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記録ID: 35963
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トホレコ(日本縦断徒歩旅行の記録)25・Bosayo様in桧原湖

2006年09月01日(金) 〜 2006年09月03日(日)
 - 拍手
GPS
40:00
距離
59.9km
登り
477m
下り
972m

コースタイム

9/1 川尻温泉〜川上温泉〜五色沼〜桧原湖
9/2 こらんしょでライブ!
9/3 桧原湖〜大塩温泉〜喜多方

過去天気図(気象庁) 2006年09月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
9/1
 明け方、寒さで目が覚めてしまった。この寒さ、標高が高いせいばかりではあるまい。早朝から、昨夜の残りのカレーを食して出発。
 115号線に出て、左に進路を取る。今日は桧原湖でTacoさん、Bosayo様両氏と合流する予定。明日がライブの当日なので、今夜は主催者の方が経営するペンションに宿泊するのだそうで。こういうのを業界では“前入り”とか言うんだらうか。Tacoさんが僕の分の宿泊費を出して下さるというので、お言葉に甘えることにした次第である。嗚呼、憧れのペンション生活初体験。459号線との交差点にあった公衆電話から連絡してみたところ、Bosayo様御一行は東京から移動してくるので、こちらに到着するのは夕刻になるとのこと。それならばのんびり行っても大丈夫だ。会津磐梯サイダーでも飲みながら、会津磐梯山を眺めてゆっくり歩けばいい。空は曇ったが、磐梯山ははっきり見えている。「えんやぁ〜。」なんて歌い出したくなるから不思議だ。
 途中、道端の産地直売所からモモを札幌の“After Dark Cafe”に送る。After Dark Cafeは僕が日頃御世話になっている札幌のジャズバーである。村上春樹の初期の長編に“ジェイズ・バー”というのが出て来る。作中の“僕”と“ねずみ”がひと夏かけてプール一杯分のビールを胃袋に流し込んだり、ピンボールに打ち込んだりする店である。人間誰しも、そういった特別な店の一軒くらい持ってるものだと思うが、僕にとっての“ジェイズ・バー”はこのAfter Dark Cafeを置いて他にないと思う、そういう店である。今回、長い徒歩旅行を敢行するにあたって、そのAfter Dark Cafeのマスターから依頼されたことがある。行く先々で見付けた美味しい食べ物を時々送って欲しいというのである。代金、送料は着払いで構わないとのことである。そんなら別になんの問題もないと思って簡単に引き受けてしまったのだが、これが結構大変なので。何しろ他人の財布を渡されて、「これで好きなものを買ってくれ。」と頼まれたようなもんである。しかも自分の為のものではない。下手なものは買えない。センスが問われているのだ。予算的にも、一体幾らぐらいのものを送っていいのかも見当がつかない。いくら美味しいからといって、米沢牛のサーロイン・ステーキを5万円分も着払で送り付けるわけにもいかないだらう。だからと言って一袋五百円の金太郎飴を送る訳にもいかない。難しいところだ。何気にセンスを要求される依頼だということを、今更のやうに思い知らされているのである。ここまでも既にいくつかの御当地グルメを送ってみたのだが、本当に気に入って貰えたのかは、今もって分からない。その点、ここ福島なら話は早い。送るといえばモモしかない。こんなに美味いものはねえからな。値段は20個入りで送料込み5千円弱ってとこだったと思う。まあ、僕のくゎんかくから言えば妥当な線ではあるまいか。「モモは両手に持って丸かじりするのが美味にて候。」というやうなメッセージを添えて送ってみた。直売所のおばちゃんがサービスで一個くれたので、早速店の脇で丸かじりにする。これで今季三度目のモモである。しかもまだビタ一文自腹は切っていない。やっぱ、何度喰ってもうめぇよな、モモ。どーかなりそうだ。
