雨ヶ岳
- GPS
- 06:06
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,141m
- 下り
- 1,133m
コースタイム
10:05 端足峠
11:45 雨ヶ岳
14:10 佛峠
14:40 本栖湖畔
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
※雨ヶ岳から佛峠へ至るルートは地図上に点線がない 展望悪く、途中尾根がいくつかに分かれるため、道迷いしやすい 記録として残しておくが、決して人に薦められるコースではない |
写真
感想
端足峠から雨ヶ岳までは、最初なだらかな稜線を心地よく進んだあと、唐突に急斜面が現れる。見晴らしの悪さといい毛無山の登山道を思い出させる険しさで、しかしそこは織り込み済みだったので、ただ粛々と登った。まもなく登頂という頃にわき出す雲も、いつもの登山風景だった。
雨ヶ岳から佛峠に至る尾根には、踏み跡らしきものも無いし、目印になるようなものも無い。入り口から笹藪に分け入れば、長年にわたり放置され苔蒸した大木が行く手を塞ぎ、分かりづらい尾根筋と荒れた山肌が続く。時折目につく野生動物の足跡を辿っていったら、一体どこへ連れていかれるのだろう。
尾根を取り違えたことに気づいたときは、途方に暮れた。
冷静な判断を失いかけて、セオリーを無視して谷方向へ下りて行きたい自分を抑えるのが必死だった。時間に余裕があるはずなのに、気持ちばかりが焦った。なんとか冷静になろうと心がけ、一旦来た道を戻るため急斜面を無我夢中で登った。息が上がったり筋肉が悲鳴をあげたりしているのに、恐怖心が必死で身体を動かしていた。勢い余って、間違えた尾根から本来の尾根を通り越し、反対側の違う尾根へ向かいかけたところで、ようやく立ち止まった。荒い息が収まるまで、放心状態でその場に立ち尽くし、たった今起きた出来事をまるで夢かのように思い起こす。
人1人がようやく立っていられるほどに痩せてしまった「尾根」とは名ばかりの突端で進退窮まったときは、汚い話で恐縮だがおしっこちびりそうになった。本当にちびらなくて幸いだった。足を滑らせたら谷へ落ちてしまう、あそこへ滑り落ちてしまったら、恐らくここへは戻ってこれないだろう。そう思うと余計に足がすくんだ。恐怖心を抑えるのが必死だった。絶対に元の場所まで戻るんだと硬く心に誓い、それだけを思って足を動かした。
ルート上に復帰してから、尾根は確かで幅広くなった。いくつかのアップダウンを過ぎれば、いつのまにか踏み跡らしきものが見えた。硬く踏みしめられた道の上を歩くことの安心感を痛感した。そのうち目印らしきものが見え始め、木々の隙間から本栖湖が見えた。
這々の体でたどり着いた佛峠の素晴らしい雰囲気。寂しさに溢れた情緒がそこかしこに漂っている。しばらくそこで佇んでいたいほどだった。
コメント
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ggnさん、だいぶ苦労なさいましたね。
私も若い時にずいぶん道を間違えました。
その経験から道の無いルートは登りより下りが怖いので注意するようになりました。
でもGPSがあれば、現在位置が把握できますので心強い味方になりますね。
それと群生していた青い花は、殺人花で名の知れたトリカブトです。
奇麗な花ですが、これを見ると不吉な予感がして、私は好きになれない花です。
はい、本当に下りは怖いです。
もしGPSを持っていなかったら、単独で山に入る気にはならなかったでしょう。しかしそれでも過信は禁物ということですね。
トリカブト、ネットで調べて名前が分かりました。
名前には変な意味で馴染みがありますが、実物を見たのは初めてです。
不吉な予感というのも頷けます。でもほんと綺麗な花。
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