由良ヶ岳☆滝と紺碧の海を眺めに 漆原より周回
- GPS
- 03:02
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 642m
- 下り
- 628m
コースタイム
天候 | 晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険個所なし 東峰の南尾根(椿尾根)は林道との合流地点から林道に沿って進むのが本来の登山ルートのようだが薄い踏み跡をたどって伐採斜面の防鹿ネットに沿って直登 |
写真
感想
日前に家内がコロナワクチンの1回目の摂取をしたところであり、その後、体調は変わることなく経過してはいるものの、軽い山行ということで由良ヶ岳を選ぶ。由良ヶ岳は山頂からの若狭湾の展望が魅力であるが、どうせなら碧い海を眺めたいものだ。そろそろ由良ヶ岳のあたりにも涼しい秋風が吹き始めたろだろうか。
舞鶴大江のICを降りると、長閑な山村風景の広がる山あいを北上し、上漆原の生活改善センターを目指す。生活改善センターとはいえそのような標識はなく、見た目は普通の一軒家であり、どうやら公民館のようだ。
道のすぐ右手には立派は梵鐘を有する寺がある。天然寺という寺らしい。お寺はどうやら無住のようだ。周辺に民家もないようなので、梵鐘を鳴らしても構わないだろう。梵鐘の前では大きな百日紅の樹には紅紫色の花が咲いている。未だに色褪せた気配のない花々を見ると今更ながらにこの花名をなる程と納得する。
寺の前には川沿いに何本もの立派な栗の樹が並んでおり、大きな栗の実がたわわに実っている。栗の樹を前ににして地元の男性の方が佇んでおられる。「立派な栗の樹ですね」とご挨拶すると「この栗の樹を狙って熊が来るんですわ、そこで網で囲おうかと思ってね」近くに停められた軽トラックの荷台には杭と電流を流すための線が積まれていた。男性によると熊は栗の樹の枝も折ってしまうらしい。
男性の話を聞いた途端に家内は熊鈴を取り出す。男性に「由良ヶ岳ですか?」と聞かれるので「そうだ」と答えると「旧道から登って下さいね」と云われる。「すかさず滝のある方です」と補足される。この滝に立ち寄るためにこちらのルートを選択したようなものである。「勿論です」とお答えすると男性は嬉しそうな表情を浮かべられた。
少し歩くとすぐに立派な杉の樹の背後に白髭神社がある。ここで舗装林道から右手に分岐する林道へと入る。林道沿いでは綿毛となったキク科の花が多く見られる。段戸襤褸菊のように思われる。
ふと足元を見ると得体の知れない軟体動物がいる。ヒルのようにも見えるが異様に長い。ヒルであれば猛烈な勢いでこちらに向かってくるが、どうやらその気配はないようだ。帰宅後、長男に写真を見せるとコウガイビルとのこと。肉食であり、動物を吸血する訳ではないので、人間に寄ってくる訳ではないようだ。
林道終点からは沢沿いの左岸の登山道に入る。標高はさほど高くはない筈だが、谷沿いには早速にも涼しい空気に満ちているようだ。沢沿いにはいくつも小瀧が現れる。登山道を離れて小瀧に立ち寄るが、地面は前日までの雨で湿っており、登山道を外れると途端に斜面が非常に滑りやすい。
やがて谷の奥の大きな黒々とした岩を静かに流れ落ちる大きな滝が現れる。真奥大滝だ。いく筋にも分かれて静かに流れ落ちる様はしだれ桜のような優美さがある滝だ。滝の前でしばし心地よい涼しさを堪能する。
登山道は滝を巻いて、滝の上を対岸に渡渉する。植林の中の滑りやすい斜面の急登をひとしきり登るとなだらかな尾根に乗る。標柱には椿尾根と案内がある。確かに尾根には深緑色の光沢のある葉を有する藪椿が多いようだ。すぐに尾根は広々とした自然林となり、谷からは涼しい風が吹き上がってくる。
林道と交差したところで、本来の登山道は林道を右手に進むようだが、尾根沿いに踏み跡があるのでそのまま尾根を辿る。まもなく尾根の左手には伐採斜面が広がり、背後には赤岩山をはじめとする大江連峰の展望が大きく広がった。
伐採斜面の境界となる尾根筋には防鹿ネットが張られている。ネット沿いに微かな踏み跡を辿って山頂を目指す。植林地を抜けるとわずかに低木の藪となる。いばらに注意しながら藪を抜けると大きな石組みのある広々とした山頂広場に飛び出した。
山頂に到達した途端、紺碧の日本海と由良浜の砂浜が視界に大きく飛び込んでくる。眼下の海岸には流れこむ由良川の河口が海の色に変化を与えている。東の方角には特徴的な双耳峰の鋭鋒が見える。青葉山だ。
山頂の石組みは虚空蔵菩薩を祀るためのものらしく、石組みの上には小さな祠がある。江戸時代には虚空蔵ヶ岳とも呼ばれたらしい。石組みの上登って360度の展望を堪能していると、単独行の男性が鞍部の方から登ってこられる。
山頂を辞し西峰に向かう。斜面を降りると、すぐにも丹後由良からの登山道との分岐点となる鞍部にたどり着く。西峰にかけての尾根を辿るうちに、ここが稜線の上であるということを忘れそうになる程、広々とした平坦な尾根となり快適な自然林の疎林となる。樹々の間からは下生えのない林床に木洩れ陽が柔らかい陽だまりを作っている。
