南南ア/二軒小屋から白樺荘まで、崩壊していない林道ハイキング30km(西俣プチ調査も)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 37.4km
- 登り
- 848m
- 下り
- 1,355m
コースタイム
21日:7:00二軒小屋ロッジ→9:20椹島レストハウス→赤石ダム→沼平→畑薙第一ダム→15:45白樺荘
天候 | 20日:強弱あるものの終日雨 21日:願っても無い林道歩き日和(無風快晴) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・東海フォレストの営業小屋について 山中の営業小屋避難小屋とも10月15日で営業終了しています。 椹島ロッジ、二軒小屋ロッジ今シーズンの営業は11月3日目まで。 各ロッジの宿泊、送迎バスとも予約が必要です。 http://www.t-forest.com/alps/index.html 営業終了後の小屋は、すべて避難小屋として解放されています。 水場の状況、トイレの使用可否については東海フォレストにお問い合わせください。 ・東俣林道について(沼平〜二軒小屋) 基本、許可車両が通行できる林道のため歩く分には危険箇所なし ただし降雨後は落石注意 車両との行き違いの際は、道が道なだけにスピードは出してませんが、念のため安全な場所に退避してください。 来シーズン以降は工事車両の増加が予想されます ・携帯電話その他 白樺荘より先は椹島ロッジまで圏外(ソフトバンク、ドコモは未確認) 畑薙第一ダムバス停に公衆電話あり |
写真
感想
【すべては美味しいディナーのために】
渓流釣りの期間が終了し、山中の営業小屋も終了する10月下旬から二軒小屋ロッジは繁忙期を迎えます。
ここから往復3時間の伝付峠は唐松の紅葉の美しさで知られていて、登山者よりも軽いハイキングを楽しむグループやツアー、常連の方々で賑わい、なかなか予約が取れません。
前回、ここで天泊した際に、ダメもとでまだ空室のある日を確認し、前回のハードな山行のご褒美ということで、急遽単独ハイキングとなりました。
ただ、1泊2食13,000円で、歩くのが伝付峠ピストン3時間というユルさでは、夫が了承するはずもなく、西俣のリニア関連の調査と行きの沼平〜二軒小屋までの林道歩き8時間で手を打ちました。
この次の週末は丹沢24が控えているため、疲れを取りつつ多少なりとでも歩いておきたかったこともあります。
週末の天気は雨模様の予報でしたが、まぁ弱雨だし、今回は崩壊していない林道だから傘さしてのんびり歩けばいいや、、、と、かなり楽観的な見通しだったのですが、早朝自宅を出発した頃は霧雨程度だったのに、川根本町あたりからどんどん雨足は強くなり、6時過ぎに沼平のゲートに到着した頃には、車の外へ出るのは気が重い状況となっていました。
この時期ロッジの宿泊も予約が必要ですが、送迎バスも同様で、ロッジを予約した際歩くからとバスを断っておきながら心苦しかったのですが、携帯の繋がる白樺荘まで戻って椹島に連絡すると、運良く一番バスで下山者を送って行くので、8時頃ピックアップしてもらえることに。
また、畑薙の駐車場では雨宿りできる場所がないので、畑薙第一ダムのバス停(屋根付きの待合あり)で待っていてくださいとのことで、本当に助かりました。
お迎えのデリカの到着と前後して、ここまで私を送って来た夫と犬は帰路につき、ドライバーのHさんとお喋りしながら車中の時間を楽しみました。
椹島でのバス乗り換えの間に、避難小屋小屋閉め後は、椹島で日帰りツアーの案内等をしているエノキダさんとお会いでき、先週池の沢池に行った報告や、来シーズン以降考えているルートの相談やら、今回もまたいろいろお世話になりました。
他の3人グループの方と二軒小屋ロッジに着くと、県内の「南アの自然を愛する会」といった趣旨の団体さんがちょうど下山するところで、この時期になると椹島〜二軒小屋周辺の自然観察ツアー等がメインのようです。
早い時間にロッジ入りしてしまったため、小屋のスタッフはお掃除の真っ最中で、邪魔になってもなんなんで、部屋で荷物の整理等しているうちに眠くなってしまい、10分だけ、、、と思って横になったところ、なんと目が覚めたのは1時間半後でした、、、。
相変わらず雨も降り続いているし、全然気乗りはしなかったのですが、まぁ大丈夫そうなところまで、西俣の散策に出かけることにしました。
こんな雨の中、沢のルートを見に行くなんて、まったく褒められたことではないのですが、ここは7月に途中まで歩いていて、リニアの工事関連でトラック等がすれ違い可能な程立派な仮設林道がついていることは確認済みです。
二軒小屋発電所から問題の仮設林道に入るわけですが、だいぶ手前で崩落箇所があり、河原へ迂回路がつけられていてそこを進むものの、そこも水没してる箇所は岩を選んで適当に渡渉しました。
迂回路に復帰すると、足元でピチャっと音がし、目を凝らすとなんとイワナが!!
