爺ヶ岳・東尾根(敗退)
- GPS
- 13:34
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 1,267m
- 下り
- 1,263m
コースタイム
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
08:33 鹿島山荘
10:53 1476mピーク 10:53
12:25 JP(1766m) 12:46
14:09 P3(1978m)
15:10 2045m付近(幕営)
●1月5日(日)
07:20 2045m付近の幕営地点
08:18 2162m付近撤退地点 08:23
08:58 2045m付近の幕営地点(撤収) 10:41
11:17 P3(1978m) 11:17
11:54 JP(1766.9m)
12:35 1476mピーク
13:47 鹿島山荘
天候 | 1月4日(土):雪→曇り 1月5日(日):午前は快晴→午後から曇り 下界は晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 鹿島山荘にあり。 【コース状況】 ※コースは全般的に赤テープが頻繁にあるので迷うことはないでしょう。 ※この時季、雪はサラサラで強風と降雪でトレースはすぐに消えてしまいます。 ●鹿島山荘〜1476mピーク 鹿島山荘の脇から歩き始めるとすぐにおばばの石碑と 「東尾根を経て爺ヶ岳へ至る冬山探査路」と書かれた道標が立っています。 ここから樹林帯に入り堰堤の右手を進むとほどなく急登となります。 この急登は1250m付近まで標高差約300m続きますが、 今回の山行で第二の核心部とも言える超急登です。 登りは一歩ずつステップを作りながら登らないと滑り落ちてしまいますし、 下りは降りると言うよりも雪と一緒にずり落ちると言った方が正しい感じでした。 下りは面倒でもアイゼンを付けた方が良いかと思います。 1250m付近で東尾根に乗り、1476mピークまで樹林帯の中を着実に高度を上げていきます。 1250mからは危険箇所もありませんが雪の量は多いです。 ●1476mピーク〜JP(1766m) 緩やかな尾根道が続きます。いくつか小ピークがあり、軽いアップダウンを繰り返します。 高度を上げるにつれ、雪はさらに深くなります。 自分はツボ足で頑張りましたが、ワカンやスノーシューがあるといいでしょう。 JP(1766m)付近には幕営適地あり。 ●JP(1766m)〜P3(1978m) JP(1766m)付近から樹林は疎らになり、風が吹き付けるようになります。 この辺りから雪質がサラサラのため、付けた傍からトレースは消えていきます。 また、風の向きが一定ではなく雪庇の発達の方向もバラバラ。 ツボ足だと場所によっては腿程度まで踏み抜いてしまうので、 JP(1766m)から上ではワカンを使用しました。 JP〜P3までの間には幕営の適地が随所にあります。 ●P3(1978m)〜2162付近撤退地点 P3(1978m)から比較的平坦な尾根を進んだ後、2000m付近から斜度を上げ、 2045m付近でいったん平坦になり再びP2に向かって急登となります。 この急登の雪質が安定しておらず、ワカンでは滑り落ち、 アイゼンで蹴り込むと周辺の雪ごと崩れ落ちてしまいます。 雪とハイマツの空間に腰まで踏み抜いてしまい、体のバランスを保ちづらくなりました。 これ以上進むのは危険と判断し、P2直前の痩せ尾根の途中で撤退を決意。 下りも一歩ずつ足場を確認してクライムダウンする必要がありました。 |
写真
感想
今年の初登りは厳冬期の爺ヶ岳東尾根に単独で挑戦してきましたが、
敢えなく敗退しました。
1日目。
小雪がちらつく鹿島山荘より東尾根に取り付くといきなりの激急登。
木に抱きつきながら一歩ずつステップを作っていかないと滑り落ちてしまいます。
1250mを越え東尾根に乗ってようやく急登は落ち着きます。
途中2人組のパーティーとすれ違いました。
「胸ラッセルで進めず、2400m付近で敗退。
昨日もテント張った後にトレースを付けに行ったけど
朝には完全に消えていた。」とのこと。
取り付きからはトレースがあったので「こりゃ行けちゃうかも」
という甘い考えが吹き飛びました。
結局2日間で出逢ったのはこの1組のパーティーのみで、
2日目は誰も入山しませんでした。
