Mt Kinabalu(4095.2m) via ferrata Low`s peak circuit
コースタイム
天候 | 晴れと雨の繰り返し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
|
コース状況/ 危険箇所等 |
迷うわけのない完璧な登山道。 |
感想
今回のヤマレコは長くなりそうです。
昨年も実はキナバル山に登りました。そして悪天のため、3300m地点で一泊し、引き返し。なんたる悲劇。
リベンジのために今年もやってきました。
「マタ、ライねん」という片言の日本語で言われたむかっ腹の立つ一言を忘れるわけもなく、しかしまたきてしまった。
さかのぼること7月のはじめ。
まず直接ホテルの連絡。空いてない。
現地のツアーに連絡。空いてない。
仕方ないから日本のツアーに連絡。空いてない。
しかしここでビアフェラータでいくコースならラバンラタではなく、ペンダントハットになるのでたいてい空いているという情報をゲット。
日本のツアーは最もぼったくられるので使いたくなかったから現地ツアー
amazing borneo に電話。ネットで評判のよいツアー会社を調べた。
様々な企画をやっているし、コースも多い、HPも見やすい。
かなり大きな会社っぽかったので安心して頼んだ。
その後、メールの行き違いなどトラブルを経てやっと予約完了。
ラバンラタ取れない場合はビアフェラータ!取れてもビアフェラータお勧めだけどひとまずね。
Low`s peak circuit という3776m地点から降りていく最長ルート。
1810RM。56000円くらいか。
一泊二日のホテル、ガイド、食事がついた値段。
安いのやら高いのやら。
8月27日。
朝8時にはゲートへ。
キナバル山の麓のキナバルパークホテルに泊まっていたがゲートまですぐだし、質もそこそこなのでお勧め。クンダサンにおいては茶色くない温水が出るだけで上質といえる。ごはんもまあまあ。
ゲートで登録を済ませ、ガイドと会って出発。
フローレンス?だったかな名前。忘れちゃった。
去年はスティーブンみたいな名前だったし、欧風の名前がどうやら多いらしい。
足のとにかく太いムキムキな人。
あまり会話もなく出発。
キナバルのガイドはあまり干渉してこない人が多いように感じる。
少し後ろを歩いてついてくるから基本的には一人で登っているような気分。
去年6時間かけた小屋までの道を4時間でたどり着いた。
山に登ることも増えて歩き慣れたのか、呼吸とペースを意識したことがよかったのかとにかくサクッと登れた。
そっから12時間以上休憩。いやーなんと楽な登山でしょう。朝早くに出られるならば十分日帰りできるなこりゃ。
天気もよく、1枚で肌寒い程度。最高のコンディション。
Spo2:74 脈拍114
こっちの数値は割と良くない。3300m程度で74まで落ちられても困ります。
脈拍も普段60とかだから二倍かー
その後の血液検査でヘマトクリットは並だけど赤血球とかは少なめと判明。高所に弱い体質かもなー
そしてラバンラタ奥のペンダントハットに到着。なんと小さい小屋だろうか。18人くらいしか泊まれない。いや日本の小屋と比べたらでかいけどさ。
昼ご飯はラバンラタにて。ミーゴーレン。にんにくも効いてて最高にうまかった。
高山病対策のため水をがぶ飲みする。のども乾いていたためとにかく飲んだ。
短時間で2Lは間違いなく飲んだはず。
後から知ったのだが、一度に吸収できる水分は数百mlまで。
このあと10分に一回トイレに行き小便と下痢に苦しんだのであった。
3時にお昼寝。耳栓とアイマスクは必須アイテム。
4時に起こされる。
ビアフェラータのルートや注意事項、ハーネスやカラビナの使い方の講習を受ける。うーん簡単。それにしてもビアフェラータが6時間のコースと聞いてびびる。だって朝2時から行動して、7時からビアフェラータやってそっから下山。こりゃハードだ。
同じコースをまわるtakとriと仲良くなる。英語でしゃべるも能力に限界が。
言いたいことがまったく言えない。もどかしい。Takは日本人なのでときどき通訳をしてもらう。情けない。
終いにはHow old are you?をHow order you?と聞き間違える。
いや文法的にも違うし、気づけよ俺。大笑いされる。
1時間以上おしゃべりしてたなー
そうこうしているうちに雲がぐんぐん上ってきて覆われて雨。
こうなることはわかっていた。
雨期の入りなので毎日1回は雨が降る。特に夕方から9時くらいにかけては毎日雲が立ちこめ、雨が降るのを確認していた。
予想通り。そう思ってシュラフに入る。
止むと信じて寝ようとするがなかなか寝付けない。
身体が休まればいいかと思ってごろごろ。
2時間?くらいして雨が止む。よし、これなら行ける。今年こそいける。
そう思って安眠。ついに眠れた。その1時間後。
豪雨で目覚める。終わったと思った。本当に豪雨。フラッシュバック。
マタライねん。
くそー
悔やんでも仕方ないから止むことを信じてとにかく寝よう。と思うも気になってまったく眠れない。結局寝なかった。疲れもないし寝なくてもどうにかなる。
0時すぎに雨は止んだ。
でも上部から滝が流れているような轟音。森林限界のため水が留まらない。なにせすべて岩肌なのだ。雨は止んでもコンディションが悪ければ登れない。去年もそうだった。
絶望しながら荷造り。どうせ登れないのに。
ご飯も食べる気にならない。
ガイドはたぶん登れるよ、というが、轟音がその言葉の信憑性を失わせる。
ここまで来てまた登れないのか。二度とこない。少なくとも雨期には。
次くるとしたら大人になって子供でも連れて3月にでも登ろう。そんなことを考えながら空を見たら下半分だけのキレイな上弦の月?が見えた。
そして月の内暈と外暈。
珍しい現象ではないらしいが月の外暈は初めて見た。
太陽の外暈は2年前これまたボルネオのラナウで見た。
薄雲が適度にかかり、光がうまい具合に洩れるときにだけ見られる気がする。
Spo2は85、脈拍93。
いい感じになってきている。高山病の症状もなし。問題ない。
ガイドに従って、上のゲートの所に行く。閉まっている。
ここで待てと言われた。スタッフが行けるか行けないかの判断をしていてゲートが開かないのだ。去年もそうだった。
諦めて月の撮影に手持ちで勤しむ。
そして突然OKが出た。周りの人は当然だろ、といわんばかりの雰囲気で登っていったが、もう俺は最高の気分だった。
歓声もあげた。一人で。
あの場所にいることが、キナバルを登っていることがうれしくて、幸せでしょうがなかった。
以降先頭集団で登っていく。
暗闇のなかどんどん高度を稼ぐ。
途中鎖がなかったら怖くて登れないような箇所もあった。メットなしだし、落ちたらたぶん死ぬと思う。止まる箇所ないし。
死亡事故いままでないのかな?
