静寂の世界。冬八ツ〜敗退の先に見たものとは。
- GPS
- 32:00
- 距離
- 39.2km
- 登り
- 1,794m
- 下り
- 1,794m
コースタイム
12日>4:30舟山十字路-6:00美濃戸-7:00美濃戸山荘(南沢)-9:15行者小屋-10:10赤岳鉱泉(北沢)-11:40美濃戸山荘-12:35美濃戸-14:30舟山十字路
天候 | 11日。晴れ後雪。夜半から再び晴れ。 12日。晴れ。ありがとう。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー
復路:八ヶ岳美術館そば。別荘土地販売管理所からタクシーで茅野駅へ。茅野からスーパーあずさにて新宿へ。 茅野駅から美濃戸へは平日、特定日のみの運行となる。それでも行きたかった。 http://www.alpico.co.jp/suwabus/bus/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
舟山十字路〜旭小屋:林道から小さな沢を渡渉すると。そこにはもうトレースはなかった。ここ最近、人が入った形式すらなかった。旭小屋まで、雪はさらさらだが、常に足首が埋まるぐらい。尾根に取りつけば、腰までのラッセルになっただろうか。 阿弥陀南綾は舟山十字路からゲートを越え林道をしばらく歩き、尾根に取りつくか、または、この旭小屋裏から取りつくか選択肢は2つ。初級とはいえ、バリエーションルート。(ここに書くことのできない)あり得ない道具のアクシデントがあった(メーカー愛の故、言えません)とはいえ、勉強、経験ともに足りなかった。 美濃戸山荘から南沢、北沢>もう本各的な雪山の道です。この日、手足の指先は凍りつくかというほど気温が低かった。最善の防寒対策を。綾線下でもバラクラバ必須。さみー。 |
写真
感想
前回の谷川岳の敗退後、次は八ヶ岳に行きたいと思っていた。
どこに行くか。南八ツでは、阿弥陀岳にまだ登っていない。
阿弥陀岳は赤岳、中岳を経由して上がるか、また、
行者小屋から直接上がれるがこの時期なら、
是非、やってみたいというか、憧れているルートがあった。
それが南綾だった。
冬期バリエーションルートの初級という。
一般縦走路以外のルートに挑戦したかった。経験も知識もないのに。
でもそれが憧れというやつなんだろう。
自宅を朝、始発で出ると、茅野には10時前に着いた。
この時期、駅から美濃戸口に行くなら平日は特定日しかバスは運行していない。
特定日外ならタクシーしかない。
ここから八ヶ岳へと言うと、タクシーの運転手さんはいつも饒舌で親切だ。(笑)
一応、登山届を出すために美濃戸口へと行く。
ここで、山荘の親父さん(どこの小屋だろう)と思われる方が、
四駆に乗るところで、一緒に上に行くか。と声をかけてくれた。
赤岳へ行くなら喜んで。というところだが、今回は、阿弥陀南綾。
ここから舟山十字路というところまで歩く。
舟山十字路から旭小屋を目指す。途中の湧水場で、御夫婦がタンクに水を汲んでいるところだった。
優しいその御夫婦は、山か。無理をしないで。と言った。
聞くと、御親戚が昔、冬の天狗岳で遭難したんだと、うつむかれた。
その表情から、その人は助からなかったことが想像できた。
「ダメだと思ったらすぐに諦めます」というと、「それが一番いい」と笑顔で応えてくれた。
しかし、それから1時間もかからないうちに、本当に諦めることになるとは思いもしなかった。
林道から先は人が入った形跡がまるで無かった。
ふかふかの新雪が、思いの外、深く、旭小屋まででも、ひと苦労だった。
これでは、南綾どころじゃない。
自分の認識の甘さがまた、露呈された。
平日、単独なら、こんなことの繰り返しだ。でも、無理をするわけにはいかない。
自分の力の及ばないところと分かったら、尻尾を巻いて逃げる。それがいい。
リトライのために尾根への取りつきの場所を確認し、
悔しいから敗退のポーズを記念に決めてから撤退した。(バカです)
このまま東京に帰ろうかと本当に思った。今なら、特急でその日のうちに新宿へ帰れる。
