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記録ID: 3829876
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雪山ハイキング
白山

【白山】加賀禅定道(百四丈滝の氷の滝壺観察)

2021年12月11日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
21.6km
登り
2,079m
下り
2,068m

コースタイム

日帰り
山行
13:10
休憩
0:30
合計
13:40
4:00
150
6:30
100
9:20
70
10:30
20
10:50
30
11:20
60
四塚山の手前付近(ホワイトアウトで折り返し)
12:20
12:50
20
13:10
50
14:00
120
16:00
100
17:40
ハライ谷登山口
雪が締まっていたため,夏季のコースタイムに近いペースで歩けていますが,これはこの時期では珍しいことかと思われます。ラッセルがある場合はこの1.5倍〜2倍以上はかかります。
天候 曇り時々雪(標高2000mより上はガスでホワイトアウト状態)
過去天気図(気象庁) 2021年12月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
石川県道53号線(岩間一里野線)の冬期閉鎖ゲート前のスペースに駐車。5台程度駐車可能だが,この時期は除雪車も停まっているので邪魔にならないように注意
コース状況/
危険箇所等
・ ここ最近の暖かい天気や降雨で1週間前より積雪量が減っており(とくに下部),標高1000mくらいでやっと雪がつながる感じ。しかもこの1週間で雪が急速に締まって,まるで残雪期のような状態になっており,美女坂を越えるまでツボ足で歩けた。
・ 2週間前に来たときは登山道に倒れ掛かった雪ヤブに苦労したが,だいぶマシになっている。ただ,ヤブが雪に埋まったわけではなく,ただ単に一旦雪が解けてヤブが元通りに立ち上がっただけのような気がするので,また雪が降ったら同じ状態になりそうな気がする。
・ 美女坂は稜線通しに直登可能だが,まだ雪付きが安定していないので,急峻な東側に落ちないように注意
夜明け前,ヘッデンを付けて加賀禅定道のつづら折れを登っていく。この1週間で雪はかなり解けてしまったようで,最初はほとんど雪がない。
夜明け前,ヘッデンを付けて加賀禅定道のつづら折れを登っていく。この1週間で雪はかなり解けてしまったようで,最初はほとんど雪がない。
1200mあたりでやっと雪がつながったが,びっくりするほど雪が締まっており,ツボ足で歩ける。(数日前のものと思われるワカントレースあり。よどみない適確なルート取りで,大変助かったが,標高1300m地点で途切れた。)
1200mあたりでやっと雪がつながったが,びっくりするほど雪が締まっており,ツボ足で歩ける。(数日前のものと思われるワカントレースあり。よどみない適確なルート取りで,大変助かったが,標高1300m地点で途切れた。)
檜の新宮にお参り。2週間前までは屋根に雪がたっぷり乗っていたが,やはり溶けてしまったようだ。
檜の新宮にお参り。2週間前までは屋根に雪がたっぷり乗っていたが,やはり溶けてしまったようだ。
しかり場を越えたあたりで夜が明け,雪尾根を辿っていく。やはり雪はかなり締まっており,まるで残雪期のようにツボ足で歩ける。先週の楽々新道ではモモまで没するラッセルがあったのに,信じられないくらいだ。
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しかり場を越えたあたりで夜が明け,雪尾根を辿っていく。やはり雪はかなり締まっており,まるで残雪期のようにツボ足で歩ける。先週の楽々新道ではモモまで没するラッセルがあったのに,信じられないくらいだ。
重畳たる加賀禅定道の稜線の向こうに見える白山本峰は,残念ながら厚いガスに覆われている。少しでも晴れてくれるといいけど…。
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重畳たる加賀禅定道の稜線の向こうに見える白山本峰は,残念ながら厚いガスに覆われている。少しでも晴れてくれるといいけど…。
クマさんの足跡と,ナナカマドの実をいっぱい含んだ赤いクマ糞。まだ起きておられるようです。ご注意ください。(でも確か,ナナカマドの実って毒があるんじゃなかったっけ?)
クマさんの足跡と,ナナカマドの実をいっぱい含んだ赤いクマ糞。まだ起きておられるようです。ご注意ください。(でも確か,ナナカマドの実って毒があるんじゃなかったっけ?)
奥長倉避難小屋が近づいてきたが…うーん,全然ガスが取れないな。百四丈滝,見えるだろうか。
奥長倉避難小屋が近づいてきたが…うーん,全然ガスが取れないな。百四丈滝,見えるだろうか。
奥長倉避難小屋に着。2週間前は屋根に雪が載っていたのだが,ここも溶けてしまったようだ。
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奥長倉避難小屋に着。2週間前は屋根に雪が載っていたのだが,ここも溶けてしまったようだ。
今回も,冬季用入り口がやはり半開きになっていた。どうやら,何かの拍子に自然に開いてしまうようだ。閉めておきました。
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今回も,冬季用入り口がやはり半開きになっていた。どうやら,何かの拍子に自然に開いてしまうようだ。閉めておきました。
奥長倉山を通過。やっぱりこの時期のオオシラビソには新雪がたっぷり載っていないと寂しいなぁ。
奥長倉山を通過。やっぱりこの時期のオオシラビソには新雪がたっぷり載っていないと寂しいなぁ。
美女坂に差し掛かる。今日は雪がよく締まっているので,比較的楽に登っていける。
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美女坂に差し掛かる。今日は雪がよく締まっているので,比較的楽に登っていける。
美女坂のもっとも切り立った箇所。小さな雪庇に注意しながら,稜線通しに通過していく。(夏道が稜線西側を巻いている箇所です。)
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美女坂のもっとも切り立った箇所。小さな雪庇に注意しながら,稜線通しに通過していく。(夏道が稜線西側を巻いている箇所です。)