JPを過ぎると先ほどのパーティーが付けたトレースも風と雪ですでに無くなりかけてます。
先の状況が思いやられますが、ワカンを装着して前進。
ラッセルが続き、亀の歩みで2045m付近に到着。
先ほどのパーティーの幕営跡と思われるところを整地し直し、利用させていただきました。
本日はここで行動終了。依然として雪は降り続き、風が少し強いのが気になりますが、
明日の好天を信じて食事後眠りに就きます。
2日目。
寒くてなかなかな体を起こせないけど、思い切ってテントから外を覗くと
昨日とは打って変わって黎明の紺碧の空の中、白く浮かび上がった鹿島槍が見え
俄然テンションが上がります。
慌てて支度をしてテントを飛び出しますが、雪が深く脆く思うように進みません。
ワカンからアイゼンにチェンジして、蹴り込んでも足元が崩れてしまい体のバランスが崩れます。
しかも両側は切れ落ちた痩せ尾根。これ以上進むと危険だと判断し撤退を決めました。
単独でのラッセルで進めるスピードも極めて遅く、
この調子だと到底往復はできそうにもありませんし。
引き返す時には行きに付けたトレースなど当たり前のようにありません。
この時季の北アルプスの難しさが身をもって分かりました。
幕営地まで戻り、ゆっくり撤収してザックを背負う頃には
雲が上がってきてしまいました。
戻りもJP付近まではワカンでのラッセルで下ります。
最後の激急登の下りは登りよりもさらに慎重さを要しましたが、
何とかツボ足で無事下山。
爺ヶ岳・東尾根。
この時季に単独で挑戦するには圧倒的に実力不足でした。
午前中に神々しいまでの鹿島槍の姿を間近で見られただけでも良かったのかな。
でも…もっとできたかもしれない、本当に自分は力を出し切ったのか?
今、悔しさがこみ上げてきました…。
あめましておめでとうございます〜
今回は相方さんはいかずソロだったんですね。
無念の撤退でしたが、ソロで行かれるなんですごいですよ!
素晴らしい写真もありがとうございました。
私は暖かくなった頃に爺ヶ岳は行こうと思ってましたが、写真みてさらに行きたくなりました。
今度はラッセル要員として私をよんでくださいませ
今年もよろしくお願いします〜
bunacoさん
あの超急登で万歳ラッセルですか!
さらに1250まで2人で4時間半とは本当に大変でしたね〜。
それに比べると今回の自分は条件に恵まれていたようですが、
やはり厳冬期の東尾根は甘くないということが身をもって分かりました。
残雪期の薮が出過ぎていないタイミングで、
再チャレンジでれば、と思っています。
鹿島山荘、やっぱり営業していないのですね。
テロンとしたカーテンが掛かっていたりして、
生活感があるような無いような…そんな感じでした。
じゃあ登山ポストも運用されているかどうか微妙ですね。
コメントありがとうございます!
maedatomoさん
こんばんは。
コメントありがとうございます!
komemameは所用があり、今回は久々の単独での雪山テン泊でした。
さらに5日の北アは晴れ予報で、こんなチャンスは次いつ来るか分からない、
ということで行ってみました。
東尾根の爺ヶ岳山頂までまっすぐ突き上げる様と
真っ白な鹿島槍がとても印象的で、
撤退したことにより、ますますこのルートへの想いが募りました。
さらにmaedatomoさんのラッセルがあると心強いですね〜(笑)
maedatomoさんはこの年末年始、
霞沢岳に西穂と充実感たっぷりの山行を重ねていらっしゃいますね。
こちらこそ、今年もよろしくお願いします!
素晴らしい写真ばかりですね〜!
東尾根で迎えるモルゲン!目茶苦茶惹かれます。
これが見られただけでも満足してしまうかも。。
厳冬期の北アはよほど運が良くないとなかなかピークにはたどり着けませんね。
近いうちにチャレンジしてみます。
LEGACYさん
はじめまして!
写真、お褒めいただきありがとうございます。
LEGACYさんのおっしゃる通り、
モルゲンの鹿島槍を間近で見られただけで
満足しちゃうのが東尾根の核心かもしれませんね(笑)
でも、後から悔しさがこみ上げてきました。
LEGACYさんの記録楽しみにお待ちしております。
ボクも近いうちにもう一度チャレンジできればと思ってます。
コメントありがとうございます!
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