山って、こんなにみじめで悲しいものだったっけ。そう思った。
舟山十字路へ戻ると、ちょうど、2人のアイスクライマーの方が、降りてきて帰るところだった。
クリスマス・ルンゼを楽しまれたという。
そのルートなら知っている。知ったかぶりをする必要がなくて良かった。
二人のクライマーは充実した表情だった。
帰ってたまるか。まだ、俺。楽しんでいない。山を。
舟山十字路にテントを張り、夕食を作った。
カキの燻製を入れた特性ちゃんぽんは泣きそうになるくらい美味かった。
夜、小雪の止んだ空を見上げると、満天の星が出ていた。
諦めかけていたが、夜空の星の撮影ができることを喜んだ。
少しの間隔で流れ星が2つばかり飛んだ。感動して画像を見ると、
小さいが、四方に流れる星が映っている。うれしかった。
この日、ふたご座流星群のピーク前夜だったことを知ったのは、帰宅後始めに見たニュース番組だった。
このことで、テンションが上がり、美濃戸山荘を起点に南沢北沢の周回を決めた。
赤岳登頂は、テントを回収する時間を考えると、現実的ではない。
それに道具のアクシデントのため、無理なのだ。
仕方がないが、また。来るし、絶対。
夜明けはるか前、4時半にヘッドライトを点け、林道を降りる。
美濃戸へと着いたのは6時だった。
美濃戸山荘へ着くと、単独の男性が上がってきた。
赤岳、日帰りだという。少し話をし、一緒に南沢を歩かせてもらった。
ただ、あまりに速く、追いつけないため、先に行ってもらった。
後日、鳥肌が立つほど驚いた。
この方、ヤマレコで数回、話をしたことがあるmamepyonさんだったのだ。
通りで、桁外れの健脚のはずだ。南沢だけだったが、お互い知らずしてコラボしていたのだ。
mamepyonさん、俺、makasioでした。
一緒に赤岳、登りたかったです。また、どこかでコラボしてください!
南沢をひとり歩く。ストックもしまい、アイゼンもつけなかった。
ただ、静寂の八ヶ岳を楽しんだ。風もない。現実離れした世界。最高だ。
白い要塞と化した横岳が見えてくると、行者小屋に着いた。
行者小屋でmamepyonさんを見送らせてもらい、こんどは赤岳鉱泉経由で北沢を降りる。青と白の世界。
あまりの美しさに発狂しそうになる。
ストックより、カメラを握りしめる。感覚のまま、シャッターを切る。
楽しい、楽しい。本当に楽しい。山を楽しんでいる。俺。
ただ、そのことがうれしい。好きな山を楽しんでいることが。
困難なこと、危険なことに挑戦しなくても、こんなにも楽しいし満たされる。
俺、なにか、思い違いをしていたのかもしれない。
山はそこにいるだけで、楽しいもんだ。
「いまごろ、分かったか、阿呆め」といわんばかりにカモシカまで出てきた。
でかい。雪の世界で見るカモシカは堂々とし、神々しいオーラまで漂わせている。
まるで、山神さまのようだ。
こんなに間近で見れたのは初めてだった。近寄っても、目が合っても逃げようとしない。
100メートル先を歩かれていた御夫婦に、いましたね。というと、
見ていないという。不思議だった。
山を降り、舟山十字路でテントを回収した。ただいま。ほんとうに口に出した。
来た時より少し軽くなったザックを背負って別荘地を降りる。
マルチーズを連れた少し年配の男性が微笑みながら、近寄ってきて言った。
「お疲れさまでした。頑張ったね。」
はじめまして、ではないですね。
でもmakasio様のレコにコメントするのは初めてだったかと。pasocomです。
冬の八ヶ岳、それも阿弥陀南稜に挑戦したとのことでびっくりしました。
「冬期バリエーションルートの初級」とのことですが、この時期、バリルートだと先行者を期待するのは難しい。むしろ新雪ラッセルを楽しむ、そしてあわよくば登頂も、というくらいな楽な気持ちでいいんじゃないかと私は思います。
行者小屋の方も確かに「ピークハント」はなかったかも知れませんが、横岳の絶景!カモシカ、mamepyon様・・・。流星群まで入れたらすごく収穫のあった山行です。こういうのは決して「撤退」ではないし、まして「敗退」じゃない。
「山はそこにいるだけで、楽しいもんだ。」!
