大井川 東俣（二軒小屋上流）360度映像撮影山行...途中敗退
静岡県
guil
体力度について
- GPS
- 05:36
- 距離
- 12.9km
- 登り
- 856m
- 下り
- 866m
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| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2022年06月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
自転車
二軒小屋まで自転車。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
東俣橋から中部電力のモノラック車庫までは特に問題なし。 （蝙蝠岳登山口手前に路盤流失箇所があるが、増水時でなければ通行に問題はない。） 第一橋までの右岸は所々崩壊箇所が有るが、通過困難な場所はない。 一時的に河原を歩くこともあった。 第一橋左岸側は河岸が広範囲に流失していて、橋脚横に引っかかっている岩を伝って降りることになる。 第一橋の上流（左岸）約500mあたりから崩壊により道が無くなる。 今回、急峻で脆い岩壁のすぐ下をトラバースするような形になってしまったが、時間的にも安全面でも、河原を歩いたほうが良いと思った。 今回は、地図にある道をできるだけトレースしようと思っていたため、渡渉はできるだけしないように心掛けた。 上記崩壊地を通過後、左岸道が復活した場所に焚き火跡を発見した。 周囲に草が生えていたので最近のものでは無いと思う。 再び崩壊により道が無くなり、河原を歩く。 渡渉し右岸側へ移動するが、第二橋の手前には右岸側にも踏み跡のような道が出来ていた。 右岸側から見た感じでは、左岸道は第二橋下流側に数十mほどしか残っていないように見えた。 第二橋は右岸側がコンクリートによる橋脚、左岸側は山体と一体になっていると思われる巨岩が橋脚になっているようだ。 左岸側の路盤は流失しており、左岸側に道が殆ど無いことも含めて、橋としての役割は無いと思われた。 第二橋から八丁平までは数か所崩壊地が有るが、河原に降りる事は無かった。 第三橋までの八丁平は直線距離で約350m、平場の植林？地帯（木の根本に食害よけのネットのような物が巻かれていた。）が続く。 道から外れた場所に廃屋があり、近くにバイクの残骸が転がっていた。（スズキ ウルフ125：1969年） 第三橋は橋上に樹木が街路樹のように生えている。 第一〜第三橋に共通なことであるが、橋体は鉄骨で作られていて、その上に丸太が並べられている構造である。 その丸太の上に土砂が堆積し植物が繁茂しているのだと思うが、第一橋を見ると丸太の腐食が進んでいて、安易に橋中央部を歩くと場合によっては踏み抜く可能性もあるので、できる限り鉄骨部分を歩くようにしたほうが良いと思った。 第三橋を渡った所から始まる崩壊地は危険を感じることは無かった。 復路で気がついたのだが、第三橋手前で河原に降りて数十メートル遡上し、渡渉することによりこの崩壊地は容易に回避できる。 増水時でなければこの方法がベストだと思う。 上記崩壊地を過ぎ、左岸道が復活したあたりに分岐が現れる。 右側登り、左側平坦路。 確認はしていないが、右側に行くと先にある稜線部からの大規模な崩壊地（薙）の途中に出るのではないかと思われる。（昔の林道跡？） 左側の道を進み、行き止まりと思われる場所で河原に降りて、右岸側を歩くことになるのではないかと思う。（今回はこの地点で敗退した。） この地点の河原にはワイヤーロープが数本転がっていた。 また頭上にも1本ワイヤーが張られていた。 昔索道でも有ったのだろうか？ ワイヤーロープに結束されたトラロープも見られた。（いつ頃の物なのだろう？） |
| その他周辺情報 | 河原に動物の足跡が多数あった。 ヒヅメ系（鹿、カモシカ等）、肉球系（クマ、たぬき、キツネ） 大きさからクマと思われるものが結構な数有ったので、クマ対策も必要と思われる。 |
写真
拍手
蝙蝠岳登山口手前。数年前まで道があったようだが、流失してしまっていた。
増水時でなければ通過に問題はない。
通行帯を示すためか、鉄筋が岩に打ち込まれている。
数年前まで道があったようだが、流失してしまっていた。
増水時でなければ通過に問題はない。
通行帯を示すためか、鉄筋が岩に打ち込まれている。
同じようなデザインで、関連会社の「十山株式会社」の看板も二軒小屋までの林道で見掛ける。
この看板を境に道が激変する。
第一橋を右岸側から見る。橋上には砂が少し堆積している程度で、第二，第三橋のように植物は繁殖していなかった。
丸太には所々腐食があり川面が見える。
踏み抜きの注意が必要で、「橋の端を歩く」ようにしたほうが良い。