生まれて初めて動いてるイワナを目撃!!
西俣から外れた水流に乗ってきたようで、迂回路を跳ね回りながら必死で逃げて行きました。取ったりしないのに、、、。
せめて写真におさめたかったのですが、あまりに素早い動きに全然ついていけず、、、。
迂回路から仮設林道に復帰し、しばらく進みますが次の水没箇所では渡渉ができません。
せめて悪沢との合流地点まで、、と思っていましたが、雨も弱まりそうもないし、安全に引き返せるうちに戻ることにしました。
ロッジに戻ってからは、本を読んだり小屋のスタッフとおしゃべりしたり、お風呂に入ったり。
夕食は基本夏と同じ構成ですが、前菜やピザの具等に秋の味覚が取り入れられ、今回も大満足でした。
【最後はツラかった。でも、楽しかった林道ハイキング】
翌朝6時にスタートするはずが、起きたら6:30、、、。
大急ぎで支度をしてロッジを後にします。
この日は白樺荘まで林道+県道30km、コースタイムで9時間25分の行程。
夫と犬が白樺荘まで迎えに来ることになっていて、途中の閑蔵線の拡幅工事の通行規制が解除されるのが17時なので、お風呂にはいる時間や日没前到着を考えると、遅くても16:30には到着したいところです。
昨日とはうってかわっての青空の下、沢の音を聞きながら美しい木立の中、順調に椹島へ向かいます。
途中、フォレストの作業場をのぞいたり、朝日に照らされ輝く、黄葉の山並みにうっとりしながら楽しいハイキング。
予定より早く椹島に着いたので、お弁当にしてもらった朝食を半分食べ、受付で顔見知りのスタッフと来シーズンの再会を約束して、ここから畑薙第一ダムのバス停まで、5時間余りは、水場もトイレもないので、トイレを済ませ、出発。
牛首峠からは流れる薄い雲のなか、大好きな赤石岳の姿も。ああ、いつ見てもやっぱり素敵、、、。
時折送迎バスや工事車両等と出会うのみ。
落石に注意しながら、ひとり黙々と林道を歩き続けます。
いつもは送迎バスにゆられ、1時間の道のりを、道中の登山口を確認したり、見上げる山々の稜線の美しさに見入ったりしながら、進みます。
途中、赤石ダムと中の宿の吊り橋で休憩し、畑薙大吊り橋をすぎた頃から、それまでゆっくりながらも順調だったのに、足に異変が、、、。
右親指の付け根から甲にかけて痛みが走ります。
沼平のゲートが痛みの最高潮で、あと1時間半歩けるのか不安になってきました。
が、夫に電話をしようにもとにかく第一ダムのバス停までは自力で行かねばならず、ゆっくりゆっくり。
バス停の自販機でジュースを買い、この日最初の行動食のパンを食べ、靴を脱いで足指を回したり、甲をもんだり、伸ばしたりしているうちに、何とか大丈夫そうなので、甲の部分の靴紐を緩めて再出発。
白樺荘直前に、1台の車がやって来て、見慣れた車だな、、、と思ったら、早めに自宅を出て来た夫と犬が!!
「乗る?」との夫の悪魔のささやきに、「歩くよ、当然」だってもうちょっとだし。
15:45、無事白樺荘に到着。
行動中に足が痛くなるなんて、しかも足の甲?