まさに。
コメントコラボです(笑)。
ぜ〜んぶpasocomさんが先に言っちゃうんだもんな〜
すんごい時空間と出会い!!
山の良さを教えて下さったのはmakasioさんじゃないですか。
人それぞれのいきかたあってしかるべし!
困難と思われる挑戦でも、やってみてこそmakasio!
いつもながら判断と感性がすばらしい。
自分のやりたい山に自分のやりかたでどんどんアタックして
下さい
makasioさんになら安心してそう言えます
こんにちは。
またもや、というか。
当たり前に、単独・平日で実行ですね。
しかし、ほんとに単独・平日は厳しいですね。
何かひとつでも欠けたら駄目ですものね。
しかもバリですから。
今回は敗退というより、「過程」ということではないでしょうか。
私などは昨年、冬山を再開しようと、
単独・平日+悪天で、試しに東天狗に行きましたが、
なめて登ってしまったため、不覚にも顔に凍傷作ってしまいました。
もう、自分は単独で冬山やる器ではないと、
以後本格的なのはやらないことにしました。
今回の「過程」を大切に次のチャレンジにステップアップして下さい。
先日は偶然の出会いにもmakasio さんとは気づかず少しお話しただけでしたね。
日帰りで周回する為と、南沢結構冷えてて寒かったので行者まで立ち止まらず先に行っちゃいました。
テントの回収と公共交通機関の縛りはちょっと残念でしたけど、登頂だけが全てではないですし、過程を楽しめた事、きちんと撤退の判断をできた事もご自身の経験値を上げてくれることでしょう。
またどこかの山で会いましょう!
その時は是非一緒にピークを!
makasioさん、お疲れ様でした。
いやぁ〜綺麗な写真ありがとうございます。
写真見ながら、声出ちゃいました
雪山は経験無いのですが、こんな晴天の雪山見せられちゃったら、初めてみようかな?
なんて、気にさせられちゃいます!
素敵な出会いもいっぱい有って、相変わらず、いいお山でしたね!
このレコ、敗退なんですか(笑)??
コメントありがとうございます。
こうして、直接、お話するのは初めてですね。きっと。
共通のお友達がいるので、ちょっと意外な気がしますね。
阿弥陀南綾に挑戦するのは、少し、早かったようですね、時期的にも。
ただ、あわよくば、行けるのではないか。あわよくば。
トレースがあれば・・。半分くらいの期待でした。
それでも、今、一番やりたいことをやる。というのが
私の性格なんです。(良いも悪いも)
ダメだったら、また、挑戦すればいい。できるまで。
今回は偵察ということで、納得しています。
これで終わればただの撤退でしたが、ご覧のように、大、大収穫でした。
ふたご座流星群、冬期、八ヶ岳の絶景。カモシカ。そしてmamepyonさんと偶然の出会い。(お互い、知らずにコラボしていましたが・・)
「山ってそこにいるだけで楽しい」
一番、大事なことを今回、冬の八ヶ岳は思い出させてくれました。
pasocomさん、これからもよろしくです。
でも、「様」は止めてー。makasioでいいです。
年間敗退(撤退)記録。更新中のmakasioです。
冬期、自分のやりたいことをやるとなると、
おそらく、半分、それ以上は、失敗になるでしょう。
でも。
pasocomさんがおっしゃるように。
これは敗退でも撤退ではありませんね。
だって、大収穫でした。
写真で皆さんに少しでも、気持ち。伝わっているのかな。
俺、これで、もう、挑戦はしない。なんて。
そんな気、ないですよ。これからも変わりませんよ。
そんな、makaio。これからも応援してくださいね。
応援隊長。お願いします。
はい。今回は成功への過程ということで。
今回もやはり。というか。撤退でした。
可能性は半分もないかもな。そう思っていたんですが。
冬期は何かひとつ条件が欠けたら、できません。
ほんとですね。
地図やガイドブックに書かれていないことは、
こんなことを繰り返すことしか、学べない気がします。
今回の失敗を成功への過程と考えれば、それだけでも
収穫だったと思います。
yamaheroさん、冬山。また、やりましょうよ。
だって、絶対、できると思うもん。yamaheroさんなら
機会があれば、御一緒したいです。
レコ、見たときはびっくりしました。
マジでっ! mamepyonさんかよって。
快晴の赤岳登頂、良かったですね。
お互い、顔も知らなければ、分かるはずもないですよね。
でも、penginのぬいぐるみ見たら、絶対分かったのになあ。
正直、mamepyonさん、もっと年配の方かと想像してました。(すみません)
なんだか、スマートな登山をされているなあと感じました。
後ろから、俺も、数年後には、
こんな人になりたいな、って思いながら、背中を追っていました。
今度は、是非、本当のコラボを!
