きにしも非ずだ。ここが大事だ。深呼吸をする。
水とエネルギーをこまめに補給する。
暫らく登ると傾斜が緩くなり、見晴らしも良くなってきた。尾根へ出たようだ。行く手に神社らしい建物も見える。もう大丈夫だ。山頂目指して尾根の残雪を踏みしめる。
大きな岩の上に大きな太刀が突き刺してある。ここが頂上だ。高年カップル(以後Bカップルという)と高年の男性が休んでいる。早速岩の上に上がって写真を撮ってもらう。
表参道の方から高年カップル(Cカップルという)がやって来た。表参道の様子を聞く。日当たりがいいから雪はなく、問題はないとのことだ。下山のことが心配だったが、この時点で、表参道を降りることに決めた。道の状態が同じぐらいなら、距離の短い裏コースを降りよう、と思っていたのだが。
やがてAカップルも到着して賑やかになる。
Bカップルは地元の人で、その主人が実に詳しい。「男体山と女峰山が夫婦で、大、小真名子山が子ども、太郎山は庶子で少し離れている」などと説明してくれる。見えている主な山も教えてもらう。あらためて眺めてみる。近くは女峰山、大、小真名子山、太郎山。奥白根山はまだらに雪が残っている。少し離れて燧ケ岳の双耳峰が真っ白に輝いている。至仏山が奥白根山のすぐ右側で、燧ケ岳から凄く離れているのは意外だ。
燧ケ岳の右に会津駒ヶ岳がなだらかに横たわっている。その右奥に飯豊連峰がかすかに白く見える。
一方南側を見ると中禅寺湖、その後ろに赤城山が見える。頂上付近はオンコの木が多いが、風の勢で十分育たず、枝が一方になびいたり、梢が枯れたりして、自然庭園の様相である。それと中禅寺湖の取り合わせは1枚の絵になっている。
東側は日光から関東平野が続いている。それが隙間のある低い雲海に覆われている。
空は快晴で、風はなく、暑くも寒くもない。
何時までも眺めていたい気分だが、そろそろ下山としよう。初めは砂気味の緩やかな道を中禅寺湖を正面に眺めながら下って行く。
やがて岩礫となり傾斜も急になる。Cカップルが追い越して行った。
八合目、瀧尾神社に着く。岩礫の急な降りが続く。ストックをフルに活用し、膝に負担をかけないようにゆっくり下って行く。
崖崩れを防ぐための石垣があり、丁寧に植林がしてある。
予報通り、天気が下り坂で風が冷たくなってきた。中禅寺湖にガスが立ち昇っている。暖かい湖面に冷たい空気が流れ込んだためだろう。
ガスがここまで流れ込んできた。それは良く見ると水蒸気だった。濡れた地面が日射を受けて水蒸気を出していたのだ。
湖面が大分近づいてきた。鳥居があり、車道に出た。四合目の標識もある。
車道を東へ降って行く。かなり行ってからヘアピンカーブして西へ行く。更に3回曲がって、三合目の標識があり、ここで車道を離れ樹林の中の登山道となる。道は歩きやすいが傾斜はかなりある。さすがに標高差1200mの直下降は降り甲斐がある。
年配の男性が1人追い越して行った。瞬く間に遥か下の方で見え隠れしている。僕も去年まではあんな調子で歩いていただろう。
樹の幹にプラスチックのネットが巻いてある。鹿の食害防止の為のようだ。
立ち木を透かして鳥居が見える。二荒神社の登山口だ。遂にやったぞ。これまでなら、頂上で、「やった!」となるのだが、今回はここまで来て初めて「やった!」という気分だ。
鳥居をくぐり、山門をくぐり、本殿、拝殿の横そして社務所の前を過ぎると、目の前は中禅寺湖だった。
宿に帰りつくと、早速主、明日はどうするか、と。足と体の疲れ具合から、明日奥白根はとても無理である。明後日那須岳に登りたいというと、新聞を持ってきてくれる。特集記事で那須岳の登山案内である。この前の男体山1000回登山もだが、今日のこの新聞もなんとタイミングのいいことだろう。ゆっくり風呂に入って寝る。
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