イドンナップ岳
- GPS
- 16:07
- 距離
- 15.4km
- 登り
- 1,745m
- 下り
- 850m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
穴ポコ道路なので、慎重安全運転で2時間ほどかかりました。 駐車場は4台くらい。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
前半が笹借りがされていてホッとしますが、やがて笹トラバースへ。 全体の7割くらいは笹のイメージです。 新冠富士からイドンナップ岳はハイマツで無くなりそうなものはリュックの中にしまった方がいいです。 |
その他周辺情報 | 新冠温泉レコードの湯。500円 |
写真
感想
登れない、登りたくない山として何年も北海道百名山の前に立ちはだっかてきたイドンナップ岳。
そろそら結論をださなければと思い、向かいました。
登って帰ってこれる気は全くありません。
時期としては日が一番長い6月中旬から下旬をねらっていましたが、今年の新冠林道が開通したのは6月18日。
その後天気が思わしくなく7月に入ってしまいました。
理想としては新冠林道が5月中に開通してくれれば残雪があって、かなり楽になりそうなんですが、、、
前日のうちに登山口に入って翌日に備えます。
日が明けると同時に出発しましたが、今日は自分ひとりのようです。
尾根に取り付くまで3回の渡渉がありますが、いずれも水位が高く登山靴では無理でした。
裸足で渡渉しました、水が冷たく、足の裏が痛かったです。
尾根に取り付くとそこから新冠富士がとてつも長く時間がかかります。
笹トラバースが繰り返し現れ、苦しめられます。
軽アイゼンを装着しますが、それでも濡れた笹は結構滑ります。
新冠富士からイドンナップ岳までの間はハイマツ帯があります。
足元は明瞭ですが、背の高めの松の枝に遮られてやはり体力を消耗します。
すね当てを付けなかったので、足は傷だらけです。
イドンナップ岳に着いたのが14時を少し過ぎていました。
出発から10時間半もかかっていました。
先を急ぎます。
なんと、iphon2台とsuunto 9のバッテリーが次々と切れGPSが使えなくなってしまいました。
iphone1台の電源をを切って温存しておくか、携帯バッテリーと接続コードを持って来れば良かったと後悔しましたが、今更どうしようもありません。
今夜は適当にビバークするしかありません。
汗冷えで寒く夜は一睡もできませんでした。
方向音痴で場所を記憶できない自分にとってGPSは目の代わり。
こんな登山道が不明瞭な山でとうやって帰るのか?
遭難そして死を意識しました。
翌日、登山道を外れないよう慎重に歩きます。
道を外れたと思ったら、元に戻って目を凝らしてよく観察します。
同じ場所をいったり来たり時間がかかり体力を消耗します。
最初の渡渉地点がどうしもわかりません。
記憶が全くないのです。
デジカメに写真が残っていました。
デジカメのタイムスタンプで距離を推測し、見つけることができました。
ここで無事帰れることを意識しました。
2回渡渉したら駐車場に着きました。
何年も山に登ってきたつもりですが、まだまだ未熟なのを思い知らされました。
この山がはじめての方なら、はなるべく経験豊富な人と登るのが安心だと思います。
イドンナップ岳は日帰りの山とされていますが、ペテガリ岳やカムエクを日帰りできるような相当の体力がなかれば難しいのではないでしょうか。
すくなくても自分の体力では遥かに無理でした。
イドンナップ岳へはもういくことはありません。
今は今回の山行は早く忘れてしまい、楽しい山行をしたい気持ちしかありません。
△△ 水 △△
下の沢まで水場はありません。今回は4リットル上げましたが1日で3リットルなくなり、2日は沢へ下って水を汲みました。