橋上には砂が少し堆積している程度で、第二，第三橋のように植物は繁殖していなかった。
丸太には所々腐食があり川面が見える。
踏み抜きの注意が必要で、「橋の端を歩く」ようにしたほうが良い。
左岸側はかなりの範囲で土壌が流失している。
川幅は狭くなり流れが早まり、両岸は切り立っている。
増水時にはこの位置まで水が来るようだ。流木が引っかかっていた。
屈曲部を過ぎ、左岸道が復活したあたりに有った焚き火跡。山屋か釣り師か．．．
周りに草が生えているので最近のものではないみたいだ。
山屋か釣り師か．．．
周りに草が生えているので最近のものではないみたいだ。
左岸側の道は殆ど残っておらず、橋としての役割はほぼ無いと思われた。
左岸側は流失して路盤は無い。
右岸側とは左端が僅かにつながっている。
地図上では全長350mほどのようだが、歩いてみるとその倍以上の広さを感じる。
廃小屋の横に放置されていたバイクの残骸。先輩に画像を送ったら「スズキのウルフ125」だと即答してくれた。
1969年発売．．．50年以上経過しているが、マフラーもフェンダーもほとんど錆びていなかった。
当時のメイド・イン・ジャパンは凄い！！！
先輩に画像を送ったら「スズキのウルフ125」だと即答してくれた。
1969年発売．．．50年以上経過しているが、マフラーもフェンダーもほとんど錆びていなかった。
当時のメイド・イン・ジャパンは凄い！！！
第三橋の橋上。蘭干のように堆積した土壌に樹木が育っていた。
街路樹のようにも見える。
鉄骨の枠に丸太渡しの橋なので、腐食による踏み抜きには、今後注意したほうが良いと思う。
蘭干のように堆積した土壌に樹木が育っていた。
街路樹のようにも見える。
鉄骨の枠に丸太渡しの橋なので、腐食による踏み抜きには、今後注意したほうが良いと思う。
第三橋左岸上流の崩壊地。草が生えていて最近は崩れていないことが分かる。
比較的安定していて、寸又川左岸林道の崩壊地のような恐怖感は全く無い。（復路は対岸に渡渉しこの部分は回避した。）
草が生えていて最近は崩れていないことが分かる。
比較的安定していて、寸又川左岸林道の崩壊地のような恐怖感は全く無い。（復路は対岸に渡渉しこの部分は回避した。）
第三橋左岸上流150mほどの場所に有る分岐点。右：登り、左：平坦。
右側：恐らく昔の林道跡。この先の崩壊地を河床から数十メートルのところを通過していたと思われる。（実踏はしていない。）
左側：河原に通じる。こちらを通って河原を歩くのが吉。
右：登り、左：平坦。
右側：恐らく昔の林道跡。この先の崩壊地を河床から数十メートルのところを通過していたと思われる。（実踏はしていない。）
左側：河原に通じる。こちらを通って河原を歩くのが吉。
分岐点からの右側の道は、この画像の中央辺りに出てくるのではないかと思う。
残念！！
中にはトラロープが結束されたものが有った。
いつ頃の物なのか、非常に気になった。
渡渉し右岸を歩き、第三橋のたもとに出る。
装備
| MYアイテム |
guil
重量：-kg
|
|---|---|
| 個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図（地形図）
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
熊よけスプレー
|
| 備考 | トレッキングポールは邪魔だった。 寸又川左岸林道同様、ピッケルのほうが使い道が有ったと思う。 |
感想
今回の山行には3つの目的が有った。
1つ目は、30数年前にオフロードバイクで川渡りをした場所が東俣か西俣かを確認すること。
2つ目は、国土地理院地図記載の道に沿って360度映像を撮影すること。
3つ目は、本来の大井川起点とされる「東俣堰堤」まで行くこと。
1つ目の目的はスタートしてすぐに達成された。
どう考えてもバイクで川渡りできるような場所ではなかった。
2つ目の目的．．．
3つ目の目的を達成すべく、地図やネット上の情報から東俣の状態を把握しようと思っていたが、断片的な情報で道の状況が判断できなかった。
山初心者である自分に、その能力が無いのだと思うが、なにか道標的なものがあれば、初めて東俣を訪れる人の助けになるのではないか．．．
そのような意味合いも含めて、360度映像の撮影を考えた。
3つ目の目的．．．
これが本来の目的だ。
二軒小屋に有る「大井川 起点」という看板に騙されていた。
本来の起点は「東俣堰堤」といった内容の文章が、テプラでさり気なく目立たないように貼ってあるのだ。
3時半頃に沼平を自転車で出発し、6時には東俣と考えていたが、出発が4時半、東俣橋を出たのが7時45分頃．．．
毎度のことながら、愚図な性格のお陰で予定がどんどん遅れて行った。
山行と言って良いのか．．．登山のためのアプローチ．．．
そのアプローチ部分だけの山行？だ。
