日高西縁・ヲパケシウシベ岳

- GPS
- --:--
- 距離
- 12.2km
- 登り
- 1,032m
- 下り
- 1,025m
コースタイム
天候 | ハレ時々くもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
日高の沙流川沿いを溯り、山間部にはいると、まず2ツの鋭峰が目に飛び込んでくる。標高は1000mを少し越えるくらいで大したことはない。やや奥の、より尖ったほうがシキシャナイ岳(1058m)、その右横でおもいっきり両翼をひろげ、質感あるほうが、標高1094mの無名峰である。
アイヌのふるさとからこんなに目立つ山なのに、名前のない訳がない、と思い調べてみたところ、松浦武四郎の当時のスケッチに「ヲパケシウシベ岳」と記載されえいることがわかった。詳しくは、あまいものこさんの山名考、http://amaimonoko.at-ninja.jp/h-mtdata/hidaka/sikisyanay.htm へ。
この数年、日高周縁のマイナーピークに惹かれはじめた私としては、ぜひ登ってみたい対象のひとつになった。もちろん、夏道もなければ遡行意欲をかきたてる沢もない。満足に登るとしたら積雪期しかない。その気になって正面からやまを眺めてみると、気になったのが頂上直下から流下する沢型に浮かびあがる「く」の字のシュートである。あそこをスキーで滑ったら面白そうだ、という訳で、この日決行に移す。登りは正面に向かって右側の尾根(南西尾根)。取付きは沙流川の一大支流、糠平川の最奥集落、豊糠からパンケイワナイ川を溯る。うまい具合に林道からアプローチ可能だ。
1月20日冬型。寒気緩む。朝−8℃。鹿のトレースを追うように林道を進む。ラッセルはスキーでくるぶし〜脛まで。沢が狭まり砂防ダムが出てくると、林道は不明瞭になり、部分結氷した沢中を行く。倒木が邪魔だが、冬の沢遡行は嫌いではない。Co330からしばらく手入れされていないトドマツの人工林の斜面に取付く。尾根上に出ると疎林となり、適度に緩いが、障害物多く、スキーにあまりお勧めではない。クラストした雪面のうえに載った新雪は気温の上昇とともに腐りはじめ、パウダーは期待できなくなった。
頂上は斜め雪屁の上。横から見ると台形の奥にある。シキシャナイのようにどこから見ても鋭鋒ではない。頂稜の豊糠側はかなりの斜度で切れ落ち、背後に豊糠の牧場が見渡せる。遠くまで視界は利かなかったが、ポロシリの前山までは見えた。ヌカンライだろうか。
滑降は肩のカンバの疎林から始まる。小規模な表層雪崩を誘発しつつ、「く」の字の上半分を一気に滑り降りた。「く」の字中間付近から下の沢型はまだ完全に埋まりきっておらず、側面からの雪崩も警戒すべきで、滑降はそこで取りやめる。再びシールをつけて、登りの尾根へエスケープした。
帰り道、沙流川沿いからもう一度ヲパケシウシベと正面の沢型を眺める。今は名もない山だが、オリジナルなライン取りで登り、滑ることもできて満足。
コメント
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これって三角点名が「布部」ですよね。
山名があるとは知りませんでした。
まさに知る人ぞ知る山です。
シキシャナイの山頂から谷を挟んで眺めたのを記憶しています。
こんばんは、先のコメントで点名を布部と書きましたが「弓部」の間違いでした。
あまいものこさんのサイトを読んでいて気がつきました。
なぜかシキシャナイの頂上に弓部と書かれたピンクテープが下がっていて、初めは人の名前かと思っていましたが、のちに隣の三角点名だと分かりました。
rasawさん こんにちは
シキシャナイのトガリ具合にもそそられますね。立ってみたくなりますね。カタ雪の頃狙ってます。
三角点に名前がついているのも面白いですね。
測量した人の名前でしょうか?
saito1987 さん、こんばんは。
カタ雪の時ならば相応の装備が必要かと思いますが、今時期の深雪ならば、コルから先は根性あるのみの山で、とっても登り応えがありました。
弓部の名前の由来ですが、人名か地名からきているのかは残念ながら分かりません。
ヲパケシウシベ岳、この山名も覚えました。
時期をみて訪れてみたいと思います。
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