△△ 食料 △△
1日分とカロリーメイト。
食べ物がなくなると力が出ませんが、水があるとなんとか行けます。
2日目はカロリーメイトを半分だけ食べました。
△△ 装備 △△
軽アイゼンは必須だと思います。登山靴では濡れた笹トラバースでは滑って全く進めません。
△△ ダニ △△
5箇所ほど刺されなした。3箇所は持参したダニよけスプレーを吹きかけ死んだの見計らってダニの体を回しながら引張ったら口が残らず取れました。
2箇所は皮膚科で切開してとってもらいました。
△△ 失ったもの △△
下山で片側のアイゼンを無くしました。
戻って笹の中を探すのもむりだと思いそのまま進みました。
やがてもう一つも失い、笹トラバースでひどく苦しめられました。
新冠富士からイドンナップ岳のハイマツ帯ではドリンクホルダーとハイドレーションのチューブを失いました。下山でドリンクホルダーは見つかりました。
笹トラバースでストックを失いました。
たまたま入山者(YAMAPの方?)がいて追い抜きがてらにもらいました。
ありがとうございます。
◆ 追 記
7月5日 皮膚科にてダニ2箇所(腰)切除
7月8日 皮膚科にてダニ1箇所(脇)切除
コメント
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イドンナップ岳のレコは、以前にどなたかのものを拝読し、この山へ行く方々のエネルギーにただただ圧倒されました。道南の雄atreyuさんのレコに、そのイドンナップの名が!うおぅ。もうドキドキワクワクしながら拝読いたしました。
ダニ軍団が手ぐすね引いて待ち構えているだけでなく(私はもうこれだけで尻尾を巻いて退散です)、長い上に険しい難攻不落の彼の地へ、果敢に挑まれ、登頂される心身の逞しさには、頭が下がりっぱなしです。リビラ山のダニダニレコをふと思い出し、またまた拝読いたしました。atreyuさんのレコは何度読んでも飽きさせない不思議な魅力があります。
いや、それにしても行間にドラマを感じるすごいレコでした。
次なる冒険にワクワクが止まりません。
すてきなレコをありがとうございました。
自分が頑張れるのは山くらいです。
他のことは全然だめですから。
だから無理しちゃうんですね。
身分の身の丈にあったことをしないたと。
もっているものの70%で楽しむのが基本かもしれません。
そう、リビラ山に続いて2回目のダニ被害です。
やっぱり日高の山はダニですね。
でも、ダニのことはどうでもいい些細なことでした。
ともかく、無事に帰ることが一番でしたら。
daniyamaさんのコメントにはいつも癒されてしまいます。
daniyamaさんが、同行していてくれたらどんなに心強かったか、、、
ありがとうございます。
イドンナップ壮絶でしたね。
ビバークは心細かったでしょうね。
よくご無事で戻ってこれました。お疲れ様です!
新冠富士とイドンナップの間には僕もメガネを落としています。
いつか探しに行こうと思っていますが年々ハードルが高くなるような気がします。
これからは楽しい山に行ってくださいね!
i-tomoさんのイドンナップ登頂記は何度も拝見させていただきましたが、その凄さが身をもってわかりました。
ビバークはエサオマントッタベツ岳に続いて2回目の経験です。
前回はツェルトも予備バッテリーも持って行ったのですが、今回はリストに入れていなく全然教訓を生かせてませんでした。
無事生きて帰れたことは奇跡だったと思っています。
これからは無理をしないで山を楽しみたいと思います。
i-tomoさん、どうもありがとうございました。
僕もイドンナップは19時間以上の大変な山行になったので、読ませていただいて当時の光景が蘇りました。
もちろんマダニにもやられました。
ご無事で何よりです!まずは疲れを癒してください!
