七曲谷左俣〜七曲谷南尾根〜七曲谷右俣〜観音山山道ルート〜七曲谷北尾根
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.5km
- 登り
- 605m
- 下り
- 590m
コースタイム
- 山行
- 5:32
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 6:20
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2021年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
(帰り)剣谷第4公園登山口から柏堂町バス停まで徒歩移動ののち、阪急バスで阪急夙川駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
「七曲谷左俣」について 人が滅多に入らない巨岩だらけの危うい谷だが、比較的最近の時期に有志により滝の直登補助や巻き道に虎ロープが設置されたり、随所に進路マーキングとして赤テーピングなどが付けられた。そのため随分と歩きやすくなっている。谷筋ならではの分岐もあるが、基本は谷筋の忠実遡行を心掛けつつマーキングに従って進めば道迷いに関しては大丈夫だろう。谷筋はそれなりに水量もあり、巨岩も含めて大小の岩がごろごろ転がっている中を遡行していく形なので十分注意して歩く必要あり。 ルートの最初にいきなり登場する七曲堰堤は、左岸側の急傾斜の巻き道を進んで堰堤上に立つ。昔はこの堰堤上を右岸側まで渡っていたようだが、今は堰堤上が完全に通行禁止になっているので、そのままさらに巻き道を登れば安全に河原へ降りられるようになっているので、そのルートを利用するのが最善だ。次の2番目の堰堤は右岸側に虎ロープが張られた巻き道が作られているのでそれを利用する。左岸側の斜面からも越えられなくはなさそうだが、整備はされていないので敢えてそちらへ行く必要もないだろうと思う。 いくつかの滝は直登することが前提の箇所もあるが、比較的大きな滝については右岸側に巻き道があったり虎ロープが張られていたりするので、無理せずにそれらを有難く利用させてもらうのが良い。滑落が怖いのでとにかく安全第一で。 後半で谷筋が2つに分かれるようだが、マーキングに忠実に従って歩くと右のほうへ曲がり、七曲谷南尾根の下り始めの平行道に合流する形になる。これは新たに開発された進路のようでこちらのほうがより安全に進めるという判断で整備されたのだろうと思う。昔からの元々のルートは分岐で左の谷筋を遡行するのだが、こちらは近年やや荒れてしまったようで斜面崩れや倒木や落ち葉堆積などが散見され、歩きづらい印象もある。こちらの進路は七曲谷南尾根の下り分岐口のすぐ西にある沼地の奥に出る形だ。メインの谷筋を最後まで遡行したい場合はこちらを行くことになる。 「七曲谷右俣」について こちらも人が殆ど入らない巨岩だらけの危うい谷。剣谷第4公園奥の登山口付近すぐのところに流れている沢が七曲谷右俣で、沢の遡行をある程度こなすと七曲谷第三堰堤が真正面に突然現れる。この堰堤は右岸側に巻き道があるのでそれを利用して簡単に越えられる。(なお七曲谷第三堰堤には七曲谷南尾根の途中から下っていける短い分岐道が付けられているが、こちらは正規ルートではない単なるショートカット枝道なので右俣遡行の前半部を省略してしまった形になるので注意) こちらも尾根筋のようなところには行かずに谷筋を忠実に遡行することがポイント。谷の様相は左俣とほぼ同じで、水量もあり巨岩も含めて大小の岩がごろごろ転がっている中を遡行していく形だが、滝越えという意味では左俣よりも巨岩越えの箇所が多いので厳しい印象だ。こちら右俣は(左俣と違って)テープマーキングなど補助がかなり少ないので進路の判断が大変重要。また滝越え箇所などに巻き道の誘導や虎ロープの補助はないのですべて自力で。 後半で2分岐地点が出てくるのだが、左右に分かれた進路の両方にテープマーキングがあるので、ここが進路に迷う最大のポイントだろうと思う。右は石組みの上を越えて藪の中へ突入する形になりその先はおそらく観音山へ向かうメイン道の途中に合流しそうだ(未確認)。よって右へは行かないほうが良い。分岐では左へ進路を取ると谷筋をさらに忠実に遡行する格好になり、踏み跡が明確になるとともにテープマーキングが豊富になるのでこちらが正解だ。左を突き詰めると奥池へ下る分岐点の真向かいに出てくるのでやはりこちらが正解ルートだ。 