板橋石器時代遺跡歩き
hirokok510
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体力度について
- GPS
- 05:10
- 距離
- 20.9km
- 登り
- 73m
- 下り
- 94m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
東京は広い。板橋区をこんなに歩いたのは初めてで、遺跡やニリンソウ自生地など、予想もしない23区内の探索でした。 |
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感想
二日前の三鷹・調布の史跡・遺跡巡りに続いて、今度は板橋区の旧石器・縄文遺跡の見学会に参加した。小竹向原駅に集合し、最初にエンガ堀沿いの道（現在は暗渠）を辿る。かつての用水の合流点から根ノ上遺跡に出る。ここは板橋区立小茂根図書館前庭の「遺跡公園」のような感じだ。昭和10年代から遺跡の存在が知られ、開発事業に先立つ昭和59年の発掘により、旧石器時代から太平洋戦争時代までの遺構・遺物が発見されたようだ。特に弥生時代の環濠集落と思われる住居跡や環濠跡の遺構は当時の生活状況をよく保存している。住居は火災にあってその時点の状況がそのまま残されていた。環濠は図書館の中の床にタイルでその位置が示されている。出土した弥生土器とともに区の文化財にしてされているようだ。解説板のわきにはお米の籾の入った器を持つ弥生女性の像がある。根ノ上遺跡から茂呂遺跡に向かう。石神井川に向かって進み、環七を渡る。北東側に低くなっている辺りが石神井川のようだ。石神井川にかかる茂呂橋に出る。その少し北東側に宝川（桜川ともいう）と石神井川の合流点があり、逆の西北側（上流部）に茂呂遺跡がある。川に沿って少し歩くと、茂呂遺跡のある都立城北公園（上板橋公園）がある。残念ながらこの遺跡は通常、保護されて入れないようになっている。今回は残念ながら入ることはできなかった。都主催の見学会などで見るチャンスがあるようだ。この遺跡は1949〜50年（昭和24〜25年）の発掘で旧石器時代の存在が明らかになった群馬の岩宿遺跡についで、東京でもその存在を確認する重要な発見だった。岩宿の旧石器遺跡発掘の1年後、茂呂山（オセド山）の切通に露出したローム層から黒曜石製石器と礫群を発見した滝沢少年（当時中学生で後の考古学者）の報告を受けて、明治大学考古学教室と武蔵野郷土館の合同調査でローム層内の石器群が確認された。特にナイフ形石器は「茂呂型ナイフ石器」として知られている。この給料の一部は都の史跡に指定され、また区の登録記念物となっている。
さて、茂呂遺跡から少し石神井川の上流に向かうと、都立城北公園内で板橋から練馬区に変わり、栗原遺跡がある。この遺跡は旧石器（黒曜石製石器など）から縄文時代の遺構、さらに弥生から平安にかけての竪穴住居以降も出ている。古墳時代以降の有力者の居館や大きな墓はよく知られるが、一般の住民は縄文の定住集落とあまり変わりない竪穴式住居で生活していたことがわかる。この遺跡は昭和30年、立教学院運動場建設に伴う調査で発見され、32年には東京大学の藤島博士の設計で住居跡が復元されたと書かれている。これで前半の遺跡見学は終了し、桜川沿いに上板橋駅に向かう。途中、新川越街道（国道254号線）を渡るところに「五本ケヤキ」を見る。建設前、地主がこのケヤキを残すことを条件に土地を手放したのだそうだ。現在は1本が枯れ、若い木が植えられている。
上板橋駅から成増まで東武線で移動し、駅前バス停からバスで区立郷土資料館に向かう。駅前のセイユーで食べ物を買い足した。区立美術館バス停で下車し、赤塚ため池公園内にある資料館まで歩く。手前に釣堀池と不思議な石の祠のようなものや、幕末に幕府が購入した大砲が置いてある。中に入ると館長で縄文の考古学者である秋山氏が出迎え、展示解説をしてくださった。
郷土資料館の事業の大まかな説明の後、板橋区の地形的特色から、遺跡が多いこと、都内では世田谷、大田、杉並に続いて4番目に多いのだそうだ。起伏の多い地形でたくさんの川と段丘が発達し、水や食料が容易に得られたために太古から人が住み付き、集落が開かれたのだ。また氷河期が終わって縄文前期には平均気温が二℃くらい上がって海浸が起こり、この辺りは石神井川沿いに海が上がってきて、貝塚が多くみられるということだ。展示品の中で、縄文石器である石剣が目に留まった。数日前に群馬のかみつけ塾で大工原先生の「石棒・石剣」に関する講演を聞いたばかりだからだ。館内の石器や土器の解説の後、外に出て赤塚城址や貝塚の解説をしていただいた。貝塚は城址の斜面から発見されたらしい。赤塚城址は武蔵千葉氏の城で、古川公方足利成氏と関東管領の上杉家との大乱に巻き込まれて各地を転戦、太田道灌や後北条氏に従い、最後は豊臣方に攻め滅ぼされた。秋山氏にお礼を言って、資料館を後にし、高僧道路の下にあるニリンソウ自生地（都立赤塚公園内）を見ながら散策、ニリンソウの他に、オドリコソウ、クサイチゴ、ヤマブキソウ、ホウチャクソウなど、23区内ではなかなか見られない花が自生している貴重な場所だった。東京は狭いようで広い。まだまだ知らない東京があるのだった。
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