富士山 船津口登山道 旧道調査9
山梨県
fujinohide
upa
体力度について
- GPS
- 07:02
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 839m
- 下り
- 841m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 6:18
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 7:00
| 天候 | ガスっぽい |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
拍手
感想
富士山船津口(河口湖口)登山道は富士山北面では一説には一番早い室町時代に開かれ甲府方面から御坂峠を越えてきた登山者で賑わっていたという。しかし江戸時代に富士講が盛んになり、関東圏の登山者が富士吉田口に集中し寂れてしまった。昭和になり河口湖からバスが船津口三合目（精進口登山道三合目）まで運行し、そこを船津口三合目として、更に小型バスで小御岳神社まで精進口登山道を上がるようになると盛り返した。しかし昭和39年にスバルラインが完成し、河口湖からのバス運行は廃止されて船津口登山道は廃道化してしまった。
現在はかってのバス道を歩いて精進口3，4合目を経由してスバルライン五合目まで歩くのが船津口登山道とされる傾向がある。
しかしUPAさんが入手した明治時代の地図、昭和3年、昭和35年の国土地理院の地図には船津口二合目と呼ばれている付近から精進口三合目を経ずに現在の四合目、小御岳に向かう道が記載されていて、バス道が出来る前の本来の船津口登山道を確認することができる。しかし現在発行の国土地理院の地図ではこの道は消えて別の新しい道が記載されている。
そんな船津口登山道を調査してきたUPAさんが案内してくれるとのお誘いにまたまた甘えてお願いし、出かけてきた。登りは船津林道終点部から旧バス道で精進口3合目を経由して四合目に行き、帰りは古い地図に載っている本来の船津口登山道で下ることにした、下りでは現在の地図に載っている道も部分的に教えて貰った。現地図の道はUPAさんも挑戦したが途中がシャクナゲの藪が酷く通過することは不可とのこと、また過去のヤマレコの記録や他のネット上の記録でも藪が酷く通行不可のようだ。
往きの旧バス道は初めての私でも間違えることは無いが三合目までは倒木が非常に多く、跨いだり、潜ったりでアスレチック状態で疲れる。四合目の倒壊小屋は9年前に精進口登山道で来た時から何一つ片付けられておらず残骸の変化は無い。
四合目からの下りが本日のメインである。下り始めると小御岳氷穴と呼ばれている大きな深い竪穴が5，6個、口を開けており細心の注意をしながら通過する。船津口登山道と思われる踏み跡を下って行くが、途中、分岐・作業道との交差も多い。UPAさんは分岐・作業道と思われる道も一つひとつ、実際に歩いて確認しながら登山道を確定したとのこと。その労苦は大変なもので頭が下がる。その苦労の結果を私は簡単にUPAさんの案内つきで歩かせて貰って申し訳ない気持ちと、ただ感謝・感謝する以外にない。本当に有難う御座いました。二合目下も帰りは旧バス道でなくすぐ脇の本来の登山道と思われる薄い踏み跡で入口まで戻ることができた。
船津口は本当に不遇な登山道である。富士講とは関係なかったこともあり歴史的な石仏などの遺跡は残っておらず、登山道の一部は後からできた精進口登山道に名前も取られてしまった。かっての登山道を忍ばせる遺跡が無いこともあり、学術的にも、富士山愛好者からも無視されてしまっている寂しい登山道の気がする。
昨年から調査を始めた船津口登山道の旧登山道調査。単独調査では偏った主観がはたらくため、別の視点で見ていただくべく、fujinohideさんと改めて散策を行いました。
現在の国土理知院地図には、旧バス道と、スバルラインを超えた付近から分岐する点線が記載されています。この点線は昭和後期の地図で登場しており、幅員も広く林業用と見られることから、旧登山道とは理解しておりません。
旧登山道は昭和前半までの地図に記載されたもので、以下の資料を参考にしています。
�‐赦�16年発行の「日本山岳案内7」には記述があります。剣丸尾の西側に沿って歩くとあり、船津胎内を経て、精進口三合目・奥庭に向かう林道を右に見て別れ（※これも調査対象）、精進口四合目に至るとあります。
��2014年発行のヤマケイ山麓から登る富士山」には旧バス道をハイキングコースとしての記載があります。
��2020年発行の「古地図で楽しむ富士山」にはかなり歴史があることに触れていますが、コース取りについては不明ということになっています。
�す馘效詫�院の古地図のうち、昭和34年発行のものには�，竜�述に適合した地図が描かれています。旧バス道、旧登山道（四合目に至る・三合目に至る）2本が描かれています。基本的にはこれがベースになります。
�ス馘效詫�院の古地図のうち、昭和6年発行のものには船津バス道は登場しておらず、旧登山道2本が描かれています。
��国土地理院の古地図のうち、明治29年発行のものはかなり異なっています。精進口登山道は存在せず、船津口旧登山道のうち小御岳に至るルートのみが描かれています。これは四合目に至る登山道と同じと考えられます。
�Ь赦�28年発行の「富士山を中心として登山地図」は旧バス道がすでに現役となっています。
�┸郡儻�地図「富士五湖」昭和28年版、昭和31年版、昭和34年版、昭和37年版も時代ごとの変遷をたどる上で面白いです。沿線にスキー場が複数見られます。
��「富士山地質図」発行年月日不明は、旧登山道の四合目に「風穴」の記載があります。その下の方で小御岳に分岐する道が記載されており、これが現地調査で悩ませる材料となっています。
船津口登山道は江戸に流行った富士講（吉田口）に隠れてしまったものの、小御岳神社に至る重要なアクセス道路であった可能性があり、船津胎内、風穴道などの見どころもあることから、歴史観点から見ると重要な登山道であったと考えます。
地形がなだらかなため複線化しているところなど一部コースの再現ができていませんが、おおむね近いところを押さえていると思います。
しかし長丁場のコースの上、倒木が多く、体力を非常に使います。調査は簡単ではありません。
こっそり拍手
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する