苦土川井戸沢
過去天気図(気象庁) | 2008年07月の天気図 |
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写真
感想
6時半に上尾を出発し、9時半、林道奥に到着。
林道を早足で歩き、入渓点の苦土川を渡る木橋に10時15分に到着。
装備を整え、10時半に流れに足を踏み入れた。
入渓後、直に、左手から井戸沢が流れ込む。
貧弱な出合いで、評判の美渓の存在を想像するのは難しい。
ゴーロを遡行すること10分、全く難しくないF1が堰堤のように現れる。
さらに、5分、井戸沢で一番難しいF2、20m滝。
左手の壁を偵察するも、ハーケン無し。
残置シュリンゲを利用しながら、右手を小さく高巻いて、滝を越えた。
その後は、5m〜20mくらいの滝が、断続的に現れ、
どれもが高巻きを必要とせず、快適に登れる。
この沢の素晴らしさは、上空が開けていること。
青空と、遠くの山並みや下界を眺め眺め高度を稼ぐことができる。
スダレ状の滝を思い思いに登る開放感は、なかなか他では見つけることができない。
水流が細くなってくると、ジャコウソウやキンバイ、ドウダンツツジの仲間など、多くの花々が我々を迎えてくれた。
水がなくなって、ニッコウキスゲがお出迎え。笹原の中の踏み跡を5分ほどたどると、
たおやかな尾根の草原を通る登山道に飛び場した。
時計を見ると13時半。3時間の遡行であった。
登山道を流石山、大峠へと歩みを進める。ニッコウキスゲの大群落。フウロソウ、ノコギリソウ、シモツケ、シャクナゲ。
今を盛りに草花が咲き競い、お花畑は佳境を迎えていた。とにかく美しかった。
大峠からは、樹林に入るが、そこでも、ミヤマオダマキの個性的な、宇宙ステーションのような花が、僕らを楽しませてくれた。
少々、アップダウンのあるトラバース気味のハイキングコースを歩くこと30分、14時45分に中ノ沢の渡渉点についた。
中ノ沢は、ナメ滝の続く癒しの沢で、下降に使うパーティが多いらしい。僕らも、癒しを求めて、再び、沢に足を踏み入れた。
最初は、ゴーロ歩きで、なれないメンバーは大変そうだが、水の音をききながら、山を降りるこの幸せ。
15分程で、ナメ床がでてきて、サラサラと一枚岩を水が優しく流れ落ちている。
時間がたつのを忘れ、今、自分がどこにいるのかも判らなくなりながら、重力にこの身を任せて、滑るように、川を黙々を歩いた。
やさしい流れに包まれて、幸せを噛み締める。
ゴルジュになったり、開けたりしながらも、ナメ床は続く。
天下の名渓、米子沢の大ナメ以上の長さがあるのではないだろうか。
那須の山のふもとに、こんな素敵な沢があったなんて・・・。
やがて、ナメ床がゴーロに変わり、見覚えのある木橋に出会って、16時半、沢の下降が終わった。
明るい滝の連続する井戸沢遡行、お花畑の流石山の尾根、恍惚感に浸れる中ノ沢下降。
これらの思い出を反復しながら、小一時間歩き、17時半、車にたどりついた。
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