陸地谷から雨の滝谷山へ
- GPS
- 02:47
- 距離
- 6.7km
- 登り
- 394m
- 下り
- 389m
コースタイム
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
陸地谷は谷に入ってすぐに倒木の集中地帯あり 右岸尾根は踏み跡は不明瞭、テープもなし、支尾根が多く迷い込みやすい |
写真
感想
百井の集落を大見に向かうと道の左側を流れる川に架かる小さな苔むした橋がある。橋が架かるのは丁度、陸地谷との合流地点であ理、滝谷山の北東に端を発し、百井川に注ぎ込む長い谷である。橋は谷に入渓するためのものらしいが、一度、車を停めて橋の先を覗いたところ、すぐにも陸地谷を流れる沢を渡渉することになるようだった。
地図を見る限り、この陸地谷の西側の出合から百井川との合流部まで2.5kmほどの間に標高をわずかに120mほど下げるだけであり、かなり緩やかな平流が流れていることが予想される。陸地谷に沿って破線の登山道が記されているので、登山靴でも歩けるような道がありそうだ。この谷を訪れるならまずは紅葉の季節がいいだろうと思い、タイミングを伺っていた。
この土曜日は朝のうちは雨が残るが午後は曇りとなる予報であった。午後の短い時間に出かけるには丁度良いコースだろう。しかし、前日になって気がついてみるといつの間にか土曜日はほぼ一日雨の天気予報となる。当日になると早朝から雨が降り出す。夕方からは寒冷前線の通過によるまとまった雨が降ることになりそうだ。しかし雨雲レーダーをみると昼の前後は雨雲の途切れる時間がありそうだ。午前中の雨が降り止んだのを見計らって出かけることにする。
狭い谷の入口は薄暗く、雨のせいか陰鬱な雰囲気を漂わせる。百井川に架かる苔むした橋を渡り、渡渉をすると植林ではあるが広々とした谷が広がる。流れのほとりには明瞭な道がついている。広い道の上にはカーペットを敷いたかのような鮮緑の苔が広がる。しかし、快適な道はすぐにも幾重にも折り重なった倒木の密集によって寸断されることになる。
早くも撤退という選択肢が頭をよぎる。しかし倒木帯を右手の斜面へ向かう薄い踏み跡が目に入る。つまりこの倒木帯を越えた者がいるということだろう。踏み跡の後を追って積み重なった倒木に挑む。なんとか倒木帯を越えると、倒木の下からは再び河岸に沿って幅の広い明瞭な道が現れた。
やがて斜面には黄葉した自然林が現れる。広い河岸段丘の間を沢は忙しなく蛇行するので、頻繁に渡渉をすることになる。渡渉自体は難しいことはないが、石が雨に濡れているので慎重を要する。やがて河岸には炭焼き窯が現れる。整然と積み上げられた石組みを覆う苔の緑は一面に茶褐色の植林の臨床にあって鮮やかな色彩を放っている。
植林と自然林の間には二本の立派な欅の大樹が現れる。
植林の谷の両側から合流する枝谷にも紅葉の自然林が広がっている。いずれも流れが緩やかで、容易に辿ることが出来そうだ。左側から合流する一際、広い谷は右岸尾根のca830mへと至る谷だ。この谷沿いにも自然林が広がっており、快適な沢歩きが出来そうだ。
を過ぎると谷には植林の代わりに黄葉した樹々が広がるようになる。しかし良いことは長くは続かないものだ。再びca650mあたりからは植林が広がるようになる。
谷の上流、ca700mになると二俣となり、地図の破線がつけられているのは右手の谷を直進し、滝谷山から北に伸びる尾根に登ることになる。右俣は相変わらず植林が続いているのに対して滝谷山の山頂に至る本流と思われる左俣は自然林が広がっているのをみると、ここは躊躇なく左俣へと進む。
谷沿いにはかすかな踏み跡があるように思われたが、この谷でも苔むした炭焼き窯の跡が現れる。霧の中を進んでゆくと、谷の両側に広がる紅葉はますます色彩が豊かになってゆく。
まもなく源頭に達すると、正面の斜面を
滝谷山の山頂に至るとそれまでは小雨だった雨だいよいよ本降りとなる。下山は当初は左岸尾根を降ろうと思っていたが、距離の短い右岸尾根を下ることにする。尾根上はすでに落葉した樹も多いが、吹き渡る風のせいだろう。尾根の両側では予想通り紅葉が見頃だ。
滝谷山は南北に走る尾根を歩いてアプローチすることが多いと思われるが、尾根上には山頂のすぐ近くまで林道が通じており、林道が迂回する地味なピークの一つといった印象であった。山頂近くは自然林が残ってはいるものの、林道沿いは植林が広がっており、これといった魅力に乏しい印象であったのだが、この尾根を歩くとその印象は大きく覆される。これぞ北山といった自然林が続いている。
ふと気がつくと先ほどまで手に携えていた筈のトレッキング・ポールがない。美しい紅葉に見惚れて写真を撮る際にどこかに置き忘れてきてしまったらしい。
尾根はアップダウンは少ないものの、複雑に蛇行を繰り返すが、それも北山の尾根らしい。枝尾根が多いので、気をつけてはいたつもりではあるが、違和感を感じてGPSを確認すると小ピークca830mからテープに導かれるままにp780へと南東に下降する尾根に入り込んでいた。再びピークca830mに戻り直して北東へと尾根を進む。先ほどまでは散見したテープは完全に見当たらなくなった。
尾根は小ピークが続き、ほとんど高度が下がらない。小ピークca 820mの、その東の端に至ると北側には樹林が開ける。もちろん、この日は雲で何も展望はないが、晴れていたらどのような展望が開けるのだろうか。尾根の先に続く楓の樹々が見事な紅葉を見せてくれる。
尾根を東に進むにつれ、杉が混じるようになり、痩せ尾根には馬酔木の低木も多くなる。尾根の東の端、ca700mからは植林帯の急下降となるが、その手前でユズリハの藪が現れる。ユズリハの藪を通過する際に方向を見失ってしまったようだ。気がついたらca700mから南へ下降する尾根を下っていた。今更、この急斜面を登り返す気にはなれないが、問題は百井川の渡渉である。
百井川は水量がそれほど多くないせいか、苦労せずに対岸に渡渉することが出来る。しかし、画龍点睛を欠くような歩き方になってしまったのは残念であった。歩道に出るとようやく再び雨は小雨となっていた。
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