もっと積雪が増えればヤブが埋まって,簡単に登れるようになるのだが…。ヤブにひっかかって転んで滑落しないように,慎重に登っていく。
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もっと積雪が増えればヤブが埋まって,簡単に登れるようになるのだが…。ヤブにひっかかって転んで滑落しないように,慎重に登っていく。
おっ,一瞬だけ青空が。晴れてくれるといいなぁ。
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おっ,一瞬だけ青空が。晴れてくれるといいなぁ。
美女坂の頭に到着。2週間前と積雪はほとんど変わっていない。150cm〜200cmといったところか。
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美女坂の頭に到着。2週間前と積雪はほとんど変わっていない。150cm〜200cmといったところか。
おや,ちょっとガスが薄くなってきたか?
おや,ちょっとガスが薄くなってきたか?
おおっ,晴れた!
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おおっ,晴れた!
悪天の山でもそれなりに楽しいのだが,やはり晴れた山はもっと嬉しい。
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悪天の山でもそれなりに楽しいのだが,やはり晴れた山はもっと嬉しい。
下界の眺望も次第に開け始めた。
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下界の眺望も次第に開け始めた。
笈ヶ岳はまだ雲を被っている。
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笈ヶ岳はまだ雲を被っている。
ガスが飛んでいく。
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ガスが飛んでいく。
オオシラビソの森を縫っていそいそと歩いて行くが…
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オオシラビソの森を縫っていそいそと歩いて行くが…
あ,あらら,またガスが…
あ,あらら,またガスが…
次の瞬間にはこのとおり。
結局,晴れたのは先ほどの一瞬だけで,その後はずっとガスでした…。
次の瞬間にはこのとおり。
結局,晴れたのは先ほどの一瞬だけで,その後はずっとガスでした…。
天池付近。もちろん,池はとうの昔に凍り付いて,ただの雪原となっている。ストックを立ててあるのが池の中心付近です(といっても,真っ白で何が何だか,と言う感じだと思いますが…)。
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天池付近。もちろん,池はとうの昔に凍り付いて,ただの雪原となっている。ストックを立ててあるのが池の中心付近です(といっても,真っ白で何が何だか,と言う感じだと思いますが…)。
油池付近。まだかろうじて稜線の見分けがつく…。
油池付近。まだかろうじて稜線の見分けがつく…。
四塚山手前の長坂付近。あー,だめだこりゃ,完全なホワイトアウト。天地の区別もつかない。加賀禅定道の上部は木立が少ないので,冬季にガスると本当に真っ白になってしまう。
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四塚山手前の長坂付近。あー,だめだこりゃ,完全なホワイトアウト。天地の区別もつかない。加賀禅定道の上部は木立が少ないので,冬季にガスると本当に真っ白になってしまう。
本当は行けるところまで行こうと思っており,雪も締まっていたので御前峰まで行けるのでは?とか思っていたのだが,このホワイトアウトではこれ以上突っ込むのは気が引けるし,第一歩いていても面白くない。残念だけど,引き返しましょう。
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本当は行けるところまで行こうと思っており,雪も締まっていたので御前峰まで行けるのでは?とか思っていたのだが,このホワイトアウトではこれ以上突っ込むのは気が引けるし,第一歩いていても面白くない。残念だけど,引き返しましょう。
ということで引き返して,百四丈滝の見物。
相変わらずのガスの中,テルモスの紅茶で暖を取りながら20分ほど粘っていると…おっ,ガスが切れてきた!
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ということで引き返して,百四丈滝の見物。
相変わらずのガスの中,テルモスの紅茶で暖を取りながら20分ほど粘っていると…おっ,ガスが切れてきた!
おお,見えた見えた! 今年も滝壺のドーナツ型の氷は順調に成長し始めているようだ(でも去年よりは発達が遅いかも?)。写真では色があまり出ていないが,肉眼で見ると滝壺の氷は鮮やかな蒼氷で美しい。
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おお,見えた見えた! 今年も滝壺のドーナツ型の氷は順調に成長し始めているようだ(でも去年よりは発達が遅いかも?)。写真では色があまり出ていないが,肉眼で見ると滝壺の氷は鮮やかな蒼氷で美しい。
ちょっと引いた画。滝の上には穏やかな清浄ヶ原の雪原が広がり,一幅の絵画のよう。
今日は比較的暖かいせいか,滝の落ち口の巨大ツララが頻繁に落下して,下の滝壺の氷にぶつかっては凄まじい音響を立てており,なかなかスペクタクルだった。
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ちょっと引いた画。滝の上には穏やかな清浄ヶ原の雪原が広がり,一幅の絵画のよう。
今日は比較的暖かいせいか,滝の落ち口の巨大ツララが頻繁に落下して,下の滝壺の氷にぶつかっては凄まじい音響を立てており,なかなかスペクタクルだった。
さて,百四丈滝の氷壺の様子も観察できたし,帰りましょうかね。
しかし,加賀禅定道ですっきり晴れたことってあんまりないな。相性悪いんだろうか…。
さて,百四丈滝の氷壺の様子も観察できたし,帰りましょうかね。
しかし,加賀禅定道ですっきり晴れたことってあんまりないな。相性悪いんだろうか…。

