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Yamareco

記録ID: 2367631
全員に公開
雪山ハイキング
八ヶ岳・蓼科

北八ヶ岳中山(過去レコです)。

2010年01月09日(土) 〜 2010年01月10日(日)
 - 拍手
onisan その他1人
GPS
32:00
距離
12.0km
登り
1,028m
下り
1,017m
天候 小雪ちらちら。
過去天気図(気象庁) 2010年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
稲子湯の登山口に車を停めました。
コース状況/
危険箇所等
中山峠手前の急坂は要注意です。
デジカメで撮りました。
2
デジカメで撮りました。
ここからの下りは要注意。
1
ここからの下りは要注意。

感想

 2010年最初に登る山として1月9日からの3連休に北八ヶ岳のニュウに登ることにした。暮れから冬山での遭難事故が伝えられているが、わたしは危ないところには近寄らない、でも雪山には登りたい。となると行くところは限られ、どうしても北八ヶ岳周辺となる。メルヘンラインは冬季閉鎖中なので稲子湯から登ることにし、しらびそ小屋に予約を入れた。1月9日朝7時に中央高速を走り、長坂ICから清里を経てワカサギ釣りで賑わう松原湖を横目に稲子湯に至る。登山口の駐車場はほぼ満杯で、その一角に車をとめる。車の温度計はマイナス3℃を示している。ハードシェルを着込み、ピッケルを片手にいざ出発。出発時にデジカメで写真を撮ると、バッテリー切れのマークがつく。まだ充電したばかりなのにどうしたのかなと思うと、充電コードの差し込み口が開いていて、どうもこのせいらしい。しっかりしたトレースをさくさくと踏みしめ、アイゼンなしで歩く。緩やかな道は時に車道に出たりするが、沢にかかる橋を渡るとカラマツ林の中の登山道となる。カラマツの枝には雪は無く、枯れ木の林を歩いている感じ。しゃくなげ尾根への道を分け、沢沿いの道を登る。勢いよく流れる沢、岩の段差にはツララがかかり、しぶきが作ったランプのシェードなど、色んな氷の造形が目を楽しませてくれる。ゆっくり登っているつもりだが前を行く団体さんに追いつき、これを追い越す。コマドリ沢を渡ると、みどり池まで「はっても30分」と云う札があり、勾配が増す。アイゼンを着けるのも面倒なので、つま先蹴りで登る。這って登っているわけではないが、コマドリ沢から丁度30分でしらびそ小屋に到着。古びた山小屋の横に新しい小屋がある。小屋の前のみどり池は凍って、その上に積もった雪で真白、池の面影は無い。池の向こう、青空を背にしてに天狗岳が白く輝いている。小屋の周りにはザックが並び、わたし達が来た道とは反対側からも人がやって来て大賑わい。古びた小屋の中に入ると腰が曲がったおばちゃんがやって来て、テーブルに座って住所氏名を書けと云う。食事はどうするかと聞くので、弁当も作ってくれるかと聞くと、弁当は凍ってしまうので冬は作らないと云う。素泊まりが4,200円、夕食は2,000円、朝食は1,000円で、2食付きで7,800円也を払う。小屋で仕事をしている人は、このおばちゃんの他に男が4人。あるじは認知症気味で、お茶を出してくれた若い男以外は皆かなりの高齢者である。この若い男も動作がのんびりしていて、ここは時間の感覚、ものの考え方、全てが俗世間とは異なる別の世界。若い男に聞いても、わたしの泊まる場所も夕食の時間もわからない。土間で寝ている柴犬もわたしが近づいても全く無視。かみさんにニュウまで行けるかと聞くと、昨日は足跡は無かったそうだが、明日は行ってみないと判らないと云う。しばらくダルマストーブの前で暖まるが、このゆっくりした時間の経過はわたしには堪えられない。若い男に再び聞き、新館の2階の広間に行く。4人1列、今日は満員の宿泊者だそうで、着布団は3人分。布団の上に座り、ザックから持参のシャンペインを取り出してひとり新年会。夕食は2回に分けて古い小屋の方に集まり、わたし達は後の組。若い男が呼びに来て、外から古い小屋に入る。テーブルの上にはカレーライス、テンプラ等々、おかずも盛り沢山。「にごりワイン」なるものを1本注文、わたしには甘過ぎる。新館へは外に出なくても通路があり、そこを通って広間に帰る。真夜中、風が吹きまくって翌日の天気が心配。
