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無雪期ピークハント/縦走
飯豊山

飯豊連峰 石転び沢上部 土石流の発生 2013.07.21

2013年07月21日(日) [日帰り]
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コースタイム

5:30飯豊山荘〜7:40石転び沢出合〜9:20中の島〜10:006〜11:04梅花皮小屋〜12:15門内小屋〜12:40扇の地紙〜13:05梶川峰〜15:45飯豊山荘
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2013年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
先週山形県を直撃した集中豪雨の影響は甚大で、飯豊・朝日連峰の被害もかなりあると思われます。各登山口へのアプローチ道路が寸断され、多くは復旧の目処はついていないのでこれからの夏山シーズンは影響が大きい。

今回は何の気なしに石転び沢から梶川コースの周遊を目論んだが、石転び沢上部の土石流と岩の崩落の状況に唖然としてしまった。

北股沢の土石流の一部は、中の島の下部を横切って石転び沢の右岸迄届いており、崩落したものと思われる大きな岩が堆積している。大きなものは背丈位も有り、土石流の凄まじさを物語る様で不気味な存在となっている。

北股沢の土石流本流は石転び沢の上部左岸が走路となっており、勢いのついた岩は中の島下部から石転び沢の中間部の広範囲に達している。北股沢の急な下部斜面は岩混じりで不安定な状況で、落下する可能性があり近づく事は出来ない。

最も気がかりな点は、中の島直下の右岸(梅花皮岳側)の斜面に溜まった多量の岩で、大きい上に不安定で気温が上がると何時崩落してもおかしくない様に見える。ここから転がりだすと石転び沢中間部までの広い範囲が走路となる可能性がある。

実際、梅花皮小屋から北股岳に登高の途中、中之島下部辺りから中央部をかなり大きい岩が転がり落ちたようなはっきりした跡が見られた。(11:00〜12:00AM前後と思われます)幸い、後続の登山者はいなかったが、気温の上昇によりさらに落下する可能性がある。

本日は幸い気温が低く落石などに遭遇する事は有りませんでしたが、現在の石転び沢は危険性が高く登山ルートとしては不適と言えます。

県の条例でもないと登山を規制することは出来ないでしょうが、登山の自粛を促すネットなどでの広報や、登山口に看板設置などの検討が必要だと思います。
2013年07月21日 07:41撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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7/21 7:41
2013年07月21日 08:54撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2013年07月21日 08:58撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2013年07月21日 09:02撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2013年07月21日 09:02撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2013年07月21日 09:04撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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2013年07月21日 09:23撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
7/21 9:23

感想

先週、山形県を襲った集中豪雨は飯豊・朝日のアプローチ道路に大きな被害を及ぼし、林道や橋の崩落など近年にない大きな被害となっている。夏山の本格的なシーズンを前にしたこの事態は、計画の変更や延期を強いられるケースが予想されます。

 毎年のようにヒメサユリの咲く頃の6月に歩いていたが、今年は日程が取れず伸びて今回の石転び沢の訪問となった。暑がりで酷い汗かきの自分にとっては最適の選択で、のんびり歩いて花の写真でも収めようと目論んだ。しかし、噂に聞いた石転び沢の土石流の状況は深刻で、醜い土砂の走路が沢の中央部を走り、周りには大きな岩が散乱して緊張感のある空気が漲っていた。

 幸い、今日は平年より気温が低くて落石に遭遇することは無かったが、昼近くになると不安定な岩は転がりだして危険な状況となっている。今日の入山者は自分を含めて4名(何れも単独)だったが、その後の後続者はいなかったのは幸運だった。

 今回は気温が上がった11:00〜12:00AMの頃に大きな岩が転げ落ち、主稜線上から見ると雪渓にははっきりとした跡が残っていた。それに加えて、7月23日に再び襲ってきた集中豪雨により事態は更に悪化し、北股岳周辺の山全体が緩んでいる可能性も有る。この飯豊を代表する人気コースだが、登山コースとしてはかなり危険性が高く、雪渓が溶けて落石が落ち着くまでは入山を自粛するのが懸命と思われます。

概要】 

 温身平に到着するとお隣の登山者は既にスタンバイ済みで、先行して石転び沢方面に向かってスタートしていた。急いで朝食のおにぎりを喉に押し込んで出発し、良く刈り払いのされた登山道を進んで行くと、下つぶて岩付近で先行者に追い付ついた。

 雪渓は既に崩壊しているので高巻きルートを取って進み、竹地原を過ぎた辺りの夏道を進むとその先は雪渓が連続していた。今日は例年より5度ほど気温が低いようで快適だが、雪渓の冷気が流れてくるとむしろ寒く感じ、軍手も欲しい位の寒気を感じた。