 459号線を北へ、桧原湖へ向かう。途中、川上温泉という、物静かな感じの温泉にふらりと立ち寄ってみる。別に特別風呂に入りたかった訳ではないのだが、今日は先を急いでもしょうがないし、なんとなくである。此処は何のひねりもなくただ温泉があるってだけみたいなところで、シーズンオフのせいかお客さんの姿も見えない。だぁれも居ない内湯でらぁらぁ歌ってみたりして、小一時間過ごす。ちなみにここの湯は昨日の沼尻温泉みたいに刺激的な湯ではなく、透明で物静かな湯である。たぶんアルカリ性。僕はこういう湯は結構好きだったりする。色が着いてたり、ブクブクしてたりする湯はあまり得意ではない。 
 桧原湖の手前に五色沼というのがある。有名なところなのか結構人が来ている。探勝路があるので歩いてみる。車道を行くよりは楽しいだろう。しかし、なんだこの場違いな感じは。周りはみんなカップルか家族連れである。服装も至ってカジュアル。巨大なザックを背負ってくるところではない。完全に勘違い男と化してしまった。さっさと通り抜けるに越したことはあるまい。みんな風景を楽しんでいるやうだから、急いでいると余計に浮いてしまう。変な汗を掻いたよ。桧原湖畔に出てから、剣が峰の交差点へ少し戻る。時刻は5時にならんとしている。丁度良い感じだな。このまま行けば僕が歩くのとBosayo様の車が走るのとどちらが早いか競争って感じだらう。
 案内板で確認しながら閑静なペンション地帯をゆるゆると歩いていく。やがて夕陽も沈まんとす。落日ってやつぁ、なんでもかんでも被写体に変えてしまう罪な奴だ。レイクサイド地区とかっていう方へ狭い小道を入っていくと、残照もはや消えなんとする気配。誠に心細い気持ちになってくる。ほんたうにこの道でいいんだらうか・・・。
 小さな沼の水面に映る夕焼け雲がキレイで、カメラを構えてあーでもない、こーでもない、とやっていると、背後で一台の車が静かに止まった。「おーい、何やっとる?」などと声を掛けられたので、ようやく気付いて振り返ると、果してBosayo様とTacoさんがニヤニヤしている。Tacoさんには「なんか、貫禄出てきたんでねえのすけ?」などと云われた。なるほど、僕も漸く巨匠としての風格が滲み出て来たのかもしれない。単に汚れただけかもしれない。ここから目指すペンションはあと500メートルほどだという。ぴったりのタイミングだ。車に同乗してペンションまで。来てみて思ったのだが、あそこでBosayo様御一行に拾って貰わなければ、十中八九迷っていたな。そういう目立たない一角にある目立たない宿である。
 先にお風呂を頂いて、汚い服を着替える。原ノ町での失態を教訓にして、今日はちゃんと着替えを一番上にしておいたのだよ。まあ、着替えたところでどれだけ綺麗になるかは知らんがな。今夜はズッキーニのリゾット、スカンピのパスタ、牛テールの煮込みなど素敵なお皿が食卓に並ぶ。これが、ペンション・ライフって奴か。こんなことでもない限り、ペンションには縁がねえよな、俺は。Tacoさん、Bosayo様の両氏にひたすら感謝。
 
 深夜になってTacoさんが目を覚ます。寝つけないのでビールを一本付き合ってくれ、などという。
「ええ?Tacoさん、お酒大丈夫なんですか。」
「半分だけなら、心配ないっちゃ。」
無碍に断る訳にも行かず、缶ビールを半分こ。Tacoさんは今回、新調したトロンボーンを持参してきている。流石にプロだけあって扱いが丁寧だ。とても嬉しそうである。僕も見習わなければならない。僕は道具の扱いが非常に雑な人間である。今回持ち歩いているトランペットにしても、無造作に布の袋に入れてザックの脇に付けて歩いているので、気付かぬうちにあちこちぶつけてデコボコである。楽器だけではない。カメラにせよ、靴にせよ、みんなボロボロにしてしまう。手入れがなっていないのだ。Tacoさんの新しいトロンボーンは実戦投入はまだ先だという。楽器というのは一本一本クセのあるものなんださうで。「こいつはスライドの具合がどうもなぁ・・・」などと言いながら楽しそうにしている。そんな話から新大久保の中古楽器店の話などする。(ちなみにTacoさんは風貌からしてタコっぽいのであだ名かと思っていたが実は本名なのだそうで。「んだすなぁ」というような方言丸出しの喋り方とあいまって憎めないキャラクターを醸し出している。東京などでライブをすると女性に大人気だそうだ。しかし、音響機材のセッティングの時などに見せる厳しい横顔はプロの顔である。昔気質の職人さんって感じでかっこいいのだ。“世界一小さい音で吹ける”という妙な肩書を持ったいぶし銀のトロンボーン奏者である。と同時に、ピアノやパーカッションもこなすマルチ・プレーヤーでもある。)

