播州母栖山周回と母栖の滝
兵庫県
asakinu
kinuasa
体力度について
- GPS
- 05:02
- 距離
- 7.4km
- 登り
- 679m
- 下り
- 666m
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| 天候 | 曇 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
母栖の滝へ岸壁の上をトラバースする短い区間にあった補助の金属ワイヤーは切れてしまって用をなさず、滑落に注意が必要。 |
| その他周辺情報 | 与位にある「よい温泉」は源泉かけ流しと聞くが、寄ったことはない。 |
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装備
| 個人装備 |
シュリンゲ
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
飲料
レジャーシート
地図（地形図）
コンパス
笛
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
カメラ
|
|---|---|
| 備考 | ヒル避けスプレーを持っていたのに車に積んだままだったのはうかつでした。 |
感想
宍粟50名山で未踏となっていた母栖山に行ってみた。お目当てはヒカゲツツジのお花見。3年ほど前、仙台から越してきてすぐに夢前の明神山に行った際、明神山を愛してやまない地元の方から「あの尾根にヒカゲツツジが咲くんですよ」とその名を始めて聞いた。黄いろい花だそうだが、東北は無論、東京近郊や信州の山にはないツツジである。そのヒカゲツツジがこの母栖山にあるというので、やってきた。関電山崎実験センターゲートの通用門を入って、すぐ右手の尾根に取り付き、埃っぽい殺風景な急登をこなす。アベマキ、コナラにナラガシワの混じる林の中を進む。最初の鉄塔を過ぎると植林帯に入り、黙々と歩くうちに母栖山の山頂に達する。特段、何があるわけでもなく、先を急ぐしかあるまい。やがて尾根が自然林に包まれ明るさを取り戻すと、タムシバの白い花びらがそこかしこに散る道となる。顔を上げると、あった！ 黄色いツツジの花が。周囲を見渡せば随所にヒカゲツツジが咲いている。紫のコバノミツバツツジがアクセントを添える。そこは金鉱跡を覗く岩尾根のコブ上であり、東の展望が開けて桜咲く里山の春爛漫である。空模様があいにくの曇でそこは残念ながら、山中の堂宇の眺めは何やら中国の山水画を見るような風情である。イワウチワは、未だ花の準備中のようである。ここが、今日の山行で一番の地点だ。さて、そろそろ来た道を山頂へと戻ろう。山頂から北へ周回路を取ると、道は急に藪っぽくなって、標識もなくなる。テープマーキングはところどころにある。途中の鉄塔からピークまではちょっとルートが曖昧になるが、とにかく高いほうへと向かえば再び道型がはっきりしてくる。この辺り、林が荒れていてあまりいい心地はしない。休憩適地を求めて先を急ぐと、ようやく展望のいい鉄塔の小ピークに達する。ここで昼食をとる。周りには毒樹の馬酔木以外には何も残っていない、例の鹿天国宍粟によくある風景が広がる。ここから先、尾根は幾分雰囲気がよくなり、次の明るい鉄塔のピークは広場と呼ぶにふさわしい管理された空間である。それにしてもあたり一面に鹿の糞がばら撒かれて、獣臭が立ち込めている。この先、思わず広場を南に下りそうになるが、ルートは右手の林縁にある。急降下とわずかの登り返しの末、眼前には調整池が木の間に見え隠れするようになる。調整池に降り立ったら、舗装された池の端の道を右（西）へと進み、せっかく来たのだからと母栖の滝の見参と洒落こむ。調整池には巨大な錦鯉が何匹も泳いでいる。堰堤横からは山道の下降となり、進行左手が滝の左壁へと続く急斜面となって切れ落ちているため、神経を使う。ジグザクに切られた荒れた道を降りきると、「滝参道」の石柱があり、その指し示す左方向へと進む。やがて水音が高まると倒れそうな庵があり、不動尊が祭られている。この背後に母栖の滝はある。その高さは計り知れず、左右の岸壁を割って落ちる滝の雄姿にしばし言葉を忘れる。この水が、例のコンクリートで固めた錦鯉の調整池から流下することを知らなければ、まさに霊感の賦与にはもってこいの地と言える。滝を間近に見ようと途中の踏み跡に入ってみると、木々の成長によって瀑心は隠されてよく見えないものの、岸壁に咲くヒカゲツツジを再び眺めることができた。そして、久々に見るウルイが今まさに旬であった。このあたりの山では、下草が出ればたちどころに鹿の餌食になるらしく、樹林の下はむき出しの地面となっている。岩に上を覆わんばかりに浅い緑の野草の芽が出た光景に心が和む。今思えば、この時に拾ったのだろう。車に帰り着いて靴下を取ると、そこには宍粟名物のヤマビル野郎が付いていたのだ。出血は夜9時にやっと止まった。4月の初めだからと油断したのが運のつきだった。
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