i-tomoさんと、mikuriさんとの三銃士のイドンナップ登頂記は読ませていただきました。
コースを外れて山の中を彷徨ったので距離が伸びてしまい、まだ、足腰が伸びないくらい疲れとれません。
しばらくは静かな山行を楽しみたいと思います。
tacasicaさんありがとうございます。
atreyuさんなら必ず登ると思ってました。
あの笹藪の登山道を1人で見つけるのに大変だったと思います。
赤丸、少しは役立ったようで良かったです。
iPhoneの電池切れでのビバークは、かなり心細かったと思います。ご無事で何よりです。
実はwhippetさんが行かれた日、新冠林道が開通した週末に行こうと思っていましたが、天気が良くなさそうなので延期しました。
今回も天気があまり良くなかったのですが、暑過ぎず良かったかもしれません。
whippetさんの笹トラバースルート、楽で助かりました。
北海道百名山はあと1座になりましたが、来年の4月にwhippetさんの記録を参考に挑戦したいと思います。
whippetさんも頑張ってください。
もしかして、今回はツェルト無しのビバークですか?まさかや〜😱
ツェルト無しでした。雨が降ったらアウトでした。
軌跡を見てもかなり大変だったと感じました。
あの山で野宿、想像が出来ません。
私も天候が崩れる前にと、無理して登りましたが、最悪の事態を考えると色々と考えてしまいました。
残りの13座、大変な山はクリアーしましたが、今回の事を踏まえて挑みたいと思います。
イドンナップ岳、大変お疲れさまでした。単独でしかもビバークになったこと、とても大変だったと思います。電池切れでGPSが使えない中、無事に下山されたのいはatreyuさんの経験の賜物ではないでしょうか。とにかくご無事に下山できて何よりです。。
「イドンナップ岳へはもういくことはありません」、とても理解できます。私も下山後はしばらくそう思っていました。でも最近また行きたいな、って思うように。不思議な魅力(?)をもつお山ですね。今はとにかく疲れを癒してくださいね。レコ、楽しみにしています。
yo-shaさんがイドンナップ岳に登られた時のレコを拝見させていただきました。
皆が苦労の末、登って記念撮影した頂上の看板はyo-shaさんが建てられたものだったのですね。
yo-shaさんがレコで書かれている【注意!】は
まさしく今回の私の山行に対して言われていることです。
人は痛みを味わって初めて学ぶは私のことです。
イドンナップ岳はどうして尾根を外して登山道を付けたのか私にはわかりませんが、今の笹薮の成長具合からするともはや廃道に近い感じがしました。
yo-shaさんにとって思入れの強い お山、
再訪されるのならお気をつけて頑張ってください。
GPS,ギアなど色々なものを失いながら死を覚悟した山行、ドキドキして読みました。無事に帰還されてホッとしました。
お疲れ様でした!
ゆっくりゆっくり休んでください。またのレコを、楽しみにしています。
目国内岳お疲れ様でした。
目国内岳の岩場の頂上の登り方がわからなくて苦労した思いがあります。
ナイショですけど、それにちょっと怖かったですね。
透明のサンカヨウ、私はまだ見たことないです。
羨ましいです。
イドンナップ岳、生きて下山できて良かったです。
まだ、生きていていいよって神様が助けてくれたのだと思います。
感謝、感謝。
強い緊張と心臓をバクバクさせながら、遅ればせながら読ませていただきました。本当にご無事でよかったです。お一人でのビバーク、想像を絶します。この記録は、後続の人間にとっては示唆の多い大切な贈り物となる事と思います。ありがとうございました。きっと少しして落ち着かれましたら、また楽しくも、ハートが熱くなる様な山行を展開されていらっしゃる事と思います。
お気をつけて山行をお続け下さい。
ありがとうございました(´- `*)。
お粗末な恥かし山行なのでレコに揚げるのははばかれるところですが、失敗は失敗として自分の山行の記録として残したいと思いました。
他の人にとっては見るに値しない山行記録だと思いますが。
体力的にも精神的にもにはかなり厳しかったです。
今は気持ちも落ち着き、体のダメージはかなり回復しました。
もう少し夏山を楽しもうかなって気持ちになってきました。
mina06さんもこれからの夏山を一杯楽しんでください。
ありがとうございました。
その様な事はありません。ありのままを残す事は、辛い面もあった事でしょうが、一番の勇気だと感じます。そして、これから行く登山者(私も含めて)に、とても強い力を与えてくれると思います。
お気持ちも落ち着かれた様で、何よりです。また、お山を楽しんで下さいね〜🌼。
優しいお心使いどうもありがとうございます。
なんだか、元気をもらえた感じです。
どうもありがとうございます。
mina06さんも元気で楽しい山行を続けてください。
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