丹沢山麓・雪の中に咲く、カタクリ
天候 | 曇り。 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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感想
桜が咲いて満開になりかかった3月31日、関東地方は冬の 名残のボタン雪が降りました。
ちょうど、この日、丹沢の山麓に出かけ、 ほぼ毎年通っていた「カタクリの群落」を訪ねることにしました。
うまくいけば、 雪の中に咲くカタクリに出会えるかもしれない。ちょっ との寄り道でした。
カタクリは、ちゃんと咲いていました。さすがに降雪中のことで、今朝は花 びらを閉じかげんでした。が、前日までに全体が開花した様子で した。この時間には、雪はまだ4センチほどしか積もっていな かったので、葉と花とが白い雪原にびっしりと並んでいました。
カタクリは、雪景色のなかで見ると、淡い色合いの清楚な姿 が、いっそうひきたつんですね。雪の原という意外な情景のなか で、意外な発見でした。
この日は雪は一日中、降り続けました。
丹沢の山麓あたりでは、5時ごろ、帰ってくるときに駐車し ている車の屋根の雪で測って、積雪9センチ。走る車の前方の視 界が、ときどき見えなくなりそうな、大きな牡丹雪が、密度濃 く、落ちてきました。
だいぶ積もったので、カタクリは、完全に雪に 埋もれてしまっているのではと思います。
帰りの中央道は、山梨方面からくる車の ヘッドライトなど、前面にびっしり雪がはりついていました。小 仏トンネルをくぐって、高尾山を眺めると、樹林は雪におおわ れ、美しい装いでした。湿った雪だっただけに、樹氷のように木 の枝によく着いたようです。
このカタクリの群落は、藤野町(相模湖そば)の山間のTという集落 の近所にあります。
最寄りのJR藤野駅から17、8キロ山中に入った場所で、道 が狭く、バスは集落まで入れず、わずか5戸ほどの集落が周囲を 山に囲まれてひっそり残っているところです。
カタクリの場所は、看板も何もなく、訪問する人はほとんどい ないところです。いままでも、盛りの時期にかぎって行っている のに、人が入った形跡さえ、ほとんど見かけません。
7年ほど前、私が見つけたときも、探索の途中、偶然にでし た。今日も、雪の中、足跡は私のものだけでした。近所の大工さ んに、この場所から山を上がったところにも、より大きなカタク リの群落があることなどを、聞いたことがあります。
このあたりでは、他にも小さな群落に出会ったことがありま す。登山道や林道を外れた斜面に、昔のままの情景が、ところど ころに残っている様子です。
幸いに、いままでに盗掘のあとや、踏み荒らしたあとなどを、 見かけたことはありません。近寄る踏み跡さえ、あまり明瞭でな いために、カタクリはその「アプローチ・ルート」にまで年々、 生息範囲を広げてきています。今日も、雪の下のカタクリの若い 株(葉)を確認しつつ、踏まないようにまとまった群落の場所に たどりつくのが、ひと苦労でした。
この時期、山菜採りなどでも、コゴミやタラの芽など、何年が かりで通いつづけた場所に行き、その中に包み込まれるのは、う れしいものです。
T集落に行ってカタクリに出会う時間も、私にとってほんとう に貴重なものです。今年は、雪の原に一面に花を咲かせていただ けに、健気さに気をひかれました。
この日の朝は、相模湖で、雪降る中、カンゾウを摘みました。
丹沢では、カンゾウ、ノビルをひたしと酢味噌で、そして 日当たりがいい杉林で早く芽が出たタラの芽をゆでて甘味噌 で味わいました。
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