雨のなか、疲れたお年寄りが滑って、って図は想像に難くない。
ロープは湿っているし、ユニクロの防水グローブはすぐさま湿り、手がめちゃくちゃ冷たい。ついでに風がすごい。
サヤサヤハットに先頭で着くもID確認とかはない。ガイドたちは休んでくらしく登りたいならいってきていいぞーとのこと。ただし、ロープに伝っていくこと。とにかく緩い。気楽でいいんだけども。
takと欧米人の3人で競いつつ登っていく。意地の張り合いで比較的ハイペースが続く。
途中強風をしのぐために岩陰に隠れたりしながら登っていった。
結構な急斜面。ロープはなくても登れるけど安心感はある。
トップは緩やかであり、傾斜の関係で山頂は見えない。
だがそのおかげで星空目指して、宇宙に向かって登っていってるような錯覚に陥る。キレイだ。今でも鮮明に思い出せる。
結局コースタイム3時間のところを休憩込みで2時間で登りきる。
先頭集団の2番目で登頂。最高の気分だ。
だがこっからが地獄の始まり。
なんと日の出まで1時間半もある。下は薄手のウールにナンガのダウンパンツでぽかぽか。上はウールのアンダーに薄手のフリース、薄手の化繊のダウンで激寒。
気温は3〜5度くらいだと思うけど強風が一気に身体を冷やす。
ダウンパンツあって良かった。テルモスに入れたサバティーをちびちびと飲む。装備もしっかりしていない周りの人にも紅茶あげた。こういうときはしょうがない。
みんなで耐えるのみ。
山頂から見る日の出は単純に美しいし、達成感はんぱなくて大満足でした。
人生最高到達点:4095.2m
一番最初に登頂したのに下山は一番最後くらいだった。景色がすばらしくて、写真もたくさん撮りたかったし、しょうがない。
この日のためにネットでわざわざ注文した日の丸の旗を掲げて写真をとった。
強風のためキレイにとれたわけではないけど目標は達成。
もし海外で登山をしたら毎回しよう。
日本人として登っているんだ。
あとひとつ山頂でびっくりしたことが!
なんとネズミがいたんですよ。んでザックから食料奪われるところだった。あんな過酷なところにいるなんて。食料も登山者のごはんくらいしかないだろうに。
そっから焦るようにビアフェラータへ。
6時間のコースだけど時間ないから4時間で急いでいってこいとの指令が笑
朝は雲ひとつない晴れでとにかくキレイでした。
崖からの景色は、壮大で雄大で人生最高の絶景でした。
ずっとロープで確保してるし、どこもかしこも足場が作られていて安心して降りました。というか不安要素皆無。もし落下しても2、3mくらいだしね。しにゃしない。
高所恐怖症だとつらそうだけど。
だけどビアフェラータもふくらはぎはしんどいし、手は疲れるしでハードだった。なにせコースが長い。吊り橋や綱渡りのようなロープ場もあって変化に富んでて楽しい!
もしキナバル登るなら絶対にビアフェラータがお勧め。
体力ない人はショートコースもあるし。
結局3時間半で終了。
そっから11時にペンダントハット帰宅。
一休みしようかと思ったけどチェックアウトだからベッドは使えんと言われ1時間、ごはん食べたり、休憩して下山。
でも体調悪すぎて食欲なし。睡眠も足りてないし、エネルギーも足りないしでバテバテ。でもなぜか下山は走りたくなってしまう。
結局ほとんど休まず走って80分で下山。
去年はたっぷり休みとった上で下山して100分だったのでずいぶんな進歩でした。
下山後39℃の熱に襲われましたとさ。
来年はキリマンジャロ!
4000mで高度障害は全然なかったし、さらなる高度が楽しみですな。
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