「七曲谷北尾根(仮私称)」について 観音山へ上り下りする複数ルートのうち一番西側にある「山道ルート」と呼ばれている道の下り終盤の岩場のところに東に延びる明確な踏み跡がありその先に小山がある。山道ルートはこの岩場の箇所でスイッチバック的に谷筋へ下って鷲林寺境内へ降りていくのだが、ここでこの踏み跡のほうへ入っていくのが今回挑戦したルートだ。特に決まった名称はなく、いわゆる抜け道として存在しているようだが、その割にはテープマーキングも豊富でしっかりした道なので、便宜上の仮私称として七曲谷北尾根と呼んでおくことにする。(北尾根と呼ぶにはあまりに短いし最終合流地点が山道ルートなので複雑な気持ちだが) 今回は下りで挑戦したが、ザレた砂地状のあまりの急下り斜面には閉口した。腰を完全に落としてずるずる進まないといけない区間には緊張を強いられたが、逆に言うと上り利用であれば大した問題もないだろうなというのは想像がつく。とはいえ急斜面は足腰にきついかも。 道自体はテープマーキングがやたらと豊富なので、迷うようなことは一切ない。距離自体も短いのですぐ終わるだろう。然し途中に堰堤を挟んでいることでテープマーキングがなければ迷うかもしれないそんな道。山歩きの全体行程の中でこの道を組み込むのは至難の業というか、利用価値があんまり見い出せない感じがする。バリエーションルート好きの猛者が制覇目的で歩くようなルートかな。強いて言えば、観音山からの下山の際に鷲林寺方面へ出るのではなく、柏堂町へ出たいという場合には非常に有効だということ。柏堂町へ出たほうが帰りのバス便が豊富だから。 |
写真
装備
個人装備 |
通常のトレッキング靴のみ
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感想
今回も単独行。先日「七曲谷南尾根」「剣谷」を続けて歩いたので、その流れというか勢いそのままに今回はその周辺のバリエーションルートである「七曲谷左俣」「七曲谷右俣」「七曲谷北尾根(仮私称)」の3つをまとめて歩いておくことにした。選んだルートがルートだけに、道中は誰にも会わない一人だけの世界。目論見通り。
先日の「剣谷」は進路が曖昧であり踏み跡もほぼないという意味で厳しいルートだったが、「七曲谷左俣・右俣」のほうはともに大小の岩がごろごろした沢筋や巨岩が立ち塞がる足場のない滝を乗り越えつつ進むという意味で厳しいルートだった。歩きづらいために想像以上に時間がかかるということでは同じ谷。個人的に異なる点は「剣谷」は下り、「七曲谷左俣・右俣」は遡行だったということ。下りと遡行では危険度や難易度、見える踏み跡等の風景という点で全く様相が異なる。滝や岩場がある谷は基本的にはあまり下りで歩かないほうが良いと思う。滑落の危険があるしね。遡行だとその危険性はだいぶ下がる。状況によっては尾根筋へ大きく巻かないと先に行けない場合もあるけれど。山では安全最優先が鉄則だ。
いづれも厳しいルートだし、とにかく普段から人が殆ど立ち入らない谷なので、それゆえに手つかずの秘境感が満載で、そういう冒険的なのが好きな人にはたまらないルートだと思う。独力での進路探しも必要だし、巻いて回避するかどうかの判断も自分次第。自分だけが歩いている秘境という感覚を味わえる。然しそのぶん危険も伴う。滑落したり転倒したりして万一動けなくなっても、おそらく誰一人来ない場所だからだ。見つけてもらう可能性は限りなくゼロに近い。それゆえに岩場の山行技術に自信のない人、遡行経験の少ない人は軽い気持ちで立ち入らないほうが良いかも。
GPSと国土地理院地図を携行し、時々自分の居る位置を確認しながら歩くことが理想。ルートを外れても早いうちに修正して復帰できることが大事。最近はスマホの普及で、国土地理院地図上にGPSによる位置情報を表示させることも簡単なので、そういう文明の利器を利用しない手はない。特に人が滅多に入らない山域や谷などでは大いに力を発揮する。それは経験済だ。軌道修正をいかに迅速に出来るかどうかが迷い道をなくす最大ポイント。とは言うものの、事前に地図をよく見てルートを十二分に下調べしてイメージおくことが一番大事なのは言うまでもない。また他の方の過去の山行記録が大変有用なのでそれも事前にしっかり調べておくことが大事。私自身も良く調べてから出かけるようにしている。だからこそ私も出来るだけ他の方の参考になるように努めておきたいなと思う。
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