【過去レコ】1991年 ボルネオ島 キナバル山
Pontaro
その他1人 - GPS
- 176:00
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 3,477m
- 下り
- 3,476m
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標高グラフを拡大| 天候 | 全体を通し、概ね晴れでした |
|---|---|
| アクセス |
利用交通機関：
バス
飛行機
4月26日 秩父＝池袋 4月27日 池袋＝成田＝クアラルンプール＝コタキナバル 4月28日 コタキナバル 4月29日 コタキナバル＝コタキナバル国立公園 4月30日 国立公園＝ラバンラタレストハウス 5月1日 ラバンラタレストハウスーキナバル山ーラバンラタレストハウス＝コタキナバル 5月2日 コタキナバル 5月3日 コタキナバル＝クアラルンプール＝成田＝秩父 キナバル登山は、ラバンラタレストハウスに泊まり、4/30〜5/1の2日間です。 成田からコタキナバル直行便に乗れるとアクセスはだいぶ楽になります。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
私の記録はもう30年も前ですので、最新情報を確認ください。 https://www.mountkinabalu.com/ https://www.sabahparks.org.my/kinabalu-park �〇馨�屋予約、�▲�ナバル国立公園のアコモデーション、��ガイド予約など 当時は登山ガイドを雇って登るルールになっておりました。但し、厳格な決まりは無いようで、当初我々2人で1人のガイドの予定でしたが、グループに入れてほしいとの事でイギリス人2人、イタリア人1人が加わり、6人でガイド1人になりました。 山頂付近は、雨の時は滑りやすいかも知れませんし、ガスっていると分かりにくいかも知れません。悪天時注意ください。白いロープが山頂に続いていました。 登山地図にコースタイムを記載した資料です。 https://yamareco.info/modules/yamareco/upimg/328/3284070/99902bd698120a06ecc100ba0cc58bb1.jpg |
| その他周辺情報 | コタキナバルでは、ハイヤットホテルに泊まりました。快適でした。 https://www.cybevasion.fr/hotel-hyatt-regency-kinabalu-kota-kinabalu-h338798_en.html |
写真
拍手
装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図（地形図）
コンパス
ヘッドランプ
筆記用具
ガイド地図（ブック）
保険証
携帯
カメラ
|
|---|
感想
1991年のGWを使ってキナバル山に登ってきた。会社山岳部としては1978年に登っており、部として2度目。自分自身は生涯初の海外であった。メンバーは山岳部のMさんと私の2名。Mさんは登山後ペナンに立ち寄るとの事で、帰国は一人になってしまった。初めての海外で、不安がいっぱいだった。
キナバル山はマレーシア・ボルネオ島にあり、当時のオフィシャルな標高は4101mであったが、現在は4095mとなっている。最新の測量で訂正されたのだろう。
4月26日 秩父＝池袋
航空券の都合でGWに1日休暇を付けた。所沢でMさんと合流、池袋でホテルを取った。池袋で前夜祭。
4月27日 成田＝クアラルンプール＝コタキナバル
5時起床。マレーシア航空MH089便は定刻に離陸。マレーシアとの時差は1時間。クアラルンプール着。暑さと、フルーツなのか甘い匂いが漂っていたのを思い出す。ボルネオ島に向かうため、国内線に乗り換えした。国内線でもパスポートチェックしていた。今回はクアラルンプール経由だったが、コタキナバル直行便もあり、うまく日程があえば便利そうだ。MH556便が高度を落としていくと、暗闇にコタキナバルの町のあかりが見えた。20時25分、コタキナバル着。
既に空港内銀行は閉まっており、換金できなかった。空港から街までは少しあるのでタクシーを拾い、事情を話し日本円で乗せてもらった。
市内中心にあった、ニューサバホテルに入ってみた。長屋のような古い建物で、47リンギット（以下RM、当時のレートは1RM≒50円）。安宿で換金もできず、隣の大きなホテルで換金してきた。何と部屋がシングルじゃないの。まあいいかと、買ってきたビールをラッパ飲みした。
4月28日 コタキナバル
