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Yamareco

記録ID: 3623937
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
飯豊山

【薮山レコ】覚道の頭〜湯沢の頭〜蝉ヶ平口

2021年10月10日(日) [日帰り]
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GPS
09:06
距離
9.0km
登り
1,017m
下り
1,019m

コースタイム

日帰り
山行
7:57
休憩
0:55
合計
8:52
6:38
117
8:35
8:37
68
赤ヤシ(698m)
9:45
10:00
71
覚道の頭(800m)
11:11
11:12
53
12:05
12:22
33
12:55
13:05
79
14:24
14:34
56
15:30
蝉ヶ平登山口
覚道とは悟りへの道を意味するようだ。覚道の頭の直下に急峻な岩壁があり邪念を捨てて登り切れば悟りが開けるということなのだろう。また江戸時代に編纂された『新編会津風土記』によると西山日光寺の僧、覚道が神楽を奏でており、山の名前はこれに由来するとある。御神楽岳の周辺にはほかにも雨乞峰や山伏尾根といった地名も見られ、山岳信仰との関わりがありそうだ。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
ホタル沢右岸尾根〜赤ヤシ(698m)〜覚道の頭〜高頭は登山道のない薮尾根。
核心部は覚道の頭の北面直下になる岩壁の登攀(下りは懸垂下降必至)。
その他周辺情報 みかぐら荘で日帰り入浴
登山口へ向かう途中、最奥にある蝉ヶ平集落
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登山口へ向かう途中、最奥にある蝉ヶ平集落
駐車場のすぐ先に登山ポストがあり、栄太郎新道が始まる。
駐車場のすぐ先に登山ポストがあり、栄太郎新道が始まる。
崩落した斜面のトラバース、いきなりの緊張感。
崩落した斜面のトラバース、いきなりの緊張感。
昔の銅鉱山跡は草広場
昔の銅鉱山跡は草広場
最初のホタル沢横断箇所へ向かう、草付きのヘツリ道。滑ったら数十m下の谷底へ一直線!
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最初のホタル沢横断箇所へ向かう、草付きのヘツリ道。滑ったら数十m下の谷底へ一直線!
ホタル沢全景、先行登山者あり(元サイズ)
ホタル沢全景、先行登山者あり(元サイズ)
ホタル沢渡渉地点、黒っぽい部分(苔)が登山靴では超滑る。
ホタル沢渡渉地点、黒っぽい部分(苔)が登山靴では超滑る。
ホタル沢渡渉後、すぐ先の右斜面に取付く。左は危険な急斜面。
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ホタル沢渡渉後、すぐ先の右斜面に取付く。左は危険な急斜面。
日当たりの良い潅木薮の尾根が続く
日当たりの良い潅木薮の尾根が続く
薮の中に踏み跡やナタ目も確認できる
薮の中に踏み跡やナタ目も確認できる
左手には特徴的な笠倉山
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左手には特徴的な笠倉山
左のピークは赤ヤシの東肩(600m)、右奥がホタル沢の源頭である赤ヤシ(698m)。
左のピークは赤ヤシの東肩(600m)、右奥がホタル沢の源頭である赤ヤシ(698m)。
登って来た尾根を振り返る
登って来た尾根を振り返る
スラブ斜面の源頭に赤ヤシ。だんだん近づいてくる
スラブ斜面の源頭に赤ヤシ。だんだん近づいてくる
赤ヤシの東肩(600m)はシャクナゲ薮が茂る
赤ヤシの東肩(600m)はシャクナゲ薮が茂る
目指す、覚道の頭
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目指す、覚道の頭
覚道の頭(左)〜赤ヤシ(右)のパノラマ。急峻なスラブが東西から合わさる痩せた稜線、北五葉の並木。(元サイズ)
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覚道の頭(左)〜赤ヤシ(右)のパノラマ。急峻なスラブが東西から合わさる痩せた稜線、北五葉の並木。(元サイズ)
覚道の頭の直下にある核心部の岩壁を拡大(矢印)
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覚道の頭の直下にある核心部の岩壁を拡大(矢印)
北方向には飯豊連峰が望まれる
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北方向には飯豊連峰が望まれる
飯豊連峰(大日岳、牛首山)拡大
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飯豊連峰(大日岳、牛首山)拡大
赤ヤシの手前に数カ所の岩場の通過あり(基部から巻ける)
赤ヤシの手前に数カ所の岩場の通過あり(基部から巻ける)
赤ヤシが近づいてくる
赤ヤシが近づいてくる
赤ヤシ山頂
赤ヤシから望む北方稜線、左奥の突起は一ノ沢山(645.7m)
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赤ヤシから望む北方稜線、左奥の突起は一ノ沢山(645.7m)
赤ヤシから望む南峰稜線、覚道の頭方向。
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赤ヤシから望む南峰稜線、覚道の頭方向。
覚道の頭へ続く稜線。中央より西側の林内に踏み跡がある
覚道の頭へ続く稜線。中央より西側の林内に踏み跡がある
痩せた岩場の通過もあり(基部から問題なく巻ける)
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痩せた岩場の通過もあり(基部から問題なく巻ける)
東側は磨かれたスラブ斜面が広がる(西谷地小屋沢源頭)
東側は磨かれたスラブ斜面が広がる(西谷地小屋沢源頭)
赤ヤシを振り返る
赤ヤシを振り返る
西側の展望。大蕎麦谷沢を挟んで大森山北方稜線、背後に鍋倉山も望まれる。
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西側の展望。大蕎麦谷沢を挟んで大森山北方稜線、背後に鍋倉山も望まれる。
