雨乞岳(白州)
- GPS
- 06:05
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 992m
- 下り
- 984m
コースタイム
- 山行
- 5:29
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 5:56
天候 | 晴れ時々小雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
よく整備されている |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
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感想
感想後日(CLより)
甲斐駒ヶ岳の雄姿を望むことが出来る周辺の山はないか、と探したところ、雨乞岳という山があることが分かった。国土地理院の地図に登山道は記載されていないのだが、調べてみると整備されている道があるようだ。コースは2つあってヴィレッジ白州というキャンプ場(現在は休業中)のそばから登るコースと、石尊神社から登り、水晶ナギという花崗岩の砂地の名所の脇を通っていくコースがあるが、我々の脚力から判断して短くて整備されているヴィレッジ白州からの道を行くことにした。
当初の予定日、5/1は午後から雨が強くなるという予報だったので、リーダーの強い希望により「アグリーブル武川」にランチに行ってみることにした。武川町の有名な真原の桜並木にできた地元の食材を生かしたスキレット料理の店である。かのピオレドール受賞の花谷泰広さんのご家族がこの地に移住して経営しているとのことである。料理は、野菜たっぷりボリュームたっぷりで山里の幸を堪能した。ふむ、このままだとグルメ紀行文になってしまうので、山行記録に戻ろう。
翌2日の予報は晴れ時々曇り。ヴィレッジ白州の登山口までは、車でくねくね道を結構登らねばならない。ヴィレッジ白州の入り口を過ぎてちょっと行った右側に登山口があり、その向かいが駐車場である。我々が着いた時にはすでに2台止まっており、まさに登山の準備中であった。尚、駐車場にトイレはない。
さて、支度をして、ストレッチをして登山開始。標高1000mを超えて、風もあったので結構寒い。登り始めてすぐに防寒具と手袋を出した。われらがリーダーは携帯カイロを握りしめていた。寒いが5月の日差しは力強く気持ちがいい。残念ながら登山口付近でも花はほとんど咲いていない。ふもとでヤマツツジが咲いていたところをみると、2週間後ぐらいがヤマツツジやミツバツツジがきれいなのではないだろうか。案内の通り非常に整備された道で最少は木段の連続である。登山あるあるにある歩幅が中途半端な木段である。これを延々登っていくと遊歩道分岐が出てくる。この遊歩道は登山口までアプローチしている林道に通じるらしい。
木段が終わって尾根道をしばらく行くと1605mと1613mの小ピークを右から巻いて進み、「運が良ければ水場」とある場所に来た。登山道からはちょっと下ると沢があり、帰りに寄ってみたが枯れていた。我々は運が悪いようだ。水場を過ぎると次第に急登になり、日向山の「砂浜」が見えてくる。初めて日向山に登った時は異世界のような白浜に衝撃を受けたが、北側から見るとこんな感じなんですね。その向こうには富士山もいるはずだが、雲が多くて確認できない。さらに登ると雪がうっすら積もっていた。昨日の雨はこのあたりでは雪だったのようだ。滑り止めが必要なほどではなかったが、2000m近くの標高になると5月でも積雪があるということを改めて認識した。十分な事前情報入手と注意が必要である。そしてこの先やや緩やかになった先に山頂があった。
ここまで、同じ駐車場に止めてあった車の持ち主の方に追い越されたりすれ違ったりしたほかは誰にも合わず、きわめて静かな山行だったが、頂上には石尊神社方面から登ってきたと思われる若者が先着していた。西側が開けており、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山、富士山が見える・・・はずだったが、ちょっと雲が多い。シャッターチャンスを狙うが、雲が無くなる気配はなく、エネルギー補給をして、山頂を後にすることにした。
気分よく山頂を後にしたが、この後、筆者の登山史上最大のピンチが待っていた。そう、催してしまったのである。このあと少々尾籠な話が続きますので、読みたくない方は2段落ほど飛ばしてお読みください。
その日の朝は、出たには出たのだがやや中途半端な状況。不安を抱えながらの登山であったが、山頂でちょっと食べ過ぎたか・・・。山頂を後にしてすぐに軽く第一波が来た。この段階ではまだ深刻ではなかったが、第二波が来た時には、これは駐車場までは持たないな、と感じ、かくなる上は、常にザックに入れている秘密兵器、つまり携帯トイレを使わざるを得ないことになると覚悟した。しかし、さすがの秘密兵器も傾斜のきついところでは使えない。かつ人目を避けられるところでなければならない。押し寄せる便意と闘いながら場所を探し、そしてやや傾斜が緩やかになったササ原で、リーダーに緊急事態であることを告げ、初体験をしたのであった。しかし初めてのことであるし、排出物の処理等にミスがあると、この後の山行だけでなく、あとあとの行動にまで支障をきたすことになる。やはり早目の判断が大事であることをあらためて思った。この日は雨ではなく、その場所も風がそんなに強かった訳ではないので、ミッションは成功し、さっきまで筆者の身体の中にあったほかほかの物質を厳重にザックにしまって出発した。早く済ませてしまいたいので気は焦るのだが、安全な場所で、分けられるものは分別して後で処理がしやすいように対処すべきである。携帯トイレは優れもので、まったく臭いが漏れてくるようなことはなかった。開発経緯をプロジェクトXで取り上げてほしいものである。
筆者はもともと「ゆるい」方なので、登山の時にはいつもトイレが心配である。もっというと登山でなくても心配である。このあたり、リーダーから借りて読んだ「食べることと出すこと」(頭木弘樹著・医学書院)は、自分にとって名著である。病気のため食べることと出すことが不自由になった著者の体験が書かれているのだが、話題は引きこもりや差別意識にまで及び、いろいろ考えさせられる本であった。ここまでの2段落をお読みいただき、少しでもシンパシーを抱いてくださった方には是非お勧めする。
さて、貴重な経験をしたのち、何事もなかったかのように下山した。途中ひっそりと咲くカタクリや鮮やかな新緑をめでながら下った。途中貴重な経験のために時間を食った割には、予定より1時間近く早い下山であった。とても静かで、(晴れていれば)山頂からの眺望もよく、おすすめの山である。これだけ静かなのに登山道は整備されていて、関係者の努力には頭が下がります。ありがとうございました。
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