装備

備考 ・スノーシュー使用。ただし,雪が締まっていたため美女坂を越えるまではツボ足でも歩けた。今回の行程ではアイゼンは不要。

感想

 この時期は登山するには悩ましい季節だ。積雪がまだ十分でなくヤブが埋まり切っていないので,歩きたい尾根を自由に歩き回れるわけではない。それでも,真っ白な新雪の斜面を見に行きたくなる。そうなると,いきおい登山道の付いている尾根に足が向くことになる。
 加賀禅定道は,2週間前に歩いたばかりなのだが,その際は激しい吹雪の最中でほとんど何もできずに下ってきた(新雪の中を歩いているだけでも,楽しいことは楽しいのだが)。百四丈滝の滝壺の氷の発達具合も観察できなかったのが心残りだったので,もう一度登ってみることにした。
 登ってみて驚いたのが,この1週間でびっくりするほど雪が締まり,ときどき踏み抜きがあることを除けば,まるで残雪期のようにツボ足ですいすい歩けてしまったことだ。1週間前までモモまで埋まるくらいの深いラッセルがあったというのに,本当に雪は生き物だなぁと思う。
 残念ながら今回もすっきりしない天気で,晴れ間は一瞬だけ,たびたび湿った雪も舞い,標高2000m以上は終日濃いガスに包まれて,天地の区別もつかないくらいのホワイトアウトにより四塚山手前で折り返しとなってしまったが,百四丈滝は何とかガスの合間から眺められたので良かった。今年も滝壺の蒼氷はドーナツ状に盛り上がり始めており,今後の発達が楽しみだ。
 今日は気温が高かったせいか,百四丈滝の上部に張り付いた巨大ツララが何度か落下して滝壺の氷にぶち当たり,森閑とした雪景色の中に凄まじい大音響を響かせていた。初冬の百四丈滝が人知れず演じる壮絶な一場面を垣間見た気がした。

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