尾瀬ヶ原(天上の楽園アヤメ平)



- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 561m
- 下り
- 563m
コースタイム
7月20日鳩待峠5:30−6:20横代ー7:10アヤメ平−7:30分岐ー9:00竜宮十字路9:30−10:05牛首分岐ー10:40山の鼻12:00ー14:00鳩待峠14:30(シャトルバス)14:50尾瀬戸倉15:20ー19:10池袋
天候 | 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ポイント毎にしっかりした道標があり道は明瞭。 鳩待峠から横田代までと富士見分岐から竜宮分岐まの道はヌタ場のようなぬかるみがいくつもあり歩きにくい。 |
写真
装備
個人装備 |
飲料水 1リットル
雨具、傘 各1
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感想
7月20日に山へ行こうと誘われて、時期的にニッコウキスゲの見れる尾瀬に行こうと思った。忙しい仲間なので夜行日帰りで、来月の白山のトレーニングになるから、時間的にきついけどアヤメ平から竜宮、山の鼻、鳩待峠を計画。「ビックツアー」を申し込んだ。
ツアーバスはどうやら2台仕立てだったようで、4時過ぎに戸倉に着いてからの乗り継ぎのマイクロバスは3台用意された。それぞれバスを指定されて満席になっても、どういう訳か6人ほどがあぶれていて、スタッフが調整に手間取っている間に他のツアーは出発してこちらは最後になってしまった。
5時15分鳩待峠着。小屋前にはすでに多くの登山客が出発の準備に追われて賑わっていた。ここから尾瀬ヶ原、至仏山、アヤメ平の3コースが分岐している。私たちが予定しているアヤメ平コースは最も入山者が少ないと思うので、マイペースで歩けるだろうが、14時までにこの場に戻るにはコースタイム上さして時間の余裕がないので、あわただしく出発した。
小屋の裏手あたりが入山口になっていてすぐに登りだす。樹林の中の緩やかな登りで暑さも感じない。少しでも時間を稼ぎたかったので、ピッチを速めて登るが汗ばむこともない。木道とぬかるんだ道が交互に出てきて歩きにくいが傾斜は緩い。
1時間ほど登ると突然樹林が切れて草原に飛び出す。横田代だ。誰もいない。ウグイスの鳴き声だけが聞こえる。進むにつれて草原は広がりを見せ、展望も開けてくる。振り返ると至仏山がのびやかに聳えている。やがて周囲の山々が見渡せるようになり、はるかに富士山まで姿を見せている。
左手に日光連山、中央に赤城の山々、その右遥かに富士山、武尊の奥に見えるのは浅間山のようだ。ベンチに腰掛け一息入れる。涼やかな朝の霊気、大展望、あちらこちらで聞こえるウグイスのさえずりだけが静寂をやぶる。実に開放的な気分に浸れる至福の時間だ。
アヤメ平は美しさを取り戻していた。昭和40年代の荒れ果てたアヤメ平の写真を記憶している。それから現在に至るまで40年を超えて営々と続けられた植生復元事業はまだまだ継続されて、在来種の移植や播種に取り組んでいると説明板があった。確かに復元箇所の確認もできるスペースは何か所もあるが、よくここまで回復させたものだと敬服するばかりだ。
「夏の思い出」の歌が親しまれて多くの人が尾瀬に訪れるようになり、天上の楽園と言われたアヤメ平にも人は入った。湿原にシートを拡げ憩ったという。フォークダンスを踊った連中もいたようだ。踏み荒らされた湿原が40年かけてやっとここまで復元した。元の姿に戻るにはこれからまだ100年の歳月が必要だという。深田久弥が大正末期この地を踏んだ時そこには無垢の儘のアヤメ平があったのだろう。ここから見た燧ケ岳の山容を天下一品だと言っている。
仲間が焼酎を持参しているという。私のザックにはワインが入っている。されば山の鼻に何時に着くか。そこを12時に出発するまで腰を据えることができる。ここまで設定時間より1時間早いペースで来ている。これから500mの下りがコースタイムのポイントだ。
長沢新道はぬかるんだ所が多く歩きにくい。特に長沢の頭からは急な下りで道も悪い。休憩に適した場所もなかったので一気に下りきり、長沢を渡る橋で川筋に下りて一息入れた。冷たい水で顔を洗うと生き返るように気持ちいい。もう後は平地だからと泥だらけの靴も洗って、さっぱり気分で尾瀬ヶ原に向かったがぬかるみはまだまだ続いて、竜宮十字路に着いた時には元の泥靴になっていた。
竜宮小屋9時到着。1時間半早く着いた。この貯金が山の鼻で使える。とりあえずビールで乾杯!!。気分は上々、心配した仲間の足も問題なし。この調子で来月は白山に行こう。
9時半出発。これから1時間半ほど平坦な尾瀬ヶ原の散策だ。遥かな木道の正面に至仏山、背中に燧ケ岳。天気晴朗、気分爽快、絶好調という感じです。
牛首十字路あたりでやっとニッコウキスゲの群落を見ることができた。これまではそこかしこに点在して咲いている程度だった。しかしこの広々とした奥行きは気持ちいい。みづみづしい草の緑、点在する池塘、遠く湿原を限る白樺の木々、たおやかな山並み、この原の広さの中で木道を歩く人も点景に過ぎない。
山の鼻到着10時40分。小学生の団体とすれ違う。そういえば今日から夏休みかな?。さっそくのんびりできそうな場所を探す。小屋周辺の雑踏を逃れて、山の鼻田代の見渡せるベンチを確保。ザックの荷を解いてゆっくり昼食タイムが始まる。やっぱりお酒があってよかったなぁ〜
予定通り12時出発。登りも下りもぞろぞろと人の列が切れない。かなり峠の近くまで登ったあたりで、追い越したおばあさんの様子が心もとなかったので声を掛けると、だいぶ疲れているようなのでリュックを預かると言って肩から降ろさせた。そのリュックが小さい割に重量があるのに驚いた。ストックを貸したり、手を引いてあげたり、連れの人が先行しているというので迎えに行ったりとエスコートした。
連れの人は娘さんの年回りより少し若い感じでどうも親子ではなさそう。峠まで上がってトイレを使って戻ってきたようだ。途中のベンチで休憩した時におばあさんに「皆さんはきっといいお仕事をされているんでしょうね。皆さんいい顔されているからそう思います」と言われて、3人でくすぐったい思いをした。イャーじつわぁ・・・、酔っ払ってちょっと筋肉が緩んでいるだけなんですぅ ゴメンナサイ・・・・。
励まし、励まし、やっとの思いで峠に到着。「尾瀬はどうでした?」と尋ねたら、尾瀬は初めてで、念願だったのでとても嬉しいと泣かんばかりに喜んで、感謝もされた。本当によっぽど来たかったんだろうね。生涯の思い出になるね。「おめでとう!!」とハイタッチしてお別れした。
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