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記録ID: 2829051
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ハイキング
東海

高ドッキョウ 〜年末三日連続富士見山行2020第2日〜

2020年12月30日(水) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
06:35
距離
14.0km
登り
1,245m
下り
1,239m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
5:56
休憩
0:39
合計
6:35
7:26
71
登山口(静岡側)
8:37
8:41
63
9:44
9:44
46
10:30
11:00
40
11:40
11:42
61
12:43
12:46
75
14:01
登山口(静岡側)
天候 雨のち曇り
過去天気図(気象庁) 2020年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
静岡駅前から35km、およそ1時間。県道終点に3台ほどのスペース。
コース状況/
危険箇所等
樽峠からの下山時、西に転ずる分岐点を過ぎ、地理院地図に掲載されている廃道を進まぬよう留意。
その他周辺情報 トヨタレンタカー ホテルアソシア静岡店
接客、車両、料金に大満足。また利用したい。
県道終点の駐車スペース。7:30出発。雨は強くなる一方だ。
県道終点の駐車スペース。7:30出発。雨は強くなる一方だ。
左手の道は茶畑に続く作業道。
左手の道は茶畑に続く作業道。
登山口は、終点の手前にある。
登山口は、終点の手前にある。
沢沿いの道は台風などで荒れている。
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沢沿いの道は台風などで荒れている。
2本目の梯子。
沢を離れて植林帯を進む。雨は降り止まない。
沢を離れて植林帯を進む。雨は降り止まない。
ヒュッテに続く道を左に見て、峠を目指す。
1
ヒュッテに続く道を左に見て、峠を目指す。
この辺りは、崩落により道が消失しているので注意が必要だ。
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この辺りは、崩落により道が消失しているので注意が必要だ。
70分で樽峠に到着した。ほぼ予定どおり。
1
70分で樽峠に到着した。ほぼ予定どおり。
山梨県の標識が出現した。何となく安堵。
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山梨県の標識が出現した。何となく安堵。
高ドッキョウまでは幾つかのピークを越えてゆく。
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高ドッキョウまでは幾つかのピークを越えてゆく。
雨は上がったが、風が強い。
雨は上がったが、風が強い。
山頂への登り。手を使うほどの急勾配ではない。
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山頂への登り。手を使うほどの急勾配ではない。
10時半、高ドッキョウに到達。パンを1個半かじる。
5
10時半、高ドッキョウに到達。パンを1個半かじる。
時折、日が差す。
2
時折、日が差す。
青空は出てきたが、富士山は望めない。
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青空は出てきたが、富士山は望めない。
30分の滞在後、裾野は少し見えてきた。
4
30分の滞在後、裾野は少し見えてきた。
往路を引き返す。
2
往路を引き返す。
久しぶりにクラーケン現る。この辺りでストックに負担をかけ、ひびを入れてしまった。
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久しぶりにクラーケン現る。この辺りでストックに負担をかけ、ひびを入れてしまった。
霧は出ているが、光は届いている。
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霧は出ているが、光は届いている。
多少の登り返しはあるが、峠までは下り基調、稜線の道が心地よい。
多少の登り返しはあるが、峠までは下り基調、稜線の道が心地よい。
午後になり、予報どおり晴れてきた。
3
午後になり、予報どおり晴れてきた。
樽峠に戻って来た。富士山の見えない平治の段へ行っても仕方あるまい。下山しよう。
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樽峠に戻って来た。富士山の見えない平治の段へ行っても仕方あるまい。下山しよう。
往路迷った崩落地を難なく通過したが、
往路迷った崩落地を難なく通過したが、
往きは気がつかなかったが水場があった。こののち旧道(廃道)を進んでしまう。
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往きは気がつかなかったが水場があった。こののち旧道(廃道)を進んでしまう。
道を間違えたことを知ってもなお沢を進み、行き詰まり、崖の縁を横切るという無謀な行為を行ってしまった。初めて転落の恐怖を覚えた。
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道を間違えたことを知ってもなお沢を進み、行き詰まり、崖の縁を横切るという無謀な行為を行ってしまった。初めて転落の恐怖を覚えた。
帰ってきた。山中、誰とも会わなかった。
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帰ってきた。山中、誰とも会わなかった。
青空を見て涙が出そうになった。怪我一つ無く下山できたことを心から感謝した。山中では、時に臆病でなければならない。
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青空を見て涙が出そうになった。怪我一つ無く下山できたことを心から感謝した。山中では、時に臆病でなければならない。