石転び沢の出合に露出した岩で一本取って休み、石転び沢上部の土石流の様子を観察してみる。北股沢から流れた土石流は中の島を横切って右岸(梅花皮岳側)に達し、その下には広範囲に岩が堆積ている様子が伺える。沢全体の上部1/4くらいは醜い土石流の見難い跡が見られ、中間部辺りまで転がり落ちた岩が散見された。

 出合は雪渓の冷気が流れこんで寒く感じてしまい、長袖シャツを着込んで一緒になった単独の方と相前後して出発する。今回揃えたトレランシューズとダブルストックは快適で、2ヶ月半ぶりの山行にしては快調でどんどん進んでゆく。この時期に全く汗をかく事がないなど珍しいが、意外と呼吸も整ってノンストップでどんどん高度を上げて行く。

 後に続いた方もスピードが有り、殆ど同じペースで付いて来られるとなおさら力が入る。途中から岩が散乱して荒れた様子になり、石転び沢中間部の左岸から流出した土石流が中央部を走り、その先には傾斜をました斜面に大規模な土石流が迫ってくる。落石地帯を行くと途中で一服などいう気にはなれず、後ろも振り返らずただ前進するのみだ。

 スプーンカットした斜面はまだ氷化していないのでグリップが効いて歩きやすく、結局ほぼノンストップで中の島下部に達する。後続の方もペースが早く、話を聞いてみると毎週のように歩いている様子で、こういう方のスピードには流石について行けない。

北股沢の土石流の一部は、中の島の下部を横切って石転び沢の右岸迄届いており、崩落したものと思われる大きな岩が堆積している。大きなものは背丈位も有り、土石流の凄まじさを物語る様で不気味な存在となっている。

 北股沢の土石流本流は石転び沢の上部左岸が走路となっており、勢いのついた岩は中の島下部から石転び沢の中間部の広範囲に達している。北股沢の急な下部斜面は岩混じりで不安定な状況で、落下する可能性があり近づく事は出来ない。

 最も気がかりな点は、中の島直下の右岸(梅花皮岳側)の斜面に溜まった多量の岩で、大きい上に不安定で気温が上がると何時崩落してもおかしくない様に見える。ここから転がりだすと石転び沢中間部までの広い範囲が走路となる可能性がある。

 最もいやらしいのは中の島下部通過時の斜面で、北股沢から崩落した岩が沢の左半分に散乱し、緊張してさっさと逃げに対気分になる嫌らしさが有る。結局、出合から殆どノンストップで中の島に到達し、唯一の先行者に追いついて休息をとる。

 出発して間もなく北股沢側の斜面に誤って取り付いてしまい、結局ルートミスして一旦戻って15m程の雪渓をトラバースして上部の草付き帯に取り付く。15分ほどの時間ロスの間に後続の方が先に進み、出発してから4時間半で梅花皮小屋に到着した。小屋には管理人の方と登山者一人だけで、豪雨の後の為か意外と登山者は少ない様だ。

 小屋でグビグビ喉を鳴らしているとすっかり気が緩んでしまい、結局1時間もの間カップラーメンとコーヒーで時間を潰してしまった。先行者は殆ど休みも取らず出発し、北股岳を越えて同じ梶川尾根を目指して先を進んで行った。一時はお天気雨がパラついたが天候は持ち直し、元気を取り戻して北股岳の登りに取り掛かる。

 北股岳から門内岳の間の主稜線は色んな花が咲き誇り、写真を目的とする登山者にとっては最も楽しい核心部であろう。この先は余り急ぐ必要もないので、デジカメに花の写真を収めながらのんびり行くのが楽しい。だが、天候は安定しない様子ですぐにガスに覆われ、急いで梶川尾根を目指して先を進む。

 扇ノ地紙から梶川尾根の下りは急峻で長く何時も難儀だが、今回は軽快なトレランシューズとダブルストックで疲れも少ない。昨年はスパイク地下足袋で飯豊本山から大日杉の下りで爪を痛めてしまったが、原因は体力の低下から踏ん張りが効かず無理がたたった様だ。

 今回は20代半ばから30代にかけての登山者が多く感じられ、3年位前の様子とは異なって世代交代が進んでいるようにも思えた。あれだけ不評を買っていた3K趣味の登山が盛り上がるのは意外だが、やはり女性登山者も増えて明るく活気が出てきたのは嬉しい。今までの我々山屋がむさくて暗すぎたとい事とだろう。


【東北アルパインスキー日誌】


http://alpaineski.sakura.ne.jp/isikorobisawa2013.07.html

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