9/2
 朝食後、ライブの会場である“ほっとギャラリーこらんしょ”に移動。“こらんしょ”は廃校になった小学校の校舎を利用して、写真などの企画展示を行えるようにした多目的スペースであるとのこと。木造の風流な建築である。桧原湖の北部に位置していて、ペンションからは車で20分くらい。会場にはラジヲのプロデューサーの方やPA(音響)の方も来ている。ミュージシャン達は怖い顔してセッティングしているので危なくて近づけない。まだ開演までは大分時間があるので、カメラを持って辺りをうろついてみる。こじんまりとした集落である。「たばこや」などという呆れた名前の宿などあり、仲々風情がある。今日は重荷から解放されていることもあり、良い気分だ。フィルムはどんどん減っていく。あっという間に3本も使ってしまった。ひえ〜。
 しばらくしてこらんしょに戻って来ると、Bosayo様御一行はライブの前に軽く食事を摂るのださうで、車でどっかに行ってしまった。さっき朝食を食べたばかりだし、僕は辞退しておく。かつての体育館と覚しい建物が控え室になっているので、そこで日記など付けてみる。ここはカラオケのセットなど完備されていて、忘年会などで大活躍しさうな雰囲気。控え室、というには少々広すぎるみたいだ。
 そうこうするうちに時刻はお昼をまわって、ぼちぼち人も集まり始めた。そろそろライブも始まりさうな気配である。極度にアクセスの悪いロケーションではあるが結構人が集まっている。Bosayo様も福島じゃ、ちょっとぶいぶい云わせてるみたいだ。チケットにケーキが付いてくる。“花豆モンブラン”ってのが人気のやうだが、売り切れてしまった。まあ、ここも只で通して貰ってしまったし、文句は云えないやな。お昼のライブってのも、またオツなものである。大きな窓からは燦々と陽射しが降りそそぎ、微風にカーテンが揺れている。Bosayo様の音楽にマッチしてると思う。しかし、本人的にはお昼のライブはやり難いものなんださうで。
 ライブ後、Bosayo様は一度ペンションに戻って休憩。ライブは夜の部もあるのだ。僕はぶらぶらと歩きながら、昼飯を食べに食堂へ。しかしなんとしたことか、この近所で唯一の食堂が閉まっている。仕方ないんで、湖畔の遊歩道を歩いたりしてみる。何処かで水さえ汲んでくれば、わりといい野営地である。
 こらんしょに戻ってくると、ペンションにBosayo様を送り届けてきたTacoさんが戻って来る。こらんしょのすぐ脇には町営温泉があるので、二人で入りに行く。桧原温泉、500円也。
やたら熱い。昼間っから地元のおじい、おばあが沢山入りに来ている。
 湯上がり、キーボードをいぢらせて貰う。前にも、フェリーで働いている頃は暇さえあればラウンジのピアノをいぢっていた、みたいなことを書いたが、僕はこう見えて鍵盤楽器ってものが結構好きなのである。別に何が弾けるという訳でもない。何か一曲弾いてよ、なんて言われても何も出来ない。じゃあ、弾けないかってゆうとそうでもない。デタラメな歌を弾かせたらわりといい感じだったりする。先日、仙台の町をうろついているときも、デパートの楽器売り場で電子ピアノをいぢって遊んだ。面白れえんだよな、鍵盤って。
 さて、ここぞとばかりに必死で遊んでいるうちに、すっかり暗くなってしまった。Tacoさんの運転でペンションまでBosayo様をお迎えにあがる。Tacoさんは冷やかしてBosayo様のことを「歌手」と呼ぶんだとか。「歌手、調子は如何ですか?」とかって。昼の部は8割方埋まっていたやうに見えたが、道々聞いた話だとあの程度の入りでは採算が合わないんだそうだ。ラジヲのプロデューサーが間に入るから、どうしても割高になってしまうんだそうで、今回のやうな小規模な主催者は後込みしてしまうことが多いんだとか。かつてはまるで儲けにならないやうなライブも多く行っていたそうだが、今ではライブの本数は激減してしまったという。ミュージシャンというのはライブをこなさないと伸びないんださうで、収入面ではラジヲの仕事は安定していて申し分ないのだが、音楽的にはあまりよろしくない面もあるんだ、というのがTacoさんの懸念するところ。そんな裏話など聞いていると、なんとしたことか、道を間違えてしまう。なにしろ奥まったところにあるペンションなので、同じ道を通らないと何処を走ってるか分からなくなってしまう。時計は7時をまわって辺りは真っ暗。Tacoさん少々焦り気味の御様子。