覚道の頭 直下の核心部。亀裂に生えた細い潅木を掴みながら傾斜50度以上の岩壁をフリーで登る。登り始めたら引き返すことは困難!極限の精神状態で呼吸を整え全神経集中で登る。
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覚道の頭 直下の核心部。亀裂に生えた細い潅木を掴みながら傾斜50度以上の岩壁をフリーで登る。登り始めたら引き返すことは困難!極限の精神状態で呼吸を整え全神経集中で登る。
右側は絶壁だ
最後の岩壁、これを登り切れば難所はクリア。覚道の頭も近い。
最後の岩壁、これを登り切れば難所はクリア。覚道の頭も近い。
見晴らしの良い覚道の頭に到着。ほっとして、しばらく精神状態を落ち着ける。(元サイズ)
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見晴らしの良い覚道の頭に到着。ほっとして、しばらく精神状態を落ち着ける。(元サイズ)
覚道の頭から高頭、湯沢の頭を望む
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覚道の頭から高頭、湯沢の頭を望む
笠倉山と湯沢源頭の険しいスラブ
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笠倉山と湯沢源頭の険しいスラブ
覚道の頭から先は少し明瞭な踏み跡が続いている
覚道の頭から先は少し明瞭な踏み跡が続いている
「山」と刻まれたコンクリート杭、林班の境界杭だろう。
「山」と刻まれたコンクリート杭、林班の境界杭だろう。
足元注意!季節外れの陽気でマムシが出てきた。
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足元注意!季節外れの陽気でマムシが出てきた。
覚道の頭から辿って来た稜線を振り返る
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覚道の頭から辿って来た稜線を振り返る
拡大、コブ状の覚道の頭
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拡大、コブ状の覚道の頭
高頭(こうつむり)直下の薮に覆われた崖。左よりにトラバースして栄太郎新道に合流する。
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高頭(こうつむり)直下の薮に覆われた崖。左よりにトラバースして栄太郎新道に合流する。
登山道に合流すれば、ひと登りで高頭へ
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登山道に合流すれば、ひと登りで高頭へ
高頭から湯沢の頭を望む
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高頭から湯沢の頭を望む
怪峰の屹立する山伏尾根
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怪峰の屹立する山伏尾根
登山道があっても痩せた岩稜が現れる、左奥は湯沢の頭
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登山道があっても痩せた岩稜が現れる、左奥は湯沢の頭
湯沢の頭。季節外れの高温と飲料水不足のため、今回はこのあたりをゴールとする。
湯沢の頭。季節外れの高温と飲料水不足のため、今回はこのあたりをゴールとする。
堂々たる山容、御神楽岳(元サイズ)
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堂々たる山容、御神楽岳(元サイズ)
紅葉が始まる西斜面
紅葉が始まる西斜面
御神楽岳方面へ続くしっかりした登山道
御神楽岳方面へ続くしっかりした登山道
川内山塊と大森山北方稜線のスラブ
川内山塊と大森山北方稜線のスラブ
これから下る栄太郎新道の尾根。下り始めは尾根が広く迷いやすい。ピンクテープで進路を確認。
これから下る栄太郎新道の尾根。下り始めは尾根が広く迷いやすい。ピンクテープで進路を確認。
湯沢源頭部のスラブ谷
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湯沢源頭部のスラブ谷
痩せた岩稜の通過
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痩せた岩稜の通過
蟻の門渡り!のような岩場、距離は短く、それほど怖くない。
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蟻の門渡り!のような岩場、距離は短く、それほど怖くない。
鎖場も多数あり
下って来た栄太郎新道の尾根
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下って来た栄太郎新道の尾根
個人的に高度感、恐怖感の強かった区間。疲労していても気を緩めず足元に注意!(前の写真の拡大)
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個人的に高度感、恐怖感の強かった区間。疲労していても気を緩めず足元に注意!(前の写真の拡大)
最後の長い鎖場。535m峰をトラバースした岩壁の下降ルート
最後の長い鎖場。535m峰をトラバースした岩壁の下降ルート
鎖場を降り切れば優しいブナ林帯へ
鎖場を降り切れば優しいブナ林帯へ
湯沢に降り、火照った身体を冷やして水を補給。それにしてもどの沢も水量少なめ。
湯沢に降り、火照った身体を冷やして水を補給。それにしてもどの沢も水量少なめ。
湯沢の出合
水が存在しないかのような、透き通った広谷川。緑の岩盤はグリーンタフ(緑色凝灰岩)
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水が存在しないかのような、透き通った広谷川。緑の岩盤はグリーンタフ(緑色凝灰岩)
覚道沢を横断
エメラルドグリーンの淵と登山道
エメラルドグリーンの淵と登山道
西谷地小屋沢を通過
西谷地小屋沢を通過
ようやく登山口に到着、緊張感から解放される。
ようやく登山口に到着、緊張感から解放される。
おわり (蝉ヶ平集落)
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おわり (蝉ヶ平集落)