キナバル山はコタキナバル市内にある事務所（サバパークオフィス）で山小屋の手配が事前に必要との事だった。しかし、28日は日曜なので、サバパークオフィスが休みとの事だった。より、この日はコタキナバル市内の観光とした。
時間ができたので、ダンジョンアルビーチに出かけてみた。暑い海岸だった。
午後、ホテルハイヤットに移動。安い部屋を頼んだが、ツインで300RM。夜は大衆酒場風なところで飲む。
4月29日 コタキナバル＝国立公園
事務所で山小屋の手配をした。手続きが終わると、サングラスの青年が声をかけてきて、ホットスプリング行きのミニバスがあるので、国立公園まで乗らないか？との事。値段は25RMだったのでOKした。このミニバスは、ワンボックスの乗り合いタクシーで、街中いたるところで走っていた。タクシーだと高そうだし、バスだと便数少ないとガイドブックにあり、正解だったかも知れない。あちこちの路地裏に入り暫く客待ちの停車をしたりした。車内は乗客多数で賑やかだった。暫く走って、初めてキナバル山が見えた。ずいぶん高く登れるのか少し心配になった。途中展望のよい所で停車してくれたので、写真を撮ったりできた。2時間ほど走って国立公園に到着した。1978年の先輩のアルバムで見覚えのあった、公園事務所が建っていた。時間があったので、公園内を散策した。展示室のある建物や、植物園があり一回りしてみた。天気もよく、公園本部脇の芝で昼寝をした。
この日は、公園内のユースホステルに泊まった。高度のせいか、少し涼しく感じた。ユースは自炊であった。売店もあった。ベットはシーツが気持ち良かった。
もう下山したパーティ、明日登るパーティで小屋は賑わっていた。向かいのベットのフランス人夫婦が、ガイドをまだ雇っていないので、ガイド料節約のため、一緒に登られせてもらえないか？と話しかけてきた。彼らは1泊、我々は場合によっては2泊するので無理だといったが、問題無いとの事。明日、公園事務所で交渉してみようという話になった。ここはガイド登山が義務付けられているが、山自体はガイドレスでいけそうなので、現地にお金を落とすのが目的のようだ。フランス人ご夫婦の奥さんの方は、日本に居たこともあり日本語を話せた。東北の山が好きだとの事だった。
日も暮れるころ、テーブルを囲みトランプが始まった。シンガポールから来た女学生二人が持っていた。4時前、ラーメンを作っていたら話しかけられ、少し話すようになっていた。シンガポールの二人は今日登ってきたらしく、今日ここに泊まって明日、コタキナバルに戻るとの事だった。
ここには日本人単独行者も何人かいた。一人は前にキリマンジャロにも登ったと言っていた。一人は名古屋からの直行便で来ていた。賑やかな人で、ベットが取られたと騒いでいた。一人はヒマラヤに続き2度目だそうだが、国立公園散策のみで登らないとの事だった。もう一人はモルジブで海外青年協力隊の任期を終えて立ち寄った方で、マレーシアの友達と来ており、この二人は山の中でもずっと一緒だった。皆、陽気で楽しい人達だった。
4月30日 国立公園ーラバンラタレストハウス
公園事務所での交渉の結果、フランス人夫婦も一緒に登る事になった。よく話を聞いてみると、いつの間にかイタリア人も一人合流しており、ガイドを含め6名のグループになった。バスに乗り込みパワーステーションに向かった。パワーステーションよりキナバル山を望む事ができた。登っていくルートを視認した。ルートはこれをピストンする。天気は良かった。
ボルネオ島は赤道直下でジャングルの中を登るのだろうと思っていたが、パワーステーションで標高が1830mあり、コタキナバルのような暑さもなく、シダ類が多いような気がした程度であった。所々シェルターという東屋があり、水も引いてあった。ガイドは主に一番遅かった自分についていてくれていた。途中、食中植物のうつぼかずらを見つけ写真に撮った。少し遅れて追いついたMさんは、うつぼかずらの群生を見つけたと嬉しそうだった。時々。ドタバタと走り下りてくるパーティ。地元軍隊のトレーニングらしい。パナールラバンロックフェイスの大岩壁がそそり立ってきた頃、今日の小屋、ラバンラタに到着した。1978年の先輩の時にはこの小屋が無かったので、最近できたらしい。食堂、シャワー、暖房、清潔なベットと、日本でもこれほど設備のある山小屋はそうは無いだろう。ここで3352mであり、次第に頭痛がひどくなってきたので少し横になる。1階の食堂で、トマトサンドイッチを頼んだけど、調子悪く一口しか入らなかった。早々に毛布にくるまった。
行動時間5時間35分、実動時間4時間5分
5月1日 ラバンラターローズピークーラバンラター国立公園＝コタキナバル