 無事、Bosayo様をお迎えして、こらんしょに向かう途中、例の昼間歩いて目星をつけておいた遊歩道のあたりで降ろしてもらう。あまりダラダラと甘えていても悪いかと思い、夜の部は遠慮して、ここで別れることにした。プロデューサーの方もあまり歓迎してる風でもなかったしな。
 TacoさんやBosayo様とは、太平洋フェリーで働いていた頃からの付き合いである。仙台のクレイジー・サーファーCrane氏も交えて、Bosayo様御一行が船に乗ってくると皆で夜通し飲んだものである。また往時のやうに夜更しなどしてみたいものだ、などと思った。
 それでは、ごきげんやう、いずれまた何処かで会いませう。
 
9/3
 昨夜はテントに入るや否やあっという間に寝てしまった。ペンション、よく寝つけなかったからなあ。テントの方が落ち着くんだらうか。もの悲しいことだ。そんなわけで今朝は自然と早起き。5時頃だったろうか。黎明の湖面に朝靄が立って、絵はがきみたいな美しさ。見ていると、微妙な光の加減で刻々と印象を変えていく。ドラマチックな風景。その度に、「嗚呼、これも撮らなきゃ。」なんて言いながら、カメラ片手におたおたする。あーもぉ、めんどくせえな、朝っぱらから。当然のやうに二度寝。
 そういえば昨日昼飯を食いそびれてから、ロクに飯を喰ってないやうな。夕方おにぎりを貰ったかな。思い出せないぞ。Tacoさんに貰ったパンと中ノ沢で買ったレトルト・ハンバーグで朝食。ハンバーグ、危ないなとは思ったのだが、他にめぼしいものも持ち合わせがないし、しっかりパックされてて安心感あるからトライしてみる。案の定激しい下痢となりにけり。やはり“要冷蔵”とあるものは冷蔵しとかなきゃダメなのね。
 桧原湖西岸の湖畔の道を行く。細かいことを言えば、ペンションからここまで、またしても徒歩での空白地帯が出来てしまった。別に細かいことは気にしないんだよぉ、ということを強調しておく、念のため。湖畔にはキャンプ場が幾つかある。キャンプ場以外のところで野営なんかしてもらっちゃこまるんだよぉ、という雰囲気が漂っている。たぶん、昨夜の野営地も本来ならキャンプ禁止なんだろうと思われる。
 道の駅を右手に喜多方を目指す。朝食はみんなシャーシャーと流れ出てしまったので、ここでおにぎりを買ってやりなおし。夏休みは既に終わったが、日曜とあって人は結構来ている。取上峠を越えて行くと、段々になった沼畑などあり、大変美しい。薄の穂は日に日にフカフカになっていくやうで、楽しそうに手を振っている。はぁはぁと笑い出したい衝動を抑えつつ歩いていく。可哀想な人だと思われても何だからな。(註;“沼畑”は水田をグスコーブドリ風に表現したものである。稲を同じやうに表現するなら“オリザ”となる。僕のザックの天蓋には相変わらず宮沢賢治の文庫が忍ばせてあったと見えて、日記帳の表現がこのやうになっていたから、ここでもそのまま用いることにした。“はぁはぁと笑い出したい”などという表現は「賢十公園林」に影響されているものと思われる。参考までに。)
 大塩を越え、北山というところにさしかかると突如として視界がひらけ、眼下に盆地が広がっているのが見えてくる。憧れの喜多方である。僕は喜多方らーめんのあのプリプリとした太めの平打ち麺が大好きである。まだ本場喜多方に来たことがなかったので、今回の旅行では必ずや通ってやろうと思っていたのである。折しも陽は西に傾き、辺りを金色に染めている。あー、楽しみ。などと思っていると、道端に手打蕎麦の看板。あまりに空腹だったせいか、ふらふらと吸い寄せられてしまう。しかし幸か不幸か今日はもう品切れだそうで。丁度店先に出て来た店のご主人が申し訳なささうにしていた。まあ、これも「浮気してねえでラーメン喰え。」っていう神様の思し召しなんだらう。
