三億円事件現場探訪 ポタリング編


- GPS
- 01:22
- 距離
- 16.8km
- 登り
- 30m
- 下り
- 42m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
|
写真
感想
三億円事件のミステリーのひとつとして、現金輸送車に乗った4人の行員が、「なぜ簡単にニセ警官に騙されたのか?」という疑問があります。実はこれには犯人の巧妙かつ壮大な伏線があったのです。
12月6日に日本信託銀行国分寺支店長あてに、一通の速達の封書が届きました。内容は300万円を要求するもので、それが果たされなければ支店長の巣鴨の自宅を爆破するというものでした。300万円を女子行員に持たせ、12月7日の18時30分までに小金井第二浄水場に持ってこいと書かれていました。警察は女性警官を女子行員に扮装させ、警官約50名を現金受け渡し場所の周辺に張り込ませましたが、犯人は現れませんでした。
しかし、この事実は支店内の行員全員に通達され、時限爆弾の時計の針の音に注意するよう指示が出されていました。この布石があったために、ニセ警官の「巣鴨の支店長の家が爆破されました!この車にも爆弾が仕掛けてあるかもしれません。シートの下を調べてください!」との言葉を行員は信じたのです。
さらに、犯人は12月6日の支店長への脅迫以外にも、多摩農協を中心に、4ヶ月にわたって実に8回も脅迫を行っています。それを下記に示します。
4月25日 多摩農協 150万円
5月25日 多摩農協・府中市役所東部出張所 300万円
6月14日 多摩農協・寝具店「綿新」 300万円
6月25日 Y氏宅・Y歯科医院 放火犯行声明&放火予告
6月25日 多摩農協・府中ガスKK 400万円・大量殺人予告
7月25日 多摩駐在所 爆破予告
7月25日 多摩農協・A氏宅 300万円
8月22日 多摩駐在所 放火予告
12月6日 日本信託銀行国分寺支店長 300万円・爆破予告
今日はこの多摩農協・日本信託銀行脅迫事件の関係箇所を中心に、クロスバイクで府中市を巡ってきました。
当時の特捜本部は数々の失態を犯しています。まさに「踊る大捜査線」のようなエリート警察官の失態が多く繰り広げられたのです。例としては、「多数の遺留品を根拠とする楽観論」、「初動捜査の段階で指紋に対する意識が飛んでいた」、「捜査一課と捜査三課の縄張り争い」、「他県警察との連携不足(連携なんか無かった?)」、「100万円分の紙幣番号の公表」、「多磨霊園の根拠なき大捜索」、「カローラ多摩五郎を4ヶ月も発見できなかった小金井署と特捜本部の連携不足」、「少年S捜査における特捜本部と立川署の連携不足」、「逮捕歴のある人間の写真にヘルメットを合成しただけの稚拙極まりないニセ警官の有名なモンタージュ写真」、「単独犯説に固執する鬼刑事の登用」、「捜査とは根性ですとする警視庁の考え方」、「根性捜査の末の過労による警官2名の殉職」、「3億円のために10億円の捜査費用をかけ、4冊の捜査報告書ができただけ」などなど、枚挙にいとまがありません。あまりにも多くの捜査員とそこからあがってくる捜査報告の多さに、幹部の処理が追いつかなくなり、「誰が何を捜査しているのか誰にもさっぱり分からない」という、大組織が陥りがちな状況に完全にはまり込んでしまっていたのです。
極めつけは、警察とマスコミが連携して大失態を犯した、府中の運転手K氏の世紀の誤認逮捕&歴史的誤報です。特捜本部は、事件の約1年後、K氏を容疑者とし、その情報をマスコミにリークした末に、K氏を1969年12月12日に別件逮捕しました。マスコミは「三億円事件の犯人ついに逮捕!」と派手に報道しました。その後K氏に明確なアリバイがあることが判明し、歴史的な誤認逮捕・誤報となったのです。その後もマスコミによる過剰な取材や報道、周囲の人間の偏見等によってK氏は苦しみ続けます。そしてついに2008年9月に自殺してしまいました。
報道の自由という旗印のもとに行われる「言論による暴力は」本当に憎むべきものだと自分は考えます。
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