津久井城山・歴史ウォーク
- GPS
- 04:28
- 距離
- 6.1km
- 登り
- 344m
- 下り
- 366m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
普段は通行止めになっている城山本来のメインコース、王手道(馬道)を歩く。馬が歩いた道なので案外傾斜が緩く、歩きやすい。竪堀を二か所わたるが、かつては橋が架かっていたらしい。今は橋がないのでやや歩き難いが、慎重に越えれば大丈夫。ただし普段は開放していない。トイレはパークセンター付近と山頂付近のほか、根小屋諏訪神社側入り口付近や御屋敷上の中腹などにもある。 |
写真
感想
右手親指付け根の骨折は回復に向かっているが、左ひざの変形膝関節症がなかなか改善せず、リハビリに励む日々が続く。こうした状態でも歩けそうな津久井湖城山の歴史ウォークに参加した。城山は何回か来ているが、歴史ツアーは初めて。久しぶりだったので、橋本駅でのんびりしているうちにバスが出てしまい、あわてて次のバスで北根小屋に向かったが、センターに向かって歩いているうちに時間に遅れているのに気付く。ケータイで連絡したらこれから解説が始まるという。急いで坂を下ってセンターに。スライド解説中だった。津久井城址の歴史と遺構の概要を解説し、外に出て江戸時代の陣屋跡(現在の研修センターの下)に関する解説ーー研修棟の基礎工事で遺構が発見され、発掘調査が行われた。3間3間の大きな陣屋で、この地域の代官の執務と城址が使われないよう監視していたようだ。新田開発も行われた。そこから出発し、最初に牢屋沢を渡る。罪人の水牢があったという。夏場でも3か月つかると歩けなくなったそうだ。橋の基礎の遺構が発掘されている。土塁跡を見て、デッキ道を進む。このデッキは城址の遺構を破壊することが少ないよう工夫され、建造された。動物も下を通ることができ、デッキの基礎はピンファウンデーションという方式で、極力地面を壊さないよう工夫されている。デッキの途中に竪堀があり、これも発掘で確認されたようだ。古地図には出ているが、その目的は防御用なのかどうか、詳細はいまだ不明らしい。また竪堀は北条氏の城にはほとんどない方式で、武田氏の築城にみられることから、この城の最初の主は武田氏の関係ではないかという。北条氏に近い内藤氏が廃城までおさめていたものの、秀吉軍の小田原攻めの時に動かなかったのは、秀吉軍に抑えられていたという説と、意図的に動かず、八王子城落城直後に開場していることから、北条、秀吉両方につながっていたという説も有力のようだ。周辺住民も両方に納税しているという話もある。
デッキから山頂コースに入り、途中、王手道の踏み跡に入る。これはかつてはメインルートで馬道とも言われたようだ。馬も通る道なので意外と傾斜は緩く、途中竪堀を二か所わたり、平坦地に出る。ここはタイラク主水と呼ばれる曲輪のある場所で、タイラクという武士が大声で叫んで下に連絡した場所らしい。一ノ門も遺構もあるようだ。ここから最後の急斜面を登って山頂に出た。昼食休憩。山頂の本城曲輪(のちにつけられた名称だが、高射砲台や電波塔建設の工事で遺構は破壊されて詳細は不明らしい。周りをかこっている土塁は、発掘調査で山頂を削ったものでなく、積み上げたものであることは判明している。山頂にある石碑は江戸後期に地元有力者の島崎氏が巨費を投じて建立したもののようだ。山頂からは電波塔を移設(城址を守るために地元の要望で移設)した峰の薬師や高尾の稜線、さらに八王子城址や奥多摩などが展望できる。山頂付近やその下の土蔵跡付近には戦国時代の築城した時の基礎の周囲に配置した山石(四角い石)や川石(丸い)が残っており、その下に大量の石が基礎として敷き詰められていたそうだ。また土蔵の入口の通路の下の谷には、道を支える石積みの遺構があるそうだが、険しいのでそこまではいけない。引き橋跡から太鼓曲輪を経て飯縄神社に向かう。神社の氏子総代も参加しておられた。
飯縄神社は長野の飯縄山が本家だが、戦国時代は軍神とあがめられ、高尾山もご本尊は飯縄社だ。日野駅裏には飛飯綱があり、城山も軍神である飯縄神社がある。さらにその先には烽火台と鐘撞き堂跡があり、烽火台の実験で八王子城址から目撃できたという。さらに宝ヶ池から鷹射場まで進み、引き返す。宝ヶ池は重要な井戸があり、古来涸れることなく現在に至っている。戦国時代には刀を研ぐので白く濁っていたという。今は茶色く濁って、ガイド氏は飲む勇気がないという(笑)。八王子城址では水攻めが有効だったというが、そこでも山頂付近に井戸があったようだが、やや遠かったのか??鷹射場は江戸時代に木が復活して鷹が来るので将軍に献上するための鷹捕獲場になっていたようだ。鷹取山という山の名は丹沢や藤野あたりにもたくさんある。
下山の前に大杉に立ち寄るーーしかし昨年夏の落雷で落命ーー焼け残った根本だけが残されるーー雷を一身に浴びて城山を守ったと地元ではささやかれているようだ。下山の男坂は通常ならなんでもない下りではあるが、膝痛には結構堪えた。なんとか下山し、パークセンターの動物・生き物担当の清水氏にあいさつして帰路についた。
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