 緩やかな坂を下ると道は田んぼの中の一本道。夕暮れの道を厳かに喜多方へと歩みを進めていく。犬の散歩のオヤジ達が気さくに声を掛けて来る。しかし、犬っつーのもアレだな、散歩してる時はわりとフレンドリィで可愛いもんだな。これがひと度門前に鎖で繋がれると、たちどころに排他的な態度になるから不思議だ。もう僕はあちこちで犬に吠えられ続けたせいで、犬って生き物が信用出来なくなってしまった。
 あたりが夕闇に包まれ始める頃、喜多方市街に突入。取り敢えず最初に目に付いたお店に入ってみる。「まるや食堂」、見るからに老舗といった風情を醸し出している。人気のある店なのか待合室などもあるが、さひわひ空いていた。折角なんで奮発してチャーシューメンをオーダー。あっさり系のスープ。うまいよなあ、この麺。デカいザックを持っているのですぐに旅行者だってバレてしまう。店のおばちゃんに問われるままに札幌から歩いて来たことなど説明する。
「あれま、そりゃ大変だ。やっぱりテレビに出たりするのかい?」
なんて言われた。まさか、テレビなんて出ない。こういうのはプレゼンが大事なのであって、僕のやうに目立たないやうにやってる奴は、結局誰にも気付かれずに終わるのである。「エイズ撲滅」とかって書いた幟でも掲げていないとダメなのだ。帰りにおみやげ用のラーメンを一箱頂く。なんだか申し訳ない気がするので、微力ながら宣伝しておく。「まるや食堂」、王道の味。お薦めです。
 この店においてあったガイドブックでにわか仕込みの知恵を付けておく。二軒目に「大安食堂」をチョイス。喜久蔵師匠お薦めの店である。喜多方ではラーメン屋であっても「食堂」と名乗っている店が多いやうだ。ここのラーメンもうまい。魚の出汁が効いててコクがある。コクってなんだよ?って訊かれれば、ちゃんと答えられる奴はまずいないと思うがな。コクはコクだろ。
 ひとしきり満足したので三軒目は止めておこうと思ったのだが、うっかり「源来軒」の前を通りかかってしまったので入ってしまう。まるた食堂に置いてあったガイドによれば、源来軒は喜多方でも一二を争う人気店であるとのこと。無理矢理三杯目に挑戦。ここの麺が一番好きかも。喜多方ラーメンに有りがちな、プリプリとしてコシのある麺とはまたひと味違った、滑らかな喉越し。なんだろうな、中国の人がやってるんだらうか。ワンタンなんかを食べても美味しいんじゃないかと思った。接客もなんとなく中華風。閉店時間になったのか、まだ食べている人も多いのに、イスをテーブルに上げて掃除など始めている。日本的じゃない。田中邦衛なら「まだ子供が食べてんだろっ。」とかって怒鳴り出しさうだ。美味しいから許されるんだと思うよ。僕はラーメンはきっちりスープまで飲み干す派だが、流石に限界だ。スープは残した。掃除も始まったことだし。
 すっかり暗くなった夜の道を町外れまで歩く。丁度良い腹ごなしだ。川縁で野営。テントを建てると、時計は8時になりにけり。今日は日曜日。「一枚の写真から」総集編の時間である。早いもので、あの、新田川でごろ寝した夜から一週間経つのだ。寝転がって星を見ながらラジヲに耳を傾ける。あいにくの月夜だが、星がきれいだ。流れ星も見える。
モモ丸かじりの図。
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モモ丸かじりの図。
ぺんしょん地帯の夕暮れ。
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ぺんしょん地帯の夕暮れ。
ねこです。
喜多方ラーメン地獄。
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喜多方ラーメン地獄。
川縁のテントの脇で。
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川縁のテントの脇で。
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