書策新道踏査
- GPS
- 05:30
- 距離
- 4.4km
- 登り
- 727m
- 下り
- 721m
コースタイム
書策新道−
過去遭難事例を基に迷った箇所にロープ等を張りながら登る−
13:20書策小屋跡地13:45−
書策新道を検証しながら下降−
15:10戸沢
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
感想
秦野市遭難対策協議会の議案に基づき、最近道迷い、転落事故の多発している
書策(カイサク)新道の踏査に、警察・消防・市職員とともに行く。
このルートは最近の昭文社発行登山地図にもまだ破線ルートとして掲載されて
いるが、ルートを開拓された渋谷書策さんがお亡くなりになってからは
一般登山道ではなく整備もされなくなっている。
有志の方が入口と出口に立入禁止テープを張っているが
それでもこのルートにお入りになる登山者は後を絶たない。
何度も歩かれている経験者や沢登り経験者ならまだよいが
登山地図しか持たず、読図技術もないまま
初めてこのルートを行こうとする方(特に単独者)は極力入らないよう
この場を借りてお願いしたいと思います。
何が危険かといえば
・まず水無川本谷徒渉点下部の涸れた枝沢に架かっている木橋。
どんどん緩んでおりいつ崩落してもおかしくない。
・次の下部がえぐれて崩壊している岩をスタンスにロープでトラバースする箇所。
年々崩壊の一途を辿っており、スタンスになる岩もいつかは崩落する。
崩落はまさにロシアンルーレット。
この岩が崩落すれば通過は極めて困難になる。
・水無川本谷を渡る対岸のルートを見出せず本谷に入っていますケースもあり。
また逆に下降に使って、本谷をそのまま降りてF5(滝)の切れた鎖を下降路
と思い転落するケース。
・水無川本谷とセドノ沢左俣の間の小さな枝沢に架かっていた木橋は既に崩落
しており、その上部を巻く箇所。
・次に水流があり、上部に5m級の滝が見えるセドノ沢左俣の支流をセドノ沢
左俣本流と勘違いし、その支流を上がっていってしまうケース。
書策新道はよく見れば、この支流を渡って先に伸びている。
・いよいよセドノ沢左俣に合わさり、しばらく100mほど沢の左脇を平行に
登る区間。
セドノ沢左俣から離れて対岸に渡る箇所を見過ごして、そのままセドノ沢を
登ってしまうケース。この沢を離れる箇所は開けた河原状になっている。
そのポイントに沢に行かないようトラロープを今回張りました。
トラロープ沿いに右へ行けば新道の取り付き方向に行けます。
また逆に下降に使う場合、セドノ沢左俣の右脇を100mほど下らなければ
なりませんが、沢から右側に離れる箇所がわからず、そのままセドノ沢を
下降してしまうと4m滝が2つ、さらにその下は10m滝が待ち構えています
ので、この離れる箇所にも立入禁止テープを今回設置しました。
沢登りの方は「何?」と思われるでしょうが、この区間の道迷い遭難が多発
している理由ですのでご理解お願いします。
くれぐれも、このルートは一般登山道ではありませんので
営林署などの作業のため補修することはあっても
登山者のために補修されることは考えられません。
道もザレ場があったり、表尾根のようにしっかりしていませんので
申し訳ありませんがハイキングレベルの方はおやめになった方がよいでしょう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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kamogさん、詳しい状況報告をありがとうございます。
いつか歩いてみたいと思っていた書策新道ですが、崩落が進んで道迷いも頻発していると聞いていました。書策小屋が取り壊され、人通りも少なくなり、足を踏み入れることなく月日が過ぎていきます。
時間的な余裕があるときにバリエーション経験豊富な方と一緒に入りたい気もあるのですが、報告を読む限りは避けたほうが良さそうですね。そもそも家の「お許し」が出ませんけど…
melonpanさん、どうもです。
バリエーションルートをやられている方には
このようなテープングやロープは興ざめですよね。
でも情報がいとも簡単に入ってしまう現在、
山の知識も技術も未熟な登山者が(しかもソロで)
多いなか、事故の多発するこのルートで遭難防止を
するには申し訳ないながら仕方ないことなので
ご理解お願いします。
本来なら山はもっと原始的であるべきだと
個人的には思っているのですが
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