感想

蝉ヶ平登山口から栄太郎新道(核心部)を通らずに赤ヤシ〜覚道の頭を薮こぎして御神楽岳方面を目指してみた。以下、ルート概況。

・ホタル沢出合〜赤ヤシ(698m):基本的に日当たりの良い薮尾根。新しいナタ目があり、うっすらと獣道程度あり。

・赤ヤシ(698m)〜覚道の頭:北五葉並木のヤセ尾根、うっすらと踏み跡あり。尾根の東斜面は急峻なスラブ地形、西斜面は樹林帯。核心部は覚道の頭の直下にある岩壁の登攀(15m)。岩の亀裂に生えた潅木薮につかまりフリーで登攀。下降は懸垂下降必至。

・覚道の頭〜高頭:北五葉並木のヤセ尾根、やや明瞭な踏み跡あり。尾根の東斜面は急峻なスラブ地形。高頭手前の急崖は左へトラバースして登山道に合流。

・高頭〜湯沢の頭:明瞭な登山道はあるが岩稜帯の通過もあり。

・高頭〜湯沢の出合(下山):標高600m付近の核心部は両側が切れ落ちた岩稜、一歩踏み外せば百メートル滑落、蟻の門渡状の岩場の通過より高度感、恐怖感あり。

・湯沢の出合〜登山口:樹林帯の中で登山道は明瞭。いくつかの小沢の横断箇所があり、苔むした黒っぽい岩は超滑りやすく注意。

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コメント

凄いとこ行かれましたね、写真拝見してるだけで緊張してきました。自分、いつだかに泡の湯先で内川に落ちてからというもの、高度感のあるところが全然ダメでして(^_^;)のらねこさんが羨ましいです。
かなり調子戻ってこられた様ですが、くれぐれもご安全にたのしまれて下さいね。次の記録もたのしみにしています。
2021/10/28 16:08
osm310様、コメントありがとうございます。当方もあまり高度感のあるコースは苦手です。奥穂高岳〜ジャンダルム〜西穂高岳は、もう行かなくても良いと思いました。それに比べれば栄太郎新道(湯沢出合〜高頭)や権現岳(糸魚川市)はまだ優しい方です。薮のない岩場は本当に怖いです。
osm310氏が探訪した烏帽子山(マイナー12名山)北方にある貫通穴の記録は大変興味深く拝見しました。後追いで他の登山者のチャレンジも見られるようですね。
2021/10/28 21:05
帰ってきたMr.ヤブ漕ぎすと=964さん。
おかえりなさいまし、御主人様♡
今回も読者の手のひらに、
ヤな汗をかかせるようなシーン散りばめられて、
これぞ!って思います。

貴兄ならと思い、別件で無礼ではありますが

11月ころの水晶峰(東蒲原の)、送電線巡視路から山頂までのヤブって、、?
距離も往復10数キロって、普通の登山道でも歩きごたえありそうな、、
   (やめときなはれ、、<オレ 

そこよりも、距離とヤブがマイルドなおすすめとかあればご教示くださいまし。
2021/10/28 22:56
hatano様、コメントありがとうございます。
朝日連峰核心部、明神ヶ岳、大塩温泉、いつもながら、なかなか渋いところ行かれてますね。
炭酸水の井戸、事故が起こってからしっかり蓋がしてありますが、ちょっと趣きがなくなったのは残念です。

自分は天神堂沢の左岸尾根(水晶峰の南尾根)しか通っていませんが鉄塔までは巡視路ありますがその先はしだいに薮化(シャクナゲ薮など)して無雪期は厳しくなっていると思います。残雪期は水晶峰直下に張り出した雪庇で南尾根接続部がギャップとなっています。ただ前回訪れた数年前は山頂部はきれいに刈り払われてびっくりでした。別のルートがあるのだろうと思っていたらosm310氏の黒松沼〜大根下ろし経由の記録を目にしました。こちらの方も距離は長いですが選択肢の一つになると思います。

実際に登られているosm310氏のヤマレコページでに直接問い合わせてみるのも良いかと思います。彼は魅力的な薮山を多数登られており、次世代の正統派の薮山後継者の一人です。「烏帽子山再訪と大穴調査」や「オーサンカイ尾根から烏帽子山」など素晴らしき結果を出しています。今後も彼の活躍には目が離せません。
2021/10/29 6:54
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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