錫杖岳・前衛フェース「左方カンテ」「注文の多い料理店」


過去天気図(気象庁) | 2022年06月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
今シーズンは本チャンに行きたいのだが、昨シーズン全く岩登りをしておらず、パートナーがいない。Twitterで募集してみたところ、山スキーヤー・いっしーが反応してくれた。前週の時点で予報は微妙だったが、直前で好転したため予定通りの2つのルートで計画を実行することに。
6/19 「左方カンテ」
駐車場で待ち合わせて4時半過ぎに歩き出す。錫杖沢出合までは割とあっという間だった。岩舎にはまだ人はいないだろうが、ここでも十分快適なのでテントを張って荷物を置く。この時コンタクトレンズに替えたのだが、なぜか眼鏡を放置してしまったようで、紛失。眼鏡ケースが無かったことが敗因と思う。
沢を詰めてからピンクテープを追って登山道のような林の中の道へ。スケボーメットが吊り下がっている箇所で沢へ下り(ここが岩舎との分岐だった)、さらに沢を詰めるも、違う道と気づき引き返す。それでも取付きには一番乗りだった。じゃんけんに勝って1P目リード。簡単なガリーを登り、40mほどで3箇所カムをとる。すぐ後ろに大学生パーティ4人が続く展開。2P目フォローしてリッジに出る。3P目の右上するピッチが面白かったが、残置無しでオンサイトだと結構怖そう。
少し歩いてからいっしーがリード。実質4P目はやや濡れたチムニー。5P目は出だしでカンテを回り込んでしまい戻る。フェイスにクラックが走っていて気持ちが良い。6P目はやや悪いチムニーからスタート。7P目はかかりの良いスラブ。8P目ほぼ歩きで11時にはトップアウトしてのんびりタイム。5番を持ってきていれば、この日のうちに注文も登れたかも。後続4人パーティは烏帽子岩?へ継続しに行った。我々は「注文」側へ懸垂下降。快適な幕営地でビールを飲みながら山スキー談議。19時過ぎに寝たが、夜半の雨に何度か起こされた。
6/20 「注文の多い料理店」
雨で岩は濡れていそうだったので、隣にテントを張ったパーティとしばし探り合い。そうこうするうちに日帰りのパーティが何人か岩場に向かった。とりあえず取り付きには行ってみようと出発。取り付きに着くと、昨日の大学生パーティが「見張り塔までずっと」に取り付いていた。準備をしていると同じ幕営地だった4人が到着。当初目的は同じ「注文」目的のようだったが、我々が先に取り付いたのを見て、行き先を変えたようだった。
この日はじゃんけんに敗れ、偶数ピッチ担当。深夜の雨で岩は濡れているようで、いっしーが慎重にロープを伸ばす。2P目では枯れ木テラスの横にイワツバメが営巣しており攻撃される。途中草付きを踏んだ際にシューズが濡れ、岩場で足が滑って抜けて怖かった。あと終了点へのトラバースは糞が大量。3P目はいっしーがリードするもハングを抜けられず戻って来た。交替してここを越える。クラック登りの良いピッチだったが、2つ目のハング下にある終了点でピッチを切るか迷う。いっしーに意見を聞くと、リードしたいと言うので切った。
4P目は復活したいっしーがしっかりとリード。5P目は5番が残置されたオフウィズスからルートが不明瞭なリッジや草付きを登り、左方カンテと合流。この日はここまでとし、下降に取り掛かる。関西から来たらしき女性と終了点で少し話した。下降中に懸垂で回収不能になったと思われるロープを回収。ザックに入れるとずっしりと重かった。
テントを撤収してタワーのようになったマカルー(60L)を背負って下山。新穂高が近づくにつれて蒸し暑くなった。思えば快適な寝床に快適な岩場の2日間だった。アプローチは比較的短いので、下から日帰りでもありな感じ。秋にでもまた来てみたい(あるいは冬か…)。素晴らしい2日間をありがとう。
憧れだった錫杖岳クライミング。SNS上で募集を見かけ色々と不安はありましたがチャンスは逃すまいと行ってきました。
アプローチは快適。テント場と前衛壁は想像以上に行きやすく分かりやすいです。
岩小屋と錫杖沢出合とどちらにテントをはるか悩みましたが、出合を選択。多少岩まで遠いものの快適で良いテント場でした。それぞれ一長一短だと思います。
平日は雨がちだったので少しでも乾きやすいルートが初日に向いているかなと思い左方カンテを選択。
ジムの強いクライマーから手強いルートと聞いていましたが、リーチがあると比較的快適に楽しめるルートだと感じました。3p目のハングを超えや5p目ランナウト後のクラック フェイス、6p目のスタートと程よくアクセントあり、ルートのバリエーションもありと最高に楽しいマルチピッチでした。
二日目。この日も乾いた岩を登れると思って計画していたのですが、夜中ににわか雨が降りしっとりした朝。
とりあえず岩に向い注文の多い料理店を覗いてみることに。
一ピッチ目はなかなかに濡れていましたが、プロテクションはしっかり決まるところがありそう、2ピッチ目以降は完全にクラックなので人工登攀でもなんでも登れそうということでスタート。
残念ながら?じゃんけんに勝ってしまい濡れたピッチをリードすることに。なかなかフリクションが分からずメンタル削りましたが時間をかけて突破。
2p目は燕のフンに背中を擦り付けながら少し厳しいムーズをして突破。
問題の3p目。スタートのハング越えでフィストジャムを決めることができず敗退。トマホークさんにリードをしてもらってこちらはA0フォローでした。乾いたころにリベンジしたいピッチです。
その後はメンタルも回復し、ワイドの4p目をリード、バリエーション豊かな5p目をフォローして終了。
ずっと登りたいルートでしたが、結果はクラック の経験不足で敗北感しかない一本となりました。
初めてのパートナー、岩場、慣れない本ちゃん?、クラックと不安の多い二日間でしたが、経験豊かなパートナーのお陰で気持ちよく楽しむことができました。
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