本当に久しぶりでびっくりしましたが、なんとか30km歩き切りました。
通常私は単独行動はしませんし、何と言っても夫は林道嫌いなので、こんなチャンスは滅多にないと、写真をたくさん撮ったのですが、カメラがヘンな設定になっていたようで、撮った写真がどれもとんでもない大容量になっていて、、、。(号泣)
少ししか登録できず、それだけが今回唯一の心残りです、、、。
今回の膨大な写真は、自分としては面白いものばかりなので、ひとりでニヤニヤ楽しむこととします。
山の素晴らしさは、山頂や稜線だけにあるものではないと、私は思います。
沢でも、林道でも、その場にいるからこそ味わえる、美しく愛おしい素晴らしさがあり、私にはどの瞬間も大切で、それらに優劣はつけられません。
どこをどう、いつ歩こうとも、私はこの山域に恋しているし、歩ける限り、歩き続けたい。
そんな想いを、なお一層強くした次第です。
最後に、送迎担当の我が夫に。
都合2往復、10時間のドライブ。
本当にありがとう。またよろしくお願いします。
追記:
マイページの「最近の登山であったかも」→該当する記録はありません
、、、、、、。
だよねぇ。でもそれはそれでウレシかったりして。
コメント
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こんにちは、lon様
最初はどこを歩いたのか判らなかったけど、二軒小屋から西俣をリサーチして、帰りは二軒小屋から白樺荘まで歩いて来た
二軒小屋までディナーしにいくとは贅沢です
で、食べ過ぎたので歩いて帰ってきた
はロング缶がお似合いです
lonさん、こんにちは
あの林道を何時間も歩いたのですか
私も去年歩きました(吊り橋までです)が、落石の怖いこと怖いこと。
私には勇気がいりました
30km早足で歩けるようになれば、ゼロ富士行けますよ
LONさん、こんにちは。
道路(林道)歩き、いいでしょ。
険しい登山道と違って周りをゆっくり見る余裕が出来ます
からね。
私の場合夜で見えないことも多いのですが。
kohi-さんも書いてますが、ゼロ富士の道路区間は余裕でクリアですね。
20キロぐらいですから。
でも、緩やかな登り続きです。
hotten兄さん、こんばんは。
兄さんが暗闇のなか、マウンテンバイクで疾走したルートをぽくぽく歩いてきました。
この時期はいいですねぇ、初めてでしたけど。
また歩きたいです。ホント。
赤石ダムから上は、紅葉(黄葉)の見頃に入ってまして、ある種寂寥感さえ感じるシミ出すような美しさは、例えようもなく、、、。
ロング缶 、とても1本では足りないのですが、運転手に気遣って自粛しました。
うはは。
kohi-さん、こんばんは。
実は土曜の雨の影響で一部崩れた箇所があったのですが、私が椹島に到着した頃にはすっかり復旧してました。
林道だけでなく、沼平以降の県道も限られてはいますがヤバイ箇所はあるので、、、。
暗いうちだとコワさ倍増でしょうね、、、。
ゼロ富士 、特に日帰りにはこだわってないので(そもそもスピード的に無理)、静岡県人ならではのルートを模索中です。
ま、その前にもっと鍛えろ、ってところでしょうか。
永世名人、こんばんは。
ヘルニアのリハビリでお山に復帰する直前の1ヶ月は毎日20k歩いていました。
腰に負担をかけたくないので全くの空身で、午前と午後にわけてですが。
平地でのウォーキングは、山トレーニングにはならないとも言われますが、そもそも標高差もなく、足元の心配のない道路すらまともに歩けなければ、山歩けます?というのが今の個人的な想いです。
だからというか、永世名人の総合的な脚力には、「歩きのプロ」のスゴさを感じずにはいられません。
ヘルニアンなって以来、どういうタイミングで再発するのかわからないので山で自分を追い込むことはできないし、結果山行後筋肉痛になることはほとんどありません。
今回久々行動中に足に痛みを感じ、今も筋肉痛です。
面白いのは山歩きと違って、膝裏のすぐ上の太腿裏部分が一番痛い。
多分、足の運びがいつもと違うからでしょうが、この筋肉痛は結構ウレシかったりします。
ゼロ富士 、私単独での一大目標です。
永世名人には、教えを請いたいことがたっくさんあるので、今週末の「丹沢24」でお会いできますように、、、。
今日は。初めてコメントします。
リニア工事の下見ですか。JR東海から発表された内容によると、二軒小屋上流の西俣、蝙蝠岳から派生する徳右衛門岳の尾根の柳沢の対岸付近にリニアのトンネルの非常出口が設けられる予定です。二軒小屋の下流の千石大橋付近にも非常出口が設けられる予定です。それぞれ非常出口の付近には作業員用の宿舎も設けられる予定です。
西俣の非常出口からの残土は、徳右衛門岳の尾根の下に作業用トンネルを二軒小屋上流の東俣(蝙蝠岳登山口付近)まで設け、さらに東俣(蝙蝠岳登山口付近)から白根南稜線の西別当代山付近に通ずる作業用トンネルを設けて排出し、白根南稜付近に残置する予定です。
二軒小屋下流の千石大橋付近の非常出口からの残土は、大井川の下流の複数箇所に残置する予定です。もっとも残置するといっても植生をして流れ出さないようの処理はするでしょう。
このあたりは国立公園ではなく東海パルプの社有地だから地権者のOKをとれば問題はないでしょう。中部電力の二軒小屋発電所を建設する時にも、導水トンネルを西俣と東俣の上流からの水を二軒小屋発電所に導くために設けています。リニア工事はもっと大規模になるでしょう。この付近は変わるでしょう。
詳細なご説明、ありがとうございました。
今回、あえてこのルートを歩いたのは、今後リニアの工事関連で激変してしまう前に、大井川源流の険しくも美しい山の佇まいを、自分の目で見ておきたかったということもあります。
南アルプスは、来年国立公園指定50周年を迎え、また静岡、山梨、長野の3県10市町村が申請したユネスコのエコパーク登録の可否が決まり、この同じ年リニアの工事着工が予定されています。
タチの悪いブラックジョークのようです。
コメントありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。
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