杓子山〜鹿留山。雲海


- GPS
- 06:10
- 距離
- 12.5km
- 登り
- 859m
- 下り
- 858m
コースタイム
天候 | 朝霧のち晴れたり曇ったり |
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過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
下山路、鹿留山から二十曲峠への道は、岩のある急勾配がしばらく連続する。歩きにくい場所にはおおよそ補助ロープがつけられていてありがたいが、油断は禁物、歩きやすくはない。 |
写真
装備
個人装備 |
ザック light R
シューズ(low)
冬長袖シャツ(B)
春秋ズボン
耳帽子(N)
保温水筒
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感想
雲海が見られるか、雲の中をさまようか、この違いは微妙で、当たるときは当たり、外れるときは外れる。当たるよう行き先や日どりなどの事前準備をしないでもないが、畢竟確率のある運まかせなのだろう。山行き当日、午前中は晴れ予報で、靄のある風景を眺められるに違いないと踏んだが、当たるという確証があるはずもなかったが、行くと決めたからには状況の好転を願って。案の定、明け方は、時々刻々に変化する雲海のすばらしさに触れることができ、大きな富士山も目前に眺められ、期待通りの満足感がきた。
下山時、忍野へと登山道を下りていくと、岩の多い急斜面の連続で、厄介な道が続いたが、補助ロープなどもあり、危険ということはなかった。おそらく危険を感じることがなかったからだろう、降りている最中に、頭のなかでショパンのコンチェルト第1番の冒頭部が鳴り、鳴ったあと音は頭を駆けめぐり、その旋律がずっと消えなかった。要因は分かっている、ここ数日のあいだ何十時間とショパンを聴いたからだった。それも同じ曲を何度も。
退屈気味な山歩きは帰路に多く、惹かれるもののない道では、こんな風に頭のなかに何かが来ることが往々にしてある。それは山のせいでもルートのせいでもなく、己の自然への向き合い方が未熟だからだと強いて思うようにしているのが常なのだが、うまく対処できないのも事実だ。
インターネットの進歩発達が己の無知を自覚させるとは、やはり現代的な驚きだろうか。ネット配信でもたらされた生の臨場感おびただしいショパンコンクールの様子を初めてじっくりと見た。演奏の膨大な量と時間は、素人を覚醒させるには十分過ぎた。コンクールという枠自体の無知も思い知らされ、今回初めてその深淵を覗き込んだ思いだ。要は何ひとつ知らなかったのだが、映像を見、楽曲を聴いていると感動が来た。それはとても心地のよい感動だった。この動かされるという事態は聴楽でも、登山でも根はきっと同じに違いないだろう。久しぶりに聞きまくったその充実した長い時間は、今度は登山の欲求を促したのかもしれない。
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