 翌日、1回目の朝食から帰って来た人達を見計らって古い小屋に行く。たっぷりと食べ、ほとんどの人が出発してからゆっくりと支度。ハードシェルに身を固め、2重手袋にニット帽、それでも外は寒い。取り合えず中山峠まで登ろうと、アイゼンをつけ、小雪が舞う中、登山道に向かう。昨日来たしらびそ小屋までの道とは違って、木の枝にも雪が積もり、冬山の感じが増す。しっかりしたトレースが出来ていて、スノウシューの跡もあり、幅も広い。所々に標識や赤いリボンもあり、道に迷う事は無い。本沢温泉への道を分けると徐々に勾配を増し、アイゼンが頼りになる。でもトレースは狭くなり、アイゼンがズボンの裾にひっかかって思わず転倒しそうになる。道はさらに急になり、ピッケルを突き立てて、それにしがみついて這い登る。喉が乾き、枝に積もった雪を食べ、折角持ってきたお茶を飲む事は無い。やがて鎖場が現れるが、鎖を掴むより、ピッケルの方が頼りになる。しらびそ小屋から2時間以上、最後の急登を登り切って中山峠に到着。思ったより風は強くないが、立ち止まっていると寒い。さてどうしたものか、取り合えず黒百合ヒュッテに行ってひと休みすることにする。モンスターが立ち並ぶ林の中を歩き、5分で黒百合ヒュッテに到着。ここは昨年泊まった勝手知ったるところ、玄関口にザックを置き中に入りコーヒーを注文する。ストーブの周りは人で占められていて、土間の奥に入って腰をおろす。外には沢山テントが張られ、この小屋も昨晩は一杯の泊まり客だったのだろう。暖かいコーヒーを飲みながらさてどうしたものか、思案。天狗岳へは往復3時間、ちょっと時間が無いし、昨年登ったので止め。中山までなら往復1時間ちょっと、せっかくだから峠じゃなく山に登ることにした。ヒュッテの外にかかった寒暖計はマイナス16℃、中山峠から高見石に向かう道は尾根。風で雪が吹き飛んで岩が露出している。2重手袋でも手がシビレ、凍傷を心配しながら歩く。そのうち手も暖まってきて気持ちに余裕が出る。ニュウへの分岐に到着。トレースがついているので入って見ると、ズブズブと沈む。たとえニュウまで行けたとしてもその先のシャクナゲ尾根にトレースがあるとは限らず、すぐに行くのを断念し戻る。中山の頂上の手前は樹木が途絶えるが、生憎の雪で回りを見渡しても真っ白の世界。頂上は通りすがりの道、「中山2496m」の標識が無ければそれとは判らない。道の両側にはモンスターが立ち並び、例え雪が降っていなくっても眺望は無い。携帯のカメラで記念撮影し、早々に峠まで引き返す。峠からの急坂は45度以上はあるかと思われるが、下を見れば垂直に近い感じがする。怖々、慎重に、足場を選びながら下り、それでも冬の下りはコースタイムより早い。しらびそ小屋の外の寒暖計はマイナス8℃であるが、マイナス16℃から降りて来た身には寒さを感じない。小屋に入りストーブを囲んでうどんで昼飯。小屋のおじさんが、「ここは夏より冬のほうが混む。夏は通りすがりに、名物のトーストやチーズケーキを食べる客だけ。雪の無い時にキャタピラー車で荷物を運び、冬は必要なものだけ自分たちが運ぶ。今日は昨日程は混まないだろう。」とか、色んな話しをする。充分暖まって小屋を発つ。稲子湯まではコースタイムより15分早く到着、これはわたし達が早いのでは無く、岩を隠した雪道のお蔭。

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コメント

いつもながら感心します。
onisanさん今晩は。
いつも感心しながら拝見してます。
こと細かく記録を書いていますが、山行後に記録しておくんでしょうか?
2020/5/30 20:26
Re: いつもながら感心します。
 onikenさん、こんばんは。

 山に登った後は記録を取っていました。ヤマレコに参加するようになってからは止めましたが、それまでの記録を過去レコとしてアップさせて頂いています。写真や文章が消えてしまった記録もあり、ヤマレコとしては不完全なものが多いですがご勘弁のほど、お許しください。そろそろネタ切れになりましたが、今後とも宜しくお願いいたします。
2020/5/30 21:02
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