感想

(前日の続き)
 静岡駅前のホテルには15時前に到着したが、部屋に通してくれた。室内は予想を上回る設えで、40時間の滞在が快適であることを確信した。翌日に備え、目の前のレンタカー店で車を借りる。エコノミークラス、48時間、スタッドレスタイヤ、三島店返却を指定していた。実に丁寧で臨機応変な対応をしてくれた。やはり静岡の女性は、
 それはともかく、いよいよその店に向かう。もう何度目だろうか。いつもの席でいつもの品を注文する。聞けば年内は今日まで。幸運に恵まれた。桜えびそばと静岡おでんを味わいながら、今日一日、全て計画どおり進んだことに満足していた。
 
 目覚めると予報どおり雨が降っていた。午前6時、ホテルを出て駐車場に向かう。予報どおりであれば10時過ぎには雨は上がる。しばらくは我慢の時間、北東の登山口を目指して車を走らせた。
 夜は明けたが、冷たい雨が覇気に水を差す。幸い、雪には成っていなかった。県道終点に車を止め、登山靴に履き替え、雨具を装着する。出発、いきなり進む道を誤った。茶畑の真ん中で慌てて引き返す。
 気を取り直して登山口から沢沿いの道を登り始めた。近年の嵐のため、かなり荒れている。慎重に歩を進めた。右岸に渡渉したのち、枯れた支流を分ける。ほどなく道は沢から離れ、巻き気味に尾根を上るようになり、やがて急勾配の九十九折の途中、崩落個所に遭遇する。しばらく上部を観察すると、辛うじて踏み跡を見つけられた。そこから東進すると樽峠に到着する。
 ほぼ予定どおりに峠を出発し、ひたすら稜線を西に進む。高ドッキョウまでは幾つかのピークを越えてゆかねばならない。二日目だが、昨晩の十分な休養を経て、体力は有り余っている。快調に足を運ぶことができた。

 雨は上がった。9時半、ほぼ予報どおりである。風は強いが、それもやがて止むだろう。徐々に勾配は勢いを増す。ストックを頼りに少し足早に登ってゆくと、山頂に到達した。10時半、ほぼ計画どおりである。
 富士山を隠す雲を見つめながら、パンをかじった。時折、日が差し、青空が現れ始めた。コーヒーを淹れる気には成れず、食後15分ばかりボーっとしていた。
 往路を引き返しながら後半戦を考えていた。富士山が見えなければ平治の段に行っても仕方がない。前方に見えるそれが、下山の誘惑を仕掛けてくる。思えばこの頃から気が抜け始めていたのだろう。
 木の根に引っ掛け、ストックを破損させてしまった。2本に慣れていると1本では想像以上に心もとない。速度を落とし、雨上がりの道を慎重に進んだ。青空は広がり、予定どおり東へ登り返すことを考えたが、人間、一旦楽な道を選ぶとなかなか厳しき道に戻れない。峠到達後、迷わず右折した。

 登山時悩んだ個所を難なく通過し、軽くなった心と共に沢状の道を下りて行った。往きに気付かなかった水場で喉を潤し、そのまま沢を進む。いつしか道は道で無くなっていた。突然、落差7、8メートルほどの「滝」が現れた。勿論枯れ沢ゆえ水は流れていない。「滝」を迂回すれば何とかなるだろう。このとき、安易かつ思いあがった考えに支配されていた。
 数分後、迂回したはずが、「崖」の縁で進退窮まっていた。幸いストックは1本、畳めば何とか両手を使える。木の根を掴み、岩に指を掛け、足元の危うさを補いながら、その途方もなく長い10メートルを横ばいで恐る恐る進む。登山道ではないのだ。足の置き場所を誤れば終わってしまう。この歳になって初めて転落の恐怖を覚えた。無事の帰着を心から祈った。
 その後、30メートルほどのトラバースを終え、緩斜面を沢に向かって下りた。一刻も早くその場を離れたかった。しばらく進んでから振り返り、ようやく写真を撮ることができた。何の変哲もない枯れ沢の姿があった。
 その後、沢を進むことを止め、尾根越しに本流を目指した。崩れやすい山肌を、樹木の助けを借りながら右往左往しつつ正規のルートに近づく。全くもって情けない。クマが見ていたらきっとため息をついただろう。あーあ。
 登山道に戻り、呆然と立ち尽くし、己の愚かさを恥じた。もし、平治の段を往復した後であったら日没近く、暗がりの中、ここまで辿り着けなかったかもしれない。無心に、逃げるように登山口に向かった。

 山中、誰にも会わなかった。車を目の前にして気が付いた。きっと、迷い、沢を下降するという初歩的なミスをするとは誰も思うまい。戒めなければならない。バックミラーに顔を映した。(、、、つづく)

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