起きた時、昨日の頭痛は無かった。何とかなりそうで本当に良かった。天気もよさそう。3時20分、ガイドと共に出発。上の小屋、グンティングラガタン小屋でフランス人夫婦を探すも見つからない。既に出発したようだった。暗闇の中、樹林の急な登りが暫く続いた。岩のトラバースを過ぎて、少し明るくなってきたのでヘッドライトを消した。このあたりで森林限界かと思えた（3500m付近）。高い森林限界で、さずがに南の山である。ここから少し直登し、進路を左側に取る。山頂まではずっと岩畳が続いていた。皆、日の出前に山頂に着こうとピッチを上げているようだ。Mさんも居なくなってしない、もう誰が誰のガイドかごっちゃになっていた。3810mのサヤサヤヒュッテを過ぎ、遂に富士山を越えたなと思った。闇の中に、先輩のアルバムで見覚えのあった岩峰が見えた。ドンキーズイヤーだ。まだ少し暗く、そのシルエットだけが見えていた。岩畳を少しずつ登ると。キナバルサウスの尖った頂きが低くなってきた。ようやく最高峰のローズピークが奥から顔を出した。最高峰なのにローズって？と思っていたが、初登頂者の名前らしい。左のm低いセントジョーンズピークの方が高く見えていた。最後にヨーロッパの女性に追いつかれ一緒に登る。Mさんが山頂で手を振ってくれている。東の空が真っ赤になっている。ゆっくりゆっくり登る。辛い事はない。ついに6時23分山頂に着いた。日は既に昇ってしまっていた。少しあっけない気もしたが、初めての4000m峰に感じるものはあった。
日本で買ってきた小さい鯉のぼりを上げてみた。珍しいのか、自分にカメラを向ける人もいた。鯉のぼりをガイドにあげたら喜んでくれた。
山頂に少しいたあと下山開始した。もう二度と来ることは無いだろうと思い、ローズピーク直下で、小石をポケットに入れた。ラバンラタまで一気に下る。頭痛は全く無くなっていた。レストランで暫しくつろぐ事ができた。小屋前で記念撮影、居合わせたマレーシア人女性、スージーさん。一緒に写真をとり、後で写真を送ってくれないかとの事で、帰国し写真を郵送した。暫くこの方とは文通が続いた。
下山途中、15人ほどの日本人の大きなグループとすれ違う。くたくたになる頃、パワーステーションに下りた。バスで公園事務所へ。登頂証明書を頂き、コタキナバルに戻った。
充実した1日だった。ホテルハイヤットにまたチェックインすると、フロント女性が自分を覚えていてくれ、「オダサン」と声をかけてくれた。
行動時間8時間35分、実動時間5時間51分
5月2日 コタキナバル
家に下山連絡を入れ、今日はMさんと別れ別行動にした。
おしゃれなブティックでは、綺麗な女性が洋服を選んでいたし、若い男性はサングラスにイヤホンで音楽を聴いていた。日本と変わらないなと思った。
現地で床屋に入ってみようと思ったが、いざ床屋を前にしたら、勇気がでず入れなかった。屋台が並ぶところでは、子供たちがたばこを手に持って、買って買ってと近づいてきた。汗だくになり、ホテルに戻った。
国立公園で一緒になった人に町中でばったりあった。この人は散策だけで、登らなかったので、自分達の話を聞き、少し羨ましそうだった。イタリア人みたいに、グループに誘えば良かったかも知れない。
5月3日 コタキナバル＝クアラルンプール＝成田
夜明け前、我々はMH543便に乗り込んだ。離陸を待つ間、Mさんがカメラある？と聞く。窓の外には、朝焼けの中、キナバル山のシルエットが見えていた。カメラは上の棚のザックの中で取れなかった。コタキナバルからは見えないと思っていたので、最後にもう一度雄姿を見せてくれたキナバルに感謝。
キナバル山が最初の海外登山になった。標高が富士山より高いが、ルートはしっかりしていたし、設備の整った山小屋も申し分なかった。
しかし、ラバンラタの夜、高度障害が少し出たので、注意点はここだけであろう。人生初の海外で、Mさん提案で、現地の交渉は自分にさせてもらい、つたない英語でコミュニケーション取る事の難しさを感じた。どこの国にも行けるようになれば夢も広がる。また機会があれば、しっかり準備していきたいと思った。
また食事に関しては、胃の弱さがイマイチだと感じた。何でも食べれるようでないと山に行く前に参ってしまう。下痢が続き、保健所でサルモネラと診断されてしまった。
今回費用ですが、航空券が16.5万円、ホテル、食事、ガイド代諸々で、トータル24万円ほど使いました。しかし、お金では買えない貴重な経験、山旅となりました。
夏の終わり、ラバンラタで会ったマレーシア人女性のスージーさんから手紙が届いていた。ラバンラタの写真に、マレーシアでは見る事ができないであろう日本の雪山の写真など何枚か送っており、そのお礼だった。年内もう一度キナバル山に行く計画をしている旨書かれてあった。
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