西峰が近づき再び尾根らしくなると、右手には随所に日本海の眺望が再び現れるようになる。西峰の山頂からは左手に宮津湾を横切る天の橋立が見える。すぐ目の前の若狭湾は相変わらず青い海が広がっているのだが、いつしか西の方から雲が広がってきたようだ。天の橋立が横切る宮津湾は海が白くなっている。
山頂からは木製の階段を降りて尾根を西に辿ると廃林道と合流する。荒れた林道には大小の岩が散在しており、足場を探しながら歩くことになるので意外と歩きにくい。尾根伝いに林道を辿ると、まもなく舗装林道と合流する。
林道沿いでは多くの萩の花が咲いている。萩の花を見ると季節がいつしか進んだ感じがする。空気の湿度が高く感じられると思うと、ポツポツと小雨が降り始める。
白髭神社にお参りして、車を停めた出発地点に戻ると雨が本降りとなる。栗の木はまだ囲われてはいなかった。車に乗り込み舞鶴大江のICに向かうとすぐにも雨は降りやむ。どうやら雨が降っているのは山間だけのようだった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
楽しませていただきました m(__)m
京都のクマさんたち生息数が増えたので害獣駆除されるようです
ミトコンドリア解析によると、由良川の東西で個体群が異なるそうです
東には丹波個体群 西は丹後個体群だそうです
(京都府環境審議会自然・鳥獣保護部会長 村上 興正 氏)
天然寺のクリを狙うのは丹後個体群のどなたかですね
涼しくなりそうなので歩きたいのですが夏眠時間が長かったせいで歩行訓練を積まないと駄目なようです
クマは個体の解析をするのにミトコンドリアのDNAを分析する訳ですね。
丹後と丹波の国境は舞鶴市の南の稜線になりますが、クマにとっては山ではなく川が個体の生息域を隔てる境界になる・・・というのは考えてみれば当然でしょうね。
由良ヶ岳からの景色は綺麗ですよね。由良川の河口に由良川鉄橋がかかる景色がお気に入りです。青葉山も若狭富士といわれる姿で綺麗に見えていますね。
この由良ヶ岳へ登った時は「海抜0mからの由良ヶ岳」としたかったもので、海面をタッチするためメインの丹後由良から上がりましたが、登山道の趣としてはこちらに軍配が上がるようです。滝もあり、竹林もきれいですね。
新道があることもカシミール3Dにメモしました。滝ルートは以前確認しておりましたが、そちらが「旧道」ということなんですね。
西峰へ向かう際「広々とした平坦な尾根となり快適な自然林の疎林」と説明されているいい感じの場所があり、そこに野鳥観察用の東屋があったかと。
山で野鳥も撮りたいなと思っているのですが、私にはやはり無理かなと思いました。その東屋でザックを下ろしカメラを構えるも、堪え性がなく継続しません。一点を集中するも気があちらこちらへ。
釣りではウキの動きを一点集中し知らぬ間に30分とか経過していることもあるのですが、釣りとはまた違う難しさがありました。
「コウガイビル」っていうんですね。ハンマーヘッドシャークみたいな頭をしているやつ。よく見るとイチョウの葉のようなへら状の頭部で「ヒル?」「長いな〜こいつ」とか思ったことを思い出しました。うちの家庭菜園でも何度か見かけたことがあります。
ググってみると…「テトロドトキシン」が目見止まりびっくりです。
「カタツムリやナメクジ、ミミズや小型の昆虫などを捕食」とあったので、役に立つ奴なんだな〜と再認識しましたが、ミミズは土を作ってくれるいい奴なのでそれはあかんやろ〜とか一人で突っ込んだりしてました(笑)
意外だったのが奥様がワクチン1回目とのこと。山猫さんの関係で2回接種完了されているものと思っておりました。
私は家内の職域接種にて配偶者摂取してもらい盆前に2回完了しましたが、いまだ1回目を摂取できていない方も周りに結構おられるよう。
由良ヶ岳は昨年の秋にののさんが行かれたレコを拝見して、それ以来、気になっていたのでした。勿論、海からのルートは魅力的で、特にののさんが行かれた周回ルートが良さそうですね。こちらは公共の交通機関を使ってアプローチする時のためにとっておいて、今回は車で行くこともあり、滝見物を兼ねて漆原からのルートを選択することにしました。
野鳥観察のための東屋・・・ありました。丁度、林道終点になっているんですね。しかし実際に活用されることがあるのかな・・・と思っていましたが、野鳥観察目的であれば車で「新道」で山頂の近くまで車で登って来られるかも知れませんね。ちなみに、詳しく書きませんでしたが、綺麗な竹林はわずかな区間のみです。
コウガイビル・・・ヒルという名前は付いているものの、ヒルとは別物でプラナリアの仲間とか・・・私は初めて見ましたが、ののさんの家庭菜園に出没するとは・・・
コウガイ・・・笄というものの存在も初めて知りました。
私の職域接種で配偶者接種をするのは実は少し不便なことがあり、近くのクリニックで予約が取れるのを待っていたのでした。副反応は2回目の方が強く出るので、無事、2回終了するまでは安心、出来ないですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する