足の方、お大事にしてくださいね。
冬山へようこそ。
始めましょうか。noriさんも。
僕は2年前の赤岳が冬山デビューでした。
快晴の登頂は今でも忘れることができません。
しかし、登頂よりも、その冬山の美しさに、
びっくりしました。
夏山と全く違うその世界に、魅せられました。
今回はそういう写真を多く撮ることことができました。
とても満足しています。
今年、最後の登山になってもいいと思うくらい。
(実際、そうなるかも)
だから、敗退ではないですね。悲壮感ゼロです。
makasioさん こんにちは
単独で雪の阿弥陀南稜に挑戦って。。
やろうと思うだけでも凄いです。
テント泊寒そうですね〜ガッツありますね!
ふたご座流星群はナイスなボーナスでしたね!
写真に撮れるなんて !
真っ白い横岳 白い要塞みたい!樹氷も綺麗ですね。
私も見て見たいな!
お疲れ様でした!
丹沢、お疲れさまでした。
塔ノ岳の赤富士が印象的でした。
この日の八つは極寒でした。
でも、この絶景。よかったなあ。
ふたご座流星群。極太りのカモシカ(何食べてんだろ)
も見れて、最高でした。
この景色見るだけでも、行く価値ありますよ。
今度は赤岳、登りたいなあ。
お疲れ様です
ありゃ〜大分出遅れました
ってか、八はかなり寒そうだね〜〜
私の貧弱装備ではとても挑めない強敵でございます
でも、流れ星も良い感だし、なによりも樹氷が凄いわね!
色々と勉強して厳冬期も挑戦してみたい感じでございます
一つのミスが命取りになるしね。
コメント、うれしいよ、ありがとう。
独学、単独では、失敗を重ねるしか、
成功の道はないと思っている。
数年後の自分のために今は、正しい恥をかきたい。
お山以外でも恥、ばっかりの俺です。
しっかし、年内最後かもの山行で、この絶景。
カモシカ、流星群のおまけつき。
俺、やっぱり、持ってるなー。ふふ。
偶然の景色や人の出会いに感動。
これぞ、登山のだいご味だと思っています。
makasioさん、こんばんは。
ここのところ、この間教えていただいた笹子〜三つ峠系の記事ばかり見てました。ごめんなさいね。
おかげで、行程調整もできました
さてさて。写真きれいですね 。
賢明な選択をされたようで、それのご褒美 じゃないですかね。僕もこういう景色があるから、雪山行きたいんだけど・・・。さすがに妻子持ちは首を縦に振ってくれないんですよ〜 。makasioさんの写真で満足したいと思います 。
流星群 も八ヶ岳じゃきれいに見えたでしょうね。ホントうらやましいなぁ〜。でもあの日とっても寒かったですよね。ホント、皆さんに脱帽って感じです。
お疲れ様でした〜。今回下見をしてこられたんですから、ぜひ次回、本番をなさってみてくださいね。
またお写真を楽しみにしています。ではでは〜(@^^)/~~~
そうそう、拙い動画ご覧いただいてありがとうございました。
今年はお世話になりました。
この八ヶ岳が年内ラスト山行になりました。
撤退でしたが、本当に満足しています。
私は、実際、挑戦するために山に行っていますが、
ピークが全てではありません。
本当に素晴らしい景色。素晴らしい人の出会いがあれば、それで充分なのです。
そうそう、schunさんのクリスマスプレゼントもあったし、今年は本当にいい年でした!
来年もよろしくお願いします。良いお年を!
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