ヤマレコの地図にプロットされているGPS情報を参考に、できる限り国土地理院の地図に忠実に歩こうと考えた。
中部電力のモノラック車庫を過ぎるといきなり道が変わった。
自分の感覚では、最近人が入ったような感じがしなかった。
草の状況や崩壊地の斜面の状況から．．．
前々日に歩いた寸又川左岸林道のお陰で、東俣の崩壊地は恐怖心も無く、精神的には非常に楽だった。
ただ、左岸林道で痛めてしまった足の指が痛くて、崩壊地の通過が苦痛であった。
これが原因で途中敗退することになってしまった。
渡渉なし、河原歩きなしが2つ目の目的の基本コンセプトなので、渡渉用にウォーターシューズを持ってはいったが、使うことはなかった。
ヤブっぽいところが多く、ヘルメット上に付けている360度カメラが何度も枝に引っ掛かり、非常に邪魔だった。
一応トレッキングポールも持っていったが、これも邪魔だった。
3つ有る橋は橋体が鉄骨でその上に丸太が並べられている。
第一橋は丸太が露出していたが所々腐食が有り、踏み抜きする危険を感じた。
第二、第三橋は橋の上に土砂が堆積し樹木が繁茂しているが構造は同じなので、同じことが考えられる。
第三橋上流の崩壊地を過ぎたところに分岐点が現れる。
右は登り、左は平坦路。
自分は左を行って河原に降りたが、右の登りは奈良田越手前の大崩壊地の下部に出ると思われる。
河原から見た感じでは結構な高さが有るので、特別な理由がなければ左の道を行くのが吉である。
せめて大曲まで．．．と思っていたが、結果としてこの崩壊地の下で引き返すことになった。
索道が有ったのか、河原にワイヤーロープが転がっていた。
上空にも1本ワイヤーが通っていた。
復路はこだわりを少し緩めて河原を歩くことが多くなったが、河原の砂地に動物の足跡が結構な数見られた。
ヒヅメ系は鹿とかカモシカ、肉球系はクマ、たぬき、キツネか。
結構大きめな肉球系の足跡が目立った．．．クマだ。
肉片の付いた骨が落ちていたりと、自分が野生の領域に居ることを強く感じた。
熊よけスプレーは持って行ったが、出会わないのが一番だ。
何らかの対策をして歩くのが良いと思う。
八丁平に有った廃小屋のすぐ横にバイクの残骸を見つけた。
2ストのツイン。
直線状のメッキマフラーが2本。
タンクのエンブレムとダイナモカバーが外されていてメーカーは不明だった。
自分が小学生の頃見たような気がしたバイクだった。
足の不調も有ったので、詳しく調べることも無く立ち去ったが、帰宅後に画像を先輩に見てもらった。
「スズキのウルフ125。」．．．即答だった。
販売開始が1969年、50年以上前のバイクだ。
こんな山の中に放置されているにも関わらず、マフラー、フェンダーのメッキ部分にサビは見られなかった。
50年前のメイド・イン・ジャパンは凄かった！
増水していなければ、東俣は河原歩き、渡渉前提で歩いたほうが安全で早く目的地に到着できると今回学習した。
近々、バイクで川渡りしたであろう西俣に行こうと考えているが、それに備えて、靴の履き替えをしなくても渡渉できるように、メッシュ地のトレランシューズを購入した。
写真にある川渡りした場所、林道造成中だった切通しの場所を確認して来たい。
関東からココまでは遠いし高速料金も往復で￥15,000掛かってしまう。
こんな理由も有ってハシゴしてしまうのだが、昨年、今年の失敗を考慮して、一遠征一箇所にしようかなと考えている。
今回目的が達成できなかった東俣は来年にとっておこうと思う。
追記：
国土地理院（地図・空中写真閲覧サービス）の1970年10月撮影の空中写真（モノクロ）を見たところ、大曲の西側から二軒小屋方向（蝙蝠岳登山口の広場）に向けて山肌にうっすらと線状の痕跡が見られる。
今回の引き返し地点となった河原の真上も通っている。
https://mapps.gsi.go.jp/contentsImageDisplay.do?specificationId=623742&isDetail=true
CB708Y-C5A-12
（注：「同意する」をクリックして再度上記リンクをクリックすると空中写真が開きます。）
往路で通った分岐点左の道は、索道直下の通路のようだ。
大井川、東俣の林業には「川狩り」「鉄砲出し」という歴史が有ったようだ。
推測では有るが、地図上の痕跡は木材搬出用の索道跡なのではないかと思う。
（Googleマップで距離を測定したら約4.5kmあった。）
引き返し地点の河原に散乱していたワイヤーロープは、この索道の残骸なのだと思う。
Googleマップで大曲西側の山の上を良く見ると、小屋らしきものが見える。
https://bit.ly/3PHret5
恐らくこの場所を出発点としていたのではないだろうか。
昭和40年代．．．賑わっていたであろう時代の八